こなた×かがみSS保管庫内検索 / 「春の陽光、桜舞い散る記憶無き思い出の場所で」で検索した結果

検索 :
  • 第2回こなかがコンペ・参加作品
    ...』(エンジ氏) 『春の陽光、桜舞い散る記憶無き思い出の場所で』(向坂氏) 『桜の刹那』(H1-52氏) 以上の通りに決定いたしました。 参加された職人の皆様方、本当にお疲れ様でした!! 【第二回こなかがコンペ投票結果】 『春の陽光、桜舞い散る記憶無き思い出の場所で』(向坂氏) 18票 『You Know You re Right -Cherry Brandy Mix-』(Juno氏) 6票 『桜の刹那』(H1-52氏) 10票 『サクライロノキセツ』(エンジ氏) 24票 『殺人考察』(j氏) 4票 『遠いあなたとお花見を』(H3-525氏) 32票 第2回こなかがコンペ参加作品 向坂氏 春の陽光、桜舞い散る記憶無き思い出の場所で Juno氏 You Know You re Right -Cherry Brand...
  • 春の陽光、桜舞い散る記憶無き思い出の場所で
    春の陽光、桜舞い散る記憶無き思い出の場所で  プッ、プッ、プッ・・・。私―泉こなたは、唇に舞い落ちて来る桜の花弁を息で吹飛ばしていた。うん、まぁ、そんな格好つけた言い方してもしょうがないんだけどね。  今日は、四月なのにとっても暖かくてこうやって桜の木の下で寝転がっているのも悪くない。この桜の下は、お父さんとお母さんの思い出の場所なんだそうだ。私が生まれて、それからほんの少しの間だけれど、私とお母さんとお父さんと三人で、良くここにきて、私はお母さんに抱かれて、お母さんとお父さんは、この桜の木に寄りかかって舞い散る桜を眺めていたらしい。あーでも、写真を見る限りじゃ、お母さんの膝枕で眠っているお父さんしかないから、その辺はちょっと怪しいもんだね。  ま、そうは言っても、今隣にお父さんがいるわけじゃないけどね。隣にいるのはお母さんかな。お母さんが気に入っていて良く被っていた麦藁帽子。...
  • 作者の部屋(向坂氏)
    ...日談)(↑の続編) 春の陽光、桜舞い散る記憶無き思い出の場所で【第2回こなかがコンペ参加作品】 ダイエットよりも大切なこと(H4-53氏とのリレー形式) 貴女と私の世界【こなかがコンペ参加作品】 今宵の七夕に笹の葉は無くとも ある夏休みの日常の風景(↑の続編) 意外と結果は甘い……ゼリー戦争(戦ってないけど)-New! コメントフォーム 名前 コメント
  • 作者別保管庫(こなかがBBS5スレ目)
    ...い通う時“親と子” 春の陽光、桜舞い散る記憶無き思い出の場所で【第2回こなかがコンペ参加作品】 貴女と私の世界【こなかがコンペ参加作品】 今宵の七夕に笹の葉は無くとも ある夏休みの日常の風景(↑の続編)-New! エンジ氏 サクライロノキセツ【第2回こなかがコンペ参加作品】 切ない気持ち お姉ちゃんを観察!!-お昼休み-(お姉ちゃんを観察!!-午前-の続編) 甘えたい 一人ぼっちは嫌だから お姉ちゃんを観察!!-これも愛の形 愛し尽くせぬヒロインであれ(グラップラー刃牙ネタ)-New! 10-79氏 11話 Correct answer(同居人シリーズ10話 for meの続き) 最終話 Daily life(同居人シリーズ完結)-New! H4-53氏 てろてろ こなかがノベルゲーム-New! はな☆びん-New! H3-525氏 愚痴 意思...
  • 桜舞い散り、蘇る記憶
    季節は春、厳しかった寒さも今は懐かしい。 そんな風に思うくらい温かい日が続いている。 そして春といえば桜。 お花見のシーズンである。 ……かがみ……元気にしてるかな……。 ――桜舞い散り、蘇る記憶―― いつも桜が咲く季節になるとかがみの事を思い出す。 ……桜が咲く季節に私はかがみに告白した。 きっかけは分からない、いつの間にかかがみの事を好きになって……。 でも私とかがみは女同士、もし付き合えたとしても世間から見たらイレギュラーな存在だ。 それに……かがみには夢がある、私と一緒に居たら夢は潰えてしまうかもしれない。 ……でもかがみは言ってくれた、『私も好き』って……。 ……桜が舞い散った後、かがみは私の側から離れた。 別れている訳じゃない、かがみは一人暮らしをする為にこの街を後に...
  • 作者の部屋(エンジ氏)
    ◆シリーズもの 幸福から絶望へ(鬱要素、鬱展開あり) 絶望から奇跡へ 奇跡から幸福へ(完結) お姉ちゃんを観察!!-朝- お姉ちゃんを観察!!-午前-(↑の続編) お姉ちゃんを観察!!-お昼休み-(↑の続編) お姉ちゃんを観察!!-これも愛の形-New! ◆短編 甘い秘密の場所 crying alone with you(仮) 友達じゃなくなった日 桜舞い散り、蘇る記憶 悪夢の後は甘いキス【こなかがコンペ参加作品】 サクライロノキセツ【第2回こなかがコンペ参加作品】 切ない気持ち 甘えたい 一人ぼっちは嫌だから 愛し尽くせぬヒロインであれ(グラップラー刃牙ネタ) 貴女が壊れるまで サプライズ・プレゼント-New! コメントフォーム 名前 ...
