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特にアメリカでは、
1938年に
フランクリン・D・ルーズヴェルト大統領が当時アメリカの「
国策航空会社」的存在であった
パンアメリカン航空の
ファン・トリップ会長の
ロビー活動を受けて設立したCAB(アメリカ民間航空委員会)の決定により、国際線を運行できる航空会社が限られていた上、その運賃設定もCABと航空会社が一方的に決めていたこともあり、この様な国際線のカルテル体制が他国に比べてより一層盤石なものとなっていた(なお、パンアメリカン航空は
1950年代に世界初の「割引運賃」を導入したが、元々の航空運賃が非常に高価であったこともあり「格安」と呼べる様な金額設定ではなかった)。
レイカー航空は、瞬く間に格安運賃を求める多くの利用者(その多くは
大学生などの若者の
バックパッカーを中心とした個人客であった)から支持を受けて、
イベリア航空や
アリタリア航空、サベナ・ベルギー航空などの、「IATAカルテル」の恩恵を受けて割高な国際航空運賃を維持していた既存の大手航空会社を押しのけ、
1981年には大西洋横断路線において6位のシェアを獲得するに至った<ref>「エアライン Empires of the Sky」アンソニー・サンプソン著 大谷内一夫訳(早川書房 1987年)</ref>。
また対岸のアメリカでも、
1978年に
ジミー・カーター政権によって施行された航空規制緩和(ディレギュレーション。新規航空会社の設立や路線開設が事実上自由化された)の影響を受けて、1981年にドナルド・バーによって設立され、同じく既存の大手航空会社の割引運賃を大幅に上回る格安な運賃を武器に大西洋横断路線やアメリカ国内線に就航した
アメリカ合衆国|アメリカの
ピープル・エキスプレス航空や、それに先立つ
1971年に設立され、航空規制緩和を受けて急速にその規模を拡大していた
エア・フロリダが、格安航空会社のはしりとして脚光を浴びた。
しかしその後間もなく、こうした大西洋横断路線を主軸にしていた格安航空会社は、パンアメリカン航空や
トランスワールド航空、
ブリティッシュ・エアウェイズなどの大西洋横断路線を主要な収益源の1つとして運行していた既存の大手航空会社やIATAの意を汲んだイギリス、アメリカ両国
政府の強い圧力(と妨害)、
航空事故などを受け倒産してしまった<ref>「エアライン Empires of the Sky」アンソニー・サンプソン著 大谷内一夫訳(早川書房 1987年)p.227</ref>。
また、この様な流れを受けて、
デルタ航空やユナイテッド航空、
タイ国際航空やシンガポール航空、スカンジナビア航空やルフトハンザ・ドイツ航空などの既存の大手航空会社が、これらの格安航空会社のビジネスモデルを部分的に取り入れた子会社の格安航空会社を相次いで設立した他、格安チャーター便専門会社による定期運行の格安航空会社への相次ぐ業態変更や、
オアシス香港航空のような長距離国際線を格安運賃で運行する格安航空会社や、
シルバージェットのような長距離国際線の
ビジネスクラスを格安運賃で提供する格安航空会社の登場など、航空ビジネスにおいて格安航空会社の存在は重要かつ無視のできないものとなっているだけでなく、航空業界の勢力図を塗り替えるほどの大きな影響を与えている。
格安航空会社の歴史は比較的浅いものの、1990年代以降に
東南アジアにおいては各国政府による積極的な航空自由化が推し進められている上に、急激な経済成長を背景にした所得の向上に伴い航空機の利用者数が急増している
マレーシアや
タイ王国|タイ、
インドネシアや、南西アジアの大国である
インドを中心に急成長している。
その一方、これまで国内における航空会社間の競争が激化していたにもかかわらず、格安航空会社が存在していなかった中華人民共和国では、
2004年に行われた航空業規制緩和を機に、初めての民間資本系格安航空会社の
春秋航空が発足した他、同じく格安航空会社が存在していなかった
大韓民国においても、
済州島を本拠地とした新興格安航空会社の
済州航空や
韓星航空が営業を開始した他、
フラッグキャリアの
大韓航空が格安航空会社を設立すると発表し、その先行きに注目が集まっている。また、
2006年には、ボーイング747で香港-ロンドン間という長距離国際線を運航する格安航空会社である
