イラスト
作戦
SS
癖毛爆男
「今日の動きはなかなか良かったな」
味のれんでの定例ミーティングの一こま。話題は防御訓練の話である。
「えぇ、なかなかいい機動でしたね。無駄も少なかったですし」
「すぐに反撃に移れたり、こちらに負担が小さいのも魅力的です」
コパイの二人がそれに答えながら、ジュースをちびり、と飲んでいる。
「よし、それじゃ、今日の訓練の動きは『パターン』に入れておくか」
「そうしましょう。あ、焼き鳥はこっちです」
「異存は無いです。お刺身少しもらっていいですか?」
わいわい食事を取りながら、そんなことを決定する。
「んじゃ、機動パターンCとして、登録・・・っと」
隊長はジョッキの酒を飲みながら、荷物からメモを出すと話題になってた防御機動を簡単に絵と文章で説明が気をつけて、頭に『パターンC』と書いておく。
これは機体に覚えこませる為のものである。
ある程度の動きを事前に登録しておくことで、人間がどうしてもやってしまうケアレスミスや躊躇いによる一瞬の隙などを消そうという試みである。
もっとも、柔軟性にはまだ欠けるので机上の空論や、半端な機動は一切入れていない。
「もう少し、パターンを増やしたいよな、やっぱり・・・できれば、十は欲しいんだが」
ぐい、と酒をあおって、隊長が呟く。
「でも、そんなにあったら選択までに時間がかかりません? あ、それうまそう」
「そうですよ。選択肢が少ないから、逆に判断が早くなるというメリットが消えてしまいます。焼き鳥と交換ですよ?」
コパイの二人が自分たちが頼んだ料理を交換しながら、続ける。
「まぁ、それは事前に持っていく機動を絞れば解決だし、選択肢は多い方が・・・って、お前ら! 俺の分はどうした!?」
「え? 頼んでたんですか、隊長?」
「お刺身、美味しかったです」
二人が何故か頭を下げたことで、事情を察した。というか、一人は白状したわけだし。
「テメエら・・・ゆるさねえ! 明日の防御訓練では死ぬほどしごいて・・・」
「あ、やっぱり美味しいね、これ」
「焼き鳥もいい感じです」
「人の話を聞けーーー!!」
その後、隊長は味のれんの親父に「騒ぐな、叫ぶな、冗談言うな」と、みっちり怒られた。
その怒りは翌日の防御訓練の時の厳しさに変わるが、それは余談である。
「・・・なんだ、これ?」
整備の班長が、それを見て、思わず呟いた。
「いや、何でも・・・機体がある程度勝手に動くように調整して欲しいとか何とか」
「・・・はぁ? いや、何言ってるんだ、アイツ」
そのデータを持ってきた整備士の言葉に班長が更に呆れる。
前々からへんなことを言う奴だとは思ってたが、ここまでとは思わなかった。
「えーと、なんでも・・・『事前に動きをある程度決めておくことで、意思決定、恐怖などによるタイムラグを・・・』」
ポケットからごそごそと何かを取り出し、いきなり読み上げる整備士。
それに気づいて、げんなりする班長。
「あー、いい、いい。大体、判った・・・くそ、面倒ごとばっかり押し付けやがって」
データを持ってきた整備士が読み出した文章に何となく理由を察した班長は盛大に悪態をついて、ため息を吐いて、そして、データ解析を始めた。
「あ、結局やるんですね?」
「仕方ねえだろ・・・頼まれたんだからよ」
班長がはぁ、とため息をついた。
「とりあえず、データ解析と構築は俺がやっておくから。で、そっちの作業はどうだ?」
「あ、はい。装甲、出力関係などは問題ありません。すぐに戦闘が起きても平気ですよ」
「そうか・・・なら、更に上を目指せ。それこそ、新米が乗っても何でも避けたりできるほどの性能を目指せ。事実上は無理でも、そこを目指すのが俺たちの役割だ」
「了解です。では、再調整して、もう一回点検しておきます」
整備士が笑って隊長に挨拶をして、立ち去った。
「さて・・・全く、面白いことを考えるな、あの男」
そこには様々な機動データがあった。絵と文章、更に訓練時の映像なども入っている。
「ふーん・・・なるほどね。オートの範囲を狭めた方が・・・」
色々考えてみる。若干、整備の仕事から外れている気もしなくは無いが、これはこれで面白い。
「なら、情報リンクで更に情報の取捨選択を事前にして置けば・・・」
班長がぶつぶつ呟きながら、データを解析していく。
そう、整備士も防御の為に戦うこともるのである。
「ちぃっ! 敵の攻撃まで、後どれくらいだ!」
メインパイロットの男がきょろきょろと周囲を見ている。肉眼による補足とレーダーによる補足、二面からの防御行動に出ようとする。
「迫ってます! もうすぐ・・・あと少し・・・」
「味方機から、データ回してもらってます! 少し待っててください!」
コパイの二人が必死になって情報解析・統合などを行う。
「ちぃ・・・」
間に合うのか? それとも、間に合わないのか?
