こなた×かがみSS保管庫内検索 / 「さんにんきりでなにしてる?」で検索した結果

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  • さんにんきりでなにしてる?
    「それでですね……」 「ああ、そうするわ」 「お姉ちゃん、大丈夫なの?」 帰り道、何故かかがみとつかさとみゆきさんは、私に隠れてこそこそ話している。 何の話だろう。気になる。 その間、私は三人の後ろを独りで歩いていた。 無理矢理話に参加したり、何の話をしてたか聞こうか。でも、さすがにそれは強引過ぎるかな。 みんなにもプライバシーとかがあるし。 でも、今日こんなことがあると、疎外感で少し悲しくなる。 明日は五月二十八日。私の誕生日。 ちょうど土日と重なったし、かがみたちとどっかに遊びに行きたい。そう思ってる。 話が一段落したようなので、さりげなくかがみに聞いてみた。 「ねえ、かがみ。明日どこかに遊びに行かない?」 「こなた、急いでるからまた今度にしてくれる?」 「え、かがみ……」 かがみは走り去ってしまった。 ...
  • 作者の部屋(1-472氏)
    ◆シリーズ物 泊まった日 泊まった日・夜(↑の続き) 泊まった日・朝(↑の続き・挿絵 4-50氏) 泊まった日・始 (↑の続編) ◆短編 万引き(いじめ/多少救済あり) 二人だけの空間 さんにんきりでなにしてる おまじない 終わりじゃなくて、始まり 磁石の両端 もっと速く 待ちぼうけ(バレンタイン祭り投下作品) 楔 コメントフォーム 名前 コメント
  • 作者別保管庫(1スレ目)
    ◆各作品のあらすじ有.verはこちら 1-63氏 かが×こな前編 (鬱要素/救済あり) かが×こな後編 (鬱要素/救済あり) …もしも、こなたが原作版と入れ替わったら? 前編 …もしも、こなたが原作版と入れ替わったら? 後編 1-80氏 無題 1-166氏 お見舞い 誕生日 耳 夏の日の思い出 1-176氏 催眠術 無題 1-316氏 かがみが残してくれたもの(前編)(死人あり・鬱/救済あり) かがみが残してくれたもの(後編)(↑の続き) 卒業したら・・・ 1-472氏  万引き(いじめ/多少救済あり) 二人だけの空間 さんにんきりでなにしてる 1-500氏  1巻86p『秘密の小箱』より 3巻47p『広く狭い』より ラストサマー・ホリデー(夏の終わり) 夜更けに降る雨 1-636氏 かがみの誕生日 1-65...
  • 作者別保管庫(1スレ目)あらすじ有.ver
    ◆あらすじ無verはこちら 1-63氏 かが×こな前編 (鬱要素/救済あり) かがみの目の前で事故に合ってしまうこなた。こなたを失ってから、かがみが彼女に対する気持ちを自覚したその時、(…キタコレ)という言葉が頭に響く。二人の甘いひととき。 かが×こな後編 (鬱要素/救済あり) こなたが目覚めた時、6枚ものでっかい翼を持つあの人に、究極の選択を言い渡される。一方、告別式の最中、かがみはこなたへの強い想いを募らせて涙を流す。その時… …もしも、こなたが原作版と入れ替わったら? 前編 柊姉妹の誕生日なのに、かがみから高価なプレゼントをもらってしまい、困惑しながらも喜ぶこなた。翌日、学校でこなたはかがみに屋上に呼び出される。 …もしも、こなたが原作版と入れ替わったら? 後編 体育の時間、意識が遠のいて保健室で寝ているこなたの唇に妙な感触が…。濃厚で、情熱的なかが...
  • 父親として
    「話があるんだ」 今にも崩れてしまいそうなくらい張り詰めた表情で娘はそう切り出した。 そういえばこなたがこんな表情をしてたことが一度だけあったっけな。 あれは確かこなたが小学校にあがるころだった―― 「お父さん、お母さんは死んじゃったの?」 どうしてもうまく説明できなくて、それに生死をまだよく理解できていなかったこなたが、本気でぶつけてきた疑問。 そうか。ちゃんと真実を伝えるべき時が来たんだな、と瞳に涙を浮かべる娘に俺は言った。 「ああ。お母さんにはもう会えないんだ」 泣いたっていい。ずっと希望を持たせて悪かった。 俺を怒ってもいいから、どうかこの事実を受け入れてほしい。 小さな、本当に小さくてか弱い娘を絶対に離さないと抱きしめる。 こなたは体を微かに震わせ、小さく嗚咽を漏らしていた。 「たとえ会えなくても、お母さんは俺たちを...
  • 潮風が目にしみる
    ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『潮風が目にしみる』 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――  地図を見ればわかるように、埼玉県には海がない。だから海水浴というのは、必然的にちょっとしたイベントになる。  日帰りで行くこともできなくはないけど、結構疲れる。となれば泊りがけだ。そうなると必然的に持ち物も増える。それに移動手段だって必要で。  ここまでくると事前の準備は、小規模な旅行の域にまで達する。参加メンバーの日程を入念に調整し、週間天気予報を睨みながら決行の日を決めた。それをカレンダーに書き込んで、約束の日を指折り数えて待ち望む。  ただそれだけのことなのに、自然と心が浮き立つのがわかる。  ──まるで恋する乙女のように。  往路では...
  • ゆーちゃんのたのしいどうわ~おむすびこなたん~
    『ゆーちゃんのたのしいどうわ~おむすびこなたん~』 むかしむかし、あるところにかがみというツリ目でツインテールの、いかにもツンデレなおんなのこがいました。 きょうはとってもてんきがいいので、かがみは 「天気も良いし、出かけようかしら。」 と、お外におでかけすることにしました。 もちものは おむすび、ぽっちー、らのべ、こなたんにんぎょう、つめかえようこなたんにんぎょう・・・ そして、ろっぽーぜんしょです。 かがみはまだ小さいので、ろっぽーぜんしょのないようはよくしりませんでしたが、しょうらいべんごしになりたかったかがみは、いつもこの本をもちあるいていました。 かがみはピクニックに行くためにじゅんびをします。でも、小さいリュックにろっぽーぜんしょは大きすぎて、なかなか入りません。かがみはもちまえの力で何とかろっぽーぜんしょをおしこみましたが、けっき...
