《現在》
サイドN
なんで思い出すかなぁ?ちょっとひっこんでてほしいのに。
例えば自分の中でちょっと心構えとかが出来てる時ならまだしも、超不意じゃん?今とか超不意。
多分それはね。付き合った年月が長いから、過ごした時間が多いから、ふとした時にでも思い出しちゃうんだよね。恋人として、じゃなくて、さ。
だって小学校の頃から知ってるから、何気ない帰り道の思い出とかにも当たり前に出てくるわけで。
のっちだってそこを消そうとも思わないし、まぁ消し方がわからないだけかもしれないけど。
でもさ、お願いだから不意に出てこないでよ、あ〜ちゃん。
だってどうすればいいの?
辛いなぁって思っても、その辛さをわかち合ってくれるあ〜ちゃん、もういないじゃんか。
そもそものっちは一緒にいたのにもかかわらず、その時ですらわかち合ってあげられなかったけど。
ひとつだけ小さくため息をついたあ〜ちゃんは、
『どうしたの?』
のっちの言い放った言葉の答えをすぐに探しだした。
たった一言ですぐにわかった。ちがう。何もわからなかった。わかりたくなかっただけかもしれないな。
『もう、だめ、だね・・・』
たった一言で、あ〜ちゃんは春の陽気を狂気に変えた。
のっちって馬鹿なのかな?言われるまで気付けなかった。
なんで?あ〜ちゃん。ため息とか嫌いじゃんか。
なんでよ?あ〜ちゃん。優柔不断なくせに答え合わせ、早くない?
なんでなん?あ〜ちゃん。春ってほら、もっと、こう柔らかい感じじゃなかったっけ?
やっぱりのっちってちょっと馬鹿なのかな?
全っ然!わかんないや。今頃になって思い出しても、全っ然!わかんないや。
あーもう。超不意じゃんか、あ〜ちゃん。
どうせなら笑顔のあ〜ちゃん思い出したいのに。最後に見たのいつだっけ?
あ、のっち、馬鹿なんだな、やっぱり。
今頃になるまで気付けなかった。
そうだ、そういえば、あ〜ちゃん笑わなかった。
《過去》
サイドN
『あ〜ちゃん、のっちと付き合ってよ』
『!!な、んよ、、』
『嫌なん?』
『いやとかじゃなくて、、』
『じゃあいいじゃん』
『いやいや、あんた、ちょっと落ち着きんしゃい!』
『・・・のっち落ち着いてるよ?』
両腕はやたらとあちこち自由に動き回ってるし、顔はひきつってるし、落ち着いてないのあ〜ちゃんじゃんか。
そんなこと言ったらあ〜ちゃん話そらすだろうから言わないけどね。みすみすそんなことしません。
俯いたままのあ〜ちゃんが次に顔をあげた時に見えたのは、何とも言えない表情で、お世辞にも可愛いとは言えなかった。
はずなのに、その表情ですら愛しく思えるのは、やっぱり好きなんだってのっちは思うよ。
『Perfume、、だめにならん?』
『ならん』
『いや、、なるじゃろ・・・』
『ならんよ』
『なんでそんな言い切れるんよ?』
『だってのっちとあ〜ちゃんだよ?』
“う〜ん”なんてまたしかめっ面したけどさ、だめになるか聞くってことは、だめにならないならOKってこと?
『ねぇねぇあ〜ちゃん?』
『なんよ?』
『一旦それはおいといて、のっちのことどう思うん?』
『!!な、に、言いよるん、この子は、、』
だってそこが一番気になるじゃんか。普通でしょ?
『だって気になるよ、やっぱり』
『そこおいとくことなんかできん!』
あ、、やっべ、、そりゃそうだ、よなぁ。だからのっちは甘いんだ。あーぁ、これでだめ?じゃん、かぁ、、。
『でも、、』
『でも!?』
『もし、、もしだよ!もし、おいとけんなら、、我慢せんと言うと思う、、』
『ん?・・・な、にが?』
『・・・好き・・・って、、。』
あわわわわ。なにこれー!?
ツンデレ?そうなの?
これが所謂一つのツンデレ??やっべー!もろにくらった。
『じゃぁ簡単じゃん!絶対だめにせんから付き合って!』
のっちが頑張ればいいんでしょ?大丈夫だよそんくらい。
『でも、、、どうすんのよ?』
『・・・ん?・・・どうしよう、、、?』
ありゃ?自分大丈夫か?
でも俯いたままのあ〜ちゃんが呆れたみたいに笑ってくれたから、どーにでもなる!って、絶対大丈夫だ!って、確信したよのっちは。
最終更新:2009年07月22日 22:00