こなた×かがみSS保管庫内検索 / 「雨降って地固まる」で検索した結果

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  • 雨降って地固まる
    ……つまり『サザエさん』で描かれているのはキャラクターというより父、母、夫、弟といった人間関係であり、その関係性が崩れることは物語の崩壊を意味する。  『サザエさん』においてキャラクターは成長しないのではなく成長してはいけないのである。…… 「…よしっ、今日はここまでっ!」 仕事がひと段落してPCの前でひとつ伸びをする。 時計を見ると午後1時を少し回っていた。 「おっと、そろそろ出かけなくちゃ」 今日はつかさと会う約束がある。 わざわざ仕事を抜けてきてくれるというから遅れるわけにはいかない。 今まで開いていたドキュメントをセーブしてPCをシャットダウンする。 そして机に立てかけてある写真に目をやった。 思いっきり笑う私の隣でかがみが照れた表情をしてこっちを見ている。 「フーンだっ!かがみが冷たいから今日はつかさと浮気してきちゃうん...
  • 作者の部屋(1-316氏)
    ... 卒業したら・・・ 雨降って地固まる(シリアスもの) コメントフォーム 名前 コメント
  • 作者別保管庫(2スレ目)
    ...1-316氏  雨降って地固まる(シリアスもの) 1-472氏  おまじない 終わりじゃなくて、始まり 泊まった日 1-636氏 シャボン玉 『泡沫──うたかた──』~シャボン玉 Konata side~ 2-94氏 かがみいじめ(キャラソンネタ/少しキャラ壊れ注意) 2-274氏 セカンドライフ セカンドライフ 第2話『雨あがり』 2-560氏 泣き虫こなたん 慰め編 2-716氏 2人 2-907氏 100%?アイアイアイ 小なたまとめ その1 その2 その3 その4 その5 特別編
  • 作者別保管庫(2スレ目)あらすじ有.ver
    ...1-316氏  雨降って地固まる(シリアスもの) シリアスもの。社会に出たこなたとかがみが、恋人になって同棲を始める。 仕事が忙しくてなかなか相手をしてくれないかがみに、こなたは不満をぶつけてしまう。 寂しがっているのはかがみも同じなのに気持ちがすれ違ってしまう二人。 1-472氏  おまじない つかさから「好きな人の写真を携帯の待ち受けにして、三週間隠し通せたら恋が叶う」というおまじないを聞いたかがみは、こなたを携帯の待ち受け画面にした。 二日後、こなたが柊家に訪れた時…じゃれあう二人の様子が甘い。 終わりじゃなくて、始まり 卒業式の前日、屋上で、離ればなれになってしまうことに不安を募らせるかがみの元にこなたが現れる。 寂しがりやのかがみは、こなたに不安な思いを伝える。友情の話。 泊まった日 こなたが、かがみ達を家に招いてお泊まり会をする...

  • この日は運がよかったのか、雲ひとつない青空だった。 「よかったわ、昨日ちょっと雨降ってたから心配だったのよね」 かがみは、小さな小窓窓から空を見上げた。 満面の笑みを浮かべ、空を眺める。 空は青く、満足のいく青さに染まっている。 けど今のかがみにとっては、雨が降っても多分満足できただろう。 「こんなに幸せで・・・いいのかな?」 感極まったのか、かがみから涙が溢れ出す。 「wat scheelt eraan?」 着付けの人が心配そうにこちらを見つめる。 「大丈夫です」 ニコっと着付けの人に笑顔で答えると 彼女もかがみの幸せそうな表情を受け、明るい笑みを浮かべた。 そう、かがみは今幸せを感じている。 今かがみは今ドレスに身をまとっている。 真っ白い純白のドレス。一人ではとても着れな...
  • こなかがスレSS保管庫・あらすじ一覧(1~5スレ目)
    ...ズの2作目。 雨降って地固まる  1-316氏 2スレ目  シリアスもの。社会に出たこなたとかがみが、恋人になって同棲を始める。仕事が忙しくてなかなか相手をしてくれないかがみに、こなたは不満をぶつけてしまう。気持ちがすれ違う二人。 おまじない   1-472氏 2スレ目  つかさから「好きな人の写真を携帯の待ち受けにして、三週間隠し通せたら恋が叶う」というおまじないを聞いたかがみは、こなたを携帯の待ち受け画面にした。こなたとかがみのじゃれあう様子が甘い。 終わりじゃなくて、始まり  1-472氏 2スレ目  卒業式の前日、屋上で、離ればなれになってしまうことに不安を募らせるかがみの元にこなたが現れる。寂しがりやのかがみは、こなたに不安な思いを伝える。友情の話。 泊まった日   1-472氏 2スレ目  こなたが、かがみ達を家に招いてお泊まり会をする話。...
  • 『レイニー・レイニー』
    雨の降る中で私は空を見上げた。 泣き出した空から降り注ぐ大粒の雫に、私の頬が、頸が、二つに結んだ髪が、制服が濡れていく。 例えば、雨の中で濡れながら、濡れた草を踏んで、裸足で歩くこと。 『それは自分が生きているという実感がすることだ』と、ある映画のヒロインが言っていた。 ――生憎、私は映画のヒロインではないけれど。 そして、私は裸足ではなく、靴を履いているけれど。 降り注ぐ水の中で、自分の心臓の音や体の温度が輪郭を持ち始めるのを感じていた。  『レイニー・レイニー』 雨が降ると、気持ちが沈む。 一概に、すべてがそうだとは言えないけれど。 例えば、雲の所為で太陽が見えない暗い空や、湿気のこもった室内の匂い。 外に出れないこととか、歩くときに靴下が汚れること。 そういう小さな雨の憂鬱が積み重ると、『雨が降...