オアシス香港航空が運航を開始し、その新しいビジネスモデルの成否に注目が集まっていたが、燃料価格の高騰で経営状況が悪化し
2008年4月に運行を停止した。
以降大手航空会社がカンタス航空のみとなっていたところに、イギリスのヴァージン・アトランティック航空が子会社で格安航空会社の
ヴァージン・ブルーを設立し、ほぼ同時に
インパルスという格安航空会社もでき、オーストラリアにも格安航空会社乱立の時代に突入した。カンタス航空は日本線を中心にオーストラリアン航空を就航させ、その後カンタス航空は格安航空会社の子会社でである
ジェットスター航空を設立し、その後リゾート客の多い中距離国際線を中心にその路線を拡大するなど、オーストラリアにおいて国内外における急激な航空業界の変化がアンセット・オーストラリア航空の破産に伴い急進した。ちなみに破産したアンセット・オーストラリア航空は一度黒字路線のみ復活したが半年程度しかもたず再度、休止、消滅することとなった。
さらに
カンタス航空は2006年を境にオーストラリアン航空の業務停止を行い、すべての業務をカンタス航空にて行うことにし、随時安価なリゾート路線は
ジェットスター航空へ移行を行っている。日本線ではケアンズ-名古屋、ケアンズ-大阪はそれぞれ2007年8月、9月にカンタスよりジェットスターに変更されているが、2008年に入ってからの急激な燃料高騰を受け、これらの日本路線を含む国際線の大幅な減便を行うなどさらなるリストラを行っている。
== ビジネスモデル ==
=== 効率化を追求 ===
路線網や会社の規模、基点としている国によって異なるが、概ね下記のような点を押さえることで生産性の効率化とコスト削減を図り、格安運賃での運航を可能にしている。また、会社や国によって異なるが、運航路線や便数が少なかったり、運行時刻が不安定で遅延が頻発するなどの不便を利用者に強いることもあるが、利用者もある程度それを割り切っていると言われていた。
しかし近年では格安航空会社同士の競争が激化したことを受け、運航路線や便数の増加、運航スケジュールの順守だけでなく、無償飲食の提供や個人用テレビの設置などの機内サービスの充実を行う格安航空会社が増加してきている。
単一機種または派生型(胴体延長型・胴体短縮型など)を一括購入することで、機材購入コストを抑える。
単一機種または派生型の運航によって、パイロットの操縦資格や整備の共通化を図ると共に、メンテナンスコストや乗員訓練コストを抑える。
使用料が高いボーディングブリッジを使わずにタラップを使用しての搭乗(いわゆる「沖止め」)を行なう。
整備設備を自社で持たず、整備を他社に委託する。
=== 人件費の節減 ===
飛行訓練に対するコストを削減するために、すでに乗務資格を取得している運航乗務員だけを中途採用する。
客室乗務員の訓練を有償に、もしくは訓練期間中を無給とする。
乗務員や社員の給与、待遇を抑える(その代わりにストックオプションを与えモチベーションを上げる例も多い)。
制服を有償配布とする他、既存の大手航空会社では無償で与えられる靴やバッグなどの各種備品を有償配布とする。
社員向け無償、割引航空券の廃止や、他社との社員向け無償、割引航空券の提携を行わない。
機内清掃の外注を減らすことなどにより空港での滞在時間を減らし、20-30分程度の短い折り返し時間を実現する。
機内シートには掃除しやすい本革もしくは合成革張りを使用する。
座席指定の廃止(予約定員制の自由席)。
座席の前後間のスペースを詰める(ハイデンシティ)ことで収容人数を増やす。
個人用ビデオや機内音楽放送などの機内エンターテインメントの省略。
機内食や飲料の簡略化、省略、あるいは有料販売化。
預かり手荷物の無償枠を下げる。あるいは有料とする。
=== 航空券販売コストの節減 ===
旅行代理店を通さない乗客による直接予約を基本とすることで、旅行代理店への販売手数料の支払がない。
インターネット予約やE-チケットを活用し、さらに座席指定不可(高速バスでいう予約定員制の自由席)とすることで、人件費や中間コストを抑える。
航空券の販売価格を利用日や時間帯、予約時期などに応じて巧みに操作する(したがって、ある便に対して多数の運賃体系が存在することになる)ことにより、空席での運航を減らすと同時に収益率を上げる。
=== 航空運賃以外の収益源の確保 ===
航空機にラッピング車両|アドカラー塗装をしたり、機内に広告を掲出することにより広告主から広告収入を得る。
