こなた×かがみSS保管庫内検索 / 「後編「幸せはいつも傍に」」で検索した結果

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  • 後編「幸せはいつも傍に」
    その日は朝早く目が覚めた。 すぐに、昨日の出来事を思い出す。 夢……ではない。 身支度を整え、部屋を出る。 つかさはまだ寝ているようだ。 お母さんとお父さんには委員会があると適当な理由をつけて、 早めに家を出ることにした。 「行ってきます」 そう言って、家を出る。 学校行ったら、こなたに謝らないと……。 「かがみ」 『その人』はそこにいた 「こな…た……!?」 「かがみ。その……」 「き「昨日はごめん!!」」 とっさに謝ったが、こなたの声に被ってしまう 「あ……その、いきなり電話切ったりしてごめんね……」 「こっちこそ、調子に乗りすぎちゃってごめん……  ……つかさは一緒じゃないんだよね……?」 「まだ寝てると思うけど……」 「……じゃさ、ちょっと2人だけになれる場所行こ……?」 「え...
  • 作者の部屋(6-600氏)
    前編「ファースト・ブライダル」 中編「いつか見た夢」 後編「幸せはいつも傍に」 模擬挙式編「彼方への誓い」 お泊り編「彼方より見守って」 二人の夢編「彼方からの贈り物」 コメントフォーム 名前 コメント
  • 作者別保管庫(7スレ目)
    ...6-600氏  後編「幸せはいつも傍に」(中編「いつか見た夢」の続編) 模擬挙式編「彼方への誓い」 お泊り編「彼方より見守って」 二人の夢編「彼方からの贈り物」 6-774氏  ハレ舞台 お弁当 6-907氏(14-586氏) 無題 7-438氏 パーフェクトスター プロローグ パーフェクトスター 序章Aパート パーフェクトスター 序章Bパート 7-629氏 無題
  • 作者別保管庫(6スレ目)
    ...編「いつか見た夢」 後編「幸せはいつも傍に」※移動 6-727氏 けっ☆とう 6-774氏 夢の中で 6-907氏(14-586氏) スレの夢の終わりに…(6スレの埋めネタ) 小なたまとめ その1
  • 中編「いつか見た夢」
    ...当は……。 後編「幸せはいつも傍に」へ続く コメントフォーム 名前 コメント
  • こなかがスレSS保管庫・あらすじ一覧(6~10スレ目)
    ...イダル」→(本作)→後編「幸せはいつも傍に」 全6作のシリーズの2作目。 後編「幸せはいつも傍に」  6-600氏 6スレ目  ネトゲをやった次の日の朝。かがみが家を出ようとした時、家のすぐ前にこなたがいた。二人きりで公園に来ると、こなたはかがみを抱きしめて、自分のかがみへの想いを告白する。  中編「いつか見た夢」→(本作)→模擬挙式編「彼方への誓い」 全6作のシリーズの3作目。 ポッキー折り損のくちびるもうけ  6-626氏 6スレ目  日曜日。かがみの部屋に来たこなたは、ポッキーゲームをしようとかがみに提案し、実行する。ゲームの最中、こなたの顔はどんどんかがみに近づいてきて… けっ☆とう  6-727氏 6スレ目  放課後、かがみは、B組でみゆきがこなたに意地悪している様子を見る。みゆきとつかさが教室から出ていった後、かがみは泣き続けるこなたを、優しく抱...
  • こなかがスレSS保管庫・あらすじ一覧(シリーズもの、大長編)
    ...編「いつか見た夢」 後編「幸せはいつも傍に」 模擬挙式編「彼方への誓い」 お泊り編「彼方より見守って」 二人の夢編「彼方からの贈り物」 ネトゲ内で結婚式を挙げたことをきっかけに、こなたとかがみの心の中に変化が起こる。その後、二人は模擬挙式を行うことになった。 ———————————————————————————————————————— 7-438氏  「パーフェクトスター プロローグ」から15話(未完結) 7スレ目 パーフェクトスター プロローグ パーフェクトスター 序章Aパート パーフェクトスター 序章Bパート パーフェクトスター 第2章Aパート パーフェクトスター 第2章Bパート パーフェクトスター 第3章Aパート パーフェクトスター 第3章Bパート パーフェクトスター 第3章Cパート パーフェクトスター 第4章Aパート パーフェクトスター 第4章Bパート...
  • 無題(H1-66)
    何気ないいつも夕食時間。 今日はお父さんが遅くなるので妹のゆーちゃんと二人でご飯を食べていた。 「ねぇ、ゆーちゃんはみなみちゃんの事好きだよね?」 「うん、大好きだよ!」 「二人でいる時はどんなかんじなの?」 「うーん、一緒にいると嬉しくなって幸せになれちゃう♪」 「へ、へぇー…」 何気ない会話のつもりが、いつしかゆーちゃん、みなみちゃんとのノロケ話に。 ゆーちゃんはみなみちゃんの事が好きで、みなみちゃんもゆーちゃんの事が大好き。 それは誰が見ても間違いない事実で、この二人が付き合わない理由が不思議だった。 「えー、だってみなみちゃん、ああ見えてすっごく恥ずかしがり屋さんなんだよー。  今付き合って手とか繋ぎ始めたらみなみちゃん、きっと一日中真っ赤になりっぱなしになっちゃうよー?」 えへへー♪とか微笑みながらその説明をするゆーちゃん。 いやもう、...