  • 夏祭り
    祭りはお客さんも一体となって作り上げるものだ、ってあいつが言ってたっけ。こなたの言うそれはコミックマーケット(通称コミケ)のことだけれど、確かに言いたいことは分かる気がする。 もちろん催し物の良し悪し、関心を惹くかどうかで祭りの規模が、集客力が違ってくるのは当然のことだけど。 しかしながら集まった人々が発する無数の声が、様々な感情が乗せられた言葉が、混ざり合い広がることで、ある種の音楽を奏でているのだ、と。 言葉尻を捉えるでもなく、ただ不快じゃない、たくさんの声に耳を傾けていた。 「かがみ」 ふと聞き慣れた、舌足らずな声で名前を呼ばれた気がした。「かがみん」とも聞こえるような、少し甘えた感じの。 その発信源は祭りの熱に浮かされたように、トレードマークの一房の立ち上がった髪を揺らしながら、弾むような軽い足取りで人波の中を突き進んでいて。 周りのうるささもあって、気のせいかなと思...
  • 変わるものと変わらないもの
     お昼休み。私達はいつものように4人でお弁当を広げていた。  うん、お弁当。今日はチョココロネじゃないのですヨ。 「もぐもぐ・・・」 「どう、こなた。おいしい?」 「おっ、また腕を上げたね。とってもおいしいよ、かがみ」 「よかった~、味付け不安だったけど、大丈夫だったみたいね」 「よかったね、お姉ちゃん」  わたしの心からの即答に、神妙な面持ちだったかがみの表情が明るくなった。  そう、今日のお昼はかがみお手製のお弁当。  わたしとかがみがお互いの気持ちを伝え合った────恋人になったあの日から しばらくして、時々作ってきてくれるようになった。  当初はチョココロネばかりじゃ栄養が偏ってよくない、とまぁかがみらしい言い訳を していたけど、最近はそんなこと言ったのを忘れてるくらい入れ込んでるみたい。  もちろん、わたしにとっては嬉しいことだっ...
  • 君が愛してくれるなら
    「なんでこんなに、悲しいのかな…」 私は1人、夜空を見上げ。 高らかに、笑い飛ばした。 …いや。 笑い飛ばしたかった。 ◇ こなた、大学私と同じ場所がいいんだって。 それって、一体なんなのかな…。私、なんか期待しちゃいそうだよ。 もうすっかりお馴染みになった、こなたの家庭教師。 今日も、こなたに教える。 私にはそれが、すっごく楽しみで。 だって、こんなにも可愛いんだよ? 小さな小さな体をさ、一生懸命動かして。 こんなにも幼いのにさ、時々びっくりするくらい、大人な表情するんだよ。 みればみるほど、愛しくて。 その手、その脚、その瞳。 全てが輝く、宝物。 例えるなら、オルゴール。 小さな小さな、オルゴール。 手に取る分には可愛らしい。 でもひとたび、開けたなら… 音、一つ一つが。 輝い...
  • それぞれのよる(独自設定 注意)
    ~( 中央区 月島 )~ 下町情緒の残る街 有名なもんじゃ焼商店街から少し外れたところにある、とある店。 木造倉庫と思しき小さな建物の中から、裸電球の明かりと、異様な熱気が漏れてきます。 粗末なテーブルと腰掛けが外の歩道にまではみ出し、それでも足りずに、小型プロパンの上に座らされている客もいます。 その歩道の脇では、リヤカー山積みの発泡スチロールの箱から、マグロが恨めしそうに、客を睨んでいます。 酔客の喚声と、中国人らしい店員の、喧嘩腰の客あしらいが、この店独特の活気を演出しています。 こなたとかがみが高校を卒業して、二十数年後の、ある夜のこと。 彼女らの良人となった男たちが、この店で再会の杯を酌み交わしています。 かがみの夫は、都内に小さな法律事務所を構える弁護士です。 妻の親友の良人を、彼がもてなすのは、いつもこんな気の利かない...
  • 春の陽光、桜舞い散る記憶無き思い出の場所で
    春の陽光、桜舞い散る記憶無き思い出の場所で  プッ、プッ、プッ・・・。私―泉こなたは、唇に舞い落ちて来る桜の花弁を息で吹飛ばしていた。うん、まぁ、そんな格好つけた言い方してもしょうがないんだけどね。  今日は、四月なのにとっても暖かくてこうやって桜の木の下で寝転がっているのも悪くない。この桜の下は、お父さんとお母さんの思い出の場所なんだそうだ。私が生まれて、それからほんの少しの間だけれど、私とお母さんとお父さんと三人で、良くここにきて、私はお母さんに抱かれて、お母さんとお父さんは、この桜の木に寄りかかって舞い散る桜を眺めていたらしい。あーでも、写真を見る限りじゃ、お母さんの膝枕で眠っているお父さんしかないから、その辺はちょっと怪しいもんだね。  ま、そうは言っても、今隣にお父さんがいるわけじゃないけどね。隣にいるのはお母さんかな。お母さんが気に入っていて良く被っていた麦藁帽子。...
  • 卒業したら・・・
    イライラする。 目の前でいやいや文法書の問題を解いているこなたを見て思う。 こいつは何だってこんなにもやる気がないんだろう。 私たちは仮にも受験生だ。 自分で勉強する時間を作るのは難しくても、 勉強する時間を与えられたら一生懸命勉強するべきじゃないのか? 今日だって模試が近いからってせっかく4人で図書室に来たのに、 こんなんじゃみんなで集まった意味がないじゃない。 「ねぇねぇ~、つかさもみゆきさんも帰っちゃったしサ、  勉強なんかやめてどっか遊びに行こぉよ~」 「・・・・・・あんた私がそんな誘いに乗ると思ってるの?」 「う・・・思ってないデス・・・・・・」 「よろしい。さっさと終わらせちゃいなさいよ。  その章が終わるまで本当に帰さないからね。」 「ぅええ!?アレ本気だったの?キビしすぎるよかが...