オリジナルグッズや免税店|免税品(国際線)などの機内販売を積極的に行う。
上記にある、機内食や飲料の有料販売化や預かり手荷物の有料化もこれに該当する。
=== 顧客層 ===
非業務、レジャー個人客、価格に敏感な中小企業を中心としたビジネス利用など、法人大口顧客として航空会社と契約をしているような大企業のビジネスマンや、旅行会社が集客した団体ツアー旅行客などの取り込みに力を注いでいた既存の航空会社と異なる顧客層もターゲットにしている。
大都市圏外にある空港を、さも大都市圏内にあるかのように詐称する。
ライアンエアーが、ドイツのデュッセルドルフから70キロ以上離れたオランダとの国境にほど近い小都市にある:en:Airport Weeze|ヴェーツェ空港を、「デュッセルドルフ・ヴェーツェ空港」と称し利用していたものの、他の航空会社や乗客から「デュッセルドルフから遠すぎるため、デュッセルドルフの名を冠するのは詐称である」として裁判を起こされ、裁判の結果「デュッセルドルフ」の名を冠することを停止するよう命令を受けた。
空港での折り返し時間をぎりぎりまで短縮したために、運航時間上における余裕が少なく、一度運航遅延が起こるとその後同じ機材で運航される便が軒並み遅延してしまう。
また、運航機材数もぎりぎりまでに押さえているために、上記と同様の問題が起きた場合や機材故障が起きた場合に予備機材への振替が困難であり、遅延や運休が発生してしまう。
座席指定を行わない(=席順は早い者勝ち)場合、搭乗時における乗客同士の席の取り合いによる諍いが度々起こる。
座席間のスペースを法的に許容されるぎりぎりまでに詰めたため、肥満や長身、また身体に障害がある乗客に対し苦痛を与える結果となっているだけでなく、緊急時の避難に支障が出る可能性がある。
機内のトイレを法定限度ぎりぎりまで少なくしているため、離陸後や着陸前などの混雑時にトイレが混雑する。
3時間以上の中長距離飛行においても、茶菓はおろか水一杯でさえ無償サービスが行われない。
食事制限がある宗教(ヒンドゥー教やイスラム教、ユダヤ教など)の信者のための有償の宗教食が用意されていない。
預かり手荷物の無償枠が少ないために機内持ち込み荷物が多くなり、機内の収納スペースが込み合うばかりか、緊急時の避難に支障が出る可能性がある。
発展途上国の中小航空会社の場合、自前の乗務員訓練施設を持たないため、緊急時の客室乗務員の避難誘導などの訓練が満足に行われていない可能性がある。
その後、バリュージェット航空側が積荷に対して杜撰な管理をしていたことが判明。格安航空会社の安全性について議論となり、一時的に業界のイメージが失墜したものの、その後のアメリカでは格安航空会社同士の競争の激化や、
アメリカ同時多発テロによる余剰航空機の増加などを受け、近年はアメリカのみならず、アジアやヨーロッパ、南アメリカにおいても最新型の機材を導入するとともに整備にも力を入れる会社が増えている。
この事故はボーイング737NG「ネクストジェネレーション」シリーズ(-600、-700、-800、-900) としては初の全損事故であり、墜落した機材は引渡しからわずか18日、飛行時間にして234時間しか経過していない新品であったが、同世代の「最新型」の機材を大量導入したことを宣伝材料として売り上げ拡大をはかっていた矢先のゴル航空にとって痛手となり、この事故の原因が同社になかったにもかかわらず、同社は事故後、宣伝戦略の変更を余儀なくされた。
=== 発展途上国における問題 ===
==== 事故の多発 ====
Image:Makassar Lionair.jpg|thumb|240px|right|[[マカッサル国際空港に駐機するライオン航空のMD-82型機]]
このようにアジアやヨーロッパ、南北アメリカの航空先進国では、格安航空会社においても最新型の機材の導入や整備の充実が積極的に行われているものの、近年政府の規制緩和を受けて格安航空会社が急増しているインドネシアにおいては、格安航空会社における機齢が30年以上経った老朽機材の運行や規定を満たさない整備、不十分な運行乗務員への訓練の他に、政府当局による空港や管制システムなどの各種運行支援施設の設備の充実が、航空便の急増に追いつかないことなどから航空事故が多発しており、
2007年1月から3月までの3ヶ月間だけで3件の全損事故が発生した(なお、そのうち2件は新興格安航空会社の
アダム航空によるものであった)。
==== 低い賠償限度額 ====
