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夜の学校に二人きり - (2010/08/03 (火) 02:57:41) のソース

「う~ん、どこ行ったのかな~…」
「だからここじゃないんだって~」

体育館の倉庫で、私とかがみは、昨日かがみがなくしてしまった携帯を探していた。

「昨日もここ探したじゃん」
「でも、もうここくらいしか思い当たる所がないのよ!」
「ねえ~、もう帰ろうよかがみぃ~」
「もうちょっとだけ!昨日あんたの買物に付き合ってあげたでしょ!?ほら、こなたも探してよっ!」
「ふぁーい…だったら、今日の分の埋め合わせもしてもらいたいものだね」
「ん~…昨日の授業でここで電話があって、その後…いや、もしかしたら…ぶつぶつ」
「…聞いてないネ」


「あー!あった~!!ほらほら、やっぱりここだったでしょ!?」
ようやくかがみの携帯が見つかったようだ。やれやれ。
「はい良かったね~。それじゃもう帰ろうヨ。外暗いし」
「そ、そうね。ごめんね、こんな遅くまで…」


ガチャン。
私が扉を開けようとすると、金属質の音がした。
「あれ?開かない」
「ま、まさか鍵閉められちゃったの…?」
「…らしいね」
「ええええええええええええっっっっっ!!!!!???」







          「夜の学校に二人きり」





「んー。これは閉じ込められたようだね」
「ど、どっかから脱出できない!?」
周りを見回す。体育館倉庫には、閉まった扉以外の出口も、窓も一切ない。
「脱出不能!」
私は、グッ!と親指を立てて言った。
「ええええーーっ!!!ど、どうしよう!?こなたっ!?」
「大丈夫だよ。まだ学校には誰かいるだろうし」
「そ、そうよね!携帯…!」 

「電池切れてるー!!…うっわ最悪。あ、じゃあ、こなたの携帯で」
「私は忘れてきちゃったよ」
「…マジか。はあ…つかさが、気付いてくれないかしら…?」
「大丈夫でしょ。誰か誰か気づいてくれるさ~☆」


体育館倉庫には、窓はなく、小さな電灯がほんのり灯っている。
「…ちょっと暗いわね。ライト付いてるのに」
「ムード出るじゃん」
「何のだ。跳び箱の横でムードも何もあるか」


「…あんたやけに落ち着いてるわね」
「んー、今日のアニメ録画は全部済ませておいたから安心☆」
「あー、そうかい」


かがみは腕時計を見て言った。
「もう7時…誰も来ないわね。さすがに不安だわ…」
「いよいよ、一晩明かすことを覚悟した方がいいようだね」
「い、いやよ!こんなとこで一晩も!!」

そう言うと、かがみはしゅんとした顔になって、
「…ごめん」
「ん?」
「私が携帯なくしたせいでこんなことになっちゃって…」
「まさか閉じ込められるなんて予想外だったから、しょーがないよ」
「でも…」
「…むふ、じゃー明日またゲマズに付き合ってもらおっかな♪」
「…うん!いいわよ」
急にかがみが元気になった。
「およ?かがみにしては珍しく素直だね」
「…悪かったな!」

「しかし、お腹すいたねぇ」
「ポッキーならあるわよ。家で食べようと思って」
「おお~!さっすがかがみん、そうゆうとこだけは抜かりないネ」
「…一言余計だ!」

「じゃあ、ポッキゲームし「断る」」
「…」
私の申し出は瞬殺された。…冗談だけどさ。


それから、しばらくかがみといろいろ話す。何時間も。
かがみとは、毎日話してるのに話題が尽きないのがすごい。

…アニメの話が多かったから、どこまでかがみが理解してるかは分からないけど。

まあ、宿題も写させてもらったし、よかよか。


「さて、かがみんや」
「何よ」
「どうやって寝る?」
「マットじゃ重いわね…うーん」


そろそろ時計が11時を指す頃。
「暗いね…」
「…こわい?」
「私は平気だよ。…というよりかがみの方が怖がってるんじゃないの~~」
「…別に私は…」
かがみはそっぽを向いた。