  • 「いつもの二人」
    泉こなたが柊かがみと付き合い始めて3ヶ月。 こなたが振り回し気味だった二人の関係はコペルニクス的に転回していた。 惚れた弱みという言葉も宛てにならない場合があるようで。 ツンデレではなくただのデレデレにジョブチェンジを果たしたかがみは壮絶だった。 電撃告白で寄り切ったうえ、惚れて弱るどころか(性的に)こなたを押し倒す勢いに。 そんなところも含め、こなたはかがみに押されっぱなしになった。 そんなこんなでこなたの身辺は(かがみ主導で)いろいろと変わった。 まず、こなたとかがみの二人だけで過ごす休日の数は大幅にアップした。 ついでに遊ぶ場所もアキバ・大宮・池袋の三択を脱出し、デートスポットを開拓中。 もちろんスポットの開発は基本的にかがみによるものだ。 休日はほぼ必ず二人で出かける時間をつくる、というルールさえ制定された。 「そんなルールいらないよ」と抗議したこ...
  • 哀雨
    雨が冷たい。肌がヒリヒリする。指がかじかむ。私の中に温かさはない。 私の胸にポッカリ空いた空虚に吸い込まれるように、春雨が降り注ぐ。 私を責め立てるように。 こなたの温度をかき消すように。 私がこなたに出会ってから3年。私達は陵桜学園を卒業した。 「早かったね。高校三年間。お姉ちゃんやこなちゃん、ゆきちゃんと居たからかな?」 「そう考えるととても感慨深いですね。」 「つかさやみゆきさんはロマンチストだねー。ま、かがみはどうか分からないけど。」 「うるさいわね。私だって少しぐらい感傷に浸るわよ。」 少しぐらいじゃなかった。たくさん、たくさん、胸にくるものがあった。 思い出が多過ぎて、私に刻みきれないくらい、たくさんの幸せがあった。 それはもちろん日下部達ともそうだけど、やっぱり。 「私、皆と同じクラスにはなれなかっ...
  • 哀詞
    季節は目まぐるしく回る。そんな季節に取り残されていると感じる。 私の季節は4ヶ月前、こなたを残酷に傷つけたあの日で止まっている。 私の季節は、春雨が降る、薄暗い初春。 あの日から、私の頭にはいつもこなたの影がちらつく。 さよなら。 笑いながら哀しんでいるこなたが、私の中に住み着いている。3年間、一度も見たことが無い表情で。 「お姉ちゃんどうしたの?せっかく家に帰ってきたのに暗いね。」 「えっ、あっそうかな・・?」 「夏休みにぐだーってしてるお姉ちゃん見るのは初めてかも。」 「ちょっと夏バテかもなー。」 「じゃー後で私がご飯作るね。専門学校で教わった料理とかご馳走するよ。」 「ありがとう、つかさ。楽しみにしてるわ。」 いつもこうやって私は偽っている。つかさや大学の友達、そして自分にも、偽っている。 深く考えられない。...
  • 星の卒業式
    <飼いならすって、それ、何のことだい?>――王子様は聞いた。 <仲良くなるっていうことさ>――キツネは答えた。 3月某日。私達は陵桜学園を卒業した。 長いようで短かった、3年間。色々な事をした――彼女と一緒に。 彼女と私は今、揃って‘星桜の樹’を見上げている。 彼女が行こうと誘ったから、私は頷いた。 手を繋ぎ、歩いた道。その一歩一歩に見覚えがある。私と彼女で歩んだ道。 最初会った時は、驚いた。まず、この身長差に。 <だけど、あんたがおれを飼いならすと、おれたちはもう、お互いに離れちゃいられなくなるよ>――キツネは言った。 まさに、その通りだった。 出会った当初、彼女は他の十万もの女の子と変わりはなかった。 彼女の目から見ると、私は、他の十万もの女の子と変わりはなかっただろう。 何が切欠で、何が理由だったか、覚えてはいない。 ただ、気が付いた...
  • 同じ気持ちの2人
    私がかがみを好きなのは当然の事だと思う。 だってツンデレだし、ツインテだし、優しくて寂しがりなウサちゃんだし。 だから私がこうやってかがみに引っ付いたりするのは自然な事なのだよ。 「かがみん!かがみん!ぎゅ~♪」 「ちょっとこら!こなたぁー!」 まあ当然、かがみは嫌がるわけだけどね。でもそんなのは建前だけ。 ほんとは私に抱き付かれて嬉しそうにしてるのは見ればわかる。 かがみは私の事が大好きなのだっ!ふふーん♪ まあその好きってのが妹や子供に対するそれに類似しているのが悲しいところなんだけどネ…。 「かがみーん!一緒にゲーマーズ行こう!」 「あ、ごめんこなた。今日は委員会の用事があるから…」 ま…、まあそういう日も時にはあるわけだ。かがみだって一日中私に付き合えるわけじゃない。 私には、そもそもかがみを縛るような権利も権限もないわけだし。 私...
  • 雨の後の夜空は
    おはようございます!1月11日、朝7時のニュースです・・・ 天気予報や昨日の出来事などをキャスターが一生懸命伝えている。毎日が同じニュースの繰り返し。 それでも今日が始まる。 『もしもし、おはよーお姉ちゃん。』 「おぉ・・・今日は雪でも降るのかな?」 『なんですとっ!お姉ちゃんひどい・・・』 子機を肩と耳に挟み、両手でオムレツを作る。我ながら器用になったと思う。 カーテンから零れ出る光が気持ちいい。テレビから作り出されるニュースは良く聞こえない。 聞こえるのは子機から零れる私の妹の可愛らしい声。 「はは、ジョーダンよ。おはよ、つかさ。朝早くに電話なんて珍しいわね。どうしたの?」 『たまには早く起きるよ。お姉ちゃん、今日何の日か覚えてる?』 今日?1月11日。誰かの誕生日?違う。忘れちゃったな。 覚えているのは、あ...
