SCSIコマンド、データを、TCP/IPパケットにカプセル化することで、IPネット
ワーク網上を流れることができる。そのため、iSCSI対応のストレージを、
既存のIPインフラに追加統合できる。資産の管理面でもメリットがある。
サーバー側から見たiSCSIストレージは、論理的にはSCSI接続、すなわち
ローカル接続したストレージと同等に見える。NASのようなファイル
システムではなく、SAN同様ブロックI/Oである。
今後LANが1000base->10Gbaseと発展すると、メリットが大きい。
SCSIはクライアント/サーバーモデルであり、処理を要求するイニシエーター
(サーバー)と、レスポンスを返すターゲット(ストレージ)から構成される。
iSCSIプロトコルの階層
7:SCSI application <--> Device Server, ブロックデータ送受信
6:SCSI CDB (SCSIプロトコル)
5:iSCSI PDU (iSCSIプロトコル)
4:TCP
3:IP
2:データリンク層
1:物理層
iSCSIセッション
イニシエータとターゲット間の論理的な通信路。
一つまたは複数のTCPコネクションから構成される。
イニシエーターからターゲットへのiSCSIセッションを確率するため、
ターゲットのIPアドレス、TCPポート番号、iSCSIネームが必要。
iSCSIネームは、ノードの識別、管理のためのネーム。以下の要求がある
ロケーションに依存しない
全世界で唯一
iSCSIターゲットのライフにおいて固定
iSCSIでは、IPドメイン名を使用したiSCSI Qualified NameとIEEEの
64ビットExtended Unique Identifierを使用した「IEEE EUI-64 Format」
を使用する。
iSCSI Qualified Nameは、タイプ識別子「iqn.」、ドメイン取得日、
ドメイン名、ドメイン取得者が付けた文字列からなる。
(例) iqn.2002-