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泣き虫こなたん・保護者のかがみん - (2008/07/13 (日) 23:43:46) のソース

もともと、泉こなたと柊かがみは仲の良い友人であった。
だが、いつからかこなたはかがみに、よく懐くようになった。
こなたにとってかがみは、かけがえのない存在になっていた。



とある日の朝。

こなたとかがみは手を繋いで登校している。
こなたは、とても嬉しそうに笑っていて、まるで子供のようだった。
そんな様子を見て、つかさは微笑ましく思うのだった。なごむ。


学校に到着する。
こなたとかがみはクラスが違うため、ここで離れなければならない。
「かがみ…」
こなたがとても寂しそうな顔をする。
「休み時間になったら必ず行くから…それまでおとなしくしてなさいよ」
こなたの頭をなでる。
「うん…」
「じゃあね」
こなたは寂しそうにしながら、かがみの後ろ姿をずっと見ていた。



授業が始まる。
こなたは、かがみのことが恋しくて仕方なかった。
寂しくて悲しくて、涙がこぼれてくる。

「うっ……うぅ……………」

「どうしたの、こなちゃん…大丈夫?」
つかさが小さな声で聞いてくる。


「ふえっ、…ふぇぇ…………うっ、うっ………………うえ~~~~ん!!!!!」
こなたが泣き出した。
まるで突然親から引き離された子供のように泣き始めた。つかさはどうしたらいいのかとおろおろする。

「ど、どうしました?泉さん?」

「かがみに会いたいよぉ~~~!!!」

「…」

「かがみがいないと…くすん、くすん……寂しいよぉ…」

その時間、つかさとみゆきは必死にこなたをなだめていた。
つかさの用意したかがみの写真が特に効果があったようだ。 
 

休み時間になって、かがみがB組に来た。
つかさとみゆきは、安堵した。二人はひどく疲れていた。

「かがみぃ!!」
こなたの顔がぱあっと明るくなって、かがみの方にとてとてとやってくる。

かがみに抱きついて胸にすりすりと顔を寄せる。
「かがみぃ~~会いたかったよぉ~~~~……」

かがみは苦笑しながら、こなたの背中をなでてあげる。
「ふふっ…ちゃんといい子にしてた?」
「うん!」

つかさとみゆきは苦笑した。

かがみは、手をつないであげる。
こなたは「えへへ…」と笑い、とても嬉しそうにした。

つかさとみゆきはなごんだ。



やがて、チャイムが鳴る。
「あ、ごめんねこなた。そろそろ教室に戻らなくちゃ」
手を離して教室から出ていこうとするかがみ。
「やぁ~~!!」
かがみの腕にすがりついてくるこなた。
「も、もう行かなきゃいけないの!ね?こなた、分かって…」
ぶんぶんと頭をふって嫌がるこなた。

仕方がないので、つかさとみゆきに押さえてもらって、ようやくこなたから離れることができたかがみ。

かがみが出て行こうとすると、「かがみぃ~~かがみぃ~~」と言いながら、手をのばして名前を呼ぶこなた。

「ごめんね、授業が終わったらすぐに行くからね」




次の授業でも、やはり、こなたは泣き始めた。
「うえ~んうえ~ん、かがみぃ~~~」

当然、授業にならない。
そこでつかさとみゆきは、こなたをなだめる為に、話をしたり、つかさのギャグで笑わせようとしたり、
お菓子を食べさせたり、漫画を読ませてあげたり、かがみと電話で話させたり、つかさお手製かがみん人形を抱かせたりと、尽力した。 


お昼休み。
つかさとみゆきは疲労困憊でぐったりしている。

そして、お昼ご飯を食べる4人。
こなたはいつも通りチョココロネをはむはむとかじっている。
その途中でこなたの手が止まる。

こなたは指を加えて、かがみのお弁当をじーっと見ている。
「…どうしたの?こなた」

「かがみの作ったおべんと食べたい……」

「もう、しょうがないわね…じゃあ、少しだけよ」
「やったあ!」
「はい、あーんして」
「あーん」
こなたはとても嬉しそうに口を開ける。
かがみはそんなこなたの様子にクスッ、と笑い、お弁当のおかずをこなたに食べさせてあげた。
「どう?おいしい?」
「うん!とってもおいしいよ、かがみっ!」
こなたは満面の笑みで言った。