  • 問い
    空はどこまでも高く、どこまでも青い。 雲ひとつない、快晴といって良いんじゃないかな。 日差しはとっても暖かで、時折吹く風が気持ちいい。 そんなうららかな昼下がり、私とかがみは公園のベンチで昼ごはんなんかを楽しんでいた。 「ふう、食べた食べた。ごちそうさま、おいしかったわよこなた。」 「お粗末さまでした。はい、かがみ。お茶。」 私は水筒のからコップにお茶を入れると、かがみに渡した。 「ありがと。」 かがみがお茶を飲んでいる間に、私はすっかりからになったお弁当を片付ける。 二人分にしてはちょっと多いかななんて思ったけど、かがみの食欲にはかなわなかったようで。 「それにしても、外で昼ごはんを食べようなんて、こなたにしては随分素敵なことを言ったものね。」 そう言ってかがみはコップに口をつける。コップから出る湯気が、まだお茶が冷めていな...
  • かがみのみぞ汁
    「こなた~、こないだ貸したフルメタの短編集、ちゃんと読んだ?」 「う、うん。結構面白かったよ。てか、かがみ顔近いよ?」 「でしょでしょ? 原作のラノベだってなかなか面白いでしょ?」 (だから顔が…って、聞いてないか) 「はい、これ次の巻」 「いいっ!?」 「ささっ、読書の秋。さっそく次行ってみよう!」 『目と鼻の先-Eye Don't Nose-』 「行ってみよー!」というかがみの勢いに負け、私はその場で本を開いた。  ペラリとページを何枚かめくり、とりあえずカラーイラストに目を通す。 (おおうっ!早速巫女かなめ♪相変わらず四季童子さんのイラストは可愛いなぁ…)  なーんてことを思いながらちらりと目線を上げるとかがみのそれとぴったり合った。  じ~~~~~~っと言う擬音が聞こえてきそうなほど顔を近づけて、かがみは私の正面から こち...
  • 無題(H2-209氏)(仮)4
    最初に感じたのは匂いだった どこか懐かしくて、とても安らげる そんな匂いに包まれながら私は目を覚ました 「う…うん?」 「かがみ!目が覚めたんだね、大丈夫!?」 視界に映るのは、見覚えのある天井とこなたの顔 「あれ…私‥?ここは…こなたの家?」 記憶があやふやで今の状況と繋がらない とりあえず体を起こそうとしたところ、こなたに止められたので仕方なく元の体勢に戻る 「そうだよ、何も覚えてない?」 「いや、確か…あんたに引っ張られて……」 そう、急にクラスから引っ張りだされて 「靴を履き替えてから……私…どうなったの?」 こなたと何かを話してた事は朧気に覚えているが、そこからがどうやっても思い出せない そんな私を見て、こなたが簡単に説明してくれた どうやら下校中に倒れたらしい 「成る程…二,三質問が有るけど良...
  • 真実の心を(後編)
    どうして、こうなったんだろう…? いつかその日が来ると、淡い期待をしていたのに... 「わーい♪こなたぁ~♪」 「ちょ、かがみっ!人前で…」 いつもの通学路。 待ち合わせに遅れた私に訪れたのは、甘い誘惑‥。 ‐『真実の心を‥後編』‐ いつも願っていた。 私とかがみがそんな関係になれたらいいのに、と。 でも… 「こなたんのほっぺ柔らか~い!」 「かがみっ!お願い、止めて…」 ‥何かが違う。 ‥どうして、こうなった? 公衆の面前で、平然と私に頬ずりをしてくるかがみ。 壊れてしまった、かがみ…。 ――あの時から、ずっとそうだった。 病院で目覚めたかがみは、人格を失い、幼児化していた。 私を見付けるたびに喜色の声を上げ、懐いて来た。 正月の、あの日からずっと‥。 「こなた~♪こなた~♪...
  • ゆびきりげんまん
    道を行き交う人々。スーツを着込んだ会社員や買い物バッグを提げる主婦、楽しげに談笑するカッターシャツの高校生たち。 みんなかがみの二歩先を歩く少女より大きく、しかしかがみにとって少女ほど大きな存在はいない。 未発達な男の子たちの、それでも自分より広い肩幅。 腰下まで伸びた長い髪を見つめる。手入れがひどく面倒そうだけれど、かがみが羨むくらいに髪質が良い。 かがみにはその髪に隠された小柄なこなたの背中を見た記憶がほとんどなかった。 「ごめん、峰岸たちと話してたら遅くなった。って、あれ」 かがみが待たせちゃったかなと謝意を込めながら扉を開けると教室に残っていたのはこなた一人。 「ねえ、つかさとみゆきは?」 「つかさが買いたいものがあるって、みゆきさんと一緒に先に帰ったよ。かがみにごめんねって」 「そう、別にいいのに。で、こなたは?」 一緒に帰ってればよか...
  • 無題(16-939氏)
    ―自宅― かがみ「ねえ、お母さん。突然だけどさ、もしもだよ?私が同性の娘を好きになっちゃったらどうする?」 みき「なぁに?急にそんなこと言い出すなんて…」 かがみ「いや…ちょっと…」 なんで私はこんな質問を母にしたのだろう?今さら自分に問い掛ける…。 もしかしたら母として、1人の女性として尊敬している柊みきの意見を聞きたかったからかもしれない。 みき「私は…、やっぱり賛成しないかなぁ」 私はがっくり肩を落とす。 かがみ「なんで…?」 みき「きっと幸せになれないからよ」 よくわからない答だった。 どうして?深い愛情がありお互いが相思相愛ならば女同士でも幸せからは程遠くないはず…なぜだろう? かがみ「幸せになれないと思う理由は?」 みき「…最終的に結ばれないからだと思う、例え...
