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今日はこなたとデートの日だ。デートといっても多分いつも通りアニメイトやゲーマーズに行くだけなんだろうけど。 

でも私にとってはそんないつも通りの事ですら大きな意味を持つ。なにせ今日は両想いになってから初めてのデートだから。 
だからこそオシャレにも気を遣わなきゃ。 
それにこなたにどうしても見せたいものがあるんだ。だから今日は私から誘った。こなた、喜んでくれるといいな…。 



「うーん、こなた、可愛いって言ってくれるかな…?」 
「お姉ちゃん、遅れるよ」 

つかさが私の部屋に入ってきた。こなたとの色々を妄想してるうちにだいぶ時間が過ぎていたらしい。 

「そうね。じゃあ、つかさ、行ってくるわね」 
「頑張ってね、お姉ちゃん」 

…何を頑張れというのだろう。私はつかさの言葉に若干の疑問を持ちながら家を出た。 

こうして考えてみると、私がこうして誰か一人の人を想って行動を起こしているなんて。昔の自分に話しても信じて貰えそうにないな。 

私はそれほどこなたにベタ惚れなんだな、と思うと顔が少し熱くなった気がする。 



待ち合わせ場所にはこなたはまだ来ていなかった。 

「全く、これがゲームの発売日なら前日から並んでるクセに」 

…っていうかゲームに嫉妬するな、自分。ああ、すっかりこなたに毒されているなと感じる反面、それも悪くないと感じる自分もいる。そんな事を考えていると、遠くの方から私の“恋人”が走ってきた。 

「かがみー」 
「遅いわよ、こなた」 
「いやーなかなかネトゲがやめられなくてね~」 

そう言ってこなたは猫口でいつものようにニヘラと笑顔を見せる。 

…ヤバい。やっぱり可愛すぎる。もう今すぐ押し倒したい衝動に駆られるが、ガマンガマン。それは後にとっておこう。 

「全く…せっかくのデートなんだからもうちょっと自重しなさいよ」 
「ごめんごめん。…ね、かがみ」 
「何よ」 
「その服、可愛いね。似合ってるよ」 
「あっ…///…ありがとう…///」 
「アハハ、照れてる照れてる、デレデレかがみん萌えー」 
「うるさい!」 

と、私はこなたに軽くデコピンを一発。 
…ああもう可愛い。可愛すぎる。抱きしめたい!…けど今はガマン。後でゆっくり…。 


「私ね、見たい映画があるんだ」 
「何?どうせアニメでしょ?」 
「さすがかがみんご名答。でね、その主役の声優さんの声がさ…」 

と、言いかけた所でこなたが顔を赤らめて俯きだした。 

「…その声がどうしたのよ?」 
「かっ…かがみにそっくりなんだ…。だからその人の声聞く度、ドキドキするんだ…///」 
「なっ…///あっ、あんたバカじゃないの!?そんな事言われたら…こっちがドキドキするじゃない…!」 

全く、コイツは…。私をどんだけドキドキさせる気だ。 

「あっ…でも私には本物のかがみがいるから、別に良いんだけど…」 

なおも赤面したままのこなたの手を引っ張って私はこなたにありったけの笑顔を見せる。 

「早く行かないと上映時間に遅れるんじゃないの?ほら、行くわよ」 
「…うん!!」 

…やっぱりこなたが恋人で良かった。今はとりあえず、こなたとのデートを楽しもう。 

「やっぱりかがみの声に似ていたよね?」 
「そうかしら?他人からしてみれば似てるのかな」 
「でもでも、私はかがみ一筋だから、心配しないでね?」 
「誰も心配なんかしてないわよ。私だってあんたがいれば他に何にもいらないし」 
「エヘヘ///」 

そういって私はこなたの頭を撫でてやる。本当に子供みたいだ。…っていうか可愛いなぁもう! 

