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◆A-side◆

水族館に到着。早速入口の大きな門の前で記念撮影。近くにいた優しいオジサンが快くシャッターを押してくれた。
二人並んで笑顔でピース。こうやって思い出が残っていくんだね。なんか不思議だ。
祝日だから家族連れやカップルでかなり賑わっていた。人が多いから迷子になりかねない。
「よし、行こう!」
「うん」
のっちの表情がキラキラと輝き出す。そんなに来たかったんだね、水族館。
中に入ると、一面が水槽だった。色とりどりな魚達。水面の光が反射して、まるで南の島の海にいるみたい。凄く幻想的だ。
「うわ〜綺麗」
「のっち、見て見てニモおる〜」
「うわホンマじゃ!可愛い〜」
なんて楽しいんだろ。水族館に来て正解だった。こんなキラキラしたのっちを近くで見れて、その上独占出来るんだから。お魚よりも、そっちに夢中だ。
「のっち、ペンギンさん」
「すっごい可愛いね〜」
「うんめっちゃ可愛い」
さっきからデジカメで撮影しまくってるのっち。そっちにばっかり夢中で、あ〜ちゃんがいる事、忘れてるんじゃ?と不安になる。
「でも、あ〜ちゃんの方が可愛いよ?」


突然そう言われて、ビックリした。それと同時に心臓が大きく高鳴る。なんか漫画のセリフをそのまま真似た様な口回し。だけど…ズルイよ。
「嘘じゃないからね?」
「うん、」
「あ〜ちゃんは世界で一番可愛いよ」
「はいはい、ありがとね」
あしらう様に言うあ〜ちゃんに、のっちはうへへと笑った。幸せそうな顔。なんか、意地悪したくなる。
「置いてっても知らんけぇね」
「え、待ってよあ〜ちゃん!」

◆N-side◆

「うひゃ〜でっか!」
「ジンベイザメって、こんな大きいんじゃねー」
「こんなん人間なんてヒト飲みじゃね」
「じゃねー、でも人は食べませんて書いてあるよ」
「そうなん!?」
なんだかのっち達、小学生の子供みたくはしゃいでる。さっきなんか大人なカップルに可愛いーあの子達、とか言ってクスクス笑われた。それすら気にならないくらい、凄く楽しい。
実の所、このデートには大事な目的があるんだ。あ〜ちゃんは忘れてるかもしれないけど、のっち達二人にとって大事な事。
そう、告白するんだ。あ〜ちゃんの為に、自分の為に、周りの皆の為にも。正式に恋人同士になるんだ。


あ〜ちゃんと恋人同士…なんだか良い響き。それだけでドキドキしちゃうね。
「のっち!あ〜ちゃんイルカショー見たい!」
パンフレットを見ながら、急にあ〜ちゃんが叫んだ。ビクッとするのっち。
「?どしたの?」
「いや、なんでもない!イルカショー見ようよ、あと三十分後じゃね」
平静を装うのっち。あ〜ちゃんは嬉しそうに頷いた。
なんでこんなに愛しいんだろ。あ〜ちゃんといると、全てがキラキラ輝いて見えるんだ。どんなに小さな事でも幸せに感じる。あ〜ちゃんはのっちの全てだ。

ショーは凄く楽しかった。ご飯も食べたしクリオネも見れたし、マンボウも見れたしのっちとしては大満足。
大きなエイが泳いでいる巨大な水槽の前。水を反射する光が眩しくて、思わず目を細めた。
「あ〜ちゃんトイレ行ってくるね、ここで待ってて」
「うん分かった」
そう言ってあ〜ちゃんはパタパタとトイレに向かった。のっちは大きく息を吐いて近くのベンチに腰かけた。
水槽を見上げる。まるで夢の中の世界みたいだ。幻想的で綺麗だ。
辺りを見回すと、なぜかあまり人がいなくて静かだった。
これは…もしかしたら最高のシチュエーション?

◆21:End◆






最終更新:2008年10月12日 17:15