  • 桜の刹那
    夕暮れの帰り道、今日もまた一人ぼっち。 一緒に帰れば良かった。 意地なんか張らないで、素直にそう言えば良かった。 つまらないプライド、まるで誰かさんにそっくりだね。 私は…それを誰にも気付かれないように隠しているけれど。 微かな音色だったんだ。 それはほんの小さな音の雫。 誰かが呼んでいた。 春の穏やかな風と共に、小さな歌声が聞こえてきた。 遥か遠い、ここよりもっと向こうの方からだ。 誰かに届いて欲しいと思う気持ちに乗せられて、私の元に辿り着いた歌。 向こう、きっとあそこで誰かが待っている。 待って、今行くよ。 一人で歌わなくていい。 誰かを思って、一人哀しまないで。 あなたの歌は、私に届いたから。 ………♪~………♪………♪♪……………♪♪…… こっち。もっと強く聞こえる方へ。 タッ、タッ、と私の駆ける足音が地面...
  • 桜が見た軌跡 第一章
    糖武鉄道の糟日部駅から、バスで数十分離れた所にある、地元では有名な進学校――陵桜学園。  “陵桜”という名前が示す通り、この学園の敷地内には、沢山の桜の木が植えられていました。  背の低い桜。  枝を八方に張り巡らせた桜。  一足先に満開の花を咲かせた桜。  個性がある所は、人間となんら変わりなく。  その中でも、一際目立つ老木が一本。  学園の正門から入ってすぐの所に立つ、せいたかのっぽな桜の木。  茶色い幹と、彼方へと向かって伸びる枝。蓄えた蕾も、今まさに開こうとしています。  何十年も前から、同じ場所に立ち続けてきた桜は、人間と呼ばれる生き物が織り成す、 様々な出来事をつぶさに見守って来ました。今日は、そんな人間たちの話の中でも、 少し不思議な恋のお話。主人公は、二人の女の子。季節は春。  年老いた桜が、白色の花を咲かせた所から始まる、一年...
  • 作者別保管庫(こなかがBBS4スレ目)
    カローラ ◆cKDLcxC5HE氏 ふとしたことで(シリアス/オリキャラ有り)私の望む幸福 その日、歯車は回り始めた 実った想い、叶わぬ気持ち 崩れ始めたもの 最も甘美な過ち 告白 喪失したもの かがみのいない日常 こなたのいない日常 救済 0の関係、1の感情 聖なる夜に 静かな夜に ふとしたことで(完結) ポッキー作戦 チョコレート騒動【こなかがコンペ応援作品】 8-616氏 手作りのキモチ H2-209氏 無題(H2-209氏)(仮) 無題(H2-209氏)(仮)2(↑のかがみ視点) H4-419氏 コーヒーブレイク/モカ コーヒーブレイク/ブレンド コーヒーブレイク/エスプレッソ コーヒーブレイク/ケニアアラビカ コーヒーブレイク/カネフォーラ 永久(とわ)の愛をこめて【こなかがコンペ応援作品】 H2-769氏 説明不要(パラレル)(恋のアクセル...
  • 甘い秘密の場所
    「かがみん!!」 屈託のない微笑みを向けてくる彼女、私にはその笑顔がまぶしすぎて……。 ……なんて最近読んだ本からの引用だけどね。 でもこの言葉通り、こなたの笑顔は私にはまぶしかった。 「今日予定ある?」 「別にないわよ」 「じゃあさ!HRが終わったらいつもの所に来て!」 いつもの所……私とこなただけの秘密の場所。 「分かったわ、じゃあまた後でね」 こなたにそう告げて私は自分のクラスへと戻る。 ……放課後を楽しみにしながら。 ――甘い秘密の場所―― 下校時刻を知らせるチャイムがなる。 私は一度こなた達のクラスに向かった。 「あ、お姉ちゃん!!」 妹のつかさが居た。 「つかさ、こなたは居る?」 「え?こなちゃん?HR終わったらす...
  • 夏の日の思い出
    「ふう、後はこれをここに置いて……」 私は、部屋の整理をしながら勉強する為の準備をしていた。 今日も、いつものごとくこなたが勉強をしに来ることになっていたので、 念入りに整理していた。と、その時部屋のドアを叩く音がした。 「お姉ちゃん、ここで勉強してもいいかな?  それとも、少し来るの早かったかな」 声の主は、つかさだった。今日はちゃんと早起きしてきたようだ。  「ううん、いいわよ~。先に勉強しててよ」 「うん、それじゃあ入るね~」 そう言って部屋に入ってきたつかさが、 参考書とノートを広げて先に勉強を始めた。 そんなつかさを横目に、私は自分の机の整理を始めていた。 そして、ふと開けた引き出しの奧から、妙な物がでてきた。 「なにコレ……」 それは、茶色に色あせた古い...
  • サクライロノキセツ
    ――やだよ!!何で言ってくれなかったの!? ――ごめんね、言い出せなくて……。 ――やだやだぁ!!かがみと離れるの嫌だぁ!! ――こなた……ごめんね!! ――かがみ!?かがみぃ!! ――サクライロノキセツ―― 『……かがみが居ない世界なんて……いらない……さよなら……』 「……あっちゃー……BAD ENDになっちゃった……」 どこで選択肢を間違えたのだろうか……。 「桜並木の道」……新しく発売されたエロゲだけど……難しい……。 このエロゲは珍しく付き合う相手の名前を決められる。 ……真っ先に思い付いたのがかがみ……。 「……んもう!!選択肢が多過ぎて分かんないよー!!お手上げー!!」 恐るべし桜並木の道……。 「……かがみ……元気してるかなぁ……」 ...
  • 桜吹雪
    そこは桜が咲いていた。 そこには泉こなた、柊かがみの2人しかいなくて、桜吹雪が舞っていた。 「いや~いいね~♪」 「そうね…なんてゆうか、趣深いわね」 そこは公園で、桜並木があった。 辺りはまだ明るかった。 「意外ね、あんたがお花見しようなんて」 「私も時には乙女になるのだよ」 「なんだそれ」 かがみはそう言って笑った。 こなたの心は、そのとき確かに時めいた。 「なんで黙るのよ?」 「…別に?」 辺りは風が木々を揺らし、揺れる音しかしなかった。 静かだった。 「最近、あんたいつもそう。そうやってはぐらかしちゃうんだから」 「はぐらかしてなんてないよ?」 「どうだか」 花びらが舞う。 「桜と私、どっきが綺麗?」 こなたはかがみに言った。 「...
