イラスト
作戦
SS
作:癖毛爆男
「攻撃は最大の防御って言うけど、じゃあ防御は最大の攻撃なのか?」
ふと、思いついたことを言うのがこの隊長の悪い癖である。しかも、時間を選ばないのがまた質が悪い。
「・・・いいから、隊長。真面目にやってください」
「訓練中とは言っても、それほど気を抜いていいわけじゃないんですよ?」
コパイの二人が呆れたように注意する。
もはや日常茶飯事過ぎて、時々注意すらされないのはお約束というかなんと言うか。
「判ってるよ、別に手はぬかねえって。ただ、ちょっとした疑問を呟いただけだろうが・・・」
はぁ、とため息を吐く隊長。明らかにこの男が悪いのだが、まるで「お前ら空気読め」と言わんばかりである。
当然、空気を一番読んでないのはこの男なのだが。
『それでは訓練を再開します。相手との距離700です。射撃か白兵かは不明とします』
「了解、んじゃ、アレやるか」
隊長はそういうと、I=Dを操作して機体の重心をぐ、と落とす。
「コパイ1は敵の情報を常に監視。コパイ2は機動補助だ」
「いつも通り、ですね。了解です」
「回避か防御か、決まったらすぐに伝達お願いします」
「あぁ、判ってる」
そう、このI=Dの姿勢は防御も回避も出来るようにした、優れものである。
受けるならば、山の如く動かずに装甲の厚い部分を当てる。
避けるならば、ブーストを駆使して、引きつけてから風の様に一気に回避する。
「・・・まぁ、これで回避ってやりたくないんだけどな、実は」
何しろ、静止状態から一気に動くのだから、相手の反応も間に合いづらくはなるが、こちらへ来る反動もまた、大きいのだ。
「じゃあ、回避にしておきましょうか」
「そうですね。ある程度は慣れておかないといけませんし、やっぱり」
「お前ら、実はマゾなんじゃ・・・いや、なんでもない。判ってる、俺が悪かった」
隊長の言葉に見えないのだが、二人が睨んだのを何となく察した隊長は即座に謝る。
「それじゃ、まぁ・・・死なないように防御機動するぞ」
そういうと、訓練相手のI=Dが動き出した。
「あれ? 珍しいですね。パイロットの方が自主的にここに着てるなんて」
整備士の一人がある様子を見て、呟いた。
そこはI=Dのハンガー。そこには整備士の班長とパイロットの隊長が話をしていた。
「そうだな。どういう風の吹き回しかと思えば」
整備士の班長が苦笑する。続きを言おうとした瞬間。
「わーわー、やめろー、やめるんだー」
パイロットの隊長がぎゃーぎゃー騒ぐ。
だが、それもあっさり無視して班長が続けた。
「なんでも、搭乗I=Dの構造を詳しく教えて欲しいそうだ」
「へー・・・隊長さんって、不真面目なイメージがあったんですけど、意外に真面目なんですね」
その言葉を聞いて、整備士が笑った。
「お、お前らの中で俺はどういうキャラに・・・いや、いい、言うな、絶対言うなよ、ちくしょー!」
くっそー、と悔し涙を流しながら隊長がスペックカタログと班長お手製の機体情報を見比べている。
「ま・・・コイツにはコイツなりの意地とかもあるんだろうし、放っておいてやれ」
「はぁ・・・判りました。それじゃあ僕は、整備に戻りますね」
そういって整備士が去れば、そこに残るのはパイロットの隊長と整備の班長だけである。
「・・・くそ、やっぱり・・・色々、違ったりするんだな、実際」
カタログスペックと班長手製の情報を見ながら、隊長が呟く。
「それは仕方ない。それに、俺の方が間違ってる可能性もあるが、少なくともうちが持ってるI=Dの詳細情報はそんな感じだ」
ため息と苦笑をしながら、班長が隊長の向かいに腰掛けた。
「・・・なぁ」
「なんだ?」
「もし、攻撃を受けるなら、何処が一番いいんだ?」
隊長がまっすぐ、真剣な瞳で班長を見る。
「・・・そうだな、それなら・・・ここだろう」
班長がI=D図面の一点を指した。
「ふむふむ・・・なるほどな・・・後、悪いんだが」
「なんだ、言ってみろ」
「ブースターのな、出力なんだがすぐに最高まで引き出せるようにしておいてくれないか?」
「・・・結構無茶を言うな。一応、理由を聞かせろ」
班長がまっすぐ隊長を見れば、隊長は目をそらすことも無く、答える。
「生き残る為だ。部下を殺す気も、俺が死ぬ気もないからな」
「・・・了解。俺たち整備班はそれを手助けするために存在する」
隊長の正直な言葉に班長が苦笑した。そして、そのままつい思った事を言ってしまう。
「普段から、真面目にやればいいんじゃないか?」
「俺が真面目になったら、誰が冗談を言うんだ?」
「・・・ごもっとも」
なんと正論な事を言うのかと、とうとう班長は爆笑した。
「敵、迫っています! こちらに攻撃する模様です!」
「マズイですよ! 結構やばそうです!」
コパイの二人がデータを算出しながら報告する。
