イラスト
作戦
SS
作:癖毛爆男
「・・・なぁ?」
ある事に疑問を抱いたメインパイロットの隊長は、とうとう足を止めて、部下であるコパイ二人に語りかけた。
「なんですか? 置いていきますよ?」
「そうですよ。早くついてきてください」
少し先には動きやすそうな格好とリュックサック、あと、簡単な計器などを持ったコパイ二人が隊長をじー、と見ていた。
「何でハイキング? いや、俺も嫌いじゃないよ? でも、訓練じゃなかったっけ?」
そう、三人は今、古威森の中を歩いている。
一応、終わりは最上級えぶえぶ茸を取ったら、らしいが。
「何言ってるんですか。こうやって、色んな計器を駆使しながら偵察の訓練じゃないですか」
「古威森も気を抜いてはいると危険ですからね。偵察訓練にはぴったしです」
コパイの二人がそんなことを言うが・・・
「・・・でもよぉ」
「なんですか?」
「早くしないと日が暮れますよ?」
どうも、二人は気づいていないらしいので、言うしかないか、と思う。
「だって、敵役いるの、これ?」
「・・・」
「・・・」
二人が思わず押し黙る。そう、この訓練に適役がいないことを思い出したのだ。
「気づいてなかったのか・・・へんなところで抜けてるな、お前ら」
思わず苦笑する。その言葉に二人の顔が赤くなったり青くなったり、申し訳なさそうになったりするのを見て、堪能してから。
「ま、次ぎやる時は敵役も配置するか。それに、森の中を注意深く歩くだけでも確かに偵察の訓練にはなるわな・・・ほら、行くぞ?」
ざ、ざ、と先に進んで二人を追い越し、そして、振り返って笑いかけた。
『は、はい!』
二人はあわてるように隊長についていく。
「Aチーム、整備状況を簡易報告しろ」
出撃前の最後の調整中。班長が各班に報告を促し、それを統合している。
「Aチーム、こっちは順調です。レーダー関係は特に良好ですね。機嫌がいいみたいです」
笑い声が帰ってくる。なるほど、そうとういい手ごたえだったのだろう。
「そうか、余裕があるみたいだな、Aチーム。それなら、視界用のカメラの掃除もやっておけ」
にや、と笑って整備班長が言った。
「マジっすか」
思わず笑い声になりながら、Aチームの代表が返す。
「あぁ、マジだ。何しろたまにだが、アレが曇って外が見づらいと言うこともあるからな。丁寧にやっておけよ。水避けワックスとか、粉塵がついてもすぐに落ちるようにな」
「了解しました、仕方ないっす」
Aチーム一旦集合して、全員が苦笑して、すぐに次の作業に移る。
まぁ・・・これで、カメラの不調などもなくなるだろう。
「さて・・・次Bチーム。聞こえるか?」
Bチームに対してはマイクを使う。
『えぇ、良好です。しっかり聞こえてますよ』
Bチームから返事が返ってくる。
「よし、それじゃあデータの送受信のチェックだ。しっかり見て置けよ」
そういって、班長が自分の端末から整備中のI=Dに作っておいた膨大な情報を送りつける。
『ん、なるほど・・・ふむ・・・問題ないですよ。終わった後、パイロットの連中も誘って見ましょう』
Bチームから返事が返ってきた。
様々な情報を送りつけ、それをI=Dがある程度解析、統合したりして、ある文章を作っていたのだ。
「そうだな。やはり、整備とパイロットは親密でなくてはいけないからな」
笑いながら班長が答える。
どうやら、センサー・カメラ・データの送受信と簡単な統合など、偵察にも使える部分は大方、良好らしい。
「よし、よくやった。Bチームはもう一回再点検の後、Cチームと合流だ。お前らの担当箇所は生死を簡単に分ける。どんなミスも見逃すなよ」
『了解です。それじゃ、もう一回頑張りますか』
笑った声が返ってきた。
整備の庭、ハンガー。そこは今日も戦争が行われている。
「息を~、んー、潜めてー、相手を、調べるー♪」