  • 春風秋月
    「そういえばもうすっかり秋ね」  学校からの帰り道、バスを降りたわたしは軽く伸びをしてすごしやすくなった季節への変化を誰ともなしに呟く。  空は青く晴れていて、日差しは優しく、風は柔らかい。 「9月の初めの方は夏日が続きましたが、10月に入ってからは随分秋らしくなりましたね」 「そだね、体育祭や修学旅行の時はまだ暑かったもんね」  横を歩くみゆきが微笑みながらうなずき、つかさもリボンを縦にゆらす。 「あ、でもまだ関西の方は夏日みたいよ」 「紅葉のシーズンも今年は大分ずれ込むみたいですしね」 「やっぱり温暖化の影響ってやつなのかな?」  そんな他愛もない会話をしながら、わたしの視点はまだ一言も発していないこなたの方に移る。  昨日も徹夜でネトゲをしていたとかで大分眠そうにしていたが、ひょっとして急に具合でも―― 「天高く~『誰 か』が~肥ゆる秋~」 ...
  • 曖昧 me mine
    数少ない休みの日に、何気なく畑が広がる中を二人で歩く。 別に目的はない。ただ一緒に散歩してる事がなんだか幸せだった。 ふと下を見ると、道の縁にクローバーが広がっていた。 「あ、クローバーだ。」 「ずいぶん生えてるわね。そういえば小さい時によく四つ葉のクローバーとか探したわよね。」 「うん やっぱり探すよね。7枚集めると幸せになれるとか言ってさあ。」 「あったあった。」 二人でしゃがんで広がるクローバーを見る。 こなたがそこにあった1つのクローバーを採る。 「でもさ、クローバーって悲しいよね…。」 「え? 何でよ?」 「クローバーって幸せなイメージがあるけど、花言葉は『復讐』なんだよ。」 「そう…。」 こなたがきっとインターネットで調べたのであろう知識を言う。 かがみも返事に困って少しの沈黙が流れる。 いきなりこなたが立ち上が...
  • ホントの気持ち
    それは、戯れにも似た。 私とこなたが友達とは少しだけ違う関係になるのには、そう時間が掛からなかった気がする。 本当に、偶然だったのだ。 たまたま、家族で買い物に行く日にちょっと疲れているからという理由で私だけ家で休んでいて。 たまたま、こなたが突然遊びに来て。 たまたま、じゃれあっていたらこなたが私の上にのしかかるような恰好になって。 後はもうなし崩しだった。そうしなければいけないような力が、その場に働いているみたいに お互いの唇が重なりあって舌を、体を求めあった。 そのことに関しては後悔はしていないのだけれど。 そうして、私たちの関係は少しだけ変わった。 もう友人とは呼べないんだろう。けれど、恋人とも少し違う。 愛を囁きあうわけでもない。独占したいと思う気持ちも生まれない。 多分。私たちは二人とも一人きりでは寂しくて。 少しだけ、ぬくもり...
  • 雪の日の約束
    『待ってよ、かがみぃ~!』 『あはは、こっちまでおいでー!』 楽しく遊んでいる私たち。 傍にいるのは誰‥? 『かがみ!ほら、川に魚がいるよ!』 『あ、ほんとだ。でも川じゃなくて池でしょ!』 大きな人工的な池。 でも何処だかはわからない。 『かがみぃ!一緒にブランコしようよ!』 『ばか、危ないってば!』 切り取られた時間。 遥か遠くて、懐かしい記憶。 私は、夢を見ている‥? ‥『雪の日の約束』‥ ――。 肌寒い、朝の気温と太陽の光に私は目を醒ます。 時計の針は既に8時を差していた。 急いで支度をしなければアイツとの待ち合わせ時間に遅れてしまう。 もっとも、アイツが約束通りの時間に来るとは思えないけど…。 ―夢を、見ていた。 何か、とても大切な事だった気がする。 ……ダメ、夢の記憶がどんどん遠ざか...
  • 真実の心を(前編)
    雪が降っていた。 ひらひら、ひらひらと。終わる事なく。 街は白く覆われ、一面の銀世界がどこまでも続いている。 人々は手を握り合い、あるいは幸せそうに寄り添う。 そう、大切な人と。2人で…  ‐『真実の心を』‐ 何事にも例外はある。 たとえば手を握り合うパートナーがいなければ、今日という日はただの厄日でしかない。 そんな者同士が集まってこの一日をやり過ごすのも、また恒例といえよう。 「かがみー!この服どう?」 「うわ、あんたらしくないわよ…それ」 深みのある黒っぽい服でキメてみたのだが、彼女の評価は芳しくない。 代わりに差し出された服は、いかにも子供っぽい幼稚な服だった。 「あんたにはこういう服が似合うわよ?」 「……かがみ、もしかして私のこと馬鹿にしてる?」 満面の笑顔を見る限り、彼女はたぶん大マジ。 私は逃げる...
  • 日常のなかの特別
    「んじゃあな、柊」 「またね、柊ちゃん」 日下部と峰岸に手を振り私も帰り支度を始める。 しかしすっかり人がいなくなったものだ。そんなに長いこと雑談していたわけでもないのに。 これも受験生の自覚ってやつかな。最上級生に進級してから放課後の教室は寂しくなった。 まぁ私だって早く帰りたかったんだけどね、日下部が離してくれなかったし。 全くあいつの相手するのは疲れるわ。 昼休みもたいてい隣のクラスに行っちゃうからとか言ってたけど、相手してやったらしてやったで怖いだのヒスチックだの言ってくるし。 どことなくこなたっぽいとこもあるけどあいつの場合は単なるバカキャラだからな。なにが楽しくて私に近寄ってくるのかよくわからん。 とりあえず日下部は子供なんだと結論づけてさっさと教室を出る。 先に帰ったかなと思いつつもなんとなく隣のクラスを覗いて見ると青髪の少女が残っていた。 ...