また、これらの発展途上国の政府自体が、航空会社による国際航空運送における責任や損害賠償の範囲等について定めた「
ワルソー条約」による賠償限度額が極端に低いことなどから、これらの問題点を解決するべく、新たに
1999年に採決された「モントリオール条約」<ref>[
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha03/12/120926_2_.html 「モントリオール条約の発効について」国土交通省航空局]</ref>を締結していないケースも多い上に、それらの国の航空会社(格安航空会社に限らない)の多くが、加盟航空会社に死亡または傷害の際の賠償限度額を自社の運送約款に入れることを規定しているIATAに加盟していないケースも多い。
その結果、これらの発展途上国の航空会社の事故による死亡または傷害の際の補償金額が、日本やイギリス、フランスなどの先進国に比べて極端に低くなることから、事故後に乗客や遺族の間で深刻な問題となることが多い。
== 主な格安航空会社 ==
==== 規制 ====
{{要出典範囲|国内における基幹空港である「
東京国際空港|羽田空港の
羽田空港発着枠|発着枠の制限」や「高い空港使用料」、「欧米のような大都市圏における定期便ジェット機が使える『第2次空港(Secondary Airport)』がない」ことなど、様々な障壁が存在する他、監督
官庁である
国土交通省の航空会社に対する様々な規制が未だ厳しい状況にある(現に北海道国際航空が民事再生法を適用した時は、新興航空会社への構造的規制が経営破綻の主な理由の1つだとして国土交通省はかなりの批判を浴びた)。}}
さらに、EU内における近距離国際線への参入が容易なヨーロッパや、同じく近距離国際線への参入が容易な
東南アジア諸国連合|ASEAN諸国と違い、近隣諸国との
航空協定の改定が必要(2国間の航空協定が改善されることになった
大韓民国|韓国や
タイとの間の地方発着路線を除く)であり、近距離国際線への参入が容易ではない状況である上、高収益が期待される羽田空港発の定期国際線の設定が認められていないことや成田空港の発着枠の確保が事実上不可能な状況であること、機材の余裕が事実上ないことから、近距離国際線への参入という新たな収益源を求めることも難しい。
==== 運賃 ====
現在、多くの新興航空会社は大手航空会社に比べて基本運賃においては比較的安価な運賃を提供するものの、上記のような規制も影響し、
日本航空インターナショナル|日本航空や
全日本空輸などの既存の大手航空会社が新興航空会社対策のために設定した各種割引運賃との激しい価格競争の中で、アジア諸国やヨーロッパ、南北アメリカの格安航空会社が提供している様な、既存の大手航空会社に比べ見劣るサービス(機内サービスだけでなくマイレージサービス、便数の多さや路線網を含めた総合的なもの)を補えることができるだけの運賃設定ができていない。
また、上記のように基本料金こそ大手航空会社に比べて比較的安価であるものの、割引運賃同士で比べると、大手航空会社が新興航空会社対策のために設定した各種割引運賃とあまり変わらないというケースも見られる。
==== 異種交通機関との競合 ====
国土が広大で、かつ
高速鉄道などの競合交通網が発達していない
アメリカ合衆国|アメリカや
ブラジル、
オーストラリアなどと違い、国土が比較的狭く、地方都市間においても
新幹線をはじめとする
鉄道路線網が完備されている日本においては、
鉄道駅|駅が都市中央に位置し、利便性に勝る鉄道や都心部に停留所を設定している高速バスとの競争も視野に入れなければならない。
しかしながら、騒音問題や
政治家と
国土交通省、地元
有権者及び土建業者、
漁民などとの癒着<ref>「巨大利権『空港建設』」杉浦一機&別冊宝島編集部著(宝島社新書 2000年刊 ISBN-13:978-4796618953)p.129</ref>の結果、中部国際空港や
広島空港、関西国際空港や北九州空港など、地方都市に新しく建設された空港でも、市街中心地から離れた場所や以前使用されていた空港より遠方に位置するケースが多いため、乗客より利便性に劣るという評価を受けるケースも多い。
また、<!--曖昧。具体的に 割引運賃が殆ど存在しない
新幹線を除く-->中長距離鉄道(青春18きっぷの利用を含む。)だけでなく、
高速バス・
ツアーバスや長距離
