「スウィート・ホームにようこそ!」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

スウィート・ホームにようこそ! - (2008/08/04 (月) 19:18:41) の最新版との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

 私の名前が「柊かがみ」から「泉かがみ」に変わってから数日が経った。  いよいよ今日から、18年間過ごした実家を離れて、私は泉家に嫁ぐ。  衣類や身の回りの物、そしてラノベ等が詰まったボストンバッグと大きなリュックサックを装備した私は、泉家の玄関を前にして、すっかり見慣れた筈の建物を感慨深く眺め続けていた。 「今日からここが“私の家”になるのね…」 「うん。そうなんだけど、いい加減中に入ろうよ。かがみ」 「今感慨に耽ってるんだから、もう少し待ってなさいよ」 「むぅ…」  背後で私と同じ量の荷物を背負ったこなたが不満の声をあげる。  まぁ、かれこれ三分近くもこのままの状態で居て、さすがに暑さと荷物の重さで体力の限界も近づいて来たので、私は家の中に入ることにした。 「かがみ連れてきたよー!」  家の中に入るなり、リビングまで届くような大きな声でこなたが叫ぶと、程無くして奥からおじさんとゆたかちゃんが出てきた。 「やぁ、いらっしゃい」 「ふ、不束者ですが、これからお世話になります」  まだ自力で生計を立てる事すら出来ない私達の結婚を認め、更には生活の支援すら快く受け入れてくださったそうじろうさんに私は改めて恐縮しながら頭を下げる。 「いやいや、これはある意味こっちの希望でもあったから、かがみちゃんには自分の家のように寛いで貰って構わないからね」 「あっ、はい。ありがとうございます」  何故この展開をおじさんが望んでいたのかについては、敢えて気づかないことにしておく。 「ああ、それと、かがみちゃん――」 「なんですか?」 「俺のことは『お義父さん』と呼んで欲しいなぁ」 「なっ…!?」 「試しに今ここで、一度呼んでみてよ」  さすがにこれは気恥ずかしいなと思っていたフレーズを満面の笑顔で強要されて、早くも窮地に陥る私。  しかし、そこは夫(?)として嫁を守ろうという意識が働いたのか、こなたが私に助け舟を出してくれた。 「おとーさん。そうは言うけれど、もし私が男の結婚相手を連れて来ても、同じ事を言った?」 「あ、いや、それは……。スマン、お父さんが悪かった……」  娘に突っ込まれた途端にしょんぼりとした表情に変わるおじさん。  そんな姿を見て、ほんの少しだけ同情しそうになったけれど、さすがに「お義父さん」という言葉は、私の中で違和感が無くなるでは使わないでおく。  そして、横でそのやり取りを見ていたゆたかちゃんが、顔を赤くしながら、口を開いた。 「じゃ、じゃあ、私はかがみ先輩のこと、どう呼べば良いのかな? え、えっと……か、『かがみお義姉ちゃん』とか…?」  うっ…。これはこれで、単純にそう呼ばれる恥ずかしさと、はにかみながらそのフレーズを言うゆたかちゃんの可愛さとで、何ともむず痒い…。  そんな中、ある意味私よりもダメージを受けていそうなこの親子二人はというと…。 「こ、これは正真正銘の萌えだ…。いや、最早萌えというレベルを超越してる…」 「ゆーちゃん、いくらなんでもそれはダメだよ…。反則過ぎる…」  私にして見れば、あなたたち二人の方がダメ過ぎる…。  これからの生活が思いやられそうな光景を前にして、私は早くも頭を抱えて深い溜め息を吐いた。 「こっちだよー」  こなた達に先導されて、私の部屋となる空き部屋に通される。  部屋を覗くと、殺風景な部屋ではなく、既にタンスや本棚、勉強机に更にはパソコンまで設置されていて、このままでも何の不自由も無く生活出来る環境が整っていた。 「そこのパソコンは使い古しの物だけど、良かったら使ってよ」 「何から何まですいません」  まさか、パソコンまで用意されているとは思っていなかった私は、改めておじさんに頭を下げた。 「あいにく、ベッドまでは用意出来なくて、しばらくは来客用の布団を使って貰おうと思っているんだけど構わないかい?」 