  • 寒くない雪の日
    「今日は寒いねぇ~」 私の口から、思わずその言葉が出ていた。 「そうね。朝、天気予報で今年一番の寒さを記録するって言ってたしね」 隣を歩くかがみの言葉通り、お天気お姉さんがそんなことを言っていた。 「夜中、すごい寒くて風邪でもひいたのかと思ったよ。 天気のせいだーってわかってれば、もっと経験値稼いでたんだけどな~」 「神様の早く寝なさいっていうお告げよ」 「酷い神様もいるもんだねぇ~」 人の楽しみを奪うなんて、憲法違反もいいところじゃないか。 「こなたのためを思ってる、いい神様じゃない」 かがみめ。言ってくれるねぇ~? 「私のためを思ってくれてるのは、かがみだけで十分だよ」 「なっ!?あ、アンタは何突然変なこと言い出すのよッ!!」 むふふ、予想通り~! このくらいで顔を真っ赤にしちゃうなんて、かがみはやっぱり可愛いなぁ~♪ ダメっ...
  • 『スノーブレイクの街角』
    『スノーブレイクの街角』 高2の冬のとある放課後。 私は雪の降る大宮駅西口ペデストリアンデッキ上でかがみと待ち合わせをしている。 傘を差し、用意したホッカイロであったまること数分、寒そうにしながらかがみがやってきた。 「ごめんね~こんなトルコに呼び出して。」 「どこに呼び出しているのよ、アンタは。『こんなとこに呼び出して』でしょ、まったく。で、何の用?」 2人とも学校から直接来た為、制服に学校指定のダッフルコートを着た格好をしている。 まさに普段通りの放課後って感じだ。 「何の用も何も、今日は何の日かな?」 「今日って言ったら2月14日だから、バレンタインデーよね。」 「そうだね~だから、はい。バレンタインのチョコだよ、かがみん。」 「あ、あんたがチョコ・・・普通にありがと。でもさ、渡すんだったら 私やつかさが教室で渡したときで良かったんじゃ...
  • 境界線
    こなちゃんは、お姉ちゃんをからかう。 お姉ちゃんは、むきになる。 ゆきちゃんと私は笑ってて、お姉ちゃんも顔を真っ赤にして怒った顔してるけれど、本当は笑ってて。 でも、こなちゃんは、笑ってるけれど、時々泣いていた。 +境界線+ 笑ってるのに、泣いているかも、なんてヘンな言葉だよね。 ううん、こなちゃんがウソ笑いしてるって意味じゃないんだ。 こなちゃんが笑うときは、いつも本当に楽しくて笑ってる。 こなちゃんがウソついてないこと、友達だからわかるよ。 でもね、それでもね。 こなちゃんが笑ってるのに、泣いている気がする時があるんだ。 でもだからって、涙出してるわけじゃなくって………やっぱりヘンだね。 そんなことを思うようになったのはいつかな? まだ二年生のときかな? うん、そうだね。 雪が降ってたもん。 ...
  • 無題(6-824氏)
    「ちわーす♪」  声とほぼ同時にドアが開いて、小さな体が飛び込んでくる。  ブルーのロングヘアに、実用一点張りの子供っぽい服――こなただ。 「体調どう?」 「別に、あんまり変わんないわね」 「じゃあ体重は?赤ちゃんじゃなくてかがみの」 「ああ、そっちも順調に増え……って、をい」  捕まえて頭をぐりぐりしてやろうと伸ばした手をかいくぐって、ニヤニヤこっちを見つめるこなた。  こっちがロクに動けないのをいいことに、毎回やりたい放題だ。  まぁ、退屈で殺風景な病室では、そんなこなたの悪ふざけも貴重な癒しなんだけど。 「おや?今の初デート中の中学生みたいな視線……どうしたのかなかがみんや?」 「別に気のせい、何でもないわよ」  ……こなたにバレたら一生後悔しそうだから、絶対言えないけどね。 「けどさこなた、あんたも別に無理...
  • 無題(H1-349)
    ――死んだ人間は、お星様になるんだよ。 そう言ったのは、誰だっただろう。 黄昏が差し込む黄金色の世界。整然と並んだ机。消し忘れの黒板。開け放たれた窓……その世界の中心で私と向かい合いながら、小さな、あの子は、こう言った。 ――ねえ、キス、しない? 「「じゃーんけんぽんっ!」」 「やたっ!私の勝ち」 「あ~、負けたか」 「んじゃ、ココからスタートね。かがみ、動いちゃだめだからね? ……チ・ヨ・コ・レ・イ・ト」 そう言って、小柄な体躯からは考えられないほど大きく、あの子は跳ねる。 揺れる蒼い髪。華奢な肩からは、さっき言ったことについては、何も感じられない。たった数十分前の出来事だったのに、もう忘れてしまったかのようだ。 「ほら、かがみ~、次行くよ~」 拳を握った腕を、大きく振り回す。無邪気にさえ見えるその笑顔からは何も窺い知ることは出来ない。 私は、応えて手...
  • 黒ぬこと雨雲
    『黒ぬこと雨雲』 ゴロゴロと地面の底から体の芯へ伝わる振動を感じて、俺は灰色に澱んだ空を仰ぎ見た。 厚い雲が何重にも積み重なって、今にも大粒の雨が降り出しそうな暗闇が空一面を覆っている。 ――早くあの場所へ向かった方がいいのかもしれない。 雨は苦手だ。 冷たい上に、毛が皮膚に付着する不快感といったら、人間に尻尾を掴まれた時以上の不快感なのだ。 横になっていた体を起こし、グッと背を伸ばす。 寝ていただけなのに何故ポキポキと関節がなるのだろうか。 そんなことを考えながら眠気覚ましに顔を二、三度振ると、ポツっとヒゲに何かが当たった。 その軌跡を辿り、再度空を見上げてみる。 と、今度は目の上に冷たい感触。 まずい。 ほぼ反射的に後ろ足に力を入れた瞬間。 ザーッという音と共に大粒の雨が俺の体を襲った。 無数の水滴が徐々に俺の毛を濡らしていく。 普段なら何処か屋...