「よし、敵の攻撃の種類を割り出せ。あと、乱数回避の準備もしておけ、一応な」
射撃に備えて乱数回避の用意などをしながら、メインパイロットの男自身は白兵の時に備える。
機体の重心をぐ、と落とし、いつでも動けるようにブースターも温める。
「さーてさて・・・蛇が出るか蛇が出るか」
ニヤ、と笑うメインパイロットの男に。
「ソレ、どっちも蛇です!」
「冗談言ってないで、目視でも確認してください!」
と、コパイの二人が声を上げる。
「お前ら・・・余裕あるな」
メインパイロットの男は苦笑する。
何度も訓練でやった、避けることも受けることも出来る姿勢。
そのI=Dは悠然と構える。
「くそ・・・よし、敵の攻撃データ判明! そちらに送ります!」
「データ結合開始。予測攻撃角度、及び最適回避、受動を計算中!」
コパイの二人がデータ的なやりとりをして。
「ふーん・・・ほほー、ふんふん」
その情報をメインパイロットの男が見る。
攻撃が来るまで、余裕がない。
「こちらは補助モードに入ります! 隊長! どうしますか!」
「こちらはデータ結合終了後入ります!」
コパイの二人がメインパイロットの男を見て。
「よし・・・んじゃ、決めた!」
そして、動き出す。
その動きは何度も訓練したのか、とても自然で、滑らかなものだった。
RP、応援
- 「敵の攻撃ですね。慌てず騒がず冷静に対処しましょう」 -- 藤田一@アウトウェイ (2007-06-24 19:12:37)
- 「耐えて、生き残ってくれ!」 -- さちひこ@アウトウェイ (2007-06-23 02:47:27)
- 「受けるも避けるも自由だ。生き残れると思った方をすればいい」 -- 癖毛爆男@アウトウェイ (2007-06-22 22:07:52)
- 「敵の攻撃は激しいが、耐えられないほどじゃないぞ!がんばれ!」 -- さちひこ@アウトウェイ (2007-06-22 19:50:30)
- 「なんとしても、生き残るんだ!」 -- さちひこ@アウトウェイ (2007-06-22 16:04:41)
- 「多少もらったところで、早々やられるか!」 -- 相葉 翔@OW (2007-06-22 13:09:40)
- 「うう…っ!耐えて!」 -- 三つ実 (2007-06-22 03:42:15)
- 「肉を切らせて…!!」 -- 西田蜂朗 (2007-06-21 21:45:12)
- 「強がる事もまた防御だ!!」 -- 癖毛爆男@アウトウェイ (2007-06-21 21:33:44)
- 「ち・・・避けられんか。ならば、受け流せばいい!」 -- 癖毛爆男@アウトウェイ (2007-06-21 21:33:07)
- 「耐えろ! 耐え抜けばむしろ攻撃のチャンスだ!」 -- 癖毛爆男@アウトウェイ (2007-06-21 21:31:57)
- 「く・・・誰も死なないようにすればいい!」 -- 癖毛爆男@アウトウェイ (2007-06-21 21:31:09)
- 「メインパイロットは防御に専念。防御後の機動はコパイが何とかする!」 -- 癖毛爆男@アウトウェイ (2007-06-21 21:30:24)
- 「難しい事は考えなくていい! 一番厚い所で受けろ!」 -- 癖毛爆男@アウトウェイ (2007-06-21 21:29:23)
- 「敵の攻撃が判れば、効率的に受けるまで!」 -- 癖毛爆男@アウトウェイ (2007-06-21 21:28:22)
- 「上手く…受け流す…!!」 -- 西田八朗@OW (2007-06-21 21:21:13)
- 「耐え切れ!生き残れ!」 -- さちひこ@アウトウェイ (2007-06-21 20:54:47)
- 「みんな、生きてくれ!」 -- さちひこ@アウトウェイ (2007-06-21 20:35:25)
- 「こんなところで死ねません!」 -- 藤田一@アウトウェイ (2007-06-21 20:31:33)
- 「まだ、やられないでくれ!!」 -- さちひこ@アウトウェイ (2007-06-21 20:20:07)
- 「耐えてくれよ!何が何でも耐えてくれよ!」 -- 空@アウトウェイ (2007-06-21 19:58:03)
- 「避けきれない!?ちぃ。ならば受け止めるまでだ!」 -- 空@アウトウェイ (2007-06-21 19:57:10)
- 「生き残ってみせる!」 -- さちひこ@アウトウェイ (2007-06-21 19:52:39)
- 「踏ん張りどころだ!」 -- さちひこ@アウトウェイ (2007-06-21 14:31:35)
- 「耐えてくれ!」 -- さちひこ@アウトウェイ (2007-06-21 12:25:14)
最終更新:2007年06月30日 21:33