「はい、大丈夫です」 「でもさ、かがみ」 「何よ?」 「実際は布団もいらないんじゃない?」 「……」 「……」  二人っきりの時ならまだしも、人前でなんてことを言うんだコイツは。  横に居たゆたかちゃんも顔を真っ赤にしてるし…。 「ふむ、それもそうだn――」 「おじさんまで何言ってるんですかっ!」  確かに、そうはならないという保証は、私の理性を以ってしてもどこにもないけれど、この親子なら本当に布団を撤去しかねないので、私は必死にそれを阻止した。  一二時間掛けて、皆で持ってきた荷物を整理した後、こなたが夕飯の支度を始めた。  今日はかがみの為に腕によりをかけて作るからねと、事前に宣言していた通り、その日の夕食はとても素晴らしい物だった。 「前にも食べた事あったけど、アンタってこういう所、本当にスゴイわよね」 「かがみもこれから頻繁に家事するようになるんだし、すぐに慣れるよ」 「まぁ、そうだと良いんだけどね…」  泉家ではそれぞれの家事を当番制で行なっているそうで、家族の一員となった私も料理をしなければならない日が定期的にあるらしい。  私も今までつかさと交代でお弁当を作っていたから、何にも出来ないという訳では無いけれど、これからの事を考えるととても不安だ。 「ゆたかちゃんも料理とか出来るんだよね?」 「はい、一応、ひと通りの事は出来るようになりました」 「ゆたかちゃんも出来るんだから、私も頑張らないと…」 「くれぐれもウチの鍋を爆発させるようなマネだけは――」 「だから、そこまでは酷くないわよ!」 「まぁ、お父さんはそういうのも許容範囲内だから、全然問題ないけどな」  いったい何の“許容範囲”なんだか…。  いや、敢えて聞こうとはしないけど…。  こんな感じで、初めての一家団欒の時間は過ぎていった。  食後、私達二人はこなたの部屋で自由な時間を過ごす事にした。  しかし、こなたは部屋に入るなり、「あと少しでクリア出来そうなゲームがあるんだよね」とパソコンに向かったので、手持ち無沙汰になった私は仕方なく部屋中に散乱していた漫画を読み始めることにした。  いつも通りの時間が何事も無く過ぎていく――。  会話は無いけど、別に悪い雰囲気という訳ではないし、普段なら何の不満も無い状況なんだろうけれど、今の私は悶々とした時間を過ごしていた。  だいたい、同居初日の新妻の目の前でアダルトゲームをやるなんて、どういう神経してんのよ…。 「そういえばさ」 「何よ」 「結婚してから二人っきりになるの、これが初めてだよね」 「そうよ。それがどうしたの」  ゲームが一段落したのか、ようやく声を掛けてきたこなたに対して、すっかり不機嫌な私は視線も合わさず、ぶっきらぼうに答えた。  そんな私の様子を見たこなたは、苦笑しながらパソコンから離れて私の隣に座り込む。 「ねぇ、もしかして妬いちゃった?」 「別に妬いてなんかいないわよ」 「ふーん」  すると、漫画の方に視線を集中させていた私の頬に柔らかい物が触れた。 「なっ!?」  驚いた私がようやく視線をその方に向けると、少し照れながらも悪戯をした時に見せるこなたの表情があった。  その時点で何をしたのかを完全に把握した私は、それまでの感情も吹き飛んで、一気に頭に血が上っていく。 「バっ、バカ……やるなら、口にしなさいよ…」 「ん。じゃあ、もう一回ね」 「えっ…うぷっ!?」  間髪を容れずに私とこなたの距離がゼロになる。  そのまま床に押し倒されながらも、私はこなたを受け入れる。  それ以外は無音の空間に、口付けを交わす音と胸の高鳴りだけが響き続ける。  時間の経過すら正常な判別が付かなくなって来た頃、ようやくマウス・トゥ・マウスの拘束が解かれ、私とこなたは深い溜め息を吐いた。 「どんな萌えキャラも、かがみには敵わないよ」 「…ズル過ぎるわよ、アンタ」  こんな時に好きな人からこんな殺し文句を言われて、堕ちない奴なんて存在しないに決まっている。 「それに、さっきのゲームは言わば予行練習みたいなものなのだよ」 「練習って?」 「嫌だなぁ、かがみん。新婚初夜と言えばやることは決まっているじゃないか~」  仰向けになったままの私に伸し掛かり、すっかりベタベタな状態のこなたがサラッとそんな事を言ってのける。 