  • 紫陽花色に光る雨
    ★ 「あ、雨だ」 ぽつんと鼻先に冷たい雫を感じる。 空を見上げると、鈍い光を受けた雨が線となって降り注いでいた。 あともうすこしで家に着くというのに。 徐々に強くなる雨が私の髪を濡らしてゆく。 腰まで届く蒼い髪が雨を含み、体にまとわりついた。 「むぅ、嫌な季節になったねえ」 『紫陽花色に光る雨』 6月も半ばを過ぎ、梅雨の季節を迎えていた。 連日降り続く雨のせいで、空は一面暗い雲に覆われている。 どこまでも続いてゆく暗い雲は、私の心まで覆ってしまいそうだ。 ずっと青空が見られないのは寂しい。 気分までどんよりとなりそうになったが、雨もたまにはいいことをしてくれる。 「今日は録画の時間変更しなくてもいいかな」 野球が中止になるからだ。 「かがみが横にいれば一緒に入れてもらうんだけど」 今、傘に...
  • 夢で逢えたら
    パタン。 そう、音を立てて扉が閉まると、後には、気の抜けたような静けさばかりが部屋に残って、何だか……物足りない。 そして、そう思っている自分に気が付いて憮然とするのだ。 アイツ――泉こなたが、私――柊かがみにとって分かち難く結び付いている大きな存在である、というその事実に。 ~~夢で逢えたら~~ こなたが帰った後はいつも嵐が過ぎ去った後のようで、急にやることがなくなった私は、他にやることを探す気力も無く、退屈を持て余したまま床にゴロリと寝転がる。 ぼんやりと天井を見上げると、そこをスクリーンにして、こなたの顔が浮かび上がる。私をからかってくるこなた、アニメやゲームの話題で一喜一憂するこなた。しばし追憶に身を委ねていると、不意にアイツの声が聞こえた気がして、ハッとした。 でも、こなたは帰ったんだから当然、何処にもいなくて、私は、ため息を吐きながら、また、ふてくされ...
  • こんなに好きなのに (4)
     冬の厳しい寒さに手がかじかみ、私は白い息を吹きかける。  新しい年、別れの年だった。  神社の境内で私が開いた手帳には、そっと挟んだ写真達。  気付いたら、こなたばかり集めていた。  私って馬鹿だな。  本当にそう思う。  友達に混じってはしゃぐこなたの姿──  ──私だけのものならいいのに  そんな風に思うなんて、本当に、私は馬鹿だ。 「お姉ちゃん?」  不意にかけられた声に、飛び上がりそうになる。 「おぅわっ?! つかさ、いつからここに?!」 「ついさっきだよー」 「いきなり声かけられたら、びっくりするじゃない!」 「へへ~、ごめん」  つかさは無邪気に笑う。悩みがなさそうでいいな、なんて思うのは、酷いかな?  今日は、初?詣の日だった。  実際には私達は巫女として初詣の日は働いていたので、三が日は過ぎている。 ...
  • 「輝け」
    「輝け」 季節は夏。少しずつセミの声が聞こえ始めた、緑が眩しい神社の境内には、きれいな紫の髪をした女の子が2人と、青い髪にぴょこんとたったアホ毛が印象的な女の子が1人。 「みゆきさん、今歯医者終わったってさ」口にソーダアイスを含んだままメールを読み、もごもごとしゃべるアホ毛の子。 「みゆきはいつもいつも大変ね…;てかあんた喋るか食べるかどっちかにしなさいよ」こちらの子は紫のツインテールを肩から垂らし、アイスモナカを手に持っている。 「じゃあゆきちゃんは夕方までには来れるねっ」こちらは黄色いリボンをハタハタと動かし、持っているアイスが溶け出すのを必死で舐め取ろうとしている紫のショートカットの子。 「今日はこなちゃんもゆきちゃんもお泊まりだからわくわくだねー」 ん?お泊りとな? …遡ること1週間。 「今年のつかさ他1名の誕生日って、土曜で休みなん...
  • 空へ向かって
    「かーがみんっ」 「かがみん、今日の放課後ひまー?」 「かがみん愛してるヨー!!」 「…ねぇ、こなた?」 「んー?何かなかがみんやー」 空は雲ひとつない青空。陽は高く、燦々と全ての物にわけ隔てなく光と熱を与えて いるけれど、さわさわと時折風が吹くせいか、あまり暑いとは感じない。 つまり、この私の隣にいる小さな恋人――こなたに言わせれば絶好の昼寝日和。 もう少しロマンチックに言ってみると、デートするには最高の天気、かもしれない。 もちろん今日は土日や祭日じゃないからその代わりに、というわけじゃないけれど たまには屋上でふたりきりでお昼ごはんを食べようかとこなたを誘って―― って、そんな話はどうでもいいか。思考が脱線しそうになったのを 自分で修正して誤魔化すように軽い咳をひとつ。 普段それほど人が利用するわけでもない屋上に...
  • 夢と幻を越えて
    あの子は一人ぼっちだった。 まるで他人を受け入れないかのような様相をしていて。 まるで一人でいる事が当然かのような振る舞いをする。 眼は、冷たく。 まるで他者の全てを拒絶するかのような目をして‥。 ――どうして、そんなに悲しそうな眼をしてるの‥? 私には、 なんだかそれがとても寂しそうなものに見えたんだ..... …『夢と幻を越えて』… 静かな静寂‥。 家族の寝静まった夜に、こっそりと明かりが灯る。 立ち込める甘い匂い。錯乱するボウルやら泡立て器。 深夜の台所で一人、慣れない事を始める。 私には、妹みたいな器用さはない。 同じように作っているのに同じように出来やしない。 上手くいかない型取り。上手く冷えない固まり方。 ようやく綺麗に仕上がったと思っても、口に入れてみると味がイマイチだったり...