  • 手紙
     高校生の頃の親友――泉こなたという存在――に、結局私は 最後まで振り回されっぱなしだった。  そりゃあ、あいつの側にいたいって必死に取り繕っていた私にも責任はあるんだろうけど。  卒業式の時以来、アイツには直接会っていない。髪型も変えた。  吹っ切れたハズなのに……まさか、こんな形でまたこなたの名前を見ることになるなんて。  意識が、ひどく濁っている。  別に、寝不足であるわけでもないし、さっきまで講義を受けていた大学で 嫌なことがあったわけでもない。ただ、心当たりがあるとすれば。  私は、大学用の手提げ鞄の中に手を入れると、一枚の封筒を取り出した。  “柊かがみ様”と書かれた、こなたからの手紙。  一週間前、高校生の頃に私が使っていた下駄箱の中から発見されたそれを、 私は封をあけることさえ出来ずにいた。  手紙から視線を外すと、目の前には夕...
  • 5年越しのラブレター・前編
    『…5年後の今日、この時間にこの場所でね』 二人だけの場所で、景色の中で、約束は結ばれた。 この先も変わらぬ私達を夢見て。 その裏に一つの淡い想いを秘めて…。 ―――。 高校時代、私は一つの運命的な出会いを経験する。 私は運命なんて洒落たモノを信じていなかったし、有り得ないと思っていた。 あってもドラマや本の中だけの話で、私には関係のないこと。 それなのに、全く人生とは良く分からないものだ。 だってさ、その運命の出会いとやらに何よりも感謝していたのは、紛れもなく私自身だったから…。 その運命の相手の名前は、泉こなた。 私とは違うクラスだったけど、つかさが彼女と同じクラスだったので、顔を合わせる機会は多々あった。 第一印象は小さな身体に蒼くて長い髪とアホ毛、左目の下の泣きボクロが特徴的だった。そして、オタクで勉強はやる気0...
  • 諸君 私は泉こなたが好きだ
    812 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/04/24(木) 23 20 40 ID ZLZhEWFa おっと、そうだ。 こなたがかがみに萌えているのは分かる。本人も言っていることだ。 But、かがみはこなたに萌えているのだろうか? もし、萌えているのならば、かがみはこなたのどこに萌えているか。 200字以内で述べよ。 815 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/04/24(木) 23 28 11 ID lNKmgJMP 812 へっ? かがみはこなたに燃えてるんじゃないの? 保護者的に、友情的に、そしてもちろん……性的に 821 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/04/25(金) 00 17 33 ID 7eeGI5IU 812 こなたが好きなの。 こなたの...
  • キンモクセイ
    ――バイト帰り。すでに午後九時を回って、辺りは真っ暗。  私は、暗い夜道を歩いている。  少し肌寒くなってきたこの頃、キンモクセイのほのかな甘いにおいが心地良い。  ……今日はバイト遅くなっちゃったな~。かがみん、きっと お腹を空かせて待ってるんだろうな。早く帰らなきゃ。  ――そんな事を考えると、ついつい歩く速度を上げるのは 世の常、人の常ってやつだと思う。  妙に冷たい風が、私の体温を奪っていく。  ……寒っ。  襟元を閉めて、また歩き出す。  ――そんなこんなで自宅に到着。  正直言ってボロイけど、今となっては特に気にしてない。  玄関を「カチリ」と開けると、かがみんがソコに立っていた。  ……なんで玄関先に立ってんの?  外から見られてたんだろうか? 「トリック オア トリート!!」  ――「どっ...
  • 二つの結婚宣言
      『前略 母上様(独自設定 注意)の続編 二十一世紀も半ばを過ぎた、とある年の四月のこと。 ここ陵桜学園では、今年もたくさんの新入生を迎え入れました。 これも毎年このために、とばかり、校内の桜は、今を盛りと咲き誇っています。 花の香とともに、下ろしたての匂いを制服に纏わせ、新入生たちが校庭をそぞろ歩く中で、 仮にもしこの場に、五十年前のことを憶えている者がいたとすれば、 ここにいる二人の少女を見て、ハテどこかで見たような、と、首を傾げたかもしれません。 「いい陽気だね~、こんな日には縁側で渋茶だネ、お姉ちゃん」 ツインに結んだ青い髪が春風に軽くなびいて、涼しげな目もとを今は眠そうに細めながら、 ポカポカ陽気を満喫している、こちらは妹のほうです。 「やめなさいよ。もう少し女子高生らしいセリフはないの?」 澄んだ碧眼も鋭く、ピ...
  • 終わりと始まりの間に
    「終わりと始まりの間に」 春、気がつけばもう卒業シーズン。 長いと思っていた高校生活は、意外とあっさり終わろうとしている。 明日は卒業式。仲のいいクラスメイトや先生たちともお別れだ。 通い慣れた通学路を歩くのも、明日が最後。 合格のお祝いや、新生活の準備などでバタバタして大変だったが、これから始まる大学生活への期待も大きい。 何故なら、18年生きてきた中で、一番多く勉強して、やっとの思いで合格出来た学校なのだから。 (ドラマやラノベみたいな高校生活じゃなかったけど、それなりに充実してたな…) 「お姉ちゃん、起きてる~」 つかさが部屋のドアをノックする。 「はいよ~。どうしたの?入りなさいよ」 つかさが入ってきた。 「…あ、あの、明日卒業式だからさ…緊張して眠れないんだ」 「何か心配事でもあるの」 「あのね…お姉ちゃん、本当にあの大学行くの?」 ...