「バカ、それはまだ早いわよ…」 「時間が早かろうが、遅かろうが関係ないよ。私がもう我慢出来ないんだから」  そう言って、私の首に腕を回してきたこなたに、私は抵抗を止める事でそれに応える。 「こなたぁ…。愛してるわ」 「私もだよ、かがみ」  もう一度軽い口付けを交わし、「大切な言葉」を交し合った後、私はゆっくりと瞼を閉じ――。 「こなたお姉ちゃん、かがみお義姉ちゃん。お風呂沸いたけど、どっちが先に入っ――」  何も知らず、ドアを開けて入ってきたゆたかちゃんの純真無垢な声が、それまでのムードや私達の勢いを一切合財ぶち壊す。  そして、どこからどう見ても「プロレスごっこ」の体勢な私達の姿を見たゆたかちゃんは――そのままピクリとも動かなくなってしまった。 「……」  生まれて初めての恥辱に、思わず絶句してしまう私。 「…あー、あまりに刺激が強すぎて、ゆーちゃんフリーズしちゃったね」 「…いや、そういう事じゃないだろ。っていうか、なんでそんなに平然として居られるんだ…」  改めて、とんでもない所に嫁いでしまったなと感じつつ、私は今日三度目の深い溜め息を吐いた。 **コメントフォーム #comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3) - 結婚するところまでのSSや結婚後のSSは何度も見てきたが、 &br()結婚してすぐのSSは読んだことがなかった。GJ! &br() -- 名無しさん (2008-08-04 19:18:41) - おおwなんか萌えるシチュだな &br() &br()続き待ってるよー -- 名無しさん (2008-08-03 22:37:57)
 私の名前が「柊かがみ」から「泉かがみ」に変わってから数日が経った。  いよいよ今日から、18年間過ごした実家を離れて、私は泉家に嫁ぐ。  衣類や身の回りの物、そしてラノベ等が詰まったボストンバッグと大きなリュックサックを装備した私は、泉家の玄関を前にして、すっかり見慣れた筈の建物を感慨深く眺め続けていた。 「今日からここが“私の家”になるのね…」 「うん。そうなんだけど、いい加減中に入ろうよ。かがみ」 「今感慨に耽ってるんだから、もう少し待ってなさいよ」 「むぅ…」  背後で私と同じ量の荷物を背負ったこなたが不満の声をあげる。  まぁ、かれこれ三分近くもこのままの状態で居て、さすがに暑さと荷物の重さで体力の限界も近づいて来たので、私は家の中に入ることにした。 「かがみ連れてきたよー!」  家の中に入るなり、リビングまで届くような大きな声でこなたが叫ぶと、程無くして奥からおじさんとゆたかちゃんが出てきた。 「やぁ、いらっしゃい」 「ふ、不束者ですが、これからお世話になります」  まだ自力で生計を立てる事すら出来ない私達の結婚を認め、更には生活の支援すら快く受け入れてくださったそうじろうさんに私は改めて恐縮しながら頭を下げる。 「いやいや、これはある意味こっちの希望でもあったから、かがみちゃんには自分の家のように寛いで貰って構わないからね」 「あっ、はい。ありがとうございます」  何故この展開をおじさんが望んでいたのかについては、敢えて気づかないことにしておく。 「ああ、それと、かがみちゃん――」 「なんですか?」 「俺のことは『お義父さん』と呼んで欲しいなぁ」 「なっ…!?」 「試しに今ここで、一度呼んでみてよ」  さすがにこれは気恥ずかしいなと思っていたフレーズを満面の笑顔で強要されて、早くも窮地に陥る私。  しかし、そこは夫(?)として嫁を守ろうという意識が働いたのか、こなたが私に助け舟を出してくれた。 「おとーさん。そうは言うけれど、もし私が男の結婚相手を連れて来ても、同じ事を言った?」 「あ、いや、それは……。スマン、お父さんが悪かった……」  娘に突っ込まれた途端にしょんぼりとした表情に変わるおじさん。  そんな姿を見て、ほんの少しだけ同情しそうになったけれど、さすがに「お義父さん」という言葉は、私の中で違和感が無くなるでは使わないでおく。  そして、横でそのやり取りを見ていたゆたかちゃんが、顔を赤くしながら、口を開いた。 