  • 初めてのデート【午後Ⅱ】
    初めてのデート【午後Ⅱ】 その後はゲームセンターへ行くことにした。 さあ、腕のなる時間だよ~。 「UFOキャッチャーやろ?」 私は提案した。 「いいけど…あんまり得意じゃないんだよなあ…」 前やった時のことかな?確かに落としまくってたよね。 からかっちゃえ♪ 「かがみがやると貯金箱に早変わりだもんね~」 なんて返してくれるかな? 「う、うるさい」 やっぱりかがみは可愛いなぁ。 バカップル、別に悪くないよね。 「あれとろうよ~」 「リラッタヌじゃない。いいわね」 私が指したのは、リラッタヌのぬいぐるみ。 ぬいぐるみと言ってもかがみの部屋のボン太くんみたいに大きいのじゃなくて、もっと小さい、10センチくらいの。 とゆーわけで早速プレイ。 狙い目は…手前のこのコかな? ...
  • Fields of Gold (後編)
    「投げ出してくれていい、とは流石に言えないけど… 無理強いはしたくないから。  だって、私はあんたの喜んでる姿を見たくて、一緒に居る訳でさ。 ― あんたが私を厭になれば、それは身を引くしかない。  … 勿論私だって、あんたの事は好きだし、さっきみたいに、あんたをものにする事だけで頭がいっぱいになる時だってある」 行為中のかがみは、高校時代、ラノベを熟読している際の有様に勝るとも劣らない集中力で、文字通り私に没入してくれる。 それは、私の反応が即ち自分の生き甲斐になるからだ、と、かがみは真顔で、恥じらいもせず語っていた。 だとして。 欠損部の塊でしかない今の私から、どんな価値をひねくり出すんだと。 「でも、自分の欲望の追求が、100%隣人を幸せにするとも限らない。 その逆も然り。  100%が、この世にある? 未来の事は誰にも分からない。 『今』だって、すぐ未...
  • 一方的な願望の邂逅(仮)
    あなたは知らない。 私がどれだけあなたを愛しく思っているか。 言葉では表せないほどの気持ち。 あなたが、私を捨てるなら…私はもう生きていけない。 抱きしめた。 これで最後だから。 私はもう、何もかも無くした空っぽだから。 あなたに嫌われて、最後にここから飛び降りて… きっと迷惑。 でも、私はもう明日の光が見えない。 明日の時間がどのようになるのか頭の中に描くことができない。 だから…ごめんね。本当に、ごめん。 これで、最後だから。 私とあなた。 交わした口付けは酷く一方的だった。 だけど甘く、切なく、涙の味がした。 あなたは、私を捨ててどこに行くのでしょう。 私が見ることのできるあなたは、これで最後。 私はもう、あなたの前から消えるから。 ありがとう…ごめんね。 名前を呼ばれた気がした。 振り向くと、あなたが泣いていた。 ...
  • いのち、つながり
    「……み。起きてかがみ」 う~ん、こなた? 「おはようかがみ」 うん、おはよう。 まだまどろんでいる状態でぼやける視界はこなたの顔で埋め尽くされていた。驚かなかったのはもはや慣れだ。 身を起こすと何度見ても好きになれない美少女のフィギュアやポスターが。でも私の慣れ親しんだ部屋。 えっと、私はなんでこなたの部屋に、ベッドで寝ていたんだっけ。 「かがみ、今日は何日?」 こなたの言葉に何かのアニメのカレンダーに目をやる。が、それはとっくの昔に過ぎた日付になっていた。 カレンダーの意味がないじゃないのよ、とは何度か言っても無駄だったのを覚えている。 とにかく、自堕落な生活を送っているわけではなく平日は学校があるのですぐに脳内で計算された。 「7月7日?」 「そっ。誕生日おめでと、かがみ」 にこっと笑って祝福してくれた。そう、今日は私がこの子と会うべくして生を受けた日...
  • 無題(H2-209氏)(仮)3
    大分落ち着いたのだろう、今はすぅすぅと気持ち良さげに眠るかがみ 私はするべき事を終えて、手持ちぶさたになった右手でかがみの髪を鋤いていた かがみのトレードマークでもあるツインテールは解かれている 初めは何気なくした行為だったのに、手を動かす度に触れる感覚が気持ち良くて、私は何度も、何度も繰り返していた かがみは今、私のベッドに寝ている あの後、私は倒れたかがみを抱えて保健室に駆け込んだ 冬木先生に診てもらったところただの風邪らしい、安静にしていれば大丈夫とのことだ 直ぐにつかさとみゆきさんに電話して事情を説明、もう少しで来るであろうお父さんの車でかがみを柊家まで連れて帰ると言ったところ ごめんね、こなちゃん!今日家に誰もいないんだ…だからこなちゃんの家で暫く看ててもらえないかな? とのお言葉 つかさが帰れば…とか色々と突っ込み所があったのにそれを...
  • 追われて、追って。
     ――あれから、ただただ単調な日々だけが過ぎてゆく。  見るものは色彩を失い、ご飯も味を感じられなくて砂を噛んでいるかのよう。  冷静になってあの時のことを思い出すと、何てことを言ってしまったんだ、と後悔、そして 罪悪感だけが押し寄せる。 (このまま、ぎくしゃくしたままになっちゃうのかな…)  それだけは、何としても避けたい。ただの友達としてでもいいからまた、アニメショップへ 行くのに付き合ったり勉強会やお泊り会をしたい。  …だけど、それは叶わないことも解っている。あの二人が付き合っている限り、私は前のようには こなたに接することが出来ない。 (最低だ私…)  そうは思っても、今の二人を見るのは拷問に等しい。つかさからも『こなちゃんと何かあったの? 仲直りしなきゃダメだよ』と言われたし、こなた自身からの電話も何度も鳴ったけれど 一度も...