  • 黒ぬこと雨雲
    『黒ぬこと雨雲』 ゴロゴロと地面の底から体の芯へ伝わる振動を感じて、俺は灰色に澱んだ空を仰ぎ見た。 厚い雲が何重にも積み重なって、今にも大粒の雨が降り出しそうな暗闇が空一面を覆っている。 ――早くあの場所へ向かった方がいいのかもしれない。 雨は苦手だ。 冷たい上に、毛が皮膚に付着する不快感といったら、人間に尻尾を掴まれた時以上の不快感なのだ。 横になっていた体を起こし、グッと背を伸ばす。 寝ていただけなのに何故ポキポキと関節がなるのだろうか。 そんなことを考えながら眠気覚ましに顔を二、三度振ると、ポツっとヒゲに何かが当たった。 その軌跡を辿り、再度空を見上げてみる。 と、今度は目の上に冷たい感触。 まずい。 ほぼ反射的に後ろ足に力を入れた瞬間。 ザーッという音と共に大粒の雨が俺の体を襲った。 無数の水滴が徐々に俺の毛を濡らしていく。 普段なら何処か屋...
  • 氷のように…
    暗い、クライ、クライ… ここには何も無い。 私には、何も手にする物がナイ。 『かがみ…』それが、私の光。私の希望。 だけど、ここには何も無い… ずっと、旅をしていた... かがみを、探す旅。 見付けた時に、喜びと絶望を同時に味わった。 私の希望を、光を、小さく砕く物… 始まりと、終焉の時だった。 『もう、昔には戻れないんだね』 小さく呟く…。 私の過去は消え去っていた。 傍のチョコを見る。 幾度となく作り、渡しそびれてきたチョコ... 去年も、その前の年でさえ作っていた。 かがみと会う前の年でさえ.. 私はきっとバカなのだろう。 こんな事しても何の意味も無いと解っているのに。 今年も、また渡せずに終わるだけ... 私は一人ぼっちだ。 夜が来る度に、何もない空っぽの世界に放り込まれる。 寂しさを...
  • かろうじて我慢した。
    「いやー、大丈夫だよ!ほ、ほら!回りに人もちらほらいるしさっ!」 ホントは人なんていない。私達だけが歩く夜道。 「それにさー、いいよって言われると逆にさ・・・ねぇ?」 頭が真っ白な中奮闘する私。内緒にするって決めたんだ。これ以上、かがみに迷惑は、かけたくないんだ。 「・・・バカ。」 「え?バカって?」 そう言い終わらないウチに、私は包まれる。春の陽気のような温かさ。私に安らぎを与える匂い。心地よい空間。 思考が現状についてきてくれない。本当に真っ白。 「あんたの事よ・・・私に恥かかせる気?」 やっと分かった。私は今、かがみの腕の中。だからこんなにドキドキするんだ。 柔らかい感触。優しい雰囲気。全てが私をおかしくさせる。 「え、あぅ・・・」 「ねぇ、こなた。これでも・・・ぎゅってしてくれないの?」...
  • へべれけかがみん あふたー
     ……あったかい……。  ふにふにでぽよぽよでマシュマロみたいな感触。低反発まくらってこんな感じなのかな。  でも、うちにそんなのあったっけ…?  ……ま、いいか。きもちいいし。  覚醒しきっていない頭でそう結論付け、私はまくらをさっきよりも強い力で抱きしめた。 「んーーーーー」  と、瞬間まくらが苦しげな声をだした。  …私の知ってるまくらは喋らないはずだ。  薄目を開けて確認すると、目の前いっぱいに青が広がっていた。  …ああ、こなたか。どうやら昨日抱きまくらにして眠ってしまったらしい。  お互いの部屋に泊まった時はたまにあることだから、それほど驚きもせず、未だ焦点が 合わないまま視線を下ろす。 「ほああぁああぁあああっ!!??」  叫んだ途端、脳内で鐘をつかれたような衝撃が襲って来て私は頭を押さえた。  うう、痛い。なんでこ...
  • 桜が見た軌跡 第二章
     見渡す限りの大空を翔る、豆粒ほどの大きさの物体。  そこから吐き出された、一筋の白い棒線――飛行機雲が、 青いキャンパスの中へと広がっていく。  地上には、陽炎。  熱されたアスファルトの上を歩きながら、夏期講習へと向かう陵桜学園の生徒たち。  校舎も。体育館も。グラウンドも。夏休みの最中にも関わらず、活気溢れる場所。  そんな彼らのそばに立つ、青々とした葉を巡らせた、一本の年老いた桜。  ですが、今日の桜の様子は、いつもと少し違っていて。  <夏 ~summer~>   桜は、眠りについていました。年老いた為なのか、暑さが身に染みたのか。  微睡みよりも、深く沈んだ意識の中で。桜は、自らの過去を振り返っていました。  かつて、自分が生まれた日の風景。そこは、何十年も立ち続けた今の大地ではなく、 どこか遠い場所だったような。さらにそこ...
  • 夢と幻を越えて
    あの子は一人ぼっちだった。 まるで他人を受け入れないかのような様相をしていて。 まるで一人でいる事が当然かのような振る舞いをする。 眼は、冷たく。 まるで他者の全てを拒絶するかのような目をして‥。 ――どうして、そんなに悲しそうな眼をしてるの‥? 私には、 なんだかそれがとても寂しそうなものに見えたんだ..... …『夢と幻を越えて』… 静かな静寂‥。 家族の寝静まった夜に、こっそりと明かりが灯る。 立ち込める甘い匂い。錯乱するボウルやら泡立て器。 深夜の台所で一人、慣れない事を始める。 私には、妹みたいな器用さはない。 同じように作っているのに同じように出来やしない。 上手くいかない型取り。上手く冷えない固まり方。 ようやく綺麗に仕上がったと思っても、口に入れてみると味がイマイチだったり...
