side k
「天使・小悪魔・噛み様で・・・その6」
情報収集に某掲示板でPerfumeの事を検索していたらこんなスレに辿り着いた。
「なんじゃろこれ」
気になってクリックしてみる。
そこには「わっふるわっふる」だの「かしのち」だのよくわからない言葉がたくさん書きこまれていた。
その中には
「のちお・・・?ライブでやったやつのことかねえ?」
わからないけどどこかで聴いた事のあるような言葉がたくさんあった。
ここではどんなことについて話しとるんじゃろ。
そんなことを思い色々見進んでいくと避難所という文字が。
「何から避難せにゃいけんのじゃろ」
カチッ クリックしてみる。
雑談スレ
SS投下所
「ん?投下?何か作っとるんかねえ」
言いようの無い好奇心にかられクリックする。
「ふ〜ん。SSって小説のことなんじゃね。でもなんじゃろこれ、ゆかとのっちが付き合ってる?」
少し混乱しながらも好奇心に負け読んでみる。
—————
——のちかしうp
「ゆかちゃん!好き!のっち絶対幸せにするけえ!」
「えぇ!?のっち?ほんとに?」
「ほんとじゃ!・・・ダメ?」
そんな顔で見つめられたら・・・反則じゃよ。
「ええよ。その代わりちゃんと幸せにするんじゃよ。」
「わああ!ゆかちゃんありがとう!!」——
名無し GJ!
名無し 続編うp希望
——のちあー書いてみた
「あ〜ちゃんさあ、のっちのことどう思っとるん?」
「ん?そりゃえんどう豆じゃよ」
「ひどいよーwのっちはこんなに好きなのに」
「まあ嫌いではないよ?」
「むー。付き合ってもいいくらい嫌いじゃない?」
「うーん、のっちならいいかm・・・って、え!?冗談じゃろ!?」
「冗談でこんなこと言わないよー。のっちがヘタレなの知っとるじゃろ?しかも今OK出しそうじゃったしw」
「それはっ//」
「照れとるかわいーwOKなんじゃろ?」
「な!知らん!OKなんていっとらん!」
「え〜!あ〜ちゃんひどいよ〜」——
—————
「のっちがゆかに片想い!・・・こっちはのっちがあ〜ちゃんに!?」
「ふふwのっちめっちゃヘタレじゃwwwわかっとるね〜w」
ここでやっとわかってきたのが「のちあー」はのっちとあ〜ちゃんで「のちかし」がのっちとゆかのお話だということ。
そしてこのスレはゆか達がメンバーに恋をしたり、あんなことやこんなことをしたりする小説を書くスレだということ。
クスクスと笑いながら、自分が誰かに恋をしている話はないのかと探してみる。
「みんな色々考えるんじゃね〜。でもなんでこんなゆかばっかりえっちな役なん?ゆかそんなえっちちゃうよ〜」
画面に向かって抗議する。少し口を尖らせて。
そうやってちょっぴり拗ねた後
「なんかゆかが絡むと悲しいお話になっちゃう事が多い気がするなあ・・・」
そんなことを思いなんとなく寂しさを覚える。
「はあ、やっぱりゆかってダメな子なんかねえ」
ため息にのせて。感情移入しやすいのはいいことだが、しやすすぎるのも考え物だ。
なぜだか泣きそうになり読むのをやめる・・・
かと思いきや今日のゆかは違うと言わんばかりにキーボードで何か打ち始める。
「泣いてばっかりじゃいけんよね。この流れを変えにゃいけん。」
どこかずれていると思われる言葉を発し、カタカタと文字を打つ。
「とりあえずゆかがのっちを好きになるストーリーじゃなきゃダメなんよね。」
カタカタカタカタ真剣な眼差しで。打つ手が止まる気配は無い。
「んー我ながらいい感じじゃない?」
あ〜ちゃん得意のどや顔をゆかがやってみせる。
その先にはゆかとのっちの甘々ラブストーリーが。
キャッキャと完成を喜んだのもつかの間、ベッドに飛び込み顔を伏せる。
「もう・・・」
自然と声が小さくなる。
「現実ではのちかしなんかじゃないんよ・・・?」
「ゆかが一方的にのっちを・・・」
そこまでいって口を閉ざす。
「やっぱり悲しい結末なんかねえ」
悲しさから逃げたくてふて寝に入る。
起きたらHAPPY ENDを探そうと思いながら。
夢のなかであの人を見た。
いつもみたいにへにゃって笑ってて、安心するようなそんな暖かい気持ちになる。
そんな気持ちもつかの間、ふいにあの人が遠くへ走っていく。誰かの名前を呼びながら。
『あ〜ちゃーん!』 ほら、わかってたのに。心のどこかで今は聴きたくないと思っていた名前。
止めたくて走って追いかけようにも体が上手く動かない。
その間にあの人はどんどんあの子に近づいていく。
辿り着き、二人が手を繋ぐ寸前私は目を覚ました。
幸い手は触れる前。なぜか安心している自分に腹が立った。
そんな現実と妄想の間をさまよっているような夢。
起きた私の目からは涙が溢れ出してて。
寝る前にみた悲しい結末のお話が頭をよぎり、嗚咽を漏らす。
『ピンポーン』
チャイムがなる。
「誰じゃろ」
そう呟いてはみるけど起き上がる気にはなれず、様子をみる。
『ピンポーン ゆかちゃん?いないん?』
聞き覚えのある声。この悲しさの根源、反対にゆかが最も愛する人。
のっちだ。
でもこんな泣き顔を見せるわけにはいけんのよ。
黙って顔を伏せる。
side N
「ゆかちゃん?いないん?」
呼びかけても返事が無い。
いないのかなって思ったけど今日だけは引き下がれない。
私にとっては大事な話があるから。
『カチャ』
試しにノブを回してみると意外と扉はすんなり開いた。
少し罪悪感があったが中を覗いてみる。
「ゆかちゃん?入るよ?」
ゆかちゃんがいるのかいないのかわからないのに了解を求めて。
トン トン トン
心なしか足音も少し小さめになっている気がする。
こういうところでヘタレ度がわかってしまうもんなんじゃねとか思いつつ。
side k
どうしよう鍵かけるの忘れてた。
そりゃ中にゆかがいるんだから鍵をかけてなくても不思議じゃないんだけど。
やっぱりかける習慣つけとけばよかった、ここは東京なんじゃけえ。
とかなんとか。
トン トン トン
焦っているうちに足音が近づいてくる。
あああ、もうだめじゃ!