  • 父親として
    「話があるんだ」 今にも崩れてしまいそうなくらい張り詰めた表情で娘はそう切り出した。 そういえばこなたがこんな表情をしてたことが一度だけあったっけな。 あれは確かこなたが小学校にあがるころだった―― 「お父さん、お母さんは死んじゃったの?」 どうしてもうまく説明できなくて、それに生死をまだよく理解できていなかったこなたが、本気でぶつけてきた疑問。 そうか。ちゃんと真実を伝えるべき時が来たんだな、と瞳に涙を浮かべる娘に俺は言った。 「ああ。お母さんにはもう会えないんだ」 泣いたっていい。ずっと希望を持たせて悪かった。 俺を怒ってもいいから、どうかこの事実を受け入れてほしい。 小さな、本当に小さくてか弱い娘を絶対に離さないと抱きしめる。 こなたは体を微かに震わせ、小さく嗚咽を漏らしていた。 「たとえ会えなくても、お母さんは俺たちを...
  • いふ☆すた EpisodeⅠ‐A ~刈り取る想い~
    いつから私… あいつのこと、こんなにも好きになったんだろう… 教室で授業を受けながら、私は、そんな漠然とした自問をした。 しかし、そんな答えはもう、あえて考えるまでもなく私の中に存在していた。 …例えるなら、あの真夏の澄み切った空のような蒼い髪。 南国の海を思い出させる綺麗なエメラルド色の瞳。 初夏の太陽みたいに温かく、明るいあいつ… 初めてあったときから、こなたのすべてが私の心を惹きつけた。 一目惚れって…奴だな。 私はそう、ひとつのため息をこぼす。 視線を動かし、窓に目を向けると、無遠慮な夏の日差しが、私の瞳に差し込んできた。 …もし、こなたの色を、夏の空に例えるのなら、私は何になるのだろうか? 自分の薄紫色をした髪を、手のひらでそっとすくい取って流してみる。 …秋の夜空、昼と夜の境界、宵闇…ってところかしらね?...
  • 静かな夜に
    「お疲れ様でーす」  アルバイトを終えた私は、軽く一礼して外へと出た。  吹き抜ける風に身を縮こまらせながら、私は秋葉の街を闊歩する。  クリスマス・イヴというだけあって、この街もカップルや家族連れがいつもと比べて格段に多い。  みんな、幸せそうだなぁ…。  すれ違う人々の笑顔を眺めながら、私はそう思った。  …運命の日だと言うのに、妙に落ち着いている自分がそこにいた。     「ふとしたことで~静かな夜に~」  奇しくも、かがみがあの人と再会を果たした時と全く同じルートで、私は運命の場所へと向かう。  地下鉄に乗り、北千寿駅のホームに辿りついた時、私の脳裏にふとした考えがかすめる。  …もしも、あの日、あの乗り遅れた区間急行に乗れていて、かがみとあの人が出会わなかったら――私達の運命はどうなっていたのだろうか?  私は思う。  きっと、...
  • 前略 母上様(独自設定 注意)
    これは、こなたとかがみが高校を卒業してから、二十数年後のお話です。 この夜、少々不機嫌にとらわれたかがみを、自宅の居間で見ることができます。 ソファに身を預け、少しピリピリしながら、足を組んだり離したり、 スーツ姿でメイクも落とさずにいるのは、仕事から戻ったばかりということです。 四十代も後半というのに、その容色衰えぬどころか、年齢さえも知的な奥行きに換えて、 先ずは魅力的な、大人の女性に仕上がった彼女です。 弁護士として世の声望に応え、颯爽と日常をこなす彼女ですが、 先ほどから誰かと話をする、なにか突っかかるような、少し子供っぽい振舞いには、 日頃、職場での彼女を見慣れている人々が聞いたら、いささか驚くかもしれません。 評判の才媛をして、大人の仮面を捨てての取っ組み合いを強いる、その相手というのが、 余人にあらず、彼女の一人息子です。 ...
  • 立てば歩めの親ごころ
    『前略 母上様(独自設定 注意)の続編 ◆注意!! 独自設定の作品です。 こなたとかがみが高校を卒業してから、三十年余を経た、とある年の冬のこと。 冬の低い日差しの差し込む、こなたの家の居間では、久々の休日を楽しむかがみを見ることができます。 気の置けない、女同士のおしゃべりとは、幾つになっても楽しいものなのでしょう。 しかしこの日の相手は、珍しくこなたではありません。 かつて、結ばれることのなかった自分たちに代わり、想いをその子供たちに託したかがみです。 念願叶って子供たちは、高校卒業とともに婚約を交わしました。 ところが彼女の息子というものは、親から与えられたものだけには、決して満足しない、 少々面倒くさいオトコでした。 幸運の星の下に生れついた者は、より大きなことを成し遂げなければならない。 そう思い詰めた挙句、当時、...
  • 謳温
    私の目に写る景色が次々に変わっていく。 流れるように早く。私の見たことがない風景が次々と映し出される。 かたんかたん、と規則的に響く線路を走る音。今、新幹線は私を見知らぬ世界へと運んでいる。 窓から見える空はいつも見ていた空と同じ色。それなのに私は夢見心地だ。現実ではないような錯覚。 それでも、気分が高揚している。ワクワクドキドキ。まるで小学生みたい。 こなたに抱き締められながら眠ったあの日。あの日からまだ1週間しかたっていない。それなのに、すごく昔に感じるのは何故だろう? 『もしもし、柊かがみさんのお宅でしょうか?』 あの日の夜、そんな電話が私に届いた。 その声は確か。 『はい、そうですが・・あの、こなたのお父さん、ですよね?』 『覚えていてくれたんだね。こんにちは。』 『こんにちは。』 『いきなり電話して...