「どしたの?」
「な…なんでもないわよ」
「せっかく私と二人っきりになれたのに素直になれないかがみ萌えw」
「違うわよっ!!」

「でも寒いね」
「…え?」
「ちょっと、あんた大丈夫!?震えてるわよ」
「うぅ~さむい~…」
体が小っさいせいか、余計寒さが身に染みるヨ…


「困ったなあ…」
「う~…」
「…もう…じゃあ、手、出しなさいよ」
「へ?何で?」
「いいから!!」
「…」
私は怯えながら、おそるおそる両手を出す。

かがみは、私の手を両手で包みこんだ。

「…こ、これはあんたがカゼひいちゃ困るからやってるんだからね!」

「…かがみは温かそうだね。顔まっかだし」
「…だまれ!」


こんな手を握って顔を見合わせた状態じゃ、お互いに話すのもなんか恥ずかしい…
しかも何も喋らなくなっちゃったから余計…


「…くしゅん!」
私はくしゃみをした。
すると、かがみは困ったような顔をした。そんなに気を使わなくてもいいのに。

その時、かがみの両手が私の頬に触れられる。かがみの手は冷えていたけど、私の顔の温度でだんだん暖まってくる。

「か…かが……」
「……私だってはずかしいんだから、何も言うな」
「…」


これじゃ…これじゃまるで…キスする前の体勢みたいで…


かがみは赤い顔のまま、ぼーっとした目でずっと私のことを見ている。何も言わないで…目も動かさないで…私のことをずーっと見続けている。

私は…どこ見てりゃいいのさ?
私だってはずかしいんだヨ?

その顔、ちょっと色っぽくて萌えるんだけど…今は…

…まあ、かがみのことだからそんな長続きするとは思えないけど…




「…う~………むぅう~……………………」

「何よ…?」

「…」

あう~…かがみに、私の方が恥ずかしがってるなんて言えない……
私の方が負けそうだよ~…
なんで…かがみのくせに…こんな時に限ってこんなに長く……

「こなたのほっぺたあったかいわよ…」

…だからそーゆーこと言うから、もっと熱くなっちゃうんだよぉ…


「…うぅ…………」
もう私の方も顔真っ赤。
「大丈夫、よね?」

そう言って、かがみは顔を近づけてきた…!
「あ、あ…!」

私はキスされるかと思って、目をつぶって、息も止めた。


おでこが温かい…かがみは額をくっつけてきてた。

…なんだ。息まで止めちゃってたよ…私…



「頭熱いわよ…大丈夫?」

…あんたのせいだヨ。


だめだあ…もう、耐えらんない~…
「かがみぃ…私もぅ、恥ずかしいよぉ~………」

「しっ。今熱見てるから」

…そうきますか。
そんなに私を萌え殺す気ですか。


どうして、今日のかがみはこんな攻めてくるんだろ…
…それとも、私が『受け』なだけ?

ん~~~…このままじゃ、ちょっとくやしいから思いきって…


「かがみぃ~~~!」
おでこを離したとこを見計らって、私はかがみの体に抱きついて、体を預ける。
「…わあっ!」

「かがみ、あったか~い…」
あーこうしてると楽でいいなあ…最初からこうすれば良かったヨ。

「こ、こなたぁ!!ちょ、ちょっと、あの、その…私っ…!」

よしよし、これでいつも通り。


すりすり。

「…こなたぁ~…」

あー、その声萌えるね。いいよ。

んー気持ちいい~…これなら寝れそう…


-----


「すう……すう……」

こなたは眠ってしまった。
全く、突然私に抱きついてきたと思えば、すぐ寝ちゃって…

抱きついているこなたは、私の服をきゅっと握ったまま、寝息をたてている。

こうしてると…ちっちゃくて…本当に子供みたい…


私の胸の中で寝ているこなたの背中に腕を回し、もう一方の腕で頭をなでる。


「急に寝るんじゃないわよ…私の方がドキドキして眠れないじゃない…」 

…翌朝、黒井先生に二人で抱きあって寝ているところを発見された。
「こっ…こなた!!起きなさいって!!」
「う~~~~ん、…まだ眠いてばあ~…あと5分~」
「ちょっと…こなた…起きなさいよ!!てか、離れてよっ!!」

「ウチ…おじゃまやったか?」
「いやあのこれはその…ちがうんです!!」
「何が『違う』んや?」
私は、慌ててこなたの背中に回してた腕を離す。

「ははーん…お前らそういう仲やったんか。通りで柊姉はいつもウチのクラスに…」
「ち、違いますっ!私は別に…つ、つかさに会いに来てるわけでっ!!…こなたあ!!起きなさいっ!早く離れろってぇ~!!」
「ん~~…あと30分」
「起きろぉ!!!!」