「じゃ、じゃあ、私はかがみ先輩のこと、どう呼べば良いのかな? え、えっと……か、『かがみお義姉ちゃん』とか…?」  うっ…。これはこれで、単純にそう呼ばれる恥ずかしさと、はにかみながらそのフレーズを言うゆたかちゃんの可愛さとで、何ともむず痒い…。  そんな中、ある意味私よりもダメージを受けていそうなこの親子二人はというと…。 「こ、これは正真正銘の萌えだ…。いや、最早萌えというレベルを超越してる…」 「ゆーちゃん、いくらなんでもそれはダメだよ…。反則過ぎる…」  私にして見れば、あなたたち二人の方がダメ過ぎる…。  これからの生活が思いやられそうな光景を前にして、私は早くも頭を抱えて深い溜め息を吐いた。 「こっちだよー」  こなた達に先導されて、私の部屋となる空き部屋に通される。  部屋を覗くと、殺風景な部屋ではなく、既にタンスや本棚、勉強机に更にはパソコンまで設置されていて、このままでも何の不自由も無く生活出来る環境が整っていた。 「そこのパソコンは使い古しの物だけど、良かったら使ってよ」 「何から何まですいません」  まさか、パソコンまで用意されているとは思っていなかった私は、改めておじさんに頭を下げた。 「あいにく、ベッドまでは用意出来なくて、しばらくは来客用の布団を使って貰おうと思っているんだけど構わないかい?」 「はい、大丈夫です」 「でもさ、かがみ」 「何よ?」 「実際は布団もいらないんじゃない?」 「……」 「……」  二人っきりの時ならまだしも、人前でなんてことを言うんだコイツは。  横に居たゆたかちゃんも顔を真っ赤にしてるし…。 「ふむ、それもそうだn――」 「おじさんまで何言ってるんですかっ!」  確かに、そうはならないという保証は、私の理性を以ってしてもどこにもないけれど、この親子なら本当に布団を撤去しかねないので、私は必死にそれを阻止した。  一二時間掛けて、皆で持ってきた荷物を整理した後、こなたが夕飯の支度を始めた。  今日はかがみの為に腕によりをかけて作るからねと、事前に宣言していた通り、その日の夕食はとても素晴らしい物だった。 「前にも食べた事あったけど、アンタってこういう所、本当にスゴイわよね」 「かがみもこれから頻繁に家事するようになるんだし、すぐに慣れるよ」 「まぁ、そうだと良いんだけどね…」  泉家ではそれぞれの家事を当番制で行なっているそうで、家族の一員となった私も料理をしなければならない日が定期的にあるらしい。  私も今までつかさと交代でお弁当を作っていたから、何にも出来ないという訳では無いけれど、これからの事を考えるととても不安だ。 「ゆたかちゃんも料理とか出来るんだよね?」 「はい、一応、ひと通りの事は出来るようになりました」 「ゆたかちゃんも出来るんだから、私も頑張らないと…」 「くれぐれもウチの鍋を爆発させるようなマネだけは――」 「だから、そこまでは酷くないわよ!」 「まぁ、お父さんはそういうのも許容範囲内だから、全然問題ないけどな」  いったい何の“許容範囲”なんだか…。  いや、敢えて聞こうとはしないけど…。  こんな感じで、初めての一家団欒の時間は過ぎていった。  食後、私達二人はこなたの部屋で自由な時間を過ごす事にした。  しかし、こなたは部屋に入るなり、「あと少しでクリア出来そうなゲームがあるんだよね」とパソコンに向かったので、手持ち無沙汰になった私は仕方なく部屋中に散乱していた漫画を読み始めることにした。  いつも通りの時間が何事も無く過ぎていく――。  会話は無いけど、別に悪い雰囲気という訳ではないし、普段なら何の不満も無い状況なんだろうけれど、今の私は悶々とした時間を過ごしていた。  だいたい、同居初日の新妻の目の前でアダルトゲームをやるなんて、どういう神経してんのよ…。 「そういえばさ」 「何よ」 「結婚してから二人っきりになるの、これが初めてだよね」 「そうよ。それがどうしたの」  ゲームが一段落したのか、ようやく声を掛けてきたこなたに対して、すっかり不機嫌な私は視線も合わさず、ぶっきらぼうに答えた。  そんな私の様子を見たこなたは、苦笑しながらパソコンから離れて私の隣に座り込む。 「ねぇ、もしかして妬いちゃった?」 「別に妬いてなんかいないわよ」 「ふーん」  すると、漫画の方に視線を集中させていた私の頬に柔らかい物が触れた。 