<鑑賞>
死ぬ直前、それまでの人生が走馬灯のようによみがえると聞きつけた青年は、人生のうちで味わった少女美を一気に感じられるのなら儲けもの、と死ぬことを決意する。しかし首を吊り死にそうになった瞬間、彼の頭に去来したのは怒涛のごとくに連なる官能小説の文面であった。彼は童貞だった。それから幸運にもなんとか命を取り留めた青年は、今後の人生を走馬灯に出現する美少女を充実させるために生きようと誓うのだった。
プロッペッパッピローニ二十歳の秋のお話。
<解説>
パッピローニの過去が明かされる噺。官能小説の記述が波のように襲い掛かってくる場面の迫力が見どころ。
最終更新:2009年12月02日 09:24