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サイドK


突然の雷雨に私は立ち止まった。
さっきまであんなにカラッと晴れていたじゃない、、。
突然の雷雨に立ち止まる駅の南口。
ムシムシとした熱がバイト明けの疲れた体をさらに重たくしていく。
『やみそうにないな・・。』
ポツリ呟いて空を見る。
突然の雷雨に立ち止まる駅の南口。
家はもうすぐそこなのに。
傘を持たない私は歩きだせないまま、小さな駅の小さな改札の前、細い柱に寄りかかった。
傘を買えばよかったけど、終電間近の23:30にやっている店なんか、この付近にはない。
コンビニまで行ってたら、傘をさすまえにずぶ濡れだ。
近くにあるのはコーヒーショップくらいで、辺りは街頭が照らすライトと車のライト、
昼間サラリーマンや学生の賑やかな喧騒を忘れてしまうくらい静かで薄暗い。
突然の雷雨に立ち止まる駅の南口。
疲れた体を寄り掛からせた細い柱はひんやり冷たくて、こんな時でも彼女のことを思ってしまう。
違うか、、
今日はずっと思ってた。
初めて重なった夜を思い出させる熱帯夜と、
二人で眺めた逃げていく月が、私に彼女をいやってほどに思い出させた。
あ〜ちゃんとの電話の夜からもう何日かたった。
もう、、無理、なのかな?
待つのが私の役目でも、
募る想いを吐き出せない日々は、ただ辛いだけ。
私の気持ちを知ってかどうかはわからないけど、
泣きたいのに泣けない私のかわりに、
突然振り出した雷雨に、立ち止まる駅の南口。




サイドN




突然の雷雨に私は立ち止まった。
さっきまであんな晴れてたのに、なんだよ。
突然の雷雨に立ち止まった駅の北口。
走って汗ばんだ体をムワッとした空気が包んで疲れが蓄積されていく。
『っくそ・・・なんなんだよ、、。』
ポツリ呟いて空を見る。
突然の雷雨に立ち止まった駅の北口。
今日しかない、って思ってたのに。
今日なら会える、って感じていたのに。
奇跡だと思えるような熱帯夜と、逃げていく月を消し去る突然の雷雨。
ついに天にも見放された私を大量の雨粒が笑う。
ジッとしていることなんか出来ないこの感情に足が動きだす。
冷たい雨が頭から爪先まで一気にふりかかる。
『・・やっぱ冷てっ・・・』
当たり前なんだけど、ジッとしていたら、その分どんどん彼女が遠くなる気がした。
小さな駅の小さな改札、終電から降りた人がちらほら。
みんなずぶ濡れの私を、横目で見てる。
馬鹿じゃんって顔で、苦笑いしてる。
なんでこんなに冷たいんだろ?
雨に打たれてるんだから当たり前なんだけど。
彼女に会えない苛立ちがもうそろそろピークを迎える。
『・・はぁぁ、、。』
ため息は雨音に消された。
うつむいた顔をあげる力も残ってなかったけど、
小さな駅の小さな改札から最後の電車が走り去っていく音が聞こえて顔をあげた。
突然の雷雨に立ち止まる駅の北口。
覗き込んだ駅のホーム。
覗き込んだ駅の改札。
覗き込んだ駅の南口。



間違えるはずがない。
私が間違えるはずがない。

『み、つけ、た、、。』


突然の雷雨に立ち止まる駅の北口から、
必死に走った駅の南口。






最終更新:2009年05月13日 23:38