そんな光景にクラス中がなごむ。




午後の授業が始まる。

「うっ……うっ、ぐすんぐすん……ふぇえ…………ひっく、ひっく」
午後の授業になっても、やっぱりかがみが恋しくて泣いてしまうこなた。

つかさやみゆきがいくら手を尽くしても、いっこうに泣き止む気配はなかった。
「うっ、うっ…ぐすん、ひぐ……ぇうう……」

いつまでも泣きやまないこなたに黒井先生が言った。
「泉!いいかげんにしーや!!」
「ぐすん…だって……だって……かがみがいなくてさみしいんだもん……!」
「柊姉はクラスが違うんや!!無理言うなや!!!!」

「!!!……………………ふえっ、ふぇ……ふえぇ…!!!」

「びえええええええええええ!!!!!!!!!」

こなたは大泣きしだした。

クラス中の生徒から白い目で見られる黒井先生。 
 
「かがみぃ~~!!!かがみぃ~~!!!」
こなたはひたすらかがみを呼びながら泣き続ける。


そこで、つかさはある行動をとった。

自分の髪を二つに分けてリボンでまとめる。
「ほ、ほ~ら、こなちゃん、私はかがみよぉ~~~」

「……」

涙目で見つめるこなた。


「…こなた、宿題はやってきたの!?」

「……」

涙目で見つめるこなた。


「べっ、別にこなたのためにやったんじゃないからねっ!」

「……」

涙目で見つめるこなた。


「あっはは~、パン工場~」

「……」


こなたの肩が震えはじめた。


つかさは固まっている。
仕方なさそうに、みゆきが言った。
「…かがみさんを呼んできますね」

「私がふがいないばかりに……面目ねえ……」



そんなわけで仕方なく、かがみが急遽C組から連れてこられた。 
orz ←つかさ


今はこなたの席に座り、かがみは泣きやまないこなたを抱っこしてなだめている。
「くすん…くすん…」
「よしよし……もう大丈夫だからね……」

こなたはかがみにしがみついている。かがみは頭を優しくなでて抱きしめる。
「よーしよし」
泣いているこなたをあやす様子は、まるで泣く子をあやすお母さんのようだった。

クラス中がなごむ。


かがみが優しく聞く。
「もう…一体どうしたのよ…?」


「黒井先生がいぢめる…」

「!!!」




「そ う」


かがみは、頭をゆっくり…ゆっくりと持ち上げ、黒井先生の方を見る。

笑顔だった。



〈殺意の込もる〉笑顔だった。



それは誤解や~!という声は意味をなさず、



かがみは、一言も発さず、ゆらり、と立ち上がる。



その時、クラス中の誰もが思った。



今 日 が 黒 井 先 生 の 最 終 回 だ と !!! 



だが。奇跡は起こった。


「かがみだいすき…」
俯いてるこなたが、ぼそっと呟いた。

かがみは、こなたの席の所に戻った。
「…ありがとね。私も…大好きよ…」




こうして、黒井先生は生き長らえることができた。寿命は縮んだけど。



その後も、こなたはずっとかがみに抱きしめられていた。
「かがみぃ…」
「なあに?」
「…かがみ…あったかくて…いいにおい……」
「…眠くなっちゃったのね」
こなたの長い髪を優しくなでる。
「……うん」
こなたが弱々しく応える。

「じゃあ、お昼寝しよっか。子守唄歌ってあげるから…」
「うん…」

「ねーんねーんころーりーよー、おこーろーりーよー」
子守唄を歌うかがみ。
その優しい歌を聞きながら、こなたの瞼が少しずつ閉じられていく。

やがて、抱っこされているこなたはそのまま眠りについた。
「すう……すう………」

子供のように、かがみにしがみついて寝息をたてるこなた。
クラス中がなごむ。


黒井先生が言った。
「ふう、やっとこさ眠ったか…柊姉はもうC組に戻ってえーよ」
「え…でも、こなたが…」
「ははは、大丈夫やって!こいつ昨日も遅くまでネトゲに勤しんでたんや。授業終わるまでぐっすりや」


かがみはC組に戻っていった。




数分後、こなたが目覚めた時、B組が大変なことになったのは言うまでもない。 
 


それから後日。

かがみは、B組に変わった。

思わぬ所で、かがみの念願が果たされたわけだ。




よかったね。 


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- つかさの努力が健気w  -- 名無しさん  (2008-07-13 23:43:46)
- 「かがみぃ…」で萌え死んだw  -- 名無しさん  (2008-07-13 23:37:45)
- さすが!絶妙な壊れ具合w &br()俺の糖尿病どうしてくれるんだ  -- 名無しさん  (2008-07-08 23:46:00)
- はちゃめちゃだが、いい!! &br()  -- 名無しさん  (2008-07-08 23:05:37)
- 面白すぎるww &br()あなたの作品大好きだw  -- 名無しさん  (2008-07-08 20:27:53)
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