自分たちを狙っているのは目の前の奴等だけなのか? それとも、目に見えない場所の奴等も狙っているのか?
神経が高ぶる。恐ろしいほどに身体に鳥肌が立ち、頭が灼熱の様に感じる。
だが、そんな中でも冷静さを失うわけにはかない。
「なぜなら・・・俺は隊長だからな!」
クワ、と目を見開くメインパイロットの男。視覚情報もデータの情報も全てを視界に納め、頭が痛くなる位まで、その情報全てを統合させていく。
「隊長! 敵の攻撃判別! もうすぐ来ます!」
「着弾予想まで、後三秒!」
コパイの二人がここでデータ解析を終わらせるが、既にメインパイロットの男の中では様々な有象無象の情報が連結して、結果と手段を導き出している。
「機体は防御パターンB! コパイ1は補助モード! コパイ2は情報処理! 追撃を見逃すなよ!」
その浮かび上がる様々な物から最適な手段足りえるものを選び出し、命令を下す。
「はい、コパイ1! 補助モードに入ります!」
「コパイ2! 情報処理を開始します!」
コパイの二人がそれぞれに命令された作業を忠実にこなし。
「人事は尽くした、後は天命を待つ前に生き残る!」
メインパイロットの男が気合を入れた。
その瞬間、攻撃が迫った。
RP、応援
- 「負けるな!がんばれー!」 -- さちひこ@アウトウェイ (2007-06-23 02:48:19)
- 「絶対に生き残れ!」 -- さちひこ@アウトウェイ (2007-06-22 19:51:28)
- 「これに耐えたら、反撃だ!」 -- さちひこ@アウトウェイ (2007-06-22 16:05:38)
- 「これをしのげれば、勝機はあるんだ!」 -- 相葉 翔@OW (2007-06-22 13:10:28)
- 「生き残る方に賭ける。チップは命だ」 -- 癖毛爆男@アウトウェイ (2007-06-21 21:55:17)
- 「全ての情報を統合! 後はそれを元に動くだけだろ!」 -- 癖毛爆男@アウトウェイ (2007-06-21 21:54:45)
- 「どんなに汚かろうが、生き抜くことを考えろ! 死んだ英雄より生きた凡兵の方が人を救える!」 -- 癖毛爆男@アウトウェイ (2007-06-21 21:54:04)
- 「敵の攻撃から目をそらすな! 目をそらすのは死んでからでもできる!」 -- 癖毛爆男@アウトウェイ (2007-06-21 21:53:23)
- 「高機動で動くだけで、避けられる事だってある!」 -- 癖毛爆男@アウトウェイ (2007-06-21 21:52:51)
- 「防御機動基本、その1 地形も利用する!」 -- 癖毛爆男@アウトウェイ (2007-06-21 21:52:14)
- 「耐えて、耐えて耐えまくれ!!」 -- さちひこ@アウトウェイ (2007-06-21 20:56:00)
- 「ここを耐えて、次の反撃につなげましょう!」 -- 藤田一@アウトウェイ (2007-06-21 20:44:01)
- 「がんばって、耐えてくれ!」 -- さちひこ@アウトウェイ (2007-06-21 20:38:12)
- 「負けないで、もうちょっとだ!」 -- さちひこ@アウトウェイ (2007-06-21 20:21:50)
- 「相手の動きをよく見て、受け流せ!無理なら受け止めろ!」 -- 空@アウトウェイ (2007-06-21 20:01:06)
- 「すぐに体勢を立て直して!次に備えるよ!」 -- 空@アウトウェイ (2007-06-21 19:58:58)
- 「負けてたまるかよ!」 -- さちひこ@アウトウェイ (2007-06-21 19:54:31)
- 「ここを破られたら、後がないと思え!」 -- さちひこ@アウトウェイ (2007-06-21 14:32:35)
- 「味方と連携して、攻撃を防御するんだ!」 -- さちひこ@アウトウェイ (2007-06-21 12:26:33)
最終更新:2007年06月30日 21:52