  • 謹賀新年(こなた視点)
    「せーのっ」 『明けましておめでとうございます』 「今年もよろしくな、二人とも」 新年。作るのが遅かったせいでまだ暖かい年越しそばのどんぶりを目の前に置きながらの、おきまりの挨拶。 「それじゃあ年が明けましたので。お父さん、お年玉」 「ちゃんと用意してあるさ。二人とも計画的に使うんだぞ」 「え、私の分も?!」 「遠慮せずに貰っておきなよ、ゆーちゃん」 「そ、それじゃあ・・・」 今年・・・じゃない。去年からゆーちゃんが家に来てるから、お年玉はゆーちゃんのも込みだ。 去年と同じ額なら、お父さんの懐はさぞ寒いだろうに。 「じゃあ私、ネトゲの仲間に挨拶周りしてくるよ。黒井先生とか」 「おう、よろしく言っておいてくれ」 「私は友達と初詣に行ってきます」 「そうかい。行っておいで」 思い思いの元日。 部屋に戻...
  • ゆれたい・四
     ゆれたい・四  その時、つかさがトイレに行くと言って、あと十分程で着くであろう駅へ一目散に走っていった。 私はかがみと二人きりで、突如その場に取り残された。号泣寸前になっていた私は呆気にとられてその場に立ち止まってしまった。 目の前が真っ白になっていた。何ぼーっとしてんのよ、というかがみの声を受けてようやく我に返り、私は歩きだした。 私はかがみの右隣り、つまりそれまでつかさがいたポジションに就いた。 後ろをついていくのも不自然に感じたし、何よりも、体が吸い込まれるようにその位置に向かっていたからだ。  かがみと二人きり。何の努力もしていないのに、私の望み通りの状況になっていた。 自力で状況を創りだして大コケしたカラオケボックスでの出来事を思い出し、皮肉を感じずにはいられなかった。 悲しみは一気に引き潮になり、今度は感激でいっぱいになった。  奇妙にも会話は無かった...
  • 黒ぬこと雨
    『黒ぬこと雨』 我輩は猫である。 気まぐれな一匹の猫である。 そう、だからこそ。 まだこの街に居座っていることも... またこの場所に来てしまったのも... ただの「気まぐれ」でしかないのだ。 昨日から降り続いている雨は収まることを知らず、空を灰色に染めていた。 雨が当たらない場所を選んだつもりだったのだが、強い風が吹く度、斜めに吹き付ける雨粒が俺の体を濡らしていく。 皮膚に付いた水滴が不快でならない。 ブルッと体を震わせて水滴を振り払うと、ちょうど俺の後ろから足音が聞こえた。 --カンッ、カンッ。 一定のリズムを置いて鳴り響く足音。 ここに居座って一週間。 この時間ここに来る人間は二人しかいない。 青空色の少女と紫陽花色の少女。 彼女たちは誘い合わせたようにそれぞれ1日置きにここにやってくる。 俺に食べ物をくれたり、俺に...
  • レイニー・デイ・ブルー
    その日も朝からしとしとと雨が降っていた。 際限なく降り続く雨は、木々や花を、道を、建物を、色とりどりに咲いた傘を。 ありとあらゆるものに足跡を残していく。 数日前から降り続けるこの雨に、何となく私の気持ちも沈みがちで。 この空はまるで、私の心情をそのまま具現化しているみたいだった。 『レイニー・デイ・ブルー』 5月は何となくやる気の出なくなる月の代表として、"5月病"なんてものがあるけれど。 6月は6月で、やる気の出ない要因がある。 "梅雨"。 この響きを聞くだけでも、じめじめして、暗いイメージをかもし出している気がして、 お世辞にもいい言葉とは言い難い。 私は雨が嫌いだ。 先程述べた事ももちろんあるけど。 嫌いな理由の最もたるものは、私の大好きな時間も、湿り気を帯びてしまう事かな。 いつものように...
  • 決戦はバレンタイン!前日編
    「べ、別にあんたの為に作ったんじゃないからね!偶然家にチョコが沢山あっただけで…」 「お姉ちゃん、そろそろチョコ固まるよー!」 「はぁ、これじゃあまさにツンデレじゃないか…」 「あれ、何してるの?」 「ここはやっぱり素直に押していくべきか…」 「お姉ちゃん?」 「こなた、好きよ…。これ、受け取ってくれる?」 「ど、どんだけー!?」 「『ありがとう、かがみ。私もずっとかがみのこと…』」 「あのー…」 「そしてそのまま二人は…なーんてっ!ふふ、何だかこんなの恥ずかしいじゃなーい!!」 「あのさ、お姉ちゃん…取り込み中悪いけど、そろそろいいかな?」 「あー、はいはい………っでえぇぇぇ!!!!つ、つかさっ!?あんた何時からいたのよ!」 「さ、さっきからずっといたけど…」 「う、嘘………?」 「………」 「つ、つかさ…?」 「『あり...
  • プロジェクト・こなかがX 挑戦者達
    「えーと、これで良いんでしょうか……?あ、こんな感じで、ハイ」  ――これは、泉こなたと柊かがみという2人の少女、その淡い恋を応援する、挑戦者達の物語である。  ~プロジェクト・こなかがX 挑戦者達~ 「風の中のスバル~♪」 「ゆきちゃん、何してるの~?」 「あ、ちょっとお笑いを練習してみました……それだけです」  というわけで、放課後の学校。  人影もまばらになり、窓から紅く差し込む光と相まってうら寂しく感じるものだ。  が、確かに人数は減るが、外では運動系の部活が、ある部屋では文化系の部活が、それぞれ活動していて熱気を感じさせる。  で、ここは文化系の中でも特に異彩を放つ‘アニメーション研究部 通称・アニ研’の部室である。  この物語の主人公といい加減言うのも面倒になってきたし、シリーズ物なのでそろそろ御馴染みになってきた...
  • 雪解けの二人
    「はぁ~」 空を見上げると白んだ息が空気にすっと溶けていき、上空からはみぞれ混じりの雪がぱらぱらと降っていた。 「暑いのは嫌だけどここまで寒いのもほんと勘弁してほしいよ…。」  ブツブツ言いながらも寒い中バス停でこうしてかがみ達を待ってる私も健気だなぁ。ほんとは 今朝かがみから少し遅れるから先行ってていいよってメールがあったんだけど…。  カバンを足元に置き、カタカタと震える肩を抱くように身を縮めた。  いつもなら遅れると言われてもここまでしないんだけど、残り少ない学生生活。あとどれだけ かがみ達とこうして一緒にいられるのか…。  そういう寂しさにも似た焦りからこういう行動をとってるのかな? 自分でもよくわかんないや。  それに、暖房の効いたバスに揺られながら、なんてことない雑談をするあの空間が私は結構 気に入ってたりするんだよね。  そんなこ...