  • 作者の部屋(1-166氏)
    ◆シリーズ物 桜が見た軌跡 第一章 桜が見た軌跡 第二章 お見舞い(2009年版) 続・お見舞い(2009年版) 秋の夜の出来事 (↑の続編) ミッドナイト 記憶のカケラ (↑の続き) 夢の果てに得たものは(前) (↑の続き) 夢の果てに得たものは(後) (↑の続き) 彼方へと続く未来 プロローグ 彼方へと続く未来 第一章 (前編) (↑の続き) 彼方へと続く未来 第一章 (後編)(↑の続き) 彼方へと続く未来 第二章 (前編)(↑の続き) 彼方へと続く未来 第二章 (中編)(↑の続き) 彼方へと続く未来 第二章 (後編)(↑の続き) 彼方へと続く未来 第三章 (前編)(↑の続き) 彼方へと続く未来 第三章 (後編)(↑の続き) 彼方へと続く未来 最終章 (前編)(↑の続き) 彼方へと続く未来 最終章 (後編)(↑の続き/完結) ◆短編 お見舞い 誕生日 耳 夏の日の...
  • 『Merry Walking』
    「はぁ?かがみからの告白?!そんなん外で言い放った日には、 何故か川の水が汚れるそんな代物だよ!」 「ふざけんじゃないわよ、人の告白を公害扱いするな!! いつも蔑んだり、見下した言い方しやがって………目線は見上げているくせに!!」 「!?言ってはならないことを~、こんなこと言う奴はこうしてやる~(ムニ~とかがみの両頬をつねる)。」 「ひゃひひゅんひょよ、ほひゃた~(なにすんのよ、こなた~)(つねられつつも、こなたの両頬をつねり返す)。」 「あの~つかささん?こなたさんとかがみさんどうされたんですか。」 「あっ、ゆきちゃん。こなちゃんがお姉ちゃんに『好きだ』って告白された夢を見たって言ったのに対して、 お姉ちゃんが『まずあんたに告るなんてありえないし、もし逆にアンタからの告白だったらホント はぁ~ガッカリだわ』っていったことでこんな痴話ゲンカになっちゃったんだ。」 ...
  • お見舞い(2009年版)
     きっかけは、大体わかっていた。  生活の不摂生、ネトゲのやり過ぎ、徹夜でゲーム。  そこで生じたひずみが、一気に私に襲いかかっていた。  それは、『たちの悪いカゼ』とい名のモンスターとなって、 週末、そして休日の昼間を過ごす私を苦しめていた。 「う~、やっぱだるいな~。 漫画とか読む気にもならないよ」  そんな文句を言いながら、私は布団を被ったまま寝返りをうった。  しかし、うつぶせの状態から寝返ってしまったので、 パジャマと布団がはだけて、畳の上に散乱してしまった。  私は、しんどい体に鞭を打って布団を必死にたぐり寄せた。 「……熱でも測ってみよっかな」  手元にあったデジタル式の体温計を手に取り、わきに挟む。  しばしの沈黙の後、甲高い電子音が部屋に響いた。  そして、体温計には『37.8℃』という数字が表示されていた。 「...
  • 『ふぁん☆すた』 第ニ話
    結論からいうと、私は都内に引っ越してからちょうど一週間後、東京郊外においてバスの転落事故に巻き込まれたらしい。  そして私は奇跡的に無傷だったが、目を一週間近く覚まさなかったらしい。  「らしい」というのはこれが私の記憶から分かったことではなく、医者から告げられて分かったことだからだ。  記憶がないことについては内的要因が外的要因かはっきりとは分からないとのことだ。 この事実(と言っても記憶のない私にとってはにわかに信じがたい)は私が目覚めてから二日後に聞かされた。  私が目覚めて、記憶が無いことはすぐに分かったはずなのに、どうして真実を伝えるのに二日も要したのか、 という私の質問に対して、医者は 「真実を告げられたあなたが完全に記憶を取り戻した場合、あなたがパニック状態になることを危ぶんだのです。 申し訳ありませんでした。」 と答えた。 ――...
  • 何気ない日々:お見舞いには花束を用意して
     物足りない帰路、さびしんぼウサギなんてからかわれているけれど、かなり的を射ているのかもしれないわね。・・・認めたくないけど。 「お姉ちゃん、こなちゃん家にお見舞い行くんだよねー?」 「一応そのつもりなんだけど、この雨だと自転車はどう考えても無理そうよね」 雨は学校にいたころより酷くなっていた。 「そうだねー、帰らないでそのままお見舞いに行けばよかったかも」 つかさが言うのも一理あるんだけど、お見舞いに行くのだから何か持っていこうかと思っていたから、こうして一旦帰ってきたのだけれど・・・どうも裏目にでたらしい。 「やっぱりお見舞いなんだから、何かもっていった方がいいかと思っんだけど」 律儀なことを言ってる気もする。前に、私が風邪でこなたがお見舞いに来たときには、宿題を写しにきただけっぽかったし・・・。 「境内の紫陽花がそういえば綺麗に咲いてたわね。あれを少し拝借して花束を作...
  • ゆれたい・四
     ゆれたい・四  その時、つかさがトイレに行くと言って、あと十分程で着くであろう駅へ一目散に走っていった。 私はかがみと二人きりで、突如その場に取り残された。号泣寸前になっていた私は呆気にとられてその場に立ち止まってしまった。 目の前が真っ白になっていた。何ぼーっとしてんのよ、というかがみの声を受けてようやく我に返り、私は歩きだした。 私はかがみの右隣り、つまりそれまでつかさがいたポジションに就いた。 後ろをついていくのも不自然に感じたし、何よりも、体が吸い込まれるようにその位置に向かっていたからだ。  かがみと二人きり。何の努力もしていないのに、私の望み通りの状況になっていた。 自力で状況を創りだして大コケしたカラオケボックスでの出来事を思い出し、皮肉を感じずにはいられなかった。 悲しみは一気に引き潮になり、今度は感激でいっぱいになった。  奇妙にも会話は無かった...
