やっべー、すんごい緊張と期待が入り混じったカオスな気分。
じっと座ってなんていらんないよ。
あたしは空港のロビーでさっきからウロウロ。
あ〜ちゃんが乗ってる予定の飛行機はあと30分も先なのに。
昨日の夜は興奮して眠れなかった。
早く早くあ〜ちゃんに会いたくて会いたくてしょうがなかった。
うー、まだかなまだかな。まだかなまだかな。
あっ!あ〜ちゃんが乗ってる飛行機が到着したアナウンスが流れた。
どこ。どこだ。あ〜ちゃん。あ〜ちゃん!あ〜〜ちゃーーーん!!!
あたしはあ〜ちゃんを探しにさらにロビーでウロウロウロウロ。
端から見たらきっと挙動不審の変な奴だと思う。
でも別にいいんだ。あ〜ちゃんの為なら変質者でも構わないよ。
ポンポン。
誰かに肩を叩かれた。
叩かれた方向を振り向くと、ほっぺに指が刺さった。
「あは。また引っかかった。変わらんね〜」
小学生みたいなイタズラを仕掛けたのは、ずっとずっと会いたかった人。
「あ〜ちゃん!!おかえり」
「ふふ。ただいま」
そう言ってあたしはあ〜ちゃんをギュっと抱きしめた。
「ちょっ、、、のっち。ここ空港。恥ずかしいけぇ」
そう言いながらあ〜ちゃんもあたしの背中に腕を回してくれた。
うーん、
ツンデレ健在。
「あ〜ちゃん!ずっと会いたかったよ!!」
「はいはい。わかったわかった。もー、なんなん?下がりすぎじゃろ、その眉毛w」
あ〜ちゃんはあたしの眉間を人さし指でプニプニ触ってる。
「でへへwだって、あ〜ちゃんに会えて嬉しくて嬉しくてさ〜」
「もう。これからはずっと一緒じゃろw」
「うん。そだね。でへへ」
実は帰国したのはあ〜ちゃんだけ。
あ〜ちゃんの家族はまだ向こうにいるのだ。
いつこっちに帰れるのかわからないから、あ〜ちゃんの高校卒業をきっかけに両親を説得して許可をもらったって訳。
でもあ〜ちゃんの両親はあ〜ちゃんを一人暮らしにさせるのが大変不安だったみたい。
そこであ〜ちゃんは両親を安心させる為に大胆な提案を出したのだ。
『ひとり暮らしが心配なら、のっちとルームシェアするけぇ』
友達となら幾分安心と考えたあ〜ちゃんの両親は納得して、大事な愛娘をこうして手放したのでした。
てかね?それ聞いたとき、ぶっちゃけビックリしたのよ。
一年間遠恋で会えなくて、いきなり同棲?いや同居?どっちかわからないけど、ともかく共同生活!