メインパイロットの男が鼻歌交じりに肉眼で外を見ている。
「隊長、うるさいです」
「少し、黙っててください」
コパイの二人は注意深くレーダーやらセンサーやらを見ながら、隊長の鼻歌に文句を言った。
「いいじゃねえか。流石に聞こえねえだろ? I=Dの中で歌ったくらいならよぉ」
ふん、とメインパイロットの男が鼻を鳴らすが。
「士気が下がります。やめてください」
「味方のレーダーとリンクしようとしてます。少し黙っててください」
コパイの二人に思いっきり注意された。
「・・・はーい」
しぶしぶ、本当にしぶしぶメインパイロットの男が黙る。
「センサーで捕らえた物の情報を解析。不明なものを送りますので、肉眼で確認してください」
「味方とのリンク、もう少しです。また、こちらもセンサーを最大感度で計測中」
「んー? ん・・・ふむ」
送られてくる細かな情報に一々独り言の様に返事のようなものをしながら、メインパイロットの男はゆっくりと、不明物の位置を確認する。
「んじゃ、肉眼で確認していく。判ってると思うが、いざという時のために・・・」
「判ってますよ。補助モードには一秒で移行できます」
「こちらも補助モードへの切り替えは随時変更可能です。隊長は偵察を最優先してください」
「オッケー。見つからないように大胆に行かせてもらうぞ」
メインパイロットの男がニヤ、と笑う。
こうしてあるI=Dの偵察行動は続いていく。
作:相葉 翔
「うわー、緊張するなぁ…」
移動するI=Dの中でパイロットは今日何度目かの言葉をつぶやいた。現在、何機かのI=Dで偵察行動中である。
「いい加減気を楽にしなって」
「そうそう、いざって時死ぬのはゴメンだぞ」
コパイのほうから余裕を持った声が聞こえてくる。パイロットとはうって変わって作業量が少ないというかパイロットよりは軽い作業ではある。しかし、それでも重要な部分を受け持っているだけに、その負担はかなりのものである。
「とりあえず、このエリアは大丈夫だな。次いくぞ、次」
「り、了解」
相変わらず固いパイロットの声を聞き、大丈夫か、本当に?と思ってしまうコパイであった。
『こちらα。γ、遅れているぞ』
「あ、す、すいません!」
遼機からの通信にパイロットは上ずった声で答え、機体のスピードを上げる。メインカメラから送られてくる映像を見ても分かるとおり、仲間とだいぶ距離が開いているのがよく分かる。
『気をつけてくれ。今の状況じゃいい的だぞ』
仲間の通信を聞いてパイロットは操縦桿を強く握り締める。
「分かってます。あの敗戦を忘れるわけにはいきませんから」
そういってパイロットは意識を各モニターに集中する。偵察の結果次第では今後の戦闘において重要な決断や、敵戦力の分析に必要なことである。そのため、どこの藩国も偵察と陣形の構成は頭を悩ませる種の一つである。
そして、彼らは今もそのために動いている
RP、応援
- 「偵察は、重要だ。確実にこなしていってくれ!」 -- さちひこ@アウトウェイ (2007-06-23 02:49:27)
- 「パイロットとコパイロットとの連携をうまくするんだ!」 -- さちひこ@アウトウェイ (2007-06-22 19:56:19)
- 「レーダーやセンサーだけじゃなく肉眼も使って偵察だ!」 -- さちひこ@アウトウェイ (2007-06-22 19:52:29)
- 「連携してくれ。視界はどれだけあっても困らない」 -- 癖毛爆男@アウトウェイ (2007-06-22 17:56:09)
- 「味方と密接なやり取りを忘れるな」 -- 癖毛爆男@アウトウェイ (2007-06-22 17:55:37)
- 「コパイの人達はメインパイロットを最大限援護してやってくれ」 -- 癖毛爆男@アウトウェイ (2007-06-22 17:55:08)