「いた!・・・って、ゆかちゃん?どうしたの?何かあった?」
見つかった。
「なんでもない・・・」
最悪だよ。。。
「嘘でしょ。だって泣いてる」
「大丈夫じゃけえ」
そんな眉毛八の字にして言われたら心配なんてかけられるわけないでしょ。
「ほんとに?ゆかちゃんがそういうなら深くは聞かんけど」
「うん。ありがと」
これでいい。これでいいんだ。
手に力が入る。
「ゆかちゃん?こんな時に言うのもなんだけどさあ」
「ん?」
ほんと、なんでこんな時に。
side N
ゆかちゃん泣いとった。
なんでじゃろ。。。
思い当たる事がなくて動揺する。
でもゆかちゃんにだってプライベートがあるけえ、のっちが知らんことだってあるに決まっとるよね。
「ほんとに?ゆかちゃんがそういうなら深くは聞かんけど」
これでいい。
「うん。ありがと」
ほら正解。やっぱりのっちが知らんことで泣いとったんじゃ。
少し寂しくて胸がキュッてなる。
でも今日は。
「ゆかちゃん?こんな時に言うのもなんだけどさあ」
絶対にって決めたんじゃ。
「ん?」
どんなことがあっても逃げはせん。
「一回しか言わんけえちゃんと聞いとってな?」
「聞くよ。何?」
心臓がうるさい。
「ゆかちゃんのことが好きじゃ。付き合ってください」
言えた。でも今度はのっちが泣きそうじゃ。
side K
「ゆかちゃんのことが好きじゃ。付き合ってください」
え?今なんて。。。
「のっち??もう一回言って?」
「一回しか言わんって言ったじゃろ//」
じゃあほんとにのっちがゆかのことを・・・
また涙が溢れてくる。でもさっきとは違う涙。
「ほ、ほんとに?」
「ほんとじゃ。嘘なんて言わん」
のっちの指で涙を掬われる。
「ごめんね。いきなりこんな事いわれても困るよね」
悲しそうな目。
違うの!ゆかの気持ちも聞いて。
「困っとらん。嬉しいんよ。ゆかもずっとずっとのっちの事好きだったんよ」
だから笑って?
「ほ、んとに?」
のっちが目を丸くして訊いてくる。
「嘘なんて言うわけないじゃろ」
ゆかがそういうとあののっちの大きな目から涙がこぼれる。
「ゆかちゃん!」
そう私の名前を呼ぶと抱きついてくるのっち。
抱きしめる力が強くて必死さがわかる。
「大好きじゃ!絶対放さんけえね!」
のっちの匂いにつつまれて私はまだ夢の中なんじゃないかって錯覚を起こしそうになる。
でもここで涙を流しながら私を抱きしめているのは紛れもなくのっちで。
呼んでいる名前もあの子の名前ではなく私の名前で。
すべて確かにここにあって。
現実なんだって実感できる。
side N
またゆかちゃんの目から涙が溢れる。
やってしまったと後悔したその時。
「ゆかもずっとずっとのっちの事好きだったんよ」
自分の耳を疑った。
「ほ、んとに?」
「嘘なんて言うわけないじゃろ」
ゆかちゃんがそういった途端に涙がこぼれて。
衝動的にゆかちゃんを抱きしめていた。
今まで押さえ込んでいた愛が想いが止まらない。
「大好きじゃ!絶対放さんけえね!」
感情が押さえきれない。
顔を寄せて一回だけ優しくキスをする。
二人照れくさそうに笑ってもう一度。
side K
優しいキス。
幸せが溢れて心が満たされる。
さっきまでの悲しみなんて消えうせるくらいに。
照れ隠しに笑ってもう一度。
「ゆかだってのっちの事絶対放さんけえね。覚悟しときんさいよ」
かしのちにだってHAPPY ENDあってもええじゃろ?
そんなことをふと思い出しクスリと笑う。
—END—
最終更新:2009年02月12日 16:33