  • 転校生
    「今日転校生くるらしいぜ、ちびっこ」 「ふーん…」 みさきちが私に話しかける。 今はまだ朝のHRが始まる前。 「しかもな、なんと双子なんだと。双子なんて見たことねーから今からワクワクしてるんだ~」 「そうなんだ」 「なんだよ、全然興味なさそーじゃん。またネトゲーか?」 あったりー♪眠くて仕方ない。 昨日は先生と一緒に頑張っちゃったからね~。 今は6月、梅雨の時期。 雨が降っている日は少し憂鬱かな? 「その転校生は双子揃ってうちのクラスに入るの?」 「それはねーんじゃね?やっぱりわけるもんなんじゃねーかな」 どんな人か気にならないなんて言えば嘘だ。 でもぶっちゃけ、どっちでもいいかな…。 つくづく冷めた人間なんだよね、私。 ゲームとか自分が好きなことには熱いトコあるかもしれないけど。 み...
  • 夜更けに降る雨
    夜更けに降る雨…というのは何となく人恋しくさせる気がする。 特に台風が近づき大雨が降る今日のような夜は。 何度も開いた枕もとの携帯電話を見ると、時間は深夜0時を回っていた。 窓の外の雨音を聞きながらわたしはベッドに横たわって考える。 これはきっと人がまだ洞窟などに住んでいた頃から今にいたるまで、ずっと続いてきた想いなのではないだろうか? 寒さに震え、外敵の足音を消す雨音に怯えながら、暗い洞窟の中で横たわり眠る。 そんな時、誰か傍にいて欲しいと願うのは昔も今も同じはずだ。 その誰かというのが、自分にとって――な人であるということも。 室内灯も卓上灯も消したまま暗い天井を見上げると、ふと記憶が昔に飛んだ。 子どもの頃、雨降りの夜には無性に寂しくなって、よくお父さんたちのベッドにもぐりこんだものだ。 いつも...
  • 何気ない日々~想い絡む夏-2~雨粒と雨音に釣られて~
     雨……今日はなんだか落ち着かない。いつもは気にならない雨音も、灰色の空もなにもかもが落ち着かなくて、ネトゲにも手がつかなくて、ベッドの上に転がっていた。 「なーんで、電話繋がらないのかなぁ?」 何度かけても、留守電に切り替わってしまう。かがみはうさちゃんで寂しがり屋の癖に私の電話にでないとは……寂しいのは私かも知れないけどサ。 「どーしちゃったんだろうねぇ、私ってば……」 かがみに電話が繋がらないだけなのに、ソワソワして落ち着かない。さながらそれは虫の知らせの様な気にもなってくるし、憂鬱な気分を増幅させる気もする……するだけ。以前ならかがみに電話が繋がらないというならば、それはそれとしてネトゲをがっつり先生とペアでも組むか、ギルドの皆とやっぱりがっつりレアアイテム狙いにいくかなんて事に頭がいって、かがみから電話が帰ってきても何を話したかったか忘れてしまって、ダカラ結局、他愛のない...
  • さんにんきりでなにしてる?
    「それでですね……」 「ああ、そうするわ」 「お姉ちゃん、大丈夫なの?」 帰り道、何故かかがみとつかさとみゆきさんは、私に隠れてこそこそ話している。 何の話だろう。気になる。 その間、私は三人の後ろを独りで歩いていた。 無理矢理話に参加したり、何の話をしてたか聞こうか。でも、さすがにそれは強引過ぎるかな。 みんなにもプライバシーとかがあるし。 でも、今日こんなことがあると、疎外感で少し悲しくなる。 明日は五月二十八日。私の誕生日。 ちょうど土日と重なったし、かがみたちとどっかに遊びに行きたい。そう思ってる。 話が一段落したようなので、さりげなくかがみに聞いてみた。 「ねえ、かがみ。明日どこかに遊びに行かない?」 「こなた、急いでるからまた今度にしてくれる?」 「え、かがみ……」 かがみは走り去ってしまった。 ...
  • パーフェクトスター 第2章Bパート
    ――――――――――― 『パーフェクトスター』 ●第2章「夏の始まり、変わる日常」Bパート ―――――――――――  * * * かがみが本を見ながら一生懸命作ってくれたのは肉じゃがだった。 調味料の分量を間違えたのか、それとも好みの問題か、味が若干濃い気がするけどおいしい。 作ってくれた本人は、箸を止めて眉をひそめながら私の様子を伺っている。 多分、料理の出来映えを気にしているんだろう。 じーっと見られ続けて食事をするのは、ちょっとばかり息苦しいので素直な感想を伝えることにした。 「おいしいよ、ちょっと味が濃い気がするけどそれは好みの問題かね」 私の言葉を聞いて、かがみは眉を通常運営にもどしてほっと一息。あえて言葉にしないところがかがみらしい。 それから二人でお箸と会話を進めていく。 「...
  • 2分の1
    「唐突ですみません」 何気ないみゆきの言葉でわたしは問題集を解く手を止めた。 今日はわたしの部屋で春休み明けテストに向けての勉強会。 勉強机に向かうわたしの後ろでは、会の参加者であるみゆきとつかさ、それにこなたが受験生の名に恥じぬ姿勢でいつもの白いミニテーブルに向かっている。 …はずなのだが、実際にテスト勉強をしているのはわたしとみゆきくらいで、あとの二人は必死に春休みの宿題と戦っている。 まあ学校が始まるのは週明けでまだ一週間ほどあるのだから、以前より少しは成長しているということだろう。 しかし、こなたの場合やっていることは相変わらずわたしのノートの写経なので、成長といってもジャワ原人とネアンデルタール人くらいの差でしかないのかもしれない。 「何か分からないことでもあった?英語だったら何とか答えられると思うけど」 椅子を回転させて勉強机に背を向けると、みゆ...
