K-side
ゆかの・・・のっち。
今日からは、ゆかののっちなんだよね?
今は取材の休憩時間。
3人一緒の楽屋に居る。
のっちはゲーム。
あ〜ちゃんはそんなのっちにちゃちゃを入れてる。
そして、あたしはと言えば、ぱらぱらと雑誌に目を通すも内容が頭に入らない。
今も同じ部屋に居るあの子のことを想う度、心が揺れる。
昨日の夜、あの子はあたしを好きだと言った。
今日の朝、あの子はあたしを愛してるとも言った。
キスをして、お互いの気持ちも確かめ合った。
信じたいけど、信じられない。
その結果がこれ。
あたしの・・・ゆかだけののっち、っていう印。
寝てる間にこっそり・・・っていうか、これはのっちが起きなかったのが悪いってのも半分ある。
襲ってほしいな、なんて考えてもいたから・・・。
こんな変なことを考えてしまうのも・・・のっちがあたしを本気で求めてる、っていうことを実感したいから。
昨日だって、初キスはのっちからだったけど、ディープなのは実はあたしからだし。
好き、って言ってくれたのもなんかあたしが言わせたみたいな感じだし・・・。
「・・・かちゃーん、ゆかちゃんってばー!」
「え?・・・っあ、なになに?」
あ〜ちゃんがあたしの名を呼んでることに気がついた。
だめだ、またぼーっとしてる。
あたしってこんなに恋に臆病だったっけ?
あたしってこんなに自分に自信もてないんだっけ?
なんで?
なんか、あたしだけが好きみたいじゃん・・・。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
もーこんな時間。
家を出たら、のっちの家に行く前に買い物でもしにいこうか。
晩御飯を作ってあげよう。
朝、あれだけおいしく食べてくれたし。
楽しみなようで、少し怖い。
そういう行為、をするということはもう決定済みだ。
朝、のっちに言った。
間接的な言葉だったけど、のっちもちゃんと意味を理解してるはず。
「こんなので、埋まらないのは分かってるのに・・・」
家を出て、いつもの道を歩き出す。
電車にゆらゆら揺られて、また、いつもの
考え事。
そう。
そんなことをしたって、のっちの愛が無くちゃ意味が無い。
いや、愛はあると思う、きっと。
でも、それはゆかだけのもの、じゃないと嫌なんだ。
独占欲。
こんなの良くない。
わかってる。
だけど、のっちのことが好き過ぎるが故のこの欲望。
ピリリリリリ。
携帯が鳴る。
この着信音は一人だけ。
そう、
「・・・のっち?」
『あー、ゆかちゃん!今日・・・何時くらいに来るん?のっち、ゆかちゃんちまで迎えに行くよ』
「ごめん、もうゆか、家出ちゃった。」
『え?マジか・・・。んじゃ、今どの辺?』
「もーいいよ、無理しないでいいからwのっち、外出るの嫌いじゃろ?」
『ゆかちゃんのためだったらいいもん。迎えに行きたい』
聴きたかった言葉。
あまりにも容易く手に入れた言葉。
あたしって愚か者なのかな?
好きな人も信じられんようなそんなバカ者なのかな?
——のっちはちゃんと、こっちだけ、見てくれてるじゃん——
「いつもの駅にいるけぇ。あ、のっちんちの最寄り駅じゃよ」
『え?もう、そんなとこ?』
「はよ来んと、のっちんち着いちゃうよ」
『分かった。すぐ行くけぇ、まっとってよ!?』
ぶちっと乱暴に切られた携帯。
そんな携帯にふふっと優しく笑えたあたし。
(続く)
最終更新:2009年02月23日 04:24