  • こなかがスレSS保管庫・あらすじ一覧(1~5スレ目)
    こなかがスレSS保管庫・あらすじ一覧(1~5スレ目) ———————————————————————————————————————— 題名  作者名 投稿されたスレ  あらすじと設定(舞台、状況、関係、視点など)  前作→(本作)→続編(または派生作品) ※あらすじという名目上、極力控えめにしてはいますが、ネタバレになる事はあります。 ———————————————————————————————————————— 作者別保管庫(1スレ目) かが×こな前編   1-63氏 1スレ目  鬱要素/救済あり。かがみの目の前で事故に合ってしまうこなた。こなたを失って、かがみが彼女に対する気持ちを自覚したその時、(…キタコレ)という言葉が頭に響く。二人の甘いひととき。  (本作)→「かが×こな後編」 かが×こな後編   1-63氏 1スレ目  鬱要素...
  • 夜の学校に二人きり
    「う~ん、どこ行ったのかな~…」 「だからここじゃないんだって~」 体育館の倉庫で、私とかがみは、昨日かがみがなくしてしまった携帯を探していた。 「昨日もここ探したじゃん」 「でも、もうここくらいしか思い当たる所がないのよ!」 「ねえ~、もう帰ろうよかがみぃ~」 「もうちょっとだけ!昨日あんたの買物に付き合ってあげたでしょ!?ほら、こなたも探してよっ!」 「ふぁーい…だったら、今日の分の埋め合わせもしてもらいたいものだね」 「ん~…昨日の授業でここで電話があって、その後…いや、もしかしたら…ぶつぶつ」 「…聞いてないネ」 「あー!あった~!!ほらほら、やっぱりここだったでしょ!?」 ようやくかがみの携帯が見つかったようだ。やれやれ。 「はい良かったね~。それじゃもう帰ろうヨ。外暗いし」 「そ、そうね。ごめんね、こんな遅くまで…」 ガチ...
  • 前略 母上様(独自設定 注意)
    これは、こなたとかがみが高校を卒業してから、二十数年後のお話です。 この夜、少々不機嫌にとらわれたかがみを、自宅の居間で見ることができます。 ソファに身を預け、少しピリピリしながら、足を組んだり離したり、 スーツ姿でメイクも落とさずにいるのは、仕事から戻ったばかりということです。 四十代も後半というのに、その容色衰えぬどころか、年齢さえも知的な奥行きに換えて、 先ずは魅力的な、大人の女性に仕上がった彼女です。 弁護士として世の声望に応え、颯爽と日常をこなす彼女ですが、 先ほどから誰かと話をする、なにか突っかかるような、少し子供っぽい振舞いには、 日頃、職場での彼女を見慣れている人々が聞いたら、いささか驚くかもしれません。 評判の才媛をして、大人の仮面を捨てての取っ組み合いを強いる、その相手というのが、 余人にあらず、彼女の一人息子です。 ...
  • 誰が私のヨメになる?
    「小さい頃にさ、ままごとってやったよね?」 こなたの口から突拍子の無い発言が出たのは、昼食を済ませた後の昼休みのことだった。 「何よ、いきなり?」 「昨日、ゆーちゃんと話してたんだ。小さい頃はよく一緒に遊んでたねって」 こなたは思い出すように身振り手振りを使いながら話している。 「ふーん、それでままごとが出たってワケね」 「そうなのだよ。私もネトゲばっかりしてたわけじゃなかったんだねー」 「そんな小さい時からネトゲ漬けだったら、もう色々終わりだろ…」 今でも終わりかけているとは口に出さずに、私はこなたの話を聞き続ける。 「でね、思ったんだけど…今の私達でままごとをするとすれば、誰がどの役にピッタリかなって」 「なんかいきなり話が飛躍したな…」 不満そうな返事をしながらも、何となく頭で考えてみる。こなた、つ...
  • パーフェクトスター 第3章Bパート
    ――――――――――― 『パーフェクトスター』 ●第3章「貴方の存在」Bパート ―――――――――――  * * * 翌朝、本日も晴天なり。 午前中特有の明るく熱い日差しを浴びながら、家から駅までの道のりをかがみと一緒に歩いていた。 あの後、事情を説明して一緒にお見舞いに行かないかと誘たものの、かがみはこの日にバイトを入れていた。 私的にはそのバイトを休んででも一緒に来てほしい気持ちはあったけど、相手は共通した友人じゃないし、 あくまで私の親友のお見舞いのためにバイトを休んでくれとかがみに強要するのは躊躇われた。 でも、きっとかがみのことだ。 私が「バイトなんか休んで一緒にきてよ」と言えば、私の気持ち通りにツンデレながらも行動を起こしてくれたとは思う。 けれど、目の前で返答に悩んでいるかがみの取り巻く雰囲気が、...
  • 始まりは一歩から(2)
    ◇ 「ごちそうさま」 「ごちそうさまでした」 「おそまつさまでした~」 お父さんとゆーちゃん、そして私の声が静かな居間に響き渡り、 今日もまた騒がしい一日が始まる。 こうやって朝食の席に3人揃ったのって、久しぶり。 休みに入って以来だから、1週間ぶりかな。 やっぱりみんな一緒に食べる朝ご飯っていいよね。 まったく、誰のせいで揃わなかったんだか。 ……いやまあ、それは私が寝てたのが悪いんだけどね。 「やっぱりお姉ちゃんが作るご飯はおいしいね」 「いやいや~、それほどでも~」 「ううっ、こなたが作ってくれた味噌汁が五臓六腑に染み渡っていく。 今日を生きる活力になる。お父さん感激だあ」 「ちょっ、お父さん大げさだってば」 ぶわっと感涙を流すお父さんを見てると、夏休みが始まってからずっと朝ご飯を ゆーちゃんと二人っきりにさせてたのが悪かったなあと...