  • 「バトンタッチ」 1話
    かがみ「ちょっとこなた!?あんたずぶ濡れじゃない!」 つかさ「こ、こなちゃん大丈夫!?」 真冬の冷え込みが激しいある日曜日、私は玄関先に立ってるこなたを見て唖然とした。 私達の家に遊びに来る途中に予報になかった大雨にやられたみたいで上着の中まで全身グッショリになって震えてたからだ。 こなた「うー・・天気予報じゃ雨が降るなんて言ってなかったのに・・」 つかさ「わ、私お風呂沸かしてくるね」 そう言って浴室へトテトテ走っていくつかさ。 かがみ「こなたも早くあがって服全部脱いで!そんなの着てたら風邪ひくから!」 こなた「ぜ、全部脱ぐの!?かがみ・・私が可愛いからって変な気を・・」 かがみ「ふざけてる場合か!・・私はこなたが心配なだけで・・」 こなた「へぇ~かがみ優しいんだぁ~」 かがみ「う・・」 思わずいつもみたいに言い返しそうになったけど よく...
  • 想貴
    『か、かがみ・・・』 『こんばんわ、こなた。』 「いきなりだから、ビックリしたよー。前々から言っててくれれば良かったのに。」 こなたの部屋は思ってたより汚くなかった。なんとなく、安心した。いつも遊びに行っていた、こなたの部屋のようだったから。 「いや、ただ近くを通ったからさ。抜き打ちで来てみただけよ。」 「抜き打ちって・・・テストじゃないんだから。」 ぶつぶつ文句を言うこなた。でも、なんとなくだけど、喜んでくれてる。 自惚れかもしれないけど、確信はないけど、こなたの機嫌が良いと思った。 「いきなり、悪かったわね。迷惑じゃなかったかな?」 「迷惑だと思うー?」 こなたはニヤニヤしながら私の顔を見る。こいつ、私をからかってそんな楽しいのか? 「・・・そ、そんなのあんたじゃないと分かんないわよ。」 「...
  • 1月12日・中編
     さて、‘前編’と銘打ったわけだから当然続きがあるわけで、そして今回は中編に当たるわけなのだが、まず、書かなければならないことがある。  とはいえ、前書きが長いと読む気が萎えてしまうので手短に行こう。  場面は、前編終了から3分前、こなた、つかさ部屋において、こなたが自分の気持ちに葛藤している所から中編が始まる事をご理解いただきたい。それだけ。  ――この気持ちは、何だろう? 「どうしたの、こなちゃん?」  ぼんやりとしていた所にかけられたつかさの言葉。思いに沈んでいたこなたはハッと現実に引き戻された。  時計を見ると、勉強開始からもう20分以上が経過。  さて、一応は勉強合宿と言う名目なのだ。従姉も来ている手前、成果無しでは少々格好が付かない。  だが、過ぎた時間は戻らない、ならば、 「いやぁ、もしかしたらかがみが私と一緒の部屋になれなくて寂しがってるんじゃ...
  • 真実の心を(H4-53氏ver)
    刺すように冷たい空気が指先を痺れさせる。冷水にひたされているような寒さに体をぎゅっと固くしながら、こなたはその指先に白く熱い息を吐きかけた。震えるような年明けの寒さの中で、不意に弾むように元気な、聞きなれた声が聞こえてきた。 「こーなた!」 急に視界に長く美しい髪が見えて、こなたが立ち止まると、親友はこなたの冷たく小さい手をぎゅっと握る、彼女の手は暖かかった。 「おはよ!今日もかわいいね!」 そう言ってくすりと笑う親友・・・柊かがみは魅力的で、こなたがその積極的な可憐さに面食らっていると、白い息を吐きながら、彼女はこなたをぎゅっと抱きしめた。 「ちょ?!かがみ!?」 「あったかいよ、こなた」 そう言うかがみの声が妙に湿って、艶っぽく聞こえたのでこなたはどぎまぎしてしまう。彼女は往来の真ん中でこなたを抱きしめたまま、離す気配がない。そして、かがみからはまるで花のようにいい匂いが...
  • 言い訳から始まって
    『言い訳から始まって』 私、柊かがみにはどうしようもなく許せない奴がいる。 そいつの名前は泉こなた。 どういうわけだか高校一年の頃からずっと一緒にいるのだけれど、私はこいつのことが許せない。 まったく、どうして今の今までずっと一緒にいるのか、自分でも不思議なくらいよ。 じゃあ何が許せないのかというと、まず人の言う事を聞かないのが許せない。 ツンデレ、かがみん、かがみ様。 どれも一度はやめろとあいつに言ったことがある言葉。 特にツンデレに関しては言われるたびに、声を大きくして言ってきた。 だけど、未だに止める気配を感じない。むしろない。 そう、これがまず許せない。 次に人をおちょくるあの態度が許せない。 まるであいつには真面目という言葉が欠落しているかのようだ。 ことあるごとに私をおちょっくたり、からかったりしている。 まった...
  • 決戦はバレンタイン!当日編
    「…まだ降ってたんだ、雪」 「あ、お姉ちゃん。おはよう!」 「ゆーちゃん、おはよ」 「雪、積もるのかなぁ?」「どうだろうね、今の調子じゃわかんないよ」 「そっか、そうだよね」 「こけたりしないよう、気をつけて登校しなよ?岩崎さんにあげるチョコ、割れたら大変だから」 「え!?な、なんでそのことを知って…」 「むふふー、昨日遅くまで頑張ってたみたいだしね。可愛いね、ゆーちゃんは」「あわわわ…」 「顔真っ赤にしちゃってー」 「も、もう!…それじゃあ私行くねっ」 「あらら、逃げちゃった…ちょっといじり過ぎたかな?」 「こなた、お前も早く学校に行くんだぞー」 「分かってるよ、お父さん!」 「バレンタイン、楽しんでこいよ!」 「ふぅ………バレンタイン、か」 ―――決戦はバレンタイン(当日編)――― 家を出ると、空には昨...
