今朝ケータイにメールが入った。有香ちゃんからのメールで内容は一行。
「風邪引いた。今日のレコーディングはお休みさせて。ホントにごめん。」
のっちにも同じ内容のメールが行ってたみたいで、仕事の後二人でお見舞いに行くことにした。
中田さん家から二人で有香ちゃん家まで歩き。
「というか有香ちゃんが仕事休むってヤバくない?」
そう、普段なら体引きずってでも仕事に来るような有香ちゃんがお休みって珍しすぎる。
「しかもメールに顔文字入ってないってかなり体調悪いのかなぁ??」
う~ん。心配だなあ。最近かなり忙しくて有香ちゃんがムリしてるのはなんとなく分かってたし。
有香ちゃんの家は今誰もいない。両親はそれぞれの用事で家を出てて、お兄ちゃんは就活中。
「そういえばさ。有香ちゃんが寝てたら家に入れてもらえないよね。」
あっ... 気づいてなかった。
とりあえずチャイムを鳴らしてみる。
「ダメかなぁ?」
「のっちがそういうこと言うから有香ちゃんが出てこなくなるんじゃよ。」
悔しいから言ってみた。
「は~い。すいませんでしたぁ。」
ふてくされたのっちの反応が面白すぎ。
しばらく待っているとドアの向こうで錠が開く音がした。
ドアが開く。そこには顔が真っ赤で足下のおぼつかない有香ちゃんの姿があった。
「いらっしゃい。ごめんね、今日行けんくて。朝計ったら熱が高かったんよ。」
かなりふらふらな様子の有香ちゃんを二人掛かりで支えて歩く。
「ちゃんと食べとった?」
のっちもかなり心配な様子。有香ちゃんがふらふらな所を見てかなり焦ってる。
「あんま食欲無くってねぇ。さっきもっさんが持ってきてくれたけぇあれ食べた。」
有香ちゃんが指差したのはベッドの枕元に置いたゴミ箱。積み上がったウイダーインゼリーの袋。
「あんなんばっか食べとったの!?よくなる訳ないじゃん!」
のっちがこんなに心配してるなんてあんまり見ない。
とりあえず有香ちゃんをベッドに下ろして寝かせた。気づくとのっちがキッチンに立っていた。
「なんか作るけぇ、待ってて。」
のっちなんかに出来んのかねぇ?のっちに目をやると唖然としている。
「どしたの?」
「すっごい材料がない....」
冷蔵庫の中に目をやるとすっからかん。あんなに物入ってない冷蔵庫ってあんま意味ないよね?
「よし、買い物行ってくるけぇ。あ~ちゃん。有香ちゃんは頼んだからね!」
のっちは気合いが入っちゃったみたいでドタバタと出て行った。全く.....。
有香ちゃんはもう眠ったみたいで寝息が聞こえてきた。
起こさないようにそっと近づいてみる。
うっわ~ 改めて近くで見ると睫毛長くて綺麗だなぁ。触ったら壊しちゃいそう。
急にもぞもぞと寝返りを打った。長い髪が顔にかかってしまう。もっと顔を見てたい。
有香ちゃんを夢の世界から連れ戻さないようにそっとそっと髪の毛を払う。
天使なんかよりももっと強く人を引きつける魔力。ホントに小悪魔なんだから。
あまりにも穏やかな時間。緩やかな眠気が襲って来る。ベッドについた肘が沈んで軋んだ音がした
「んんっ....」
あ やばっ
「ごめん、起こしちゃった?」
「あぁ 大丈夫大丈夫。お客さん来てるのに寝るなんて失礼だね。」
弱々しく微笑んで有香ちゃんはもう一度目を伏せた。
もう少し近くで見ていたい。口実が欲しい。
「冷えピタ取っ替えよっか?」
「うん ありがと。お願いする。」
有香ちゃんは笑顔だけどちょっと辛そう。余計に触ってみたくなるじゃん。
冷えピタのテープを剥ぐ前にそれとなくゆかちゃんのおでこに自分のおでこをくっつけた。
「まだずいぶん熱あるんじゃない?」
内心大テレだけにうまく言えたか不安。
「う~ん、朝よりずいぶん良くなったと思うんじゃけどね。」
よかった、有香ちゃんも弱っててあんまりこっち見てないからバレてなさそう。
火照りが収まった頃に、有香ちゃんの前髪をそっとかきあげて冷えピタを貼る。
「ひいっ!冷たい冷たいっ!」
いちいちリアクションが可愛い。もぅ。この距離が煩わしい。すぐにでも抱きしめたいのに。
「よっし。ちゃんと貼れたしもっかい寝てえぇよ。」
そういって体を離そうとした時。首に暖かい重さがかかった。引っ張り込まれて行く。
気がついたら目の前に有香ちゃんの顔があって。心臓がすごいバクバクなってる。
「やっぱもうちょっと起きてる。あ~ちゃんはええの?二人っきりだよ?」
そんなことをそんな目をして言わないでよ。わかってるんだからさぁ。
二人の距離が限りなくゼロに近づく。唇が触れるか触れないかのギリギリの距離。
この距離さえも楽しんでる。さて、もっと楽しんでみる?
二人の視線が絡まった。その瞬間ー
ガタガタ―。 「ただいまー!いまからおじや作るけぇ!」
KYのっちがお帰り。私たちはあわてて体を離した。
「ん?どーかした?」
のっちは全然気づいてない。
「うん。あ~ちゃんが冷えピタかえてくれたんよ。」
有香ちゃんお得意の最高に甘い笑顔。ほんとにどーしよーもないコじゃね。
ホントにもぉ........ 大好きだからね。続きはまた今度ゆっくり。
最終更新:2008年10月10日 16:29