「…して、どうして先生は私たちがここにいるって分かったんですか?」
ようやく目を覚ました(言葉を変えると、『叩き起こされた』だが)こなたと、私は黒井先生と話す。
「泉の父から朝、電話があってな」
(朝まで気付かなかったのか…)

「柊妹に電話したら寝ぼけながら、『お姉ちゃんはこなちゃん家に行ってるよ~』って言っててな。そうやないこと伝えたら、驚いてたで。でその後、ここに携帯探してる聞いて」

「そうなんですか…大変だったんですよ!こなたとこんなとこに閉じ込められて!お腹空いたし、寒かったし!」


「でも、かがみがさぁ、私のほっぺたさわって温めてくれてさ~、私ドキドキしちゃったよ~」
こなたは両手を頬に当てて嬉しそうに言った。

「こなたぁっっ!!!  …だ、だからそれは違うんですっ!!!こなたが凍えちゃダメだから…」
「ほぉ~~、やっぱりお前らそういう仲やったんか…んで、ウチにのろけ話聞かせてると…」

殺気を感じた。

そこでこなたが言う。
「黒井センセ、決してワタクシらは先生が一人身なのを知ってて、わざと仲良しを見せつけてるわけじゃありませんヨ?」

「そんなのうちぜんぜんきにしてへんで」
棒読みキタ。


「かがみん、私もうちょい寝る~」
こなたは、私のひざの上に寝転んできた。
「ちょっとぉっ!!バカ!!やめてよっ!!もおっ!!!」


「ウチは邪魔みたいやから出て行くで」


して、黒井先生は出ていった。


体育館の扉を『しっっかり』閉めて。




今日の昼食の時間。
結局、私とこなたはそのまま授業を受けるハメになってしまったのだ。

「昨日はこなちゃんと何してたの?」
「んー、昨日一晩…かがみに抱かれちゃった☆」
「ええっ!!?」
「誤解を招くような言い方するなっ!!」
「そ…そうだったんだ。お姉ちゃん、こなちゃん、おめでとう。がんばってね」
「何が!?」 

「…でね、もう!大変だったんだから!こいつとずっと閉じ込められるなんて!」
「でもかがみが携帯探すって聞かないから」
「あ…それは…まあ、ごめん…」
「ではかがみんや。今日もゲマズ付き合ってもらうよ☆」
「はあ…私は早く帰りたいってのに…」
「いいじゃ~ん、一夜を共にした仲じゃん」
「だから誤解するようなこと言うなってぇ~!!!」

「あ、あの、かがみさん…泉さんと一夜を…」
みゆきが顔を赤くして聞いてきた。

「いや、そのっ、だからそれはっ!!」
「ウソじゃないよネ?」
「…う、ウソじゃないけどっ…!!そ、そういう意味じゃ…」
「…そ、そうですか…私はお二人をことを応援させて頂きますよ…?」
「だから違うって~!!」
「お姉ちゃん、ガンバ☆」
「古いわそれ!」

そして、またいつもの日常に戻っている私たちだった。



ちなみに。今日の世界史の授業、私は黒井先生に4回も当てられた。そこまで悔しいですか先生。


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- え?らき☆すたのキャラはそうじろう以外トイレなんて行かないよ? &br()きっとオナラもしないさwアイドルだものwww &br()  -- 名無しさん  (2010-08-03 02:57:41)
- なんでトイレの話題で盛り上がってるんだよw これすきで定期的に読みに来てます  GJです  -- 名無しさん  (2009-08-13 10:45:50)
- でもトイレと倉庫はつながってなくね?笑  -- 名無しさん  (2009-08-13 08:15:16)
- 俺の行ってた中学には、体育館にトイレあったと思う  -- 名無しさん  (2009-08-13 02:26:26)
- ト…トイレはたまたま &br()  催さなかっただけづすよ! &br() きっとそうですよ!?  -- 無垢無垢  (2008-10-25 16:04:21)
- ↓のコメ見た瞬間変な妄想が・・・  -- 名無しさん  (2008-09-03 22:48:03)
- ト・・・トイレは・・・?  -- 名無しさん  (2008-06-13 11:46:52)
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