  • 彼方へと続く未来 最終章 (前編)
     空は、白と青のコントラストに彩られていた。雲という名のブラインドに 覆われていた太陽が、その切れ間から徐々に顔を出し始めていく。  そして、そんな空の真下で、私とこなたは視線を浮かせていた。 「ねー、かがみぃ」 「ん~? どうかしたの、こなた」 「私たちってさぁ、いつからこうしてるんだっけ?」 「……はぁ。今更な質問ねぇ」  浮いていた視線を戻しながら、こなたの方を向く。  合わせてこなたの方も、微かに眉をしかめながら首を動かす。 「まぁいいや。今だけは時間なんて関係ないよ。かがみもそう思うでしょ?」 「う~ん。そりゃあ、まあそうだけど」 「それに、こんなにがっちり手を握られてちゃあね」  そう言うとこなたは、空いている左手で矢印を作りながら、 交差している自分の右手と、私の左手を指さして笑っていた。  その仕草が、可笑しくて、ちょっと...
  • こころのきょり
    「はぁ……」 今日何度目のため息だろうか。 今日から約一年間過ごすこの教室で、自分の居場所であるこの席で、私はため息をつく。 新しい友達もできるだろう。旧友がいるから不安もない。 なのに、どうしてもこのクラスであることに、彼女たちと違うクラスであることに不満を覚えてしまう。 『今年こそはみんなと、こなたと同じクラスになれますように』 つかさとお参りした時に自分でも気づかないほど熱心にお願いした。 あの時は、いや、今でも私は素直にこなたと一緒がよかったとは言えないけど。 それでも今、こうして一人残ってしまうほどに私はそれを望んでいた。 去年と、その前の一年の頃と何も変わらないじゃないか。 こなた、つかさ、みゆきが同じクラスで、私は休み時間に顔を出して。 朝も放課後もたいてい一緒に過ごす。休みの日だってそう。 今まで通り昼休みに一緒にご飯食べて、夜には時間も...
  • いふ☆すた EpisodeⅣ~大地はやさしく受けとめる~
    私は電車に揺られながらふと思う。 いま、私の人生のレールと言うものは、いったいどこに向かって走っているのだろうか。 自分の居場所も分からない。終着駅さえ見えてこない。 そんな電車に揺られながら。 私のココロはどんな気持ちでいるのだろうか。 きっと寂しさに震えている。 この広い電車に一人きり。 その先に待つものに。 そして何より、隣に座ろうとする誰かに怯えながら。 終着は近い。 そこに待つものが、もし… 「「 こなた 」 かがみ 」 なら、 きっと私は…  「いふ☆すた EpisodeⅣ~大地はやさしく受けとめる~」 今日はこなたとの約束の日。 こなたは今日のデートを彼氏との予行演習だと言った。 でも、みゆきはこなたが嘘を付いているとも言った。 もし、こなたが偽りを演じているのなら、今日のデートは誰のため...
  • 神無月はもう過ぎた
    「おーっすこなた。何見てるの?」 「ロボットアニメだよん」 「へぇー。あんたロボット物好きなの?」 「まあねー。かがみんも一緒に見よう見よう」 「まあ、ちょっと興味あるかも」 「なんだこの狙ったようなドジっ子っぷりは…」 「アニメに真面目に突っ込んだら負けだよ、かがみん。にしても、いきなりパンモロはだめだよね~」 「なんで?嬉しいもんなんじゃないの?」 「甘いよかがみん!チラリズムというものを理解してない!」 「いや、理解できなくていいわ…」 「…こなた。これってロボットアニメよね?」 「うん、そだよー」 「なんだかマリみてみたいな雰囲気なんだけど…」 「キャッチフレーズが『伝記! 百合! メカアクション!』だからね~」 「ごった煮すぎないかそれは…」 「そこはほら、介錯だから!」 「それは…深く考えるなってことなのか…?」 「そういえば...
  • 作者の部屋(H1-52氏)
    ◆短編 無題(H1-50) 無題(H1-66) 無題(H1-87) 無題(H1-98)(↑の続き) 無題(H1-273)(かがみの誕生日記念) 春の空 突然のこなた留学 真実の心を(前編)-New! 真実の心を(後編)(↑の続編/cf.-刻の涙) 同じ気持ちの2人 桜の刹那【第2回こなかがコンペ参加作品】-New! ◆長編 星に願う者―遠すぎた想い 『雪の日の約束』(↑の続編) 夢と幻を越えて(↑の続編) 氷のように…(↑の続編) 記憶の欠片-1年生、春(↑の続編) コメントフォーム 名前 コメント ...
  • 誰も居なくなった浜辺に
     埼玉には海が無い。  そんな土地柄のせいで、あまり海とは縁の無い人生を送ってきた私は、小学生の頃に家族で日本海へと旅行をしたのを最後に、海へと出向く機会は無くなった。  それが昨年、私は家族とではなく、高校に入ってから知り合った友人達と海水浴へ出掛けた事で、私は海との想像を超える再会を果たす事になる。  打ち寄せる波の音の大きさ。  どこまでも続く水平線。  そこで私は時の流れと共に自然と矮小化させていた海のイメージを改めさせられる事になったのだった。  あの時から半年、私を取り巻く環境は大きく変化していた。  今、私はあの時と同じ浜辺にひっそりと佇んでいる。  あの夏の賑やかな海とは打って変わって、間もなく訪れる春を待つ海は、驚くぐらいに静かで、時折犬の散歩で砂浜を通り過ぎて行く地元民を除けば、そこには私一人しかいない。  僅かな手荷物と、なけなしの...
  • 星に願う者―遠すぎた想い
    ――星に願う‥。 それは誰しもが一度はすることではないだろうか? 叶わない願いとわかっていても、奇跡を信じて… 『星に願う者―遠すぎた想い』 ‐‐ これは私の小さい頃の話。 私は泣かない子供だった。 お母さんが物心付く前にいなくなっちゃって、 幼かった私は「どうして自分だけお母さんがいないの?」と嘆いていたのを記憶している。 学校には馴染めなかった。 この子たちにはお母さんがいる。家に帰ると「おかえり」と言ってくれる人がいる。 そう思うと、私はなんだか自分が異端の人間に思えた。 実際、私は異端だったのだろう。 目には見えない壁がいつもあった。 私が作り上げた、他者と私を隔てる壁。 私がその街に来たのはお父さんとあるアニメのショーを見に来たためだと思う。 テレビで放映されてる、魔法使いの少女が悪い奴をやっつ...
