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恋するかがみはラブレターに嫉妬する」を以下のとおり復元します。
こなたがラブレターを貰った。 

それはとてもいい事だ。交際のきっかけにもなるかも知れないし、恋愛といえばゲームやアニメしか思いつかないようなこなたにとっては尚更だ。 

しかし何故だろう。私にとっては誰かがこなたに書いたラブレターがとても煩わしく、とても憎らしかった。 

これはラブレターを貰ったこなたへの嫉妬? それとも――――― 



『恋するかがみはラブレターに嫉妬する』 



「いやあ、私も捨てたもんじゃないね、かがみん♪」 
「あんたね、たかがラブレター一枚でそこまで自慢出来るもんじゃないでしょ」 
「あれぇ?羨ましいの?かがみん?」 
「んなわけないでしょうが」 

と、私はこなたにデコピンを軽く一発。 

最近の自分は何か変だ。それはこなたがラブレターを貰う前から。こなたが誰かと話しているだけで妙にイライラするというか、こう、言葉では言い表せられない感情に陥ってしまう。 
そんな事をボンヤリと考えながら、私はこなたに問う。 

「で、OKすんの?」 
「へ?」 
「へ?じゃなくて、告白の返事よ」 
「ん―――。わかんない。その時になって考えるかな」 
「んないい加減な…」 
「じっくり考えた方がいいですよ、泉さん。その人の人となりが分からない内からOKするのは危険ですし」 
「そうね、みゆきの言うとおりかもね」 
「ま、その人に会ってから考えるヨ~」 

と、みゆきの折角のアドバイスを軽く受け流すこなた。さてはコイツ真剣に考えてないな。 
それにしてもラブレターを貰っただけなのに、なんでこんなに嬉しそうなのかね、コイツは。 

ムカッ 

あ、まただ。こなたが誰かと話しているだけで感じる妙な高ぶり。なんなんだ、コレは。 
私はこなたに対するこの感情の名前を知らずに悶々としていたが、程なくしてこの感情が何なのかを知る事になる。それは私にとって、自分の世界を変えるほどの事実だと言う事は、今はまだ知らない。 





放課後。こなたはラブレターの相手に指定された場所にやってきた。…え?なんでお前もなんでそこにいるかって? コレはアレよ、あの、親友が告白されるってのに落ち着いていられないでしょうが。 

が、見守るには少し遠すぎたのか、顔は見えても声は聞こえない。 

今どうやら告白されたらしい。あらあらこなたったら顔真っ赤にして…。 

意外と…乙女なの…ね… 


……あれ…まただ…。また例の高ぶりだ。しかも今回は今までのより一層酷い。 
…ダメだ。物凄いイライラする。私以外の人の言葉に顔を赤らめるこなたを見るのはとても耐えられたもんじゃない。 
なんで?なんでこんなにイライラするの?自問自答する私に答えは意外と早く降りてきた。 


―――これは……恋……? 

いやいや有り得ないって。そりゃこなたの事は大事だし、私に頼ってくる様はメチャクチャ可愛いし、でも意外と繊細だし、こなたに頼られて私も悪い気はしないし… 

…これ、恋……じゃん… 

これを恋と考えれば、今までの感情の高ぶりは全て説明がつく。 
私…ラブレターに嫉妬してたんだ…。 

そう思った時には私は既に近所の公園にいた。私は愕然としていた。 

「私…こなたに恋…してたんだ…」 

それでこなたの友達や、ラブレターに自分でも驚くほどの嫉妬心を抱いていた。 
そう思うと、急に自分が汚い人間に思えてきて。 

涙が、出た。 

「ああっ…私ダメな人間だぁっ… こなたの幸せも喜べないなんて……私、こなたにこんな邪な想いまで抱いていたなんて… 私もうこなたの傍にいる資格なんてっ…」 
「かーがみっ」 

私の肩に誰かの手が置かれた。聞き慣れた声と一緒に。 

「こっ…なた…」 

私は急いで涙を拭き、『泉こなたの親友・柊かがみ』としてこなたに話し掛ける。 

「どうだった?OKしたの?相手の子、カッコ良かった?」 

こなたの事だ。きっとOKしただろう。 
悔しいけど、ここは親友としてこなたをサポートしなくちゃ。 
しかし次の瞬間、こなたから出た言葉は私の決意を軽く打ち砕くものだった。 

「ああ…それね…断ったヨ」 
「え…?だって、あんたあんなに喜んでたじゃない」 
「いやいや、あればラブレターを貰ったというだけで喜んでたのだよ。誰もOKするとは言ってないし」 

…要するに、こなたにとってはラブレターというのは萌えステータスの一つに過ぎなかったという事か。 

「それに、私には今好きな人がいるから」 
「…ああっ…そう、なんだ」 

マズい。また涙が… 

「誰?○○君?あっ、それとも××君かなあ」 

私がそう言うとこなたは若干怒ったような顔になって。 

「じゃあ、ヒントあげる。私の好きな人は、髪の色は薄い紫。それでちょっと吊り目かな。髪型はツインテール。性格はツンデレ」 

体が一瞬にして熱くなっていくのが分かった。 

「……えっ…?こなた、それ………?」 

こなたが抱きついてきた。 

「こっ…こなたっ…///」 
「かがみったら鈍感すぎ。私がここに来た時点で気付くべきだったネ」 
「あんた…」 
「かがみ……私……かがみの事が好き……かがみは…どうなのかな」 

…もう、隠す必要もない、かな… 

「こなた……私もこなたの事が……」 


――END―― 


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- いやもしかしたらラブレターの相手も女ry  -- 名無しさん  (2010-09-05 00:52:51)
- GJ!!・・・案外白石だったりww  -- 名無しさん  (2009-09-07 19:48:42)
- GJ!!  -- ハルヒ@  (2008-07-06 01:25:28)
- 美しい終わり方でした。 &br()俺はまだまだですね・・・ &br()もっと精進します。  -- naniw  (2008-07-01 08:10:45)

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