- 「ビビるな。偵察では冷静さが物を言うぞ」 -- 癖毛爆男@アウトウェイ (2007-06-22 17:54:41)
- 「鼻歌を辞めて、真面目に偵察してください」 -- 癖毛爆男@アウトウェイ (2007-06-22 17:54:13)
- 「偵察失敗だけは、なんとしても避けないとな」 -- さちひこ@アウトウェイ (2007-06-22 16:06:45)
- 「よーく見ないとわからないもんなぁ。…で、どこにいるのかな?」 -- 相葉 翔@OW (2007-06-22 13:02:21)
- 「わずかな違いも見落とさないから…!」 -- 三つ実 (2007-06-22 03:20:53)
- 「…(塗装の色を迷彩色にしてれば見つけにくいハズ…)」 -- 西田八朗@OW (2007-06-21 21:50:18)
- 「メガホンを逆さにして、両耳にそーうび!!(スチャ)音が…音が聞こえるよ!!」 -- 西田八朗@OW (2007-06-21 21:49:07)
- 「最悪、鉢合わせでも相手の情報がわかれば問題ない」 -- 癖毛爆男@アウトウェイ (2007-06-21 21:40:50)
- 「さてさて・・・意外に耳を澄ませば、何か聞こえるかもな」 -- 癖毛爆男@アウトウェイ (2007-06-21 21:38:55)
- 「メインパイロットは自分の目で。コパイは情報で探索する」 -- 癖毛爆男@アウトウェイ (2007-06-21 21:37:41)
- 「いざとなれば、第六感も駆使しろ。敏感になった人間の六感はそこそこ使える」 -- 癖毛爆男@アウトウェイ (2007-06-21 21:37:02)
- 「自部隊内でのデータリンクは忘れるな」 -- 癖毛爆男@アウトウェイ (2007-06-21 21:36:22)
- 「敵だけじゃない。周囲の動植物にも気を配るんだ」 -- 癖毛爆男@アウトウェイ (2007-06-21 21:35:58)
- 「!!モニタに感有り!!見つけた!!」 -- 西田八朗@OW (2007-06-21 21:32:52)
- 「…(耳を澄まし…どんな小さな音も聞き逃さなければ…)」(集中 -- 西田八朗@OW (2007-06-21 21:32:17)
- 「…(偵察…相手に見付からないように…)」(声を殺して、集中している -- 西田八朗@OW (2007-06-21 21:11:59)
- 「双眼鏡双眼鏡…」(ごそごそ -- 西田八朗@OW (2007-06-21 21:10:20)
- 「ここで、ハズレると やばいからな!偵察頼むぞ!」 -- さちひこ@アウトウェイ (2007-06-21 20:57:23)
- 「自然物にないものをさがすんだ!」 -- さちひこ@アウトウェイ (2007-06-21 20:41:09)
- 「目だけじゃなく 耳も使え! 全身の感覚をとぎすますんだ!」 -- さちひこ@アウトウェイ (2007-06-21 20:23:38)
- 「どんな些細なことも見逃さないように!」 -- 空@アウトウェイ (2007-06-21 20:16:56)
- 「声を掛け合って、異常を見つけるんだ!」 -- さちひこ@アウトウェイ (2007-06-21 20:02:22)
- 「異常がないか、目を皿にして探して!」 -- さちひこ@アウトウェイ (2007-06-21 19:47:45)
- 「味方と連絡を取り合って、死角をなくすんだ!」 -- さちひこ@アウトウェイ (2007-06-21 14:33:53)
- 「じっくりと観察して、微妙な変化も見逃さないように」 -- さちひこ@アウトウェイ (2007-06-21 12:27:42)
最終更新:2007年06月30日 22:09