  • 『a little waltz』
    『a little waltz』 高校の卒業式から数日過ぎた、3月終わり頃のある日の晩。 私はかがみと、とりとめのない無い話で長電話をしていた。 「受験校すべて合格していたんだけど、どこに行くか決めていなかったんだよね~。 だから伝え忘れちゃったんだ。遅くなってごめんね。」 「良いわよ。こっちも聞きそびれていたし。なによりもバタバタしていたからね。」 「んで、大学名はね・・・」 「へえ、そこに行くんだ。あんたにしちゃ頑張ったじゃない。あんたのことだから、 『太平洋あけぼの大学』っていうネーミングの、誰も知らない大学になるかと思っていたわ。 何故か都心にキャンパスがあって、アキバにも近いからって理由で。」 「ひど!!何、その壮大なるバカ大学名!。名前からいかほどのものか分かるよ。 いくらネタ人生の私と言えど、進学先そのものをネタにはしないよ。 正直ま...
  • 黒ぬこと縄張り
    『黒ぬこと縄張り』 この世の中には縄張りというものがある。 それは俺ら猫だけじゃなく、魚や鳥、多くの動物にも共通して言えることだろう。 無論人間にも、だ。 「......」 気持ちよいくらいの秋晴れの青天。 気を抜けばすぐ瞼が落ちそうなくらいの眠気の中で、俺は横に座っている少女を仰ぎ見た。 「......」 何も話さず、自分の腕に顔を埋めて座っている。 風が吹いているわけでもないのにピンッと立っている数本の髪の毛がユラユラと揺れていた。 珍しい。 髪の毛のことではなく、この状況が、だ。 ...と言うか初めてのことではないだろうか。 いつもは俺が来る度、俺を撫でたり食べ物を分けてくれるはずのこの少女が、今日はその素振りすらみせない。 俺が来たことに気付いてないわけでもなさそうだが...。 「......今日さ」 試し...
  • 殺人考察
    【管理人注】作者さんからの注意書きがございます。詳しくはこちらをご覧ください。 1  私は今、公園の砂利道を歩いている。ちょうど一年前、こなた、つかさ、みゆきを誘ってお花見に来た公園だ。今日も桜は満開。温度よし湿度よし雲一つなし。風は緩やかに吹き、陽射しは穏やかだ。屋台もひしめきあってにぎわっている。絶好のお花見日和だろう。  だが、今日の目的はそこじゃない。  大股でずんずん歩く。 「あのー…かがみんや?」  後ろからちょこちょこついてくるこなたが遠慮がちに話しかける。 「…何よ」  極めて不機嫌に返事をしてやる。 「せっかくの春休みに何のご用かなー…と…。しかも私一人に…」 「いいからついてきなさい」  有無を言わさぬよう、命令する。  今日呼び出したのはこなた一人だ。それも当然だ。今回の一件、こいつが全てを考え、こいつが私を陥れ、こいつが私をコケにした...
  • はな☆びん
    遠くから地響きのように花火の音が聞こえてくるのを、こなたは夏の夜の蒸し暑さの中で聞いていた。 着慣れない着物の感触と夜風が、祭りの非日常をこなたの中で盛り上げている。 「高校最後の夏、か、その思い出があんたと一緒の花火なんてね」 とさっきまで言っていたかがみは、花火に見とれて夜空を見上げている。 結った髪から覗くうなじが色っぽく、こなたは不意に花火から目を逸らし、かがみの横顔を見た。 夜の中、花火に照らされるかがみの横顔。 暗闇の中でも、その横顔の美しさはこなたにハッキリと分かる。 「綺麗ね」とかがみが呟き、そうだね、とこたえるこなたは 「綺麗なのはかがみだよ」と心の中で呟いた。 高校最後の夏。 かがみと、高校生でこうしていられるのは、これが最後なん...
  • 記憶のカケラ
    ――小さくてちょっと変わっていて、髪が青い女の子。  それが、私が『泉さん』と初めて会った頃に抱いていた感情だった 。 だけど、一緒に高校生活を過ごしていくうちに、私たちの関係も 少しずつ変わっていった。 そして、出会ってから間もない頃のある日、 私と泉さんの間にちょっとした変化が起きた―― 「こなちゃん、遅いね……」 「ほんと、何かあったのかしら。  せっかく今日から一緒に登校することにしたのに」  まだ入学して間もない頃のとある日の朝、通勤ラッシュで 混雑している駅のホームで、私とつかさは泉さんが来るのを待っていた。  とは言ったものの、この一件の立案者がその泉さんだった ものだから、尚更私たちがこうして待っている意味がわからない。  普通に考えて、何で言い出しっぺの方が遅刻してくるのかしら。   「こなちゃ...
  • レイディアント・シルバーガン
    わたしのこと、愛してる?  地球人類絶滅。  絶望の中で跳んだ紀元前9万9980年、全てを滅ぼす『石のような物体』との戦いで最後に聞こえる声。  人類の生き残り、最終戦闘機シルバーガンが閃光の中に消え、人類の歴史は終わり、始まる。  この世界で唯一の『特別』なシューティングの話。   ………  私はふと、たまたま見かけたゲーム屋の前で立ち止まる。  綺麗で清潔で、照明のまぶしい家電量販店の一画にあるゲームコーナー。 「どうしたの? こなた?」  かがみの言葉に、私は小さく横目でその顔を一瞥するだけで、すぐにゲーム屋に視線を戻した。  私の目の前に広がる、白が眩しい棚にならぶゲーム達、その、やけに小さなパッケージ。  いつの間にかコンシューマーのゲームは少なくなり、携帯ゲームばかり立ち並ぶ店内に目立つのは、頭を鍛えるとか脳年齢がなんだのかんだの...