  • 繰返す私達の恋愛感情 (後編)
    何かがおかしい。 朝起きると、カレンダーがめくれておらず、昨日の日付のままだったり、脱い で洗濯機に入れたはずの下着をつけていたり・・・気持ち悪いので着替えなお した・・・居間におかれているのが昨日の新聞だったり。 ここまで来たら、昨日こなたが言っていた、ループしている、という話を思い 出さない訳がない。私は居間でバルサミコ酢バルサミコ酢言ってるつかさに尋 ねた。 「今日、何日?」 返ってきた答えは、予想通りの昨日の日付。いやこの場合、昨日って言うのか な? 「お姉ちゃん、どうしたの?」 「いや、余りの急展開にちょっと頭痛がしているだけだから大丈夫・・・つか さ、昨日の・・・いや今日か、う、なんて言ったらいいか、今日を過ごすのっ て二回目じゃない?」 「え?どういう意味?」  本気で不思議そうな顔をするつかさを見て、トゥーハートの神岸あかりにマ ジで似...
  • 和楽の夜・後半
    こなたと二人。 二人きり。 二人で一緒に並んで、 夜でも賑やかで明るい参道を歩いていく。 さっきから胸がドキドキしている。 高鳴りが自分の耳にまで聞こえてきた。 こなたが、隣にいる。私の、すぐ横に。 それだけで身体が熱を持ち、頭が真っ白になっていく。 「かがみ、あっち行ってみない?」 「え……」 そう言って、こなたはまた参道の反対側へと向かった。 通行人も軽々と避けて奥に進み、すぐに視界から消えそうになる。 「あ、待ってよ!」 追いかけようとして、 突然横から来た人とぶつかった。 バランスを崩して身体がよろける。 倒れないように体勢を整えて、 そして見上げた視界に、こなたはいなかった。 雑踏の中で、こなたを見失ってしまった。 「……こなた?」 小さく名前を呼ぶけど...
  • 『Crossing heart』
    『Crossing heart』 「これラッピングお願いします。」 「はい、かしこまりました。」 会計を終え、店を出る。 私、柊かがみは大学の講義が休講になり時間が出来た為、 こなたの誕生日プレゼントを買いに表参道に来た。 実は今日がこなたの誕生日であるのだが、平日でありみんなの予定 が合わないことから、次の日の土曜日に集まり誕生日祝うこことなった。 このように誕生日会が本来の日よりズレたことと、私自身が 時間が取れなかったことから、今日プレゼントを買いに来た。 木々が芽吹き、鮮やかな緑がまぶしい新緑の並木道を何気なしに歩く。 初夏らしい新緑の爽やかな香りがすごく心地いい。 ふと、いつも傍にいたアイツの事を思い出す。 そういえば高校の頃、大宮での買い物ついでに、こなたと 大宮氷川神社の表参道をいろんな事を話しながら歩いたな。 ...
  • 想いを言葉に
     高校2年の9月半ば、夏の照りつける太陽は少しずつ弱まり、蝉の鳴き声も日ごとに 少なくなってきている。とは言っても、正午近くになれば依然30度近い高温にまで上昇するため この時期は夏服の着用が許可されている。10月には冬服に切り替わるために、この暑さも 落ち着いてほしい所である。  私、柊かがみにとって陵桜学園での昼食は一番楽しみな時間の一つである。 幼少の頃から、私とつかさは一緒に昼食を取っている。双子ということもあり、 私たちは学校生活を通して一度も同じクラスになったことは無いため、人見知りしやすい つかさのクラスに私がお弁当を持っていくのが日課であった。  四時間目の授業を終えて、つかさが作ったお弁当を持参した私が、E組のドアから教室を 覗くとE組の生徒たちの半数は既に昼食を取り始めていた。E組の授業は世界史だったようで、 黒板にはイギリスやフランスにおける王権神...
  • 前編「ファースト・ブライダル」
    それは、放課後のこと…… 「かがみ、ハイこれ」 「……何コレ……?」 「私がやってるネトゲの、スタートキット。かがみにも1つあげるよ」 「ネトゲって……私、そういうの興味ないし。それに、タダで貰うのも悪いわよ」 「ああ、これは布教用だから、お金とか気にしないでいいよ。  月額料金もこのキットに含まれてるしね」 「で、でもやっぱり私、ネトゲとかやったことないし……」 「大丈夫! いつも宿題写させて貰ってるお返しに、  私が手取り足取り教えてあげるから。ね?」 いやいや、宿題は自力でやらんかい! と突っ込みたい所だけど、こなたが上目遣いで おねだりしてくるのを見てると、どうにもそういう気になれない。 意志が弱いな、私……。 「全く、仕方が無いわね……。  そこまで言うならちょっとだけよ?」 「ありがと、かがみ! ...
  • あなたが傍にいてくれて
    第一印象は可愛い子だなって程度だった。 小さくも凛とした姿。小学生を思わせる仕草。 海を彷彿とさせるコバルトブルーの髪。翡翠のようなエメラルド色の瞳。 ぴょこんと飛び出るアンテナと、ちょこんと座る泣き黒子。 他の女の子とは違う独特の雰囲気と性格に、最初は振り回されて馴染めない感じだったが 時が経つにつれて、自然と私達の関係は『親友』と呼べるまでに親密になっていた。 気がつけば恋をしていた。 切欠はいつ? どんなところが好きなの? そんなことを考える暇もないほどに、頭の中はあの子で埋め尽くされる。 いつもと変わりない光景が、他人の視点から見ているようにも感じた。 私以外の誰かと話すあの子、楽しそうに笑うあの子。 私の知ってる笑顔が、私の知らない笑顔が、私の知ってる声が、私の知らない声が…… 私じゃない別の誰かに向けられてい...
