上って事は屋上だよね?
のっちは登りますよ、始業のベルなんて気にしませんよ。
屋上への扉を開けると、やっぱりあ〜ちゃんはいた。
手が届くか届かないか位まで浮かび上がって、空高くを見つめている。
太陽と重なって眩しく光るあ〜ちゃんの姿は神々しい。たまに忘れるけど、その姿は間違いなく天使だ。
「あ〜ちゃ〜ん」
「あら、来たん。結局どうなったんよ」
喋り方はあまりに親しみやすいけど。
「ん〜とね、あのあとすぐに走ってっちゃったよ」
「そらそうじゃ」
「二度と話しかけないで下さいって言われちゃった」
「ふ〜ん」
「やっぱのっちじゃうまくできなかったよ。へへ」
「……にしては、あんまヘコンどらんね」
ゆっくりとあ〜ちゃんは降りてきた。なんだか恐い顔してない?
もしかしてのっちまた怒られちゃいます?
「あんたねぇ……」
「はい」
「……まぁええわ」
「えぇ〜なになに? のっちそういうのめっちゃ気になるんだけど」
あ〜ちゃんはまた溜め息を吐いた。
あ〜あ。溜め息ばっかさせちゃってるよ。幸せが逃げちゃうよ。
「まったく、あんたみたいな子は初めてじゃ」
「え?」
空から降りて来たあ〜ちゃんが、目の前に立つ。
「のっち、あんたねぇ……」
「ん? なになに?」
「……いっこだけ質問するけぇ、シャンと答えんさい」
「うんっ」
「……あんた、ゆかちゃんとうまく行かんくても別に良いと思っとるじゃろ」
「……え?」
いやいやいやいや……
ん? どうだろ……
「どうなん?」
「……わかんない」
ゆかちゃんとは勿論仲良くなりたいけど……
神頼みまでしたんだし、そりゃねぇ……
でも、それは……
あたしとゆかちゃんがうまくいくって事は……
つまりはあ〜ちゃんとはお別れって訳で……
でも……アレ?
わかんないぞ。あ〜ちゃんがいなくなるのは……なんか嫌だな……
「どうしようあ〜ちゃん!」
「なにが?」
「のっちわかんないよ。うまくいかなくても良いと思ってるかも……」
「…………そう」
あ〜ちゃんはなんだか難しい顔してる。
でも、のっちとゆかちゃんがうまくいかないと、あ〜ちゃんは帰れないんだよね?
あ〜ちゃんはやっぱり、ずっとここにいたくなんかないんだよね?
そういう訳にはいかないんだよね?
そうか、のっちはずっとあ〜ちゃんといる訳にはいかないのか……
別れがくるの? 絶対に?
ねぇあ〜ちゃん……
早く、帰りたい?
〜続く〜
最終更新:2009年11月01日 03:16