Side N
昨日、びしょ濡れで図書館へ戻ると、こっ酷く怒られた。
当然ちゃあ当然だけど。
あ〜ちゃん大丈夫だったかな?
ゆかちゃん居るから平気か。
なんか、ゆかちゃんはあ〜ちゃんにすごく信頼っていうか、頼られてるんだなって思った。
あんなにあっさりゆかちゃんに身を預けちゃうんだもんな〜。
そりゃ、二人は幼馴染だし、あたしなんか昨日今日会ったばかりのぺーぺーだけど。
もしかして、あの人の前にゆかちゃんがライバルとか?
ははwでも、焦ってもどうにもならないし、ゆっくりでも良いからあ〜ちゃんの心の
シャッター開けていかないとね。
だから、とりあえず。
「昨日は傘ありがとう。あれってあ〜ちゃんのだよね?玄関に置いておいたから。」
一言でも話し掛けよう。
「うん。」
目は合わせてくれないけど、返事はちゃんとしてくれた。それだけでほっとする。
「のっちは風邪引かなかった?」
ゆかちゃんは変らずに話してくれる。
「ん?んん。大丈夫だったよ。丈夫なのは取り柄だからw」
「なら良かった。」
「ありがと。じゃあ、また。」
「あれ。今日は居座らないの?」
不思議そうな顔で聞いてくるゆかちゃん。
そして、ほんの一瞬動きが止まった…様に見えたあ〜ちゃん。
「ああ、昨日飛び出しちゃったから、ちょっとまじめにしとかないとねw」
「なるほど。じゃあ、しばらくは平和なわけだw」
「ちょっと、そこまで言わなくても良いでしょ?」
確かに昨日はまずったけど。
「ふふwはいはい。ま、がんばってきなよ。」
「へ〜い。」
やる気のない返事をして、今日入った新しい本の整理へと向かう。
Side K
のっちの背中を見送って、目の前のあ〜ちゃんへ視線を移すと。
あ〜ちゃんものっちを見ていた。
「のっち、行っちゃって寂しい?」
「そうじゃないけど…。昨日怒られちゃったのかなって。」
「そりゃそうでしょ。辞めさせられなかっただけ良いんじゃない?次はなさそうだけど。」
「うん。そうだね。」
間違いなくあ〜ちゃんはのっちを気にしている。
どんなカタチであっても、それは確か。
あの日から人と関わる事を恐がってるあ〜ちゃんの新しい出会い。
幸か不幸かあの人と似ているけど。
のっちなら大丈夫だって、良く分からない確信があるの。
でも、あ〜ちゃんが良いって言うまでは、渡さないから。
そこんとこヨロシクネ?
Side A
彼女が行って寂しくない。そう言ったけど、あたしの中で何かが反応した。
それが寂しいなのかどうかは分からないけど。
どんなに遠ざかろうとしても、なぜか近づいていくような、そんな不思議な感覚。
彼女の中の彼に惹かれているのか。
それとも彼女自身なのか…。
でも、少なくともあたしはまだ、彼を好きだということは分かる。
もういない人を想うなんて、叶わないのに…。自分でも分かってる。
でも、伝えきれずに残っている彼への想いが、ココに沢山積もってるんだもの…。
ねぇ、あなたは、あたしがまだ、あなたを好きでも許してくれる?
—つづく—
最終更新:2009年07月22日 22:26