  • 9話 stand by
    猫が虎になり、犬が狼になる。そんな例え話があるけれど、現実はそう上手くいかない。 何故って?それはやる気の問題でも能力の問題でもない。 「ここがbベクトルとcベクトルで表せるって所までは分かるわね?」 「んー・・・」 「てゆうか、あんた私の話聞いていた?」 「いやー、この時間帯になると深夜アニメが気になる頃でね・・・」 「ちょっと待て!こなたから勉強教えてって言ってきたんだろ!?」 「そうなんだけど、やっぱり気になるものは気になるんだよね。」 習慣って怖い。せっかくかがみが勉強を教えてくれているのにアニメが気になる私。 高校三年生。進路。大学受験。勉強の毎日。けれど私の日常は変わらない。 「全くあんたってヤツは・・・」 「だいたい好きな人と一緒に勉強するというシチュで集中できる人なんていないと思わない?」 「なっ!何言ってんのよ!?」 「おー、照...
  • いふ☆すた Episode LAST ~やがてその実は大樹となる~
    街にある灯火がひとつ消えるたびに… 空の輝きは、またひとつ、明るさを取り戻す。 まるで、地上にあった光が、星となって、空へ昇って行くみたいに。 七夕の日は、もう終わり。 それでも、空に映り込んだ星々の川は、さんさんと、その輝きを取り戻し、逆に地上にあるものを薄く照らし出しているようだった。 いつか…街からは人の気配が消える。 暗闇と、星の海だけが支配するこの世界で、私だけが、一人、取り残されているような。 そんな錯覚に、私は身震いした。 ――カン… ふいに無音だったこの世界に、音が生まれた。 ――カン、カン… また。 まるで、金属の板を叩いているような音。 それは次第に近づき、大きくなり、規則正しい音色を響かせ、私以外の存在を、世界に確かに主張する。 だが、それは、絶望の音色。 私を終わりに導くもの...
  • 想互
    暗闇の中で雨の音だけが響く。月灯りも今日は下界には降りてこない。 それでも、こなたの事ははっきりと見える。 「・・・いつからいたの?何で電話しなかったの?」 濡れた髪。濡れた体。いくら屋根があるといっても、雨は容赦なくこなたに降り注いでいた。 つい、口調が荒くなる。 「来たのはついさっきだよ。かがみが出かけてるのに呼び戻すの、すごく悪い気がしてさ・・・1週間ぶりだね、かがみ。」 こなたが私に微笑みをくれた瞬間、身体が勝手動いていた。 「バカっ・・・バカこなた!」 「・・・知らなかったの?それと苦しいよかがみ。」 気がついたら、こなたを抱き締めていた。 服越しに感じる冷たい体温が、余計にこなたを愛しく感じさせる。 「本当の事言いなさいよ。」 「え・・・な、何の事やら・・・」 「いつからいたの?」 ...
  • 初めてのデート【午後Ⅰ】
    初めてのデート【午後Ⅰ】 こなたが泣いた。 あの、こなたが…。 今こなたは私の前にはいない。 どこに言ったの…? 私は走ってあいつを探す。と言っても、だいたい場所なら検討はつく。 …すぐ行くよ、こなた。 女子トイレに入ったら…やっぱり、いた。 入り口に背を向けて立ちながら、両手で涙を目から拭っていた。 肩が、震えている。 こなた…!! すぐに、抱きしめた。後ろから、ギュッと。 「っ!…グスン、か、かがみ……」 「こなた…。泣かないでよ…。別に怒ってなんかないのよ…?」 「でも、わ、私…、」 「いいから。…ね?」 「…グスン…グス…」 抱きしめてて、わかった。 今日という日を、特別の日にしたかったんだね。 初めてのデートだから、今日を最高にしたかったんだね。 だからそ...
  • 前略 母上様(完結)(独自設定 注意)
    明けて翌日。 「おーっす、こなた」 「いらっしゃあい、かがみ。どーだった?お見送り」 その日の夕刻、かがみはこなたの家を訪れます。 少年が機上の人となったのは、その日の昼過ぎのことでした。 「まー、素っ気ないったらありゃしないわ。振り向きもしないで行っちゃうんだから。  まったく、育て甲斐がないわね、男の子って」 「そりゃまー、男の子だからね。“男は~涙を~見せぬもの~見せぬもの~”ってね」 「涙、ね。そんな、しおらしいタマじゃないわよ、あいつ。  それよりさ、こなみちゃんは大丈夫なの?」 「うん、どうにかネ・・・・・・・  前々から覚悟はしてたみたいだけど、そんな素振りも見せなくてね。  昨日なんか、柄にもなく強がっちゃって、オトコになるまで帰ってくんな~とか言って。  それが見てて痛々しくってサ。  案の定、今朝起きたら目のまわりボコ...
  • 貴女の世界で私は
    「ねぇ、こなた。」 私の名が、宙を舞う。この瞬間、この刹那。いつも世界が二人に感じる。孤独、二人だけ。 「あんたは・・・ううん、やっぱりなんでもない。」 陰る表情。私の世界にも雲がちらほら。貴女が私の世界の全て。貴女がいるから、この世界に私の世界が存在する。 「・・・私達、間違ってるのかな?」 壊れかける。崩れかける。貴女はそうやっていつも独り戦う。何故。私は、貴女の世界に存在しているはずなのに。 「私は、幸せ、だよ?」 貴女の雨、貴女の雪、貴女の晴れ、貴女の嵐。全て私の世界と共有すると誓ったのに。 共有していた、できていたと信じていた。でも、それは偽り。目の前にある光しか、私の世界に差し込んでいなかった。 私はそれを、幸福と呼んでいた。でも真実は違う。 「うん・・・あんたも幸せだって言うのは伝わるよ。...
