(K)
のっちの視線を受けたまま、ゆかは動けないでいた
また顔を背けられるのが嫌で、キスしようとは思えない
かと言ってのっちの上から降りてしまうのも嫌で…
軽く俯いてのっちを視界から無くす
待っててって言われてるのになんで待てないんだろう
こんなことばっかしてたら嫌われちゃうよ…
突然ぎゅっときつく抱きしめられる
のっちははーっと微かにため息をついた
「…ゆかちゃんもずるいっ」
「そんな顔されたら、堪らんよ」
ゆかの首元に埋めてた顔を上げて
のっちがキスをしてきた
触れるだけの軽いキス
それだけなのに…
さっきまでゆかを避けていたのっちからのその行為は、
ゆかの頭の中を掻き乱すのには十分だった
「…しないんじゃないん…?」
その問いかけに何も答えずに、また唇を重ねてくる
「ん、…」
優しいのっちの唇の動き
肩にかけた手に思わず力が入る
「…優しさなんかじゃないから」
「一緒にいるのも、キスすんのも、優しさじゃできん…」
そう言って、またちゅっと柔らかい感触
「じゃ、じゃあなんなん…?」
おでことおでこをコツンと合わせて目をつむる
体の奥が熱くなって、切なさの塊が胸にできる
「…のっちはゆかちゃんを…可愛いと思うんよね」
「ほっとけないって言うか…大切な存在じゃけえ」
「そんで、やっぱ愛しい…」
そう力なく言うのっちの首に
腕を回して体を密着させる
「…ゆかもだよ?」
「ゆかものっちが愛しいよ?」
形のいい頭を抱きしめて
ゆかの鼓動をのっちに聞かせる
「…好き」
この人が好きで好きで、しょうがない
のっちだから、こんなにドキドキしてるんだよ?
のっちの両腕が背中に回るのを感じた
小さな締め付けにどうしようもないほど気持ちが高ぶる
「…うん、知ってる」
「のっちぃ…」
のっちの首筋に顔をうずめる
「ん?」
「やっぱゆか、待てん…」
(N)
耳元で聞こえるゆかちゃんの独特な声
耳に触れる吐息が、のっちの体を震わせる
腿の上にはゆかちゃんがいて、
首に回った腕には拘束されて身動きが取れない
手が顔の耳の横にきて捕まえられた
「!ぅあ…」
急に耳たぶに生暖かい感触がして
思わず素っ頓狂な声が出てしまう
「耳真っ赤…」
「や…ん、ちょ、」
「熱いね…」
ふぅっと息を吹き掛けられる
ぶるっと奮える体
その反応を見届けて、ゆかちゃんは密着していた体を離した
ゆかちゃんの指がのっちの服のボタンにかかる
1つ1つ…ゆっくりと外れてくボタン
1つ外れるその度に、鼓動の数も多くなっていく
少し俯きながらボタンを外していくゆかちゃんから目が離せない…
ふと、前髪の間からこちらに目を向ける
その目と視線が合った
ドクン
心臓のスピードが1段階あがる
シンと静まり返った空間
心臓の音がゆかちゃんに聞こえてしまわないか心配になる
のっちのボタンを外し終えたゆかちゃんは
服をそっと後ろに落とす
すごい…恥ずかしい
思わず下を向いてしまう
「のっち、こっち見て?」
「…無理だよ」
「無理じゃないよ」
そう言って頬を指でなぞる
「ゆかのも…脱がせて?」
のっちの上で吐息混じりにそう呟くゆかちゃんに
苦しいくらい、のっちの中が占領される
だめだ…これは…
のっちはそっと…ゆかちゃんの服のボタンに手をかけた
器用にできずもたついているとあごを持ち上げられ、上を向かされる
ゆかちゃんの顔がそっと近づいてきて、そのまま唇が重なった
すぐにぬるっとした感触が口の中を支配して…
左胸が狂ったみたいに騒がしい
思わずボタンを外す指が止まってしまう
「…早くぅ…」
そうとだけ言って、また唇を重ねてくるゆかちゃん
こっこれは…もう、ほんとダメだ…
「ん…ふ、」
絡み合う舌に、
ゆかちゃんの存在に、
興奮を隠せない
最後の1つを外し終える
ゆかちゃんがしたように、シャツを肩から後ろへやると
その流れにそってゆかちゃんは自分でシャツから腕を抜いた
「はぁ…」
視線が絡む
潤んだ瞳はとろんとしてて、すごい色っぽい…
またすぐさま再開されるキス
「んぁ…」
唇を舐められると、思わず声が出てしまう
それを合図かのように、
ゆかちゃんの手がのっちの背中に回された
ホックを外される
思わず手で前を隠すと腕を掴まれ
「隠しちゃだめ」
「はっ恥ずかしいけぇ…」
掴まれてる腕に力を入れて、逃げようとするけど
「だめ…」
絶対に離してくれない
ゆかちゃんの視線がのっちに注がれる
本当に恥ずかしい…
「のっち、キレイ…」
ちゅっと鎖骨に唇を落とされて、
肩が跳びはねる
「ゆ、かちゃん…」
「ゆかのも」
「ゆかのも…して?」
耳元で呟かれて脳に響くその甘い声に、顔が熱くなる
恐る恐る手を背中に回すと、ゆかちゃんは体を起こした
プツン…とホックが外れる感覚
するすると腕を通る間、のっちは顔を上げられずにいた
ゆかちゃんがのっちの脚をまたいで
向かい合ってるこの姿勢のまま真正面を向くのは
…明らかに自殺行為だ
視線をゆかちゃんに向けないように必死になってるのっちに対して
ゆかちゃんの視線は…痛いほど感じた
ゆかちゃんは見てる
何もつけてないのっちを、見てる
そう思うと、この場から今すぐ逃げ出したくなった
けどその思いとは反比例して体が、熱くなる
ゆかちゃんの手が鎖骨をなぞった
「のっち照れとる?」
「あっ、当たり前じゃん…」
ゆっくりと行ったりきたりする細い指
なぞられてる所から
波のように広がる刺激に
体は素直に反応する
「本当こそばがりじゃね…」
背中を少し丸めて、
ゆかちゃんはのっちの鎖骨に舌をはわした
途端にまた反応する体
「んんっ…!」
「こそばい?」
「んっ…こそ、ば…」
「嘘だぁ…」
「…気持ちいい、でしょ?」
「!…あっ…」
首筋をのぼってくる熱い舌
そのまま耳までたどりついた
耳元でダイレクトに聞こえてくるのは…
ゆかちゃんの吐息の音と唾液の音
頭が焼かれてしまいそう…
思わずゆかちゃんを抱きしめた
お互い上は何も着ていないから直に肌の温もりが伝わる
ゆかちゃん…柔らかい
手のひらからもゆかちゃんの体の感触が分かって
気持ちよくて…欲望のまま、背中をなでた
「んゃ…」
耳にわずかな痛みが走った
でもそんな事はお構いなしに背中から腰まで、思うままに手をはわす
なんでこんなに柔らかいの…?
女の子の体をこういう風に触るのは初めてだから…
感触にただただ驚くばかりだ
「ん…はぁ…」
耳元ではゆかちゃんのため息とも言えない、息の音が聞こえて、
耳への刺激はおさまっていた
「ゆかちゃん…?」
のっちの呼びかけにゆかちゃんは口を開く
「…のっちは、だめぇ…」
密着していた体を離される
温もりが消えた肌に物足りなさを感じるけど
「ゆかがするの…」
すぐさま唇を奪われる
全てが柔らかいゆかちゃんと、
そのままベッドに倒れこんだ
最終更新:2009年03月17日 18:36