恋に落ちる、恋に堕ちる。
何度、生まれ変わっても?
何度、目覚めても。
恋に落ちる、恋に堕ちる。
何度も何度も。
あなたが、そこにいてくれるかぎり。
そばで、やさしく笑いかけてくれるかぎり。
目覚めるたび
生まれ変わるあたしは
恋に落ちる
恋に堕ちる、、、んだ。
いつものように
アラーム音で目が覚める。
手を伸ばし、ケイタイを確認。
?
メッセージマーク。
今日は、なんか予定あったっけ?
“いつものように”、確認。
『今日の、ゆかへ
おはよ。気分はどう?
昨日のゆかは、とても幸せでした。
今日、のっちはお仕事休みだから、
久しぶりに、のんびり過ごせるかもね。
あ、のっちってね、ゆかの恋人だよ。
世界で一番、愛しくて大切な、あなたの恋人。
きっと今朝も、少し困ったような眉と
やさしい瞳で、おはよって言ってくれるよ。
彼女が、あなたの、、、、ゆかの最愛の恋人。
今日も、、、、ステキな一日を。 』
ゆか・・・
今日、、の?
のっち・・・恋人・・・
ゆかの最愛の、、、恋人。
「おはよう」
振り向くと、困ったような眉にやさしい瞳。
のっ、、ち?
「おはよう、ゆかちゃん」
アタマの中。
なにかが繋がりそうなんだけど
うまく、繋がってはくれない。
けど、その低い声はゆくっりとカラダにしみ、心地よい。
その舌足らずな話し方は、
なんだかとっても、愛しい。
「・・・とりあえず、、、ご飯、食べようか?」
そう言って、恋人だというのっちはキッチンにむかう。
ゆかは、コーヒーを準備。
戸棚から、マグカップを出す。
色違い、おそろい。
やわらかな太陽のような黄色のカップには
少しミルク多い目。
あ、バターとっとかなきゃ。
「いただきまぁす」
もぐもぐもぐ・・・
「ゆかちゃん?」
「ん?」
「バターぬりなよ、おいしいのにっ!」
「え、やだぁ、別にいらん」
「たまには、いいかもよ?」
「やだぁ、カロリー高いもん。
ゆかは、常に細くいたいもんw」
「もう十分細いって!w」
他愛のない会話を紡ぎだす。
アタマの中、
靄が少しずつ晴れていくような、、、
不思議な感覚。
久しぶりのお休みだという、今日
のっちが借りてきてくれたDVDを観て過ごすことになった。
ずっと、観たいと思っていた作品。
けど、
「ずっと」って、、、、どういう感情?
テレビの中、物語は進んでいく。
あ、なんか知ってる。
この感じ。
気付けば、無意識にのっちの手を握っていた。
ねぇ、、、のっち。
これ
前にも、一緒に観なかったっけ・・・?
二人して号泣したよね。
で、二人で誓ったんだ。
この映画の二人のよう
なにがあっても、
ずっとずっと
一緒にいよう、、、と。
頬を伝う、涙は
あの日のより、熱く、、、そして
悲しい、色をしてる、、、そんな気がした。
時間は刻々と過ぎていく。
少しずつ
けれど、確実に
ゆかは、ゆかになっていく。
夜に向かって
しっくりしてくる、二人の関係。
ドキドキするよ?
キュンとするんだ。
この感じは、紛れもなく、恋だ。
積み重ねられていく、時間。
愛しくも残酷な瞬間の積み重ね。
のっちは、今、お風呂。
ふいに鳴る、アラーム音。
確認すると、またメッセージ。
また、、、、昨日のゆか、から。
『今日の想いは、今日のココロにしまって
ずっとずっと、大切に。
きっと繋がるから。きっときっと未来のゆか、に』
そのまま、ケイタイをもてあそぶ。
フォルダには、のっちと一緒に撮った写真で
溢れかえっていた。
いつ?どこで?
わかんない。
でも、胸がイタイよ。
痛いけど、イタイほど
幸せだったことは
わかるんだ。
この感じは、紛れもなく、愛だ。
明日のゆかにメッセージを送り
そっと、想い出に蓋をして
少しまた、、、泣いた。
窓の外はキレイなお月様。
昨日は、、、どうだったんだっけ?
ガタン。
扉の音で、のっちが
お風呂から上がってきたとわかる。
「・・のっち?」
「ん?」
「お月様がキレイ、、、だよ?」
のっちが、そっとゆかの隣へ。
二人で並んで、窓の外を見上げる。
「ほんとだね・・」
「…明日は、、、、いい天気になるか、な?」
「うん、、、たぶん、、、、ね」
お互い、わかってる。
明日が
悲しいほど曖昧で、
残酷なほど確かなものだってこと、に。
どちらからともなく、屋上へ。
少し肌寒いな、と思ってると
ふいに、のっちに抱きしめられた。
「・・・のっち、あったかい、ね」
「そう?・・お風呂上りだから、、かな?」
二人して、無言で
ただキレイなお月様を見上げる。
あぁ・・・ダメ、だ。
「のっち、、、ゴメン、ね?」
くるっと、振り向き
少し斜め上、のっちを見上げる。
「・・・ゆか、きっと、、、忘れちゃうから…
今夜のこのお月様も、、、、こんなにも
幸せで、、どうしようもなく幸せで、、、
セツナイ、この想いも、、、、きっと忘れちゃうから・・
瞬間。
ぎゅっと、抱きしめられる。
「のっち、、、愛してるよ、、、大好き・・・」
でも・・・・
「のっちに、、、ツライ想いさせてばっか———
言い終わらないうち
唇を塞がれる。
深く深い、口付け。
抱きしめてくれる腕は、強くて
そして、なによりあったかくて・・・
「・・っ、、忘れたくない
(忘れたくないっ!!)
、、、ぅうぅ、、忘れたくない・・
(うぅん、絶対に忘れないっ!!)
ほんとは、、、忘れたくないん、、
(忘れないっ!忘れないっ!)
だ、、よぉ・・・」
神様、お願いです。
忘れさせないでください。
せめて、ココロの中から
のっちのこと追い出さないで。
ココロの中まで
決して、リセットしないでください。
「・・・・のっちが全部、覚えてるから。
ゆかちゃんの分も、全部、、全部、、、ちゃんと覚えてるから」
ゆかも、、、
ゆかも、覚えてるよ?
ちゃんと、この
ココロ、で。
泣きじゃくるあたしに、
やさしく笑いかけてくれる
泣くのを必死でこらえてるのっち。
のっちのほうがツライのに
ゆかばっか、泣くの、ズルイよね。
かけがえのない愛しいあなたに
一生分の愛情を込めて、口付けを。
そして今できる
最高の笑顔、を。
恋に落ちる、恋に堕ちる。
何度、目覚めても。
何度、生まれ変わっても。
恋に落ちる、恋に堕ちる。
今日の幸せも悲しみも
明日には、なくなってしまっても
あなたが
変わらず愛し続けてくれるかぎり
困ったような眉で
やさしい瞳で
舌足らずな話し方で
少し低いめの、ココロの奥に響く声で
「ゆかちゃん、おはよ」て
そのたびに
恋に落ちる、恋に堕ちる。
理屈なんかじゃない
ましてや
ただ、あなたが愛しいという事実だけ。
だから
目覚めるたび
生まれ変わるあたしは
恋に落ちる
恋に堕ちる、、、んだ。
のっち?
また明日も、ゆかのこと
夢中にさせて、ね。
最終更新:2009年05月14日 03:29