  • 雨降って地固まる
    ……つまり『サザエさん』で描かれているのはキャラクターというより父、母、夫、弟といった人間関係であり、その関係性が崩れることは物語の崩壊を意味する。  『サザエさん』においてキャラクターは成長しないのではなく成長してはいけないのである。…… 「…よしっ、今日はここまでっ!」 仕事がひと段落してPCの前でひとつ伸びをする。 時計を見ると午後1時を少し回っていた。 「おっと、そろそろ出かけなくちゃ」 今日はつかさと会う約束がある。 わざわざ仕事を抜けてきてくれるというから遅れるわけにはいかない。 今まで開いていたドキュメントをセーブしてPCをシャットダウンする。 そして机に立てかけてある写真に目をやった。 思いっきり笑う私の隣でかがみが照れた表情をしてこっちを見ている。 「フーンだっ!かがみが冷たいから今日はつかさと浮気してきちゃうん...
  • 1月12日・後編
     さてはて、いつまでも中編では流れに狂いが生じる。ここは敢えて後編と銘を打ち。合宿の最後を最終章、としたいと思う。  昨今の情報化社会、却って溢れかえっている情報のせいで、自分に何が必要で、何が必要でないのか混乱しそうになるが、或いは目標、というか到達地点が決まっている場合はそうでもない。  故に、その到達地点に向かう為に必要な情報は、常にチェックしておく必要がある。  例えば、 「みなみさん、以前小早川さんとお泊り会をしたことがありましたよね?」  今のみゆきのように。 「はい。それが……何か?」  みゆきの問いに微かに首をかしげながら、みなみは答えた。 「いえ、些細なことなのですが、その時一緒にお風呂に入りましたか?」  続けられた問いに、みなみはギョッ、或いはギクッと言った擬音が聞こえるほど動揺し、 「は、入りましたけど……そ、その、わ、ワワワ忘れ……...
  • タマゴのこころ、ニワトリのこころ(後編)
    タマゴとニワトリ…ですか。 (さっきは本当にびっくりしてしまいました) 私は笑いながら心の隅で考えます。 (やっぱり泉さんにはかないませんね…) 泉さんは本当によく周りの方―特に親しい方には気を配っていらっしゃいます。 私もその中に含めていただけているのでしょうか。 …あう、自分で考えたことなのに、『親しい』という部分にこそばゆくなってしまいました。 それと同時に、先ほど思い浮かべた事柄がまた浮かび上がりそうになります。 私は誰にも分からないように少しだけ息を深く吸ってはき、『いつもの笑顔』をつくりました。 「いっただっきま~す」 「「いただきまーす」」 「はい、いただきます」 各々の掛け声で食事が始まります。 今日はつかささんの席なので、私の隣に泉さんとつかささん、そして私の前にかがみさん。 いつもと同じお昼ごはんの風景です。 でも少...
  • 『彼方へと続く未来』 第二章 (後編)
    『え~と、ここをこうやって……と。ふうっ、結構難しいわねぇ』 『お姉ちゃん。ここはこうするとうまく通ると思うよ』 『そっかぁ。サンキュー、つかさ』 『……頑張ってね、お姉ちゃん。私、応援してるから』  贈り物をする時、私はとても暖かい気持ちになる。  特に好きな人に送るとき、その想いは断然強くなる。  それを私に気付かせてくれるきっかけを与えてくれたのは、 黒井先生、つかさにみゆき。そして……お母さんだった。         『彼方へと続く未来』 第二章 (後編)  冷えきっていた体の中に、暖かな黒い液体が注がれていく。  ――あれから、十分近く私はお母さんの胸の中で、 パジャマと顔がグシャグシャになるまで泣いた。  お母さんは、そんな私をただ黙って抱き締めてくれた。  そして、今私はキッチンのテーブルでお母さ...
  • じんぐる、べる
    12月24日───── 事の始まりは、終業式の後。 こなたたちのクラスで4人で談笑していたんだけど、こなたが 「今日、みんなでうちでクリスマスパーティしない?」 と突然言い出した。 クリスマスはバイトじゃなかったのかと聞いたけど、なんでも人手が足りて急遽休みなったらしい。 なんかいまいち不自然な理由な気はしたけど、 ともあれ、クリスマスをこなたとすごせるなんて、諦めてただけに嬉しかったから気にしないことに。 でもみんな、ってことはふたりっきりじゃないのかー。 ちょっとだけ残念、まぁみんなでわいわい過ごすのもいいか、なんて思ってたんだけど。 「ごめん、こなちゃん。今日はこのあと予定がはいちゃってて~」 「すみません、泉さん。私も今夜は先約がありまして」 あとの二人が申し訳なさそうに言う。 前からこな...
  • 『5月28日:心の日記』
    『5月28日:心の日記』 ☆ 誕生日、おめでとう。 そう言って渡した手作りのクッキーを見て、 こなたは恥ずかしそうに笑っていたね。 かわいくラッピングされた手作りのクッキー。 でも、ほんのちょっぴり焦げたクッキー。 つかさやみゆきのとてもおいしそうなお菓子よりも、 私のクッキーを最初に食べてくれたね。 そんななんでもないことが嬉しくて。 でも、素直に嬉しさを表せなくて。 それが少し寂しかった。 いつものように冗談で私に抱きつきながら、私をからかってきたね。 でも、分かってる。 恥ずかしくて冗談でごまかしてること。 嬉しさでいっぱいの顔を隠すためなんだって。 そのはにかんだ笑顔が私を温かくしてくれる。 腕に感じる温もりが私を幸せにしてくれる。 でもそれ以上近づかれたら……この胸の鼓動...
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