  • パーフェクトスター 序章Bパート
    序章「そして私たちは出会った」Bパート ==============================  * * * アパートは2階建ての小さなもので、1階の角部屋が私の家となる。 鍵を、扉を職人技のように高速で開けて閉めて。玄関で彼女の手を離すと、直ぐさまテレビへ向かう。 17時59分。自動録画をセットする時間なんて当然ない。 なりふり構わずチャンネルを合わせて、手動で録画ボタン。 その5秒後に目的のアニメは始まった。 「ミッションコンプリートぉぉぉ…。」 声に出して、自らの目標を達成したことを確認した。 安堵と共に体の力が抜けて、そのまま後ろへ倒れて大の字になる。 元々小さな体だから壁にぶつかるとか心配はないが、私はもう一つ大切なことを忘れていた。 寝転がったことにより、視界の隅に彼女が映る。 ─ や、やばいヨ。勢いだけで連れてきち...
  • 彼方へと続く未来 最終章 (後編)
     女の子が、泣いていた。見覚えのある神社の境内で。  ――うっ……ひっく……。  ――あらあら、どうしたの。泥だらけじゃない。  舞い散る桜。傷だらけのTシャツ。そして、お母さんの声。  ――近所の……男の子たちがね、かべに……ラクガキしてたから、 やめさせようとしたら……ぐすっ。  そうだ、この子は小さかった頃の私だ。おまけに、帰りぎわに大雨まで降ってきて、 散々な目にあったんだっけ。当然、男の子たちには勝ったんだけど。  ――そうだったの。頑張ったわね、かがみ。  ――うん……わたし、がんばったよ。でも、かみのけが……。  乱れてたのよね。滅茶苦茶に引っ張られた上に大雨だもの。当然の結果ね。  ――わたし、ちゃんとやめさせたんだよ? だけど、こわくて、さみしくて……ひっく。  ――ほら、もう泣かないの。お母さんが、とって...
  • 彼方へと続く未来 プロローグ
     別れ。それはいつか必ずやってくるもの。  想い。それは誰かに伝えるもの。  ――た。それは私が大好きな人の名前。  だけど、私はそれを全て拒絶することになる。  二月のある日に訪れた出来事によって。  だから、この時の私はまだそれを知らない。  一月一日という時の中を過ごしていた、この時の私は――          『彼方へと続く未来 プロローグ』 「お姉ちゃん、あけましておめでと~」 「うん、今年もよろしくね~、つかさ」  例年通り初詣客でおおいに賑わっている鷹宮神社の 境内の一角で、私はつかさと新年の挨拶を交わしていた。  赤と白に彩られた巫女服を着込んでいつも通りの会話を 続ける私たちは、今年もお母さん達を手伝う為に、受験勉強を 一時中断して境内を巡回していた。 「そういえば、今年はまだ来てないわね、アイツ」 「うん...
  • 鷹宮神社の特攻花
    こなたとかがみが、まだ高校に通っていたころの、ある日曜日のこと。 今日も今日とて、こなたは柊家を訪れています。 桜の季節を過ぎ、風も暖かくなってきました。 「こんちわー」 「あら、こなたちゃん、いらっしゃい」 「こ、こんにちは。あれれ、えーと・・・・・・・・」 「かがみ? ごめんなさい、今、神社の方に行っているの」 「そうでしたか」 「あの子、こういうことに、妙に意気に感じるところがあるの」 「へ? 」 鷹宮神社の神域の、参道を少し外れたところに、小さな慰霊碑が立っています。 すっかりおなじみの場所ではありましたが、こなたにとっては初めて目にするものです。 碑文は、難解な漢語調に書かれていますが、 『第○○○振武隊・・・・・昭和二十年五月二十八日払暁出撃・・・・・・沖縄東海域・・・・・・散華・・・・・・・』 と、所どころ、こなたにも読むこと...
  • こなた庇護計画発動
     ヴェルレーヌも詩ったように秋というものは、人をセンチメンタルな気持ちにさせる。  揺れて舞い散る落ち葉の、悲しげな舞踊のせいか。  纏うものを無くした木々の、哀愁漂う立ち振る舞いのせいか。  はたまた、食欲の秋を布石として生まれる、余分な脂肪からか。  個々によって原因は違うにしろ、その気持ちを紛らわすために、人々は温もりを求める。  そしてそれは、異性同士にばかり言えたもの、というわけでもない。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― -------------------------------- 『こなた庇護計画発動』 -------------------------------- ―――――――――――――――――――――――――――――――― 「はぁ……」  意味もなく大きな溜息をつくの...
  • パーフェクトスター 第2章Bパート
    ――――――――――― 『パーフェクトスター』 ●第2章「夏の始まり、変わる日常」Bパート ―――――――――――  * * * かがみが本を見ながら一生懸命作ってくれたのは肉じゃがだった。 調味料の分量を間違えたのか、それとも好みの問題か、味が若干濃い気がするけどおいしい。 作ってくれた本人は、箸を止めて眉をひそめながら私の様子を伺っている。 多分、料理の出来映えを気にしているんだろう。 じーっと見られ続けて食事をするのは、ちょっとばかり息苦しいので素直な感想を伝えることにした。 「おいしいよ、ちょっと味が濃い気がするけどそれは好みの問題かね」 私の言葉を聞いて、かがみは眉を通常運営にもどしてほっと一息。あえて言葉にしないところがかがみらしい。 それから二人でお箸と会話を進めていく。 「...
  • @wiki全体から「春の陽光、桜舞い散る記憶無き思い出の場所で」で調べる

更新順にページ一覧表示 | 作成順にページ一覧表示 | ページ名順にページ一覧表示 | wiki内検索

記事メニュー
目安箱バナー