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時刻は23:30
ゆかのアパートに着いたのは、20時くらいだからかれこれ3時間以上経った。
のっちに泊まるのは平気だけどお客さん用の布団ないよって言ったら、じゃあ朝まで呑もうってことになって、今ゆかとのっちはデリバリーピザを食べながら、酒盛り。
こんな時間にピザなんて食べたら太っちゃうって言ったんだけど、のっちがどうしても食べたいって言ったから仕方なく注文した。

「さっきから思ってたんだけどさ・・・」
「なに?」
「ゆかちゃんって可愛いよね」
「は?な、なに急に」
不意にそんな事を言われたから動揺が隠し切れない。

「だって、シートベルトひとりで締めれなかったじゃんw」
「それはしょうがないじゃろ。慣れてないんだから」
「そういうところが可愛いなって思った」
「は?」
「なーんか、ほっとけないオーラ出ちゃってるって感じだったもんw結構モテるでしょ?」
「そんなオーラなんて出てないし、モテないもん」
「ほらー、そうやってほっぺふくらます仕草とか可愛いもん。狙ってんの?」
のっちはゆかが無意識に膨らましたほっぺをつつく。くすぐったい。

「狙ってなんかないもん」
「そーなん?だったら余計に性質が悪いねw」
「性質が悪いのはゆかじゃなくて、あ〜ちゃんじゃん」
「綾香が?」
「みんな言ってたよ。合コンに行くと男の子みんなあ〜ちゃん狙いになるから一緒にいきたくないって」
「でもそれ聞いてゆかはあ〜ちゃんの事スゴいって思ったんだけど」

「たしかにあいつは性質が悪い。天然と見せかけてほんとは全部計算してっから。あいつ頭いいからそれを天然でやってるって思い込ませるんだよねw」
そう言ってのっちは3本目の缶チューハイを開けた。
「そ、そうなん?」
あれ?みんなが言ってた事と逆だ。天然ゆえの性質の悪さじゃなかったの?

「そうよ。合コン行くでしょ。そんで男共にモテて帰ってきて、携帯の番号貰ってきたって自慢すんのw」
「なんでそんなことするん?」
「んー、好奇心旺盛だからあいつ。自分がどこまでモテるのか試したいんじゃないの?」
「のっちはそれでいいの?」
「えっ?なんで?」
「だって、自分の彼女が合コン行ったり、男の子と一緒にいるのって嫌じゃないの?」
「いいや。わりとそういうところ、うちらアバウトなのよw逆に言えばお互いに信頼しきってるから出きるんだけどね」
なんだよ、結局のろけかよ。




「ふーん」
「あっ、もしかして今ので綾香の事嫌な奴って思っちゃった?」
のっちが急に不安そうにゆかの顔を覗き込んだ。近いよ、顔。近いって。
「そんな事で嫌いになんかならんよ」
「よかったー。あたしのせいであいつがゆかちゃんに嫌われたって知られたら、絶対殺されるもんw」
ケラケラ笑って最後の一切れのピザをほお張るのっちを見てると憎たらしくて、愛おしく思えた。
てか、酔ってるのっちはいつもより口数が増えてよく喋る。

「ねぇ、ねぇ、どうやってあ〜ちゃんと付き合ったん?」
酔いに任せてゆかはあ〜ちゃんに訊きそびれた話をのっちに訊いてみた。
「えー、またその話題かよ!」
「いいじゃろー。教えてよー」
「なんでそんなに知りたいのさ」
「・・・そんなこと言っとると、あ〜ちゃんに告げ口するけぇ。のっちがゆかのことイジめたって」
「えっ、やめてよ。そんな事言われたらマジで殺されるから・・・」
「じゃー、教えて」
「・・・一目ぼれだよ」
「それだけ?」
「そんだけ」
「えー、つまらん。もっと詳しく教えてよー」
「綾香の彼氏の部屋があたしの隣の部屋で、ある日鍵をなくしたもんだから部屋の前で探してたら、綾香に声かけられて、斯く斯く云々で、付き合ったのれす」
「なにそれ・・・。かくかくしかじかのところ教えんさいよ!」
「ご想像にお任せいたします」
この後、ゆかがどんなに言ってものっちは教えてくれなかった。
のっちはヘラヘラ笑って誤魔化すばかり。
そして、自分から朝まで呑もうって言っといて結局寝てしまった。

雑魚寝しているのっちに毛布を掛けてあげた。
幸せそうに寝ているのっち。寝顔がとても可愛い。
あ〜ちゃんはいつもこの寝顔が見れるのかと思うと羨ましく思えた。
さっきのっちがゆかにしたみたいに、ゆかものっちのほっぺを指でつついた。指先がくすぐったい。
そしたらのっちの大きな目がいきなり開いてビビッた。



「人の顔で遊ばないでくらさい」
「ご、ごめん。てか、チョーびっくりしたんじゃけど。起きてたの?」
「んー半分くらい?どれくらい寝てた?」
のっちは上半身を起して、伸びをしている。

「30分くらい?」
「今何時?」
「夜中の4時前」
「4時って夜中なの?もう朝じゃない?」
「4時はまだ夜でしょ?5時から朝でしょ?」
「えー、4時はもう朝だよ!!ほら、ちょっと薄暗くなってきてるじゃん」
のっちはカーテンを開けて、外の様子をゆかに見せ付けた。

てか、なんでうちらはそんなどうでもいい事で討論してるのよ。
逆に考えるとどうでもいい事でも普通に喋れるようになったのかな。

午前四時って変な時間帯がゆかを変にする。
急にのっちが欲しくなった。

この人、あ〜ちゃんとどんなキスするんだろ。
優しいキス?激しいキス?キスは上手い?

この人、あ〜ちゃんとどんなエッチするんだろ。
優しく抱くの?激しく抱くの?そもそも女同士ってどうやってやるの?

午前四時って変な時間がゆかを変態にする。
のっちを目の前にしてなんでこんなエロい事考えてるんだろ。

ゆかがボケっとしてると、のっちが「ん?どした?」って顔を近づけてきた。
無防備なのっちの唇。少し濡れてる。

キスしたい。って、思った瞬間わかった。

あ〜ちゃんはかけがえの無い親友なのに。
のっちは友達なのに。友達になったばかりなのに。
のっちはあ〜ちゃんのものなのに。
午前四時って変な時間がゆかを狂わせた。

ゆかは確信した。

好き。

ゆかは、のっちが好き。






最終更新:2010年02月06日 20:30