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ちゃんとしなきゃなぁ・・
て思って、早数日。

あの人と、連絡がとれない。

珍しいことではないんだけど、さ。
のっちほどではないけれど
あの人も、けっこうメール不精だ。
以前、一緒に祝おうと思っていた誕生日に
海外脱出されて音信不通になったときには
さすがにびっくりした、、ていうか、喧嘩になったっけ。

それは、さすがに大袈裟なパターンだとしても
ワンテンポずれるなんてことは、よくあること。
でも、フォローはさすがだなって感じで
いつも許してしまうんだけど・・


そんな感じなんで
連絡がつかないこと自体は、たいしたことではない
といえば、そうなんだけど
“ちゃんとしなきゃ”って決意したゆかにとって
この状況は、正直ツライ。



どうなってんだろ?
なんて思ってるうちに
仕事現場で会う日になってしまった。


舞台関係の仕事してる人だから、
ライブなんかが、近くなると
こうやって、たまぁに仕事で一緒になる。

今朝、やっと返信があった。
『今、成田に帰ってきました。てか、なんかあった?』

あ、また海外行ってたんだ。
どうりで、連絡とれないはずだ・・



今日は秋に行うライブの打ち合わせ。
まだまだ、先だけど、それぞれのイメージを持ち合わせて
各専門家の人たちとプランを練る。
照明関係の仕事をしてる仕事をしてるあの人は
なんだか忙しそうに、メモしてる。
まだまだ、修行中の身。
相変わらず熱心だ。



打ち合わせを終え、控え室へ。
途中、トイレに寄って、出てきたら、
「かしゆかさん」
後ろから、呼び止められた。

「・・その呼び方、くすぐったいんですけど」
振り返ると、へらっと笑った、“恋人”。
「まぁねぇ、でもこういう場で、
“ゆか”って呼ぶのもどうかと思うけど」
「そなんだけどさ」
「…でさ、なんかあったの?
 戻ってきて、携帯みてびっくりしたんだけど」
「また、海外行ってたんだね」
「・・・うん。…てか、行くって言った、よ、ね?」
「えっ?」
「聞いてなかったんだwどうりで・・
ま、あの時、なんだかずっとうわの空だったもんね」
あ、あの日、か。
    • 確かに、のっちのことで頭いっぱいで
なに話したかほとんど覚えてない。
「ごめん」
「いや、別にそんなことはいいんだけど。
 ほんと、なにかあったの?」

こんなタイミング想定外だけど、、
しっかりしなきゃ!
「…あのね・・」
「うん」
「話したいことがあるの…」
「・・・」
「…近いうちに、時間とれない、かな?」
「・・あ、うん。だったら−


「おーい、かっしー」
えっ?のっち!?
振り返ると、手をひらひらさせたのっちがいた。
うわっ、こんな時に。
軽くパニック状態。
「次、すぐに移動だから急いでってさぁ」
とことこ近づいてくる。
「あ、お疲れ様です」
「お疲れ様です。久しぶりだね」
「ライブがないと、なかなか会うことないですもんね」
「だよねぇ。て、急いでるんだよね?
 呼び止めちゃって、ごめんね、かしゆかちゃん」
「あ、いえ、大丈夫です」
「それじゃ、また」
「はい、お疲れ様です」

そう言って、別れた。

焦ったぁ・・

けど、まずバレることないよね。

だって・・・

「また、カメラのこと聞いてたの?」
「うん、ちょっとねぇ」
「てかさぁ、あぁやって打ち合わせしても、まだ実感ないや」
「うん、ゆかもw」


ほら、全然気付いてない。


そりゃ、そうだ。


だって


ね?

そんなこと絶対に、想像すらしないでしょ?


移動車に乗り込んでから、しばらくすると
メールが届いた。

『さっきのことなんだけど、今週はまた仕事でばたばたしてるんだ。
ゆっくり話す時間が欲しいんだよね?
 だったら、来週以降かな。なら、基本的にあの部屋で作業してると思うから
 ゆかの都合のいいときに、来てくれたらいいよ』


来週以降、か。
まだ、先は長いな・・・


ふと、隣に座るのっちに視線を移す。
愛用のヘッドフォンで音楽を聴いている。
でも、聴き入ってるっていうよりは
なんか、考え事してるときの顔だ。

悩んでることでもあるんかな?

なんて横顔を眺めていると
すっと、のっちが振り向く。


「ゆかちゃん、あのさぁ、
月末にあるお祭りに一緒に行かない?」
ヘッドフォンを外しながら話しかけてきた。


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ちゃんとしよう。
そう決意してから、幾度か
ゆかちゃんと話す時間をもとうと
アプローチしてみたが、どうもうまくいかない。

たしかに、ヤバイくらい毎日忙しい。
なかなか時間なんてとれないのもわかるけど・・
なんか、、、、
距離をとられてるんかな?
て思ったりもするわけで。
気のせいだとも思うんだけど
実際、最近のゆかちゃんは、様子が変だ。
なんか、悩んでんのかなぁ・・

うん、やっぱ
二人の時間を作らなきゃ。

「ゆかちゃん、あのさぁ、
月末にあるお祭りに一緒に行かない?」
「・・どこの?」
「のっちの近所の。去年も行こうって言ってて
 結局行けなかった、あのお祭り」
「あぁ、あれか・・・」
「うん、今年はちょうど仕事も午前中だけみたいだし」
「・・・」
「…ムリなら、いいんだけど、さ」
「ムリじゃないけど・・」

だから、なんなのその微妙な反応は?

「なんかあるの?」
「そうじゃなくって・・・」
ゆかちゃんは、首を横に振る。

「ま、、じゃ、まだ時間あるけぇ。考えとってよ」
「…うん」


ねぇ、ゆかちゃん。
なにを考えてるの?


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のっちからの誘い。
嬉しくないわけがない。
上京してから、浴衣も着てない。
のっちとお祭りに行けたら、どんなにか楽しいだろう。

けど

やっぱ、けじめをつけるのが
先だと思って
うまく答えられなかった。


中途半端なキモチのまま
のっちと二人きりになると
なんだか、大切なことが
うやむやになってしましそうで・・


はぁ、、なにやっとるんじゃろ、、、

決心したものの
なかなか思い通りにいかない現実。

今までのツケが回ってきてるのかな。


のっちに視線を戻すと
再び、ヘッドフォンをつけて
うたた寝をしていた。

ゆかのお気に入りの
子どもみたいな寝顔。


しっかりしなきゃ!

のっち。
もう少し、、もう少し待ってて。






最終更新:2008年11月24日 05:32