「なっ!?」  驚いた私がようやく視線をその方に向けると、少し照れながらも悪戯をした時に見せるこなたの表情があった。  その時点で何をしたのかを完全に把握した私は、それまでの感情も吹き飛んで、一気に頭に血が上っていく。 「バっ、バカ……やるなら、口にしなさいよ…」 「ん。じゃあ、もう一回ね」 「えっ…うぷっ!?」  間髪を容れずに私とこなたの距離がゼロになる。  そのまま床に押し倒されながらも、私はこなたを受け入れる。  それ以外は無音の空間に、口付けを交わす音と胸の高鳴りだけが響き続ける。  時間の経過すら正常な判別が付かなくなって来た頃、ようやくマウス・トゥ・マウスの拘束が解かれ、私とこなたは深い溜め息を吐いた。 「どんな萌えキャラも、かがみには敵わないよ」 「…ズル過ぎるわよ、アンタ」  こんな時に好きな人からこんな殺し文句を言われて、堕ちない奴なんて存在しないに決まっている。 「それに、さっきのゲームは言わば予行練習みたいなものなのだよ」 「練習って?」 「嫌だなぁ、かがみん。新婚初夜と言えばやることは決まっているじゃないか~」  仰向けになったままの私に伸し掛かり、すっかりベタベタな状態のこなたがサラッとそんな事を言ってのける。 「バカ、それはまだ早いわよ…」 「時間が早かろうが、遅かろうが関係ないよ。私がもう我慢出来ないんだから」  そう言って、私の首に腕を回してきたこなたに、私は抵抗を止める事でそれに応える。 「こなたぁ…。愛してるわ」 「私もだよ、かがみ」  もう一度軽い口付けを交わし、「大切な言葉」を交し合った後、私はゆっくりと瞼を閉じ――。 「こなたお姉ちゃん、かがみお義姉ちゃん。お風呂沸いたけど、どっちが先に入っ――」  何も知らず、ドアを開けて入ってきたゆたかちゃんの純真無垢な声が、それまでのムードや私達の勢いを一切合財ぶち壊す。  そして、どこからどう見ても「プロレスごっこ」の体勢な私達の姿を見たゆたかちゃんは――そのままピクリとも動かなくなってしまった。 「……」  生まれて初めての恥辱に、思わず絶句してしまう私。 「…あー、あまりに刺激が強すぎて、ゆーちゃんフリーズしちゃったね」 「…いや、そういう事じゃないだろ。っていうか、なんでそんなに平然として居られるんだ…」  改めて、とんでもない所に嫁いでしまったなと感じつつ、私は今日三度目の深い溜め息を吐いた。 -[[夏の一日>http://www13.atwiki.jp/oyatu1/pages/735.html]]へ続く **コメントフォーム #comment(below,size=50,nsize=20,vsize=3) - (≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-05-04 08:12:07) - もしもし?みなみちゃんですか?ゆたかちゃんがフリーズしてて、助けをプリーズ? -- かがみんラブ (2012-09-23 20:26:52) - フリーダム! -- 名無しさん (2010-03-30 17:56:57) - ゆーちゃんは2chの良心的な働きをしていくんですね、分かります -- 名無しさん (2008-08-20 00:10:17) - 新婚生活は良い!! &br() &br()なんとなくだけど、ゆーちゃんは夫婦生活を(無意識に)妨害し続けてしまう役割を担当する気がする -- 名無しさん (2008-08-10 23:17:46) - こ、これから初夜ですか? つ、続きを~!! -- kk (2008-08-06 00:47:51) - 結婚するところまでのSSや結婚後のSSは何度も見てきたが、 &br()結婚してすぐのSSは読んだことがなかった。GJ! &br() -- 名無しさん (2008-08-04 19:18:41) - おおwなんか萌えるシチュだな &br() &br()続き待ってるよー -- 名無しさん (2008-08-03 22:37:57)

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
記事メニュー
目安箱バナー