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第05回トーナメント:予選②




No.5148
【スタンド名】
ショッキング・ブルー
【本体】
巻 誠志郎(マキ セイシロウ)

【能力】
触れたものを飲み込む渦を空間に作る


No.5143
【スタンド名】
ハイ・ヴォルテージ
【本体】
露持矢 夢亜(ロジヤ ムア)

【能力】
触れたものを「持ち上げる」




ショッキング・ブルー vs ハイ・ヴォルテージ

【STAGE:海辺】◆iL739YR/jk





晴れ渡る青空 澄み切った海 清らかな砂浜
現世の極楽を思わせる美しい海辺に二人の青年が対峙する。

「他に人がいないところを見ると……アンタが俺の対戦相手かい?」
服装こそどこかのチンピラのようだが、そんな雰囲気を微塵も感じさせない高貴で端正な顔立ちの青年、巻誠志郎(まきせいしろう)は向かい合う青年に問い掛ける。

「ええ。貴方がおっしゃっているのが、例のトーナメントのことならば、恐らくそうなるでしょうね」
答えるは、上質なスーツを纏い、眼鏡、時計といったアクセサリーも全て高級品。見るからに育ちの良さと理知的な雰囲気を漂わせる青年、露持矢夢亜(ろじやむあ)。

「で……アンタ、準備は?」

「スタンド使いたる者、常に心構えはできているつもりです」

「「…………」」

「ショッキング・ブルー!」 「ハイ・ヴォルテージ!」

二人の掛け声が同時に響き、闘いの火蓋を切って落とした。


「(向こうも近距離型か?)」
同時に展開された相手のスタンドを確認し、巻は即座に距離をとる。
「(本来、接近戦なら渦に巻き込みやすいからカモなんだが……)」

「ほぉ、慌てて殴りかかるほど間抜けではないようですね」

「(こいつ……出来る。隙がねぇ……)」
対峙する巻は、露持矢の落ち着き払った余裕のスタイルに不安の色を拭えない。

「……来ないようなら、こちらから行きますよ」
ハイ・ヴォルテージが一気に間合いを詰めて殴り掛かる。
「……させるか!」
ショッキング・ブルーも負けじと迎撃体制を整えるが……
「なっ……!」
突如、巻の足元から拳大の砂が飛び上がり、巻の顔面を下から殴り付ける。
「隙あり……ハイハイハイハイィィ!!」
巻が砂拳に怯んだ隙に、ハイ・ヴォルテージはショッキング・ブルーへラッシュを浴びせる。
「ぐっ……な……めるなぁ! ウラウラウラウラウラウラ!!」
反応が遅れ、最初の数発こそ喰らったものの、巻はすぐに体制を立て直し、ラッシュにはラッシュで迎撃する。

ぶつかり合う拳と拳……
両者のパワーとスピードはほぼ同等。
互角のぶつかり合いに堪らず、露持矢はラッシュを止め、一旦距離をとる。

「……なかなかやりますね」
「アンタこそな……」

「(単純な殴り合いでは日が暮れますね)」
「(短期決戦で決めるには……あの策だな)」

スタンド能力でのぶつかり合い……両者の決断は早かった。


再び巻の足元の砂が宙へと舞い上がる。
「(ハイ・ヴォルテージの能力は『持ち上げる』こと……事前にこの一帯の砂浜は仕込み済みです)」
拳大の砂の弾丸が2mほどの高さまで飛び上がる。
砂拳は何度も何度も打ち上げられる。
だが、巻はそれを予期していたかのように全て避けていく。
しかし、とうとう避けきれずに一つが巻の顔面に迫る……

「ショッキング・ブルー!」
それでも巻は諦めない。
即座に己のスタンドの指先を砂拳に向け、そこから発せられた渦によって砂を巻き込み、消し飛ばしていく。

「何……!?」
己の攻撃が跡形もなく掻き消されたことに驚く露持矢。

「危ねぇ危ねぇ……アンタどれだけ仕込んでるんだ?」
一方、汗を拭う真似をして見せる巻。その姿には若干の余裕が見える。

「……俺は既にアンタの能力を見切った。アンタのスタンドの能力は物体を『打ち上げる』ことなんだろ? つまり、その攻撃は全て下から上へ向かう。予め軌道が予測できれば避けるのは造作もねぇ……」

「(馬鹿な、こいつ……ラッシュ前のあの砂の一撃でそこまで読んだというのか……?)」

「今度はこっちの番だ!」
巻はショッキング・ブルーを走らせる。その軌道上に幾つもの渦を生み出しながら。
そして、その渦は円を囲むように配置され、露持矢を囲い込む。
「何をする気だ……!」
「攻撃ってのはこうやるんだよ……いくぜ!!」
ショッキング・ブルーが一つの渦へと飛び込むと、間髪入れずに別の渦から飛び出し、露持矢へ殴り掛かる。
「く……」
ギリギリのところで回避するも、ショッキング・ブルーは飛び掛かった勢いそのままに、また別の渦へと飛び込む。
そして、再び間髪入れずに別の渦から飛び出し、露持矢へ殴り掛かる。
「ウラァ!!」
「ちっ、面倒な真似を……!」
360度四方八方からのスタンドラッシュ……
ギリギリのところで回避し続けるが、このままではじり貧……
いずれ、露持矢は間違いなく押し切られる。


「とどめだ!!」
疲労が溜まったのか、動きを止めた露持矢にショッキング・ブルーの拳が迫り来る!!

「ふん……くだらない」
拳が今にも直撃するかというところで、その軌道は突然変わった。
「な…何!?」
勿論、巻の意思に反して……拳の軌道は変わる。
そう、『下から上へ向かう』軌道に。

「ま…まさか……」
全てを察した巻。だが、時既に遅し。
両手の拳、そして先程ラッシュを叩き込まれた部分を摘んで引っ張り上げられたかのように宙へと受かんでしまい、身動きがとれない。

「貴方は勘違いしていたようですが、私のハイ・ヴォルテージは触れたものを打ち上げるわけではありません。『持ち上げる』のです」
宙に浮かんで動きのとれない巻の背後に回り込むように、ゆっくりと歩み寄る。

「打ち上げたものならば、いつか自然に落ちるでしょう。しかし、持ち上げたものはそうはいきません。私が下ろすまで永遠にぶら下がったままとなる。このようにね……」
背後に回り込んだ露持矢は自らもスタンドごと巻と同じ高さへと持ち上がる。

「貴方はなかなか優秀でした。敗因はただ一つ……私が相手だったことです」
そして、この試合最後のラッシュが無防備な巻の背後に叩き込まれた。

★★★ 勝者 ★★★

No.5143
【スタンド名】
ハイ・ヴォルテージ
【本体】
露持矢 夢亜(ロジヤ ムア)

【能力】
触れたものを「持ち上げる」








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最終更新:2022年04月16日 14:23