嬉しいけどさ、常にあ〜ちゃんといて、ドキドキしすぎてあたしの身が持つのだろうか。なんてねw
「おじゃましまーす・・・じゃないか、ただいま?で、いいん?」
「あはは。ただいまでいいんだよ」
あ〜ちゃんとの住まいはあたしとお母さんが決めた。
最寄り駅から歩いて15分かかっちゃうけど、日当たりがいいし、なにより新築だったからここに決めた。
うちのお母さんも初めはあたしの一人暮らしを反対したけど、あ〜ちゃんの両親と一緒で友達と一緒ならOKを出してくれた。
まーうちの場合はあたしをひとりにしとくと、何もしなくて心配って意味だけど。それもそれで失礼だよね。
「写メで見るより、全然いいね」
「でしょ!もうねー早くあ〜ちゃんを連れてきたくてしょうがなかったんだよ」
「食器とかはどうしてるん?もう買った?」
「実はまだ・・・。あ〜ちゃんと一緒に買いにいこうと思ったからさ」
「そうなん?じゃあ今から買いに行こ!」
「えっ?今から?」
「ダメなの?」
「だって、あ〜ちゃん帰ってきたばっかでしょ?疲れてない?」
「ぜんぜーん。へっちゃらよ〜wのっちと会って元気でたもん」
「もう!あ〜ちゃん、大好き!!!」
ガバっとまたあ〜ちゃんに抱きついちゃった。
「あたしものっちのこと大好きじゃけぇ」
耳元にあ〜ちゃんの甘い声でこんなこと言われたら骨抜きだよ。
そんな愛しいあ〜ちゃんにそっとキスした。
一年ぶりのキス。緊張した。
キスが終わると視線がぶつかって、お互いに照れ笑い。
それから電車に乗って大きい家具屋さんに行った。
食器を買う予定だったけど、ふたりして展示用のベッドで寝そべったりキッチンでおままごと遊びしたりと、はしゃぎまくった。
周りのお客さんの白い視線も気にせず、キャッキャしまくった。
一通り遊んだ後はやっと本来の目的の食器選び。
「ねぇねぇ、このお皿かわいくない?」
「わーほんとだ。いいね。これでカレー食べたい。カレー用にぴったりじゃんw」
「あはは。それ言うと思った。のっちカレー大好きだもんね」
「うん。大好きwじゃあピンクはあ〜ちゃんの」
そう言ってあたしはピンクの柄のお皿をカゴに入れる。
「じゃあ、のっちは緑ね」
「緑?あたしって緑ってイメージなの?」
「うん。あたしの中でね。緑ってさ、なんか優しいイメージなのね」
「あぁ、エコとか?」
「うん。そんな感じ。だから優しいのっちは緑って感じなんよ」
「よし!あたし今日から地球に優しい人間になろうかなw」
「ガンバレガンバレ」
「わー・・・なにその感情が一切入ってない感じw」
「ぎゃはは」
あたしたちはお揃いのお皿やコップを買った。
大体ピンクはあ〜ちゃんで、緑はあたし。
ふたりとも両手に大きな紙の買い物袋。
そのせいで電車に乗ると周りの人がちょっと迷惑そうにしてた。
「買いすぎちゃったね」
「ちょっとね・・・予算オーバーじゃけぇ」
「明日からは白ご飯に梅干だけだねw」
「そうじゃねwせっかくお皿買ったのにカレー食べれなくなっちゃったけぇ」
「あーあー。このお皿でカレー食べたかったよ。あ〜ちゃんの手作りカレーw」
「えー、あたしが作るん?」
「作ってよぉ。あ〜ちゃんのカレー食べたい」
「もうしょうがないな〜。じゃあ駅着いたらスーパー寄るけぇ」
「ダメだよ〜。白ご飯に梅干でしょ?」
「ふふ。それは明日からじゃろ?」
えくぼが出来るクシャっとなった笑顔が似合うあ〜ちゃん。
「あ〜ちゃん、これからよろしくね」
「ん?どしたん?急に?」
「ううん。なんか、そう言いたくなっちゃってさw」
「ふふ。そうなん?」
「うん。これからずっと一緒って、なんか嬉しいね」
「うん。そうじゃねw」
「あ〜ちゃんのカレーいつでも食べれるしw」
「えー!?そういうこと?のっち酷いwあたしはこの日をずっと待ってたんよ?」
「あたしだってあのメールもらった時からずっと待ってたよ」
「待っててくれてありがとね」
「そりゃ待つよ!あ〜ちゃんのためなら何年でも待つって言ったでしょ?」
「のっちのそういうトコ、大好き」
そう言ってまたクシャって笑うあ〜ちゃん。
あたしもつられ笑いした。
この日は一緒にカレーを作った。
ただそれだけのことなのにすごく楽しくて嬉しくて幸せだった。
あ〜ちゃん・・・今でもあたしは待ってるよ。いや・・・待ってていいのかな?
最終更新:2010年05月17日 20:54