私達はその後もご飯を食べたり、例のごとくアニメイトやゲーマーズに行ったりして。端からみれば恋人同士には見えないだろうけど、私は今幸せだ。このまま時が止まってしまえばいいと願うほどに。 

もう日も暮れかけている。さっきも言った通り私が今日こなたにデートに誘ったのには理由がある。こなたの笑顔を思い浮かべながら私達はその場所へと急ぐ。 

「なになに?かがみ」 
「あんたに見せたいものがあんのよ」 
「見せたいもの?」 
「まああんたが喜ぶかどうか分かんないけど。私の自己満足だからさ」 

そんな事を言いながら私達は橋へ急ぐ。良かった。ちょうど良いタイミングだったみたいだ。 

「かがみ…これって」 


オレンジ色の夕陽が今、沈みかかっている。私が好きな風景だ。私の好きな一番風景を私の一番好きな人に見て欲しかったから。私はこなたをデートに誘った。 

「私ね、こなたにこの風景を見せたかったんだ。一番好きな人とこの景色見たくて」 
こなたは照れ笑いしながら 

「アハハッ、かがみったら意外とキザなんだね。…綺麗だよ、かがみ…本当に…綺麗…」 

こなたは夕陽に見とれていた。その横顔がたまらなく愛しくて、私はこなたを抱き寄せた。 

「こなた…」 
「かがみ…恥ずかしいよ」 

そう言いながらもこなたは抵抗を見せない。 

「こなた。今日一日一緒にいてわかったんだけどね」 
「なぁに、かがみ」 
「私、やっぱりこなたの事、大好き」 

「いっ…いきなり何っ!?///」 
「私、こなたに片想いしてる時は、本当に苦しくて、辛くて…。本音言うとさ、こなたの事を嫌いになろうと努力した事もあった…。でもね…」 
「でも…?」 
「私、やっぱりこなたの事嫌いにはなれなかった。こなたを知る度、どんどんこなたに惹かれていった。あの時はこんな日が来るなんて思わなかったから…。…こなたはどうなのかな…?」 
「……」 

しばらく間があってこなたは私に抱きついてきた。その瞬間、不意に心臓が高鳴って。 

「私も…かがみの事大好きだよ!…私もかがみの全てにドキドキしてて…。名前を呼ばれるだけで自分がどうにかなっちゃいそうで怖かったんだ。でもあの日かがみから告白された時、本当に嬉しかったよ。かがみも私と同じだったんだーって」 
「…ってことは、私達が両想いになるのは運命、だったのかな」 
「…今日のかがみ、本当になんか凄いキザっぽいよ」 
「フフッ、何言ってんの。キザっぽい私なんてあんたの前でしか見せないんだから」 
「…レアかがみん、だね」 
「バカ…」 

私達は沈む夕陽を背に唇を重ねた。そのキスは、二人で食べたケーキよりも甘かった。 



――――帰り道―――― 


こなたは私にベッタリくっつきながら話し始めた。 

「ねぇ、あの時、私がかがみの告白を断ってたらどうなってたのかな」 
「さぁね。そんな事考えもしなかったわ」「…ただの友達のままだったのかな。それとも、友達にも戻れなかったかもしれ――」 

私はこなたの言葉を唇で塞いだ。 

「かっ…かがみっ…///」 
「今はそんな事考えなくてもいいでしょ?だって私達こうしてここにいられるわけだし、私は今、最高に幸せよ?…一番大好きなこなたが隣にいるんだもの」 
「かがみ…」 
「大事なのは未来よ。…これからこなたと歩んでく未来。ケンカもするだろうけど、私こなたとならやっていける自信がある」 

こなたは小さく笑って 

「かがみ…本当にキザっぽいよ…。でも…そうだね。かがみの言うとおりだ」 

こなたはより一層、くっつきを強くして。 

「これからもよろしくね。私の“お嫁さん?”」 
「本当に私が嫁でいいの?料理できないし。ダメな嫁だと思うよ」 
「だったら私が主夫になって家事全般やってあげる!そのかわりかがみは私を養ってよ?」 

私はクスッと笑って 

「ハイハイ、分かりました。私のお婿さん」 

そう言ってまたキスをした。 


その日の夜は星がやけに綺麗で、私達をいつまでも照らし続けていた。 




END 


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- 幸せだ〜!!  -- 名無しさん  (2008-06-16 01:21:05)

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