  • こなかが観察日記!~一日目~
    ◆         ◆         ◆ 田村さんからノートを受け取った私は、胸にしっかりとそれを抱えながら教室に戻った。 「みんな、ごめんねー」 椅子を引いて席に座って、ノートをカバンの中に入れると、いったんお姉ちゃんとゆきちゃんとの話の 区切りを付けたこなちゃんが話しかけてきた。 「いやいや、それでどしたの?」 え、えーとなんて言おう。まさかこなちゃんにこなちゃん達のことを日記に書いて欲しいと 言われたなんて言えないし、もし気づかれてしまったらそのことを意識してしまって普段のこなちゃん達に ならないかもしれない。秘密にしておこう。そう心に決めて小さく頷いた。 「え、えーとね、田村さんに頼まれたことがあるの!」 「へ?ひよりんがつかさに?珍しいね?」 こなちゃんが目を丸くしてびっくりしている。それはお姉ちゃんもゆきちゃんも同じで ど...
  • お弁当
    最近、こなたと日下部の仲が良い。 いや、元々、仲が悪いわけじゃなかったけど、偶然廊下であった時に話をする、そんな程度の仲だった。 だけど、ここ数日の二人の関係は少し違う。 こなたと話していて、日下部の名前が出てくる回数が多くなったし、日下部の方もこなたのことをよく話題に上げる。 どうやら、私がこなたの50Mのタイムを日下部に話して、それに対抗意識を燃やした日下部がこなたと勝負。 それ以来、二人の間は、急接近したようだった。 別に、それがどうしたって言うわけじゃないのよ。 ただ、日下部の事を話すこなたの顔は私が今まで見たことのない顔で、それが少し……悔しい。 こなたにこんな顔をさせる日下部が、羨ましい……。 そんなもやもやを抱えた、ある日の出来事だった。 放課後の学校。もう、人影もまばらになり、施錠も近いという時間帯。 委員会の雑用が...
  • 泣き虫こなたん・保護者のかがみん
    もともと、泉こなたと柊かがみは仲の良い友人であった。 だが、いつからかこなたはかがみに、よく懐くようになった。 こなたにとってかがみは、かけがえのない存在になっていた。 とある日の朝。 こなたとかがみは手を繋いで登校している。 こなたは、とても嬉しそうに笑っていて、まるで子供のようだった。 そんな様子を見て、つかさは微笑ましく思うのだった。なごむ。 学校に到着する。 こなたとかがみはクラスが違うため、ここで離れなければならない。 「かがみ…」 こなたがとても寂しそうな顔をする。 「休み時間になったら必ず行くから…それまでおとなしくしてなさいよ」 こなたの頭をなでる。 「うん…」 「じゃあね」 こなたは寂しそうにしながら、かがみの後ろ姿をずっと見ていた。 授業が始まる。 こなたは、かがみのことが恋しくて仕方なかった。 寂し...
  • 始まりは一歩から
    ★ 200X年8月○日(月)晴れ ──夏の晴れた空はまるであんたみたいね。 そう言ってこなたに笑われたのはいつだったかな。 暑い夏空の下、学校帰りに蒼髪をたなびかせながら駆け回る後ろ姿にそう声をかけたことがあったよね。 空とこなたとを隔てるものは何も無く、青い風になって空を駆け上がるように走る姿は、まるで空の精が地上に舞い降りたかのようだった。 どこまでも澄んでいる空はこなたの心そのものを表しているようで、気がつけばそんなことを口走っていた。 こなたはひとしきり私をからかった後、本当に太陽みたいなまぶしい笑顔を見せてくれたね。 私は日に焼かれたように真っ赤になりながら笑ってた。 こなたの光を受けて輝くように笑ってた。 こなたが笑うと世界は晴れる。 ううん、例えこの世界で雨が降っていても、私の心は晴れ渡った空のように爽やかになる。 こなた...
  • こなたの誕生日
    「ねえ、こなた」 学校でかがみは私に聞いてきた。 「な~に?」 「もうすぐあんたの誕生日でしょ?何か欲しいものってある?」 「おお!私へのプレゼントですか!」 「リクエスト聞いてやるのもいいと思ってね。何がいい?」 「う~ん…まあ、強いて言うなら~…」 「うんうん」 「かがみかな」 「…」 「もうすぐあんたの誕生日でしょ?何か欲しいものってある?」 かがみは一度リセットして、全く同じ事を聞いてきた。 「かがみ」 「…」 「…あ、ああ。鏡ね。立て掛けるタイプ?それとも壁に掛けるのがいい?」 「私、柊かがみが欲しいんだけど(かがみ机を叩く)ごめんなさい特に思い付かないかな」 「じゃあ…例えば、服とか」 「私、ファッション興味ないよ」 「本は?」 「好きな漫画は発売日にゲットするけどね。…言っとく...
  • 何気ない日々:お見舞いには花束を用意して
     物足りない帰路、さびしんぼウサギなんてからかわれているけれど、かなり的を射ているのかもしれないわね。・・・認めたくないけど。 「お姉ちゃん、こなちゃん家にお見舞い行くんだよねー?」 「一応そのつもりなんだけど、この雨だと自転車はどう考えても無理そうよね」 雨は学校にいたころより酷くなっていた。 「そうだねー、帰らないでそのままお見舞いに行けばよかったかも」 つかさが言うのも一理あるんだけど、お見舞いに行くのだから何か持っていこうかと思っていたから、こうして一旦帰ってきたのだけれど・・・どうも裏目にでたらしい。 「やっぱりお見舞いなんだから、何かもっていった方がいいかと思っんだけど」 律儀なことを言ってる気もする。前に、私が風邪でこなたがお見舞いに来たときには、宿題を写しにきただけっぽかったし・・・。 「境内の紫陽花がそういえば綺麗に咲いてたわね。あれを少し拝借して花束を作...
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