フェリーも一般に航空機より運賃が割安であるため、新興航空会社の運賃が「格安」でない現在においては、価格志向の乗客がこれらの交通機関に流れてしまう傾向もある。
==== 利便性 ====
新興航空会社の設立時においては、航空機の購入やリースなどの初期投資に莫大な資金が必要<ref>特に
エアバスや
ボーイングなどの西側機材における(新品での)購入や(新品での)リースなど。<!--”中古”での購入・リース、及び”旧ソヴィエト連邦諸国”の航空機メーカー、並びに”
エンブラエル”などについてはこの限りではない。-->一例として
レキオス航空を参照。</ref>なために、運航開始時に必要最低限の機材しか確保・保有できないために運航できる便数が限られ、日帰り利用の際の使える時間帯の制約が大きいなど、利便性が大手より見劣りするケースが多い。その上、自前の整備施設を構える余裕がないことから、機材の整備などの際には欠航せざるを得ないことなどもビジネス旅客が伸び悩む原因となっている。
また、スカイマークのように、経費を下げるために大手航空会社では提供される飲み物のサービスが削減されたり、座席幅の縮小が図られていることから、依然として「飛行機の旅」に対して過大なサービスの提供に期待をかける旅客が多い日本において<!--(日本では高速鉄道網が完備しているため、「飛行機の旅」はある種の特別な行事と受け止められることが多い)-->集客にマイナスとなっている。
一方で
スターフライヤーのように、深夜、早朝を含む利便性の比較的高いスケジュールで運行する他、機内設備を充実させるなど部分的に大手を上回るサービスを提供することを標榜する新規航空会社もあるが、総合的なサービス(部分的な機内サービスや単一路線の便数の多さだけでなく、広範囲を網羅する路線網の充実やマイレージサービス、営業網や他業種とのアライアンスを含めた総合的なもの)が大手航空会社に比べて劣ることから集客面で苦戦を続けている。そのため同社やスカイネットアジア航空、北海道国際航空が既存の大手航空会社である全日空とのコードシェアを行うことにより、事実上座席営業の半分を全日空に委ねることで集客を行うという状況となっている。
北海道国際航空とスカイネットアジア航空は運航開始からわずか数年で経営不振に陥り、前者は民事再生法を申請、後者は産業再生機構の経営支援を受ける形で経営再建中である。また、
北九州空港の開港に伴い鳴り物入りで就航を開始したスターフライヤーも、当初の売りの一つであった羽田発早朝便・北九州発最終便の1往復を搭乗率低迷から運休したほか、低迷する搭乗率の向上を狙って全日空とのコードシェアを始めたなど、日本における新興航空会社の試行錯誤は続いている。最古参のスカイマークも羽田-
鹿児島空港|鹿児島線や羽田-
徳島空港|徳島線、
大阪国際空港|伊丹-
新千歳空港|千歳線など次々と新路線を開設するも、採算が取れず短期間での撤退(特に鹿児島線の就航にあたっては、地元経済界から数億円の出資を受けたこともあり撤退時の批判は大きかった)を続けた挙句、現在は新規開港した
神戸空港を
関西エリアのハブ空港とすべく乗り入れを行い経営改善に取り組んでいる。
そのような中、北海道国際航空とスカイネットアジア航空は全日空と全路線で共同運航を行い、スターフライヤーも全日空と業務提携している。この様な全日空の動きに対しては、「支援と言う名の単なる格安航空会社の囲い込み」、「支援の一環として共同運航をすることを通じて自社便を増やすためのもの」との批判が多い(なお、早くから格安航空会社の子会社を設立した日本航空と違い、格安航空会社の子会社を持たない全日空は、
2009年に予定されている羽田空港の再拡張による国際線の増加を前にして、アジア路線向けの格安航空会社の設立を検討している)。
その上、経営陣が航空会社の経営に携わったことのないものばかりで構成されていることも多く、
沖縄県を拠点に設立された
レキオス航空のように、甘い資金調達計画がたたり運航前に資金調達のめどが立たずに倒産した企業や、
壱岐国際航空や
エアトランセのように運航開始したものの、無理な経営計画がたたりすぐに運営資金が枯渇し現在運休(エアトランセは不定期運行へ業態変更)している企業もある。
== 脚注 ==
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== 関連項目 ==
== 外部リンク ==
最終更新:2008年11月13日 23:57