  • レミニセンス
    どうしてあんなことを言っちゃったんだろう。 私はお姉ちゃんの背中を探して、夜の鷹宮町を走っていた。 暗くて、寒くて。 よく知ってる町なのに別の世界みたいに思える。 びゅうびゅうと冷たい風が顔に当たる。 その風で耳が痛くて――でもきっと私よりお姉ちゃんの方が痛い。 涙が溢れてくる。 流れ落ちるとすぐにそれは冷たくなって、顎に落ちてく。 夜の闇の中で。 私はお姉ちゃんの名前を呼んだ。 「お姉ちゃん…お姉ちゃん………お姉ちゃん!」 +レミニセンス+ ずっと昔の話。 私はきらきらする木漏れ日の下で、ひざを抱えて泣いてた。 忘れっぽい私だけれど、その日のことはよく覚えてるよ。 小学四年生の時。季節は五月の終わりで、だんだん空気が夏に向けて暑くなってきてて。 木の隙間から見える空が、すごく青かった。 ...
  • こんなに好きなのに (4)
     冬の厳しい寒さに手がかじかみ、私は白い息を吹きかける。  新しい年、別れの年だった。  神社の境内で私が開いた手帳には、そっと挟んだ写真達。  気付いたら、こなたばかり集めていた。  私って馬鹿だな。  本当にそう思う。  友達に混じってはしゃぐこなたの姿──  ──私だけのものならいいのに  そんな風に思うなんて、本当に、私は馬鹿だ。 「お姉ちゃん?」  不意にかけられた声に、飛び上がりそうになる。 「おぅわっ?! つかさ、いつからここに?!」 「ついさっきだよー」 「いきなり声かけられたら、びっくりするじゃない!」 「へへ~、ごめん」  つかさは無邪気に笑う。悩みがなさそうでいいな、なんて思うのは、酷いかな?  今日は、初?詣の日だった。  実際には私達は巫女として初詣の日は働いていたので、三が日は過ぎている。 ...
  • かがみまもり
    「お姉ちゃ~ん、早くしないと遅れるよ~」 「おい、こなたー!おいてくぞー!」 外からの声だというのに、二人の声がガンガン頭に響き渡ってくる。 「ま、待って…ふああぁ…」 急いで荷物をまとめ、靴を履いて外に出ようとしたわけだが、まだ完全に起きれてない。 昨日はコミケやらカウントダウンやらで、はしゃぎすぎたのが悪いのだろう。 まぁ、大きな理由はもう一つあったりするんだけどね…。 『かがみまもり』 クリスマスにかがみから告白されて丁度一週間後の昨日、ほとんど一緒に一日を過ごした。 まず、朝一番でひよりやパティと一緒に冬コミへ突撃。 ひよりは自分のサークルもあるし、パティも一緒に手伝っていたようで、二人の休憩時間以外は、 ずーっとかがみと一緒に回った。 かがみも朱に染まったか、何冊か買っていた。頬も染まってたけどね。 その後、かがみの家に行ったわけだけど...
  • 4巻20p『好きな数字』より
    「柊ぃ~好きな数字を6つあげてみて~」 「唐突だな、どうしたの?」  珍しく日下部が休み時間にシャーペンを握っている。こなたもだけどこいつが授業中以外に ペンを持っているなんて珍しい。……授業中もか。  つくづく似てるなぁ…あいつと。ま、まあ勉強に対してはだけど。 「いや~ロト買ってみたいからさ」 「なるほどね」  納得した。  さっきからニヤニヤと何を思案しているのかと思ったら、ロトくじのことを考えていたようだ。 「みさちゃん、ちゃんと説明しないと柊ちゃん分からないよ」 「あーい。と言うわけで1から43の中で6つ頼むよ」 「適当な説明だな…まあ1から43で好きな数字を6つ選べばいいのね?」  好きな数字か…05と07かな?で05、28…って、いやいやいやいや! 「どんだけー?」と脳内につかさの声が流れる。 「どしたの?柊ぃ?」  ぶん...
  • 今日の小なた7(こなかがBBS)
    策士かがみ こな「『かがみは私の嫁!』」 つか「わっ!?」 かが「うわ、唐突ね」 こな「改めて宣言しとこうかと。あと、自分への戒めも込めて」 かが「何のことやら……とりあえず、道端でいきなり叫ぶなって。つかさも一時停止から戻りなさい」 つか「はっ……ふあぁ、びっくりした」 こな「ごめんごめん。最近どうも『こなたがかがみの嫁派』が多くてつい」 かが「私に嫁入りするのはそんなに嫌なのか」 こな「嫌じゃないけど、やっぱり私が主導権握りたいというか、かがみが夫とか生意気というか(しおらしい私なんて恥ずかしいし)」 かが「(むっ)へえ。じゃぁ、頼りがいのある夫にお願いがあるんだけど」 こな「お願い?あ、宿題自分でやれってのは勘弁してね!」 かが「違うわよ。二学期から、私の弁当作ってきてくれない?ゆたかちゃんの分を作るついでに」 こな「それはいいけど、でもそれってお嫁さ...
  • 第17話:フラグ
    【第17話 フラグ】 無菌室から一般病棟の個室に戻ったこなた。 何もかも1からやり直しながらみんなとワイワイ楽しそうに話している。 だが、かがみだけは一人廊下に追い出されていた。 中からそうじろうたちが一緒にエロゲの楽しみ方などをレクチャーしている声が聞こえる。 「ここをクリックするの?」 「そうだ、そうすると次の文章が出てくるんだ」 「あれ、選択肢が出て来たよ……とりあえず一番上」 「あ、それは……」 「ふむふむ……あれ、なんか、この銀色の髪の毛で黒カチューシャのヒロインに嫌われてる?……あれ、終わっちゃった?」 「フラグを潰してしまったな」 「なに?フラグって」 「フラグとはな……」 具体例を用いた非常にくわしい説明がつづく。 他の患者が聞いたらどんな顔をするだろうという内容の話し声をききながら、かがみは壁にもたれ、目を伏せてうつむく。 ...
