「もうのっち!良い加減にしんさいよ諦めの悪い子じゃね!」
これが最後のチャンスなんだ。のっち、もう決めたんだよ。今日こそあ〜ちゃんの裸を見る!!
「ね、お願いちょっとだけで良いからさ。1秒だけで良いから!」
「だーめーでーすー」
お風呂場にそんな二人の声が響く。近所迷惑なくらいうるさい。いつもだったらあ〜ちゃんのママ達に怒られちゃうよ。
だけどそれはいつもだったらの話。なんと、明日は祝日で学校はお休み。あ〜ちゃんの両親とちゃあぽん、たかしげはディズニーシーに行く!とか言って飛び出して行った。
だから今、この西脇家にはあ〜ちゃんとのっちだけ。家族が居なくてお泊まりとか、もし体が入れ替わってなかったら、間違いなくアレだよね…?きゃーごめんなさい。ムッツリスケベでごめんなさい。
「のっち、裸を見た所で何になるんよ」
「え?何って…ただ見たいだけですけども」
「本当にそれだけ?」
「…出来たら触りたい…」
「変態っ」
パシーンと後頭部を叩かれた。痛いなーもう。軽い冗談なのに真に受けないでよ。まぁ90%くらいは本音だけどね。
のっちの背中を流すあ〜ちゃんの手が止まった。目隠ししてるから、何をしてるのか分からない。背後に居るのだけは気配で分かるから確か。
「体が元に戻ったら、触っても良いよ?」
「…へ?」
今…なんとおっしゃいましたかお姫様。触っても良いって、あ〜ちゃんの体を?
「あ、あの…触るって言っても…手とか肩とかじゃなくて、…」
何を言おうとしてるんだ自分は。自分で言ってて変態丸出しで泣けてくる。しかも何詳しく説明しようとしてんの、のっちのバカ。
「別に…のっちになら良いよ、」
うわ、うわ、うわわわわ!マジで言ってんの!?のっち今なら死ねる。
「好きな者同士なら、普通な事じゃろ?のっちになら…何されても構わんよ…」
その言葉に、のっちの思考回路が暴れ出す。何されてもって…何するの!?
〜ここからは、のっちの妄想劇場をお楽しみ下さい〜
「のっち…こんな格好、恥ずかしいよ…」
下着姿のあ〜ちゃんが、ベッドの上で恥ずかしそうに身をよじる。頬がほんのり赤く染まり、色っぽい。
「あ〜ちゃん…」
のっちはあ〜ちゃんに覆い被さり、首筋にキスをする。甘い吐息があ〜ちゃんの口から漏れる。
「のっち…好きぃ…」
あ〜ちゃんは甘い声を出して、のっちの首に腕を回す。のっちを求めるあ〜ちゃんの姿に、満足げに微笑んだ。
「好きだよ、あ〜ちゃん…」
「のっちぃ…」
しばらく見つめ合い、深く深く口付ける。あ〜ちゃん…。あ〜ちゃん愛してるよ…。
◆A-side◆
「あ〜ちゃん、ハァハァ…」
興奮気味ののっちに、シャワーを浴びせる。口にお湯が入ったのか、のっちはむせ込んだ。
「げほっ…べ、別に変な事なんて考えてないよ…!」
「はいはい」
嘘が付けない素直なのっちの嘘。バレバレだ。あ〜ちゃんは軽く流した。
◆◇◆◇
テレビを見ているうちに、すっかり夜は更けていた。時計の針は12時を刺す。
「ふあ〜…あ」
のっちが大きく欠伸をした。それがうつったのか、あ〜ちゃんも欠伸。そしたらのっちと目が合って、クスリと笑い合った。
「体、もうそろそろ戻るんかな」
「ゆかちゃんは夜中だって言ってたしね。そろそろなんじゃない?」
そう言うと、のっちは少し寂しそうな顔をした。あ〜ちゃんも、ちょっぴり寂しい。
「のっち、寝よっか」
「え、もう?明日お休みなのに?」
「夜更かしはお肌に悪いんよ」
◆N-side◆
「あ〜ちゃん、手錠…」
「取らんよ」
冷たく言って、あ〜ちゃんは電気を消して布団に入った。なんでそこまで信用されてないんだろ自分。本当に泣けてきた。
でも、今日でこんな非現実的な日常とはおさらばなんだ。長い様で短かった。あっという間だったね。
「明日、どうする?」
「どっか遊びに行こうよ、あ〜ちゃん水族館行きたい」
「良いね、のっちも行きたい!」
やった、デートの約束しちゃった。しかも、のっちも水族館に行きたいと思ってたんだ。これってもう
以心伝心しちゃってるね。のっち達、相性ばっちしだ。
「楽しみだね、」
「うん」
すっごく嬉しいな。ニヤニヤしちゃう。でっかい鮫とかいるかな?この前買ったデジカメ持ってかなきゃ。
しばらくそんな妄想してると、睡魔が襲ってきた。カラオケしたからかな、きっと疲れてるんだ。
「あ〜ちゃん…おやすみぃ」
「うん、おやすみ」
見えなかったけど、頭を優しく撫でられた様な気がした。
柔らかくて優しくて甘い、あ〜ちゃんの匂い。大好きだよ。
「のっち…大好きだよ」
唇に、何かが触れた気がした。
◆17:End◆
最終更新:2008年10月12日 16:59