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窓の外は、次から次へと雪が降り積もる。

世界で一番大切な人が生まれたこの日
いつもと同じように
ご飯を食べた後、二人で片づけをして
少し大きめのベッドに転がる。

テレビも、日本にいたときは
あんなに飽きもせず毎日見ていたのに
こっちに来てからは、ほとんど見なくなった…

ただ、互いの大好きな音楽をかけて
特になにをするでもない時間が
なによりも幸せを感じさせてくれるものになったから。


胸元に身を寄せる愛しい人からは
大好きな香りが、脳を刺激する。


ずっとずっと
のっちは、ゆかちゃんに麻痺したまま。


あなたが生まれた冬は、誇らしくもあるけど
ふいに胸を締め付け苦しくなって、、、、なかなか素直に好きになれない。

舞い降る雪の風景は、舞い散るサクラの風景と重なる。
けど雪は、花びらとは違い、手にした途端、儚く消えてしまう。


あぁ、ある意味トラウマだな・・
寒い寒い季節は、愛しい人の温度を感じるたび
また、いなくなっちゃうんじゃないかって、不安が脳裏をよぎって、、、


好きすぎて、困る。
愛しすぎて、怖い。


こっちにきて、、、そろそろ、2年、、か?
ゆかちゃんは、当たり前のように、のっちのそばにいてくれて
それはほんと、奇跡のように幸せで。
見知らぬ土地で、ここまでがんばれてるのは
紛れもなく、彼女のおかげだ。


でも、ゆかちゃんは?

このままで、いいんかなぁ。。。




—っち?」
「…」
「のっち!」
「ん?」

気付いたら、目の前
ゆかちゃんが、のっちに被さっていた。

「なに、難しい顔してんの?」
やわらかい表情で覗き込む、漆黒の瞳。
「ちょっと、考え事
ゆらゆらと、プレゼントしたネックレスが揺れている。
「それ、ほんとによく似合ってるね」
頬が、ほんのり紅くなった。
「ありがとう、、、でもね?」
あたたかい手のひらが、頬を撫でる。
「さっきのコトバも、すごく嬉しかったの」
そっと、キスをくれた。
「ゆかこそ、ずっとそばにいてくれてありがとう」

「幸せだよ」

ほんとに?
それ、すごく嬉しい。

でも、のっち
まだまだ足りないよ。
のっちがもらってるだけのシアワセ
ちゃんと、ゆかちゃんに返せてない。

情けないなぁ・・


熱いアツイ唇が、首筋におりてくる。


『ねぇ、ほんとに年末、日本に帰らなくてよかったの?』
鎖骨らへんを、軽く吸い上げられる。
『去年も帰れなかったし』
薄紅色の、雪の跡。
『・・・てか、こっちきてから連絡とってない、、よね?』
大きな手のひらが、熱を帯びて、体中を駆け巡る。
『ねぇ、“家”は恋しくない?』
甘い吐息が、耳から入り、脳を溶かす。


「ずっと、一緒だよ」


情けない思考回路も、溶かし切ってくれた。



外は、凍てつくように寒いのに
二人抱き合って眠るベッドは
どうしてこんなにもアツイのか。。。


先生?
のっちは、もっとオトナになりたいです。
クダラナイことなんか、吹き飛ばせるくらいに。。
はらはら舞う、雪も、花びらも
超キレーだねって、笑って眺められるように。。。




アツイアツイ熱が、ゆるやかでやさしい温もりに変わるころ

細い細いカラダを抱き寄せて呟いた。


「ねぇ、ゆかちゃん?」
「ん?」
「来年の春は、さ、、、日本でお花見しよ?」
「え、、日本、で?」
「うん、のっち、久々に日本のサクラが見たくなった」
「いいね、、、ゆかも、見たいな。。。」


肩越しに覗き見た、曖昧な表情。
あなたの横顔は相も変わらずキレイだった。


ぎゅっと、強く抱きしめる。


愛しい想いは、降り積もり続ける。


アツクて溶けちゃいそうだ。


うん、溶けるといいな、、、


ゆかちゃんの、不安。
のっちの、心ん中にひっかかってる“棘”も。


よし、溶かしてしまおう。


もっと、幸せにしたいから。

もっともっと、幸せになりたいから。


また巡りめぐってやってくる春に、
二人の想いを寄せて


今夜も愛しい人と眠りにつく。





最終更新:2010年01月19日 17:47