  • 今日のこなた(15スレ目)
    34 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/02/25(月) 23 20 35 1Uv/OP2l アニ研部室 こなた「こうちゃんいるー?」 こう「あ、先輩方。どうしました」 こな「今月のコンプ無いかなと思ってさー。」 こう「ありますよ。あー、ひよりんのオリキャラですか」 こな「そうそうそう。かがみんも見て見て」 かが「・・・はー・・・オリキャラってか何と言うか・・・」 こな「まあ、私的には全然アリだけどね」 かが「こんな感じでずっとほのぼのと話が続くのなら健康的だわね」 こう「まあ、その辺はお察しで・・・。あ、このキャラの同人も一冊ありますよ、どうぞ」 こな・かが「(うっ・・・)」 ボソボソ かが「(ちょっと!覚えがある内容じゃない!)」 こな「(いやー、こんな事細かに見られてたとは・・・)」 かが「(だか...
  • お見舞い
    【あらすじ】 ひょんなことから夏カゼをひいてしまったこなた。        そこにかがみがお見舞いに来ました。 コンコン!(ドアを叩く音) かがみ「こなた、起きてる?」 こなた「…ん? かがみ? 起きてるよ~。」  かがみ「入っても大丈夫?」 こなた「うん、大丈夫だよ。 だいぶ落ち着いたとこだから。」 ガチャッ!(ドアを開ける音) かがみ「お~っす、色々大変だったみたいね~。」 こなた「そだよ~。ここ数日は酷い目にあったよ~。     あれ?そういえば今日はかがみだけでここに来たの?」 かがみ「ううん、違うよ。 つかさとみゆきも一緒よ。     でも、二人には飲み物とかを買ってきてもらう様に頼んであるのよ。     で、二人は途中のスーパーで買い物。 もうすぐ来ると思うわよ。」 こなた「ふ~ん、...
  • 何気ない日々:梅雨の空と四人の気持ち
    何気ない日々:梅雨の空と四人の気持ち  ジリリリリリリッ・・・カチッ。 ふぁぁぁぁっ・・・う~。眠たいよぅ。おまけに寒いしお布団から出たくないなぁ、出たくないなぁ。羊でもふもふのゆきちゃんが一人、二人、三人・・・くぅ~すぅ~。  ジリリリリリリッ・・・カチッ。 う~、何でこんなに目覚ましが鳴るんだっけ。止めたのに・・・どうしてかなぁ?ウサギのお姉ちゃんが一人、もふもふのゆきちゃんが一人、狐のこなちゃんが一人・・・くぅ~すぅ~。 目覚まし時計に設定できる限りの回数分、何だか楽しい夢に揺られて寝ちゃってた、えへへ・・・。 「ふぁぁぁぁ、あふぅぁぅ」 私―柊 つかさは、眠い目を擦りながら、布団から抜け出した。今日は、お弁当の当番が私だから、がんばらなく・・・ふぁぁぁぁっ。 「ん~、まだ大丈夫だけど、ここで寝ちゃったらきっと今日は学食になっちゃうよね」 何とか気合を入れて目...
  • じんぐる、べる
    12月24日───── 事の始まりは、終業式の後。 こなたたちのクラスで4人で談笑していたんだけど、こなたが 「今日、みんなでうちでクリスマスパーティしない?」 と突然言い出した。 クリスマスはバイトじゃなかったのかと聞いたけど、なんでも人手が足りて急遽休みなったらしい。 なんかいまいち不自然な理由な気はしたけど、 ともあれ、クリスマスをこなたとすごせるなんて、諦めてただけに嬉しかったから気にしないことに。 でもみんな、ってことはふたりっきりじゃないのかー。 ちょっとだけ残念、まぁみんなでわいわい過ごすのもいいか、なんて思ってたんだけど。 「ごめん、こなちゃん。今日はこのあと予定がはいちゃってて~」 「すみません、泉さん。私も今夜は先約がありまして」 あとの二人が申し訳なさそうに言う。 前からこな...
  • 6話 絆の作り方
    「えっと・・・最後にバルサミコ酢を入れてっと。」 バルサミコ酢を手際よくボールの中へ。我ながら料理の腕が上達したな。 もう1年たつんだな。お姉ちゃんと私が一人暮らしを始めて。あ、お姉ちゃんはこなちゃんと二人暮らしだった。 「出来上がり。結構たくさんできたから、お姉ちゃんとこなちゃんに食べさせてあげよっと。」 ピーンポーン・・・ 響くピンポンの音。もう7時過ぎているのに。 「およ?誰だろ?はーい!どうぞ?」 ガチャ・・・ 無言で開くドア。そこにいたのは見慣れた大事に親友さん。 「あれ?こなちゃん!どーしたの?」 「・・・あの、ふつつか者ですが今晩泊めていたたけないでしょうか?」 「ふぇ?」 頭の中でたくさんの私がフル稼動。こなちゃんはお姉ちゃんと暮らしてて、こなちゃんの家はお姉ちゃんの家。 なのに自...

  • とある日の放課後… こなた「さ、早く帰ろ帰ろう~ …って、あれ?」 つかさ「う… う~ん…。(ゴソゴソッ)」 こなた「どったのつかさ? 何してんの?」 つかさ「あ、こなちゃん。さっきから耳の中が少しごそごそしてて…。」 こなた「ふ~ん…。私はそういうの、あまりならないけどな~。     みゆきさんは、そういう経験ってある?」 みゆき「いえ、私もあまりありませんね。でも、かわりといってはなんですが、     お風呂等で、お湯が耳の中に入ってしまって、ずっと違和感が……。     というのはありましたよ。 おまけに、お湯を出そうとして片足跳びをしてる内に、     何度も壁に頭をぶつけてしまいまして…。」 こなた「(さ、さすが歩く萌え要素! 後でひよりんに報告だね、こりゃ。)」 ガラッ! かがみ「お~っす。みんな...
  • ~想いが重なるその前に(1)~
    「かがみ…」 学校も夏休みなある日、私はとある洋館に来ている。 「かがみぃ…」 今日はここでこなたとお泊りだ。もちろん二人きりで… 「かがみ…?」 なんで洋館なんかに来ているのかって?だってそれは… 「かがみぃ…っ!」こなたとの大切な二週間記念日だから… ~想いが重なるその前に(1)~ 「かがみん~!」 私を呼ぶ声がする。このちょっと気の抜けた可愛い声。 「あいつだな。」そう呟いて振り返る。小走りで近づいてくるまるで小学生のような小さい体。長い長いストレートの髪には鮮やかな蒼と飛び出る一本のアホ毛。そして私を見つめるエメラルドグリーンの瞳。どこをとっても私の一番のアイツ。 「こなた!?」 分かってはいたけれど少し驚いたような振りをした。 「やふ~かがみん!今日も一段と綺麗だね~。」 「い、いきなり何言い出すのよこんな朝早くからっ!しかも日...
  • レイディアント・シルバーガン
    わたしのこと、愛してる?  地球人類絶滅。  絶望の中で跳んだ紀元前9万9980年、全てを滅ぼす『石のような物体』との戦いで最後に聞こえる声。  人類の生き残り、最終戦闘機シルバーガンが閃光の中に消え、人類の歴史は終わり、始まる。  この世界で唯一の『特別』なシューティングの話。   ………  私はふと、たまたま見かけたゲーム屋の前で立ち止まる。  綺麗で清潔で、照明のまぶしい家電量販店の一画にあるゲームコーナー。 「どうしたの? こなた?」  かがみの言葉に、私は小さく横目でその顔を一瞥するだけで、すぐにゲーム屋に視線を戻した。  私の目の前に広がる、白が眩しい棚にならぶゲーム達、その、やけに小さなパッケージ。  いつの間にかコンシューマーのゲームは少なくなり、携帯ゲームばかり立ち並ぶ店内に目立つのは、頭を鍛えるとか脳年齢がなんだのかんだの...
  • パーフェクトスター 第3章Cパート
    ――――――――――― 『パーフェクトスター』 ●第3章「貴方の存在」Cパート ―――――――――――  * * * 夕暮れも終わり、夏の星座が自己主張を始める時間。 つかさの前では故意的に避けていた訳ではないけど、一度も話さなかった話題をみゆきさんとしながら帰路に着いていた。 ツンデレで、素直じゃないのがまた堪らない人の話題。かがみのことだ。 「そういうところがかがみらしいんだけどネ」 「うふふ、素直になれない気持ちもわからなくはありませんが」 といっても、かがみと一緒に過ごしたこの二週間の面白エピソードを私が一方的に話しているだけで、 みゆきさんは相づちをうちながら時折口を挟んでいる感じ。 あれからみゆきさんが考え込んで活動停止することはなかった。 そうしながら歩を進めていくうちに、み...
  • 始まりは一歩から(4)
    ◇ 「えーっと、これと、あとは……これで全部かな」 一通り明日の勉強会に必要なものをバッグに詰め込み終わり、ふうっと一息つく。 すぐに終わると思っていた準備も、行方不明になった世界史の資料を探すのに手間取ってしまい、 結局押入れの中までほじくりかえす一労働になってしまった。 今夜は空気もカラッとしていて涼しかったから冷房を入れずに作業をしていたんだけど、 さすがに動くと暑い。 手の甲で額の汗をぬぐうと、予想以上に自分が汗をかいていることに気づいた。 じっとりと汗で濡れた肌にはTシャツがはりついていて、まるでピチピチのシャツを着たかのように 体のラインをくっきり浮かび上がらせている。 鎖骨からお腹にかけて描かれたほぼ垂直の起伏の少ない断崖絶壁は、 凄腕のロッククライマーが挑戦するのには最適なロケーションだろう。 「いいもん、ステータスだもん」 じっと自分の胸を...
  • ひとり、ふたり(後編)
    ひとり、ふたり(前編)へ 4 「落ち着いた?」 「…うん。さっきよりは」  こなたが小康状態になるまでは、かなりの時間を費やした。どうやらこなたの気持ちの暴走も一段落したようだ。  私はこなたを正面から見据えて、切り出した。 「じゃあ、私の話…さっきの続きなんだけど…中断しちゃったからね…聞いてくれる?」 「…できれば…聞きたくないよ…。でも、聞く」  こなたも私を正面から見ている。まつげがふるふる震えている。ちょっと怯えた顔だけど、それでも私の話を聞いてくれた。 「私ね…こなたとずっと一緒にいたらいけないと思うの。あの…こなたが私を好きって言ってくれてからこんなこと言うのもすごくずるいんだけど…こなた、寂しかったんだよね?」 「…!」  こなたが息をのんだ。 「…気づいて…たの…?」 「いや、確証があったわけじゃないよ?でも、んー、結構前になるんだけど、ほら...
  • 遠いあなたとお花見を
    「二人でお花見しようよ」 そうこなたに誘われたのが昨日の夜の事。 最初に聞いたときは何を考えているのだと思った。 なぜなら、その日に私達はみゆきとつかさも合わせた四人でお花見に出かけていたのだから。 桜はとても綺麗だったし、もう一回ぐらい行ってもいいかなとは思ったけれど、さすがに二日連続で行く気はない。 だけどお花見に誘うこなたのどこか真剣な声に、私はそれを断る事が出来なかった。 『遠いあなたとお花見を』 「おーっす、こなた」 「おお、いらっしゃい。かがみん!」 玄関のチャイムを押すと、ドアを勢いよく開けてこなたが出迎えてくれた。 「一応、約束通り来たけど…私、用意とか何にもしてないけど大丈夫?」 「うん、大丈夫大丈夫。ほら、上がってよかがみ!」 「えっ?お花見に行くんでしょう?……もしかして、準備とかまだ出来てないわけ?!」 ...
  • 愚痴
    夕方、お姉ちゃんが怒った顔をして帰ってきた。 かと思ったら、晩御飯の時は少し悲しそうな、落ち込んだ顔をしてて…… 今日はこなちゃんとデートって言ってたから、こなちゃんと何かあったんだと思う。 こなちゃんとお姉ちゃんの関係は特別だから、他人には言えない悩みとか苦しみとかがあるんじゃないかな。 だからこそ、力になってあげたいと思う。妹として、友達として…… 『愚痴』 「どうした、つかさ?なにか用でもあるの?」 部屋のドアを開けてくれたお姉ちゃんは何時もと同じ、優しいお姉ちゃんだった。 でも、何か違う。何時もと同じお姉ちゃんだけど、何時もと同じじゃない。なんでそんな風に思うんだろう?やっぱり姉妹だからかな? 「えへへ、一緒にお茶にしようかなって思って。今日、スコーン焼いたんだ~。ほら!」 私は足元に置いてあるお盆を指差した。そこにはスコー...
  • プロジェクト・こなかが そして時は動き出す
     放課後になり、かがみがこなたのクラスに顔を出す。それは世の理に正しく則った行為であり、2人が連れ立って夕刻の街の中に消えていこうと、それを疑問に思うものは誰もいない。  なので、今日もかがみは、さてこなたを誘って本屋でも行こうかな、と思いながらB組の扉に手を掛け、引き戸を思い切りと言うほど小気味良く引いて、 「オッス、こなた」  と、声を掛けたのだが、 「あれ……?」  そこに想い人の姿はなかった。 「あ、お姉ちゃん」  と、代わりに声をかけて来たのはつかさ。隣には至高天に昇ったダンテですら見ることはついぞ叶わなかっただろう、と思えるほどの微笑みを満面に湛えたみゆきが連れ立っている。 「泉さんをお探しですか?」  問われ、こくんと頷くかがみ。それを見たみゆきは、ああ残念と表情を曇らせて、 「泉さんなら先程、一足お先にお帰りになりましたよ」  厳...
  • Exam Climbing ~かぜにあそばれて~
    「これだけできれば、大丈夫かな」  答え合わせしたノートの『188』という数字を見て、ほっと一息つく。  入学試験まで、もう18時間。赤本に残っていた最後の過去問も無事に撃墜した私は、窓から  陽の傾き始めた空を見やった。  今頃こなたの奴はどうしてるだろう。  陵桜祭の夜、頑張って同じ大学に受かる、って約束してくれたこなた。  本当は凄く嬉しかったのに、無理しなくてもいいのにって誤魔化した私を、こなたは嫌な笑顔で  からかってくれたっけ。  でも、あれからこなたは本気で頑張り始めた。好きなネトゲやアニメもやめた。  行き帰りのバスの中でも世界史の年号を覚えて、休み時間や昼食の間も、自作の英単語帳  (何故か例文が全部アニメやゲームのネタだったけど)と向き合って……。 「私も、頑張るからね」  空の向こうのあいつの家に、小さく呟い...
  • 無題(6-824氏)
    「ちわーす♪」  声とほぼ同時にドアが開いて、小さな体が飛び込んでくる。  ブルーのロングヘアに、実用一点張りの子供っぽい服――こなただ。 「体調どう?」 「別に、あんまり変わんないわね」 「じゃあ体重は?赤ちゃんじゃなくてかがみの」 「ああ、そっちも順調に増え……って、をい」  捕まえて頭をぐりぐりしてやろうと伸ばした手をかいくぐって、ニヤニヤこっちを見つめるこなた。  こっちがロクに動けないのをいいことに、毎回やりたい放題だ。  まぁ、退屈で殺風景な病室では、そんなこなたの悪ふざけも貴重な癒しなんだけど。 「おや?今の初デート中の中学生みたいな視線……どうしたのかなかがみんや?」 「別に気のせい、何でもないわよ」  ……こなたにバレたら一生後悔しそうだから、絶対言えないけどね。 「けどさこなた、あんたも別に無理...
  • 押してダメならもっと押せ
    一人きりになった自室のベッドの上でこなたはぼんやりと天井を眺めていた。 そういえば夕食の当番は誰だっただろう、確かそうじろうだった気がする。今のこなたには料理など作れやしない、自信を持って言えた。 薄暗がりの部屋の中で自問自答を繰り返していた。あの時あの行動は何を思っていたのか。これから先どうしたいのか。 ごめんと言う謝罪の言葉を先に告げて自分の心をさらけ出していたかがみ。泣きそうな、でも真っ直ぐに射抜いてきた視線が脳裏に焼き付いている。 意味合いは違えど好きだった。掛け替えのない親友。真剣な眼差しに高鳴った鼓動は上手く説明できないが、好意を向けられていることはとても嬉しかった。 拒絶はしない、できない。が、応えることもできなかった。ただ受けとめたかったから、示すためにした頬へのキス。 今はまだ。なら今後の展開次第で唇を重ねることもあると言うのか。 想像して、身悶えした。その...
  • 拝啓 柊かがみさま
    管理人注:作者さんからの前書きはこちらです 1 「拝啓 柊かがみさま  突然のお手紙で驚かれるかもしれません。不躾なことを先にお詫び致します。しかし、私は陵桜学園で過ごすこの最後の日を迎えるにあたって、かがみさんにどうしてもお伝えしておきたいことがあるのです。このことを決心をするまでには約二年もかかりました。それも、直接ではなく、このようなお手紙という形になってしまいました。さぞ意気地のない人だと思われるかもしれません。実際その通りです。私は臆病者です。ですが、これは私の、ない勇気を振り絞っての、最初で最後のお手紙です。少々冗長かもしれませんが、最後までお読みいただけると嬉しいです。  最初にお伝え致します。私は、かがみさんが好きです。クラス中の、学年中の、学校中の、いや世界中の誰よりもかがみさんを好きでいる自信があります。このお手紙には、その想いを全て詰め込んだつもりです。...
  • 序列
    「ずっと一緒にいてほしい」 かがみは寂しがり屋さんだね~とからかうはずだったのに声が出ない。 やはり照れくささからほんのりと赤くなってる頬に、じっと私を見つめるその真剣な表情に、 私は見とれていたんだ。 あの日、友情の中で損得勘定をしている自分が間違っていると気付いた。 友達同士、親友と呼べる仲の私たちに迷惑だとか考える必要はなかったんだ。 いや、まぁ多少甘えすぎとかは気にすべきだけどさ。 とにかく、私の行動を自己中だとかそんな風に思ってなんかなくて。ありのままの私を受け入れてくれるんだと。 本当に私は恵まれてるんだ。 もったいないなんて言ったら怒られるだろうね。感謝の気持ちを心の中でね。 そんなことを思うようになったからか、それとも久しぶりにかがみと楽しい時間を過ごしたからだろうか。 気持ちがそっちに傾いちゃって、また私らしくないとか考える暇も...
  • かがみ様と選択肢
    かがみ様と選択肢 「おーす、こなた。お見舞い来たわよ…って寝てやがる…さては、また徹夜してたな」  間抜けな顔して寝息を立てているこなた。まぁ、こんな時間に寝てるって事は、“昨晩に何をやっていたのか”だいたい想像がつくというもの。  ネトゲ、もしくはゲーム、漫画、アニメ、挙げていけばキリが無い。まったく…風邪ひいてるんだから、大人しく寝てなさいっての。  しかしまぁ、起きていてもアレ…相手するのが面接くさいけど、寝ていれば寝ているで暇で仕方ない。ていうか起きてなさいよね!お見舞いに来ても…その、なんか微妙だし…。  それにしても、どうしようか…? →・こなたんゲットだZE☆  ・眠り姫だなぁ!こなたん!!  ・いただきますWWW  ・私は我慢弱い女だッ!  ・ウホッ♪いいこなたんWWW  ……いやいやいやいや!変態か私は!  そう!こなたに押...
  • ささやかに特別な
    思えばその日は朝から眠そうだった。 下睫毛のさらに下、陰りが眼窩を掘り下げて不穏なオーラを醸し出す。 顔面が見えなくとも微妙に丸まった背が憔悴をアピールする。 驚きなのは、寝不足そのものといった雰囲気を発するのが私ではなくかがみという点だ。 「さてはネトゲで徹夜?」 「……あんたと一緒にすな……今日を何の日だと思ってんのよ」 今日は5月28日。私の誕生日だ。 でも私の誕生日がかがみの寝不足起因となるわけもない。 よなべをして手袋編んでくれた、という線は希望として捨てがたいけれど、春真っ盛りうららか陽気に手袋はないだろう。 「今日は中間テスト最終日でしょうが」 「あー……直視したくない現実だネ」 かがみの隣で沈痛気に目を伏せるつかさも同意見のようだ。 「あんたらはきちんと試験勉強したんでしょうね」 『寝ました』 私とつかさ...
  • 『泡沫──うたかた──』~シャボン玉 Konata side~
    「ごめんくださぁい」 本当はこんな挨拶等せずに、すぐに入っていきたい。 だけど、初めてこの家に来たとき“意外に最低限の常識はあるのね”と言われたので、この儀礼は外せない。 自分でも子供じみてるし、いつまで根に持ってるんだか、とは思うけどね。 「おーす。早かったわね」 お決まりの挨拶を返して、戸を開けてくれたのは勿論、柊かがみ。私の親友、だ。 「いやぁ。かがみんに早く会いたくなっちゃって」 「な、何言ってんのよ!」 しまった。そう思った。“早く会いたくなった”など、不自然すぎはしないだろうか。 私の想いを悟られては、ならないのだ。落ち着け、私。 平静を保つんだ。いつも通り、自分の思い描く自分を演じるだけでいい。 「あれあれ~。もしかしてかがみん、ドキッてしちゃった?」 そう。それでいい。私は瞬時にニヤニヤとした、貼り付けたような笑みを浮かべた。 つくづく、この点に関...
  • こんなに好きなのに (3)
     私達二人の関係は、どんな形をしているのだろう。  それは恋人でも友達でもない不定形で、あの夜のキスだけ、ピースが上手く嵌らない。  女の子同士で、私はこなたと親しくなりすぎて、私はどうしていいのか分からないままだ。  放課後の四人での帰り道。  最近では帰る度に一日一日、卒業が近づくのを感じて、不安な気持ちが抑えられない。 「もうすぐ、クリスマスだね」  とつかさが笑う。  飾り付けられた街の電飾がピカピカ光って、世界は冬の装いに満ち始める。  冬休みだってもうすぐだ。でもそれが嬉しいよりは、近づく別れが私を寂しくさせる。  隣を歩くこなたの表情からは、私に対する本当の気持ちが、どんな形をしているのかは読み取れない。 「恋人が街で増える季節だよねー、私はまあ、ネトゲで過ごすんじゃないかと思うけどー」 「不健康だな、相変わらず」  恋人、という単語に、私はどき...
  • ちょっとした姉妹離れ
    お姉ちゃんがいないと、勉強もスケジュール作りも、ちゃんとした寝起きもできない私だけど、 料理だけは教えてあげられるよ。 覚えなきゃいけない公式の意味や、英語の文法、お姉ちゃんが目指す弁護士が 具体的に何をする仕事なのか、みんなよくわからない私だけど、 ひとつだけ絶対にわかることがあるよ。 「……でね? 新作が出たからって連れまわされちゃってさ」 「新作? こなちゃんが好きなアニメとか?」 「そうそう、OVAで、初回限定のフィギュア付きだって喜んじゃってね」 「おー、ぶい、えー……」 最近のお姉ちゃんはなんだかとっても目が輝いてる。 輝いてるっていうか、何ていうのかな、キラキラしてるっていうか。 あ、同じ意味だったかな、そうだよね。 「そういえば、お姉ちゃん。  こなちゃんと二人になってる時間、増えたよね」 「えっ...
  • 小さな足跡(3)
    ◆ こなたに謝る決心をした後、部屋を出てまずは朝食を摂ることにした。 あれだけ悩んでおきながら、よく食欲が出るなと我ながらあきれる。 でもまあ私らしいといえば私らしい。 何事も腹が減っては戦はできぬと言うし、食欲があるのは健康な証。 そう言い訳して前向きにとらえることにした。 部屋を出て、まずは1階に向かう。 さすがにまだ朝早い時間帯だけに、家の中は静まり返っている。 まだみんな寝てるのかな? そう思って1階に降りると、台所からトントンと小気味の良い音が聞こえてくる。 お母さん、こんな時間にもう起きてるんだ。 早速台所へと向かった。 そこには案の定お母さんの姿が。 いつもそこにある日常の風景に、心が安らいだ。 ──毎朝こんな早い時間に朝ごはん作ってくれてありがとう 恥ずかしくて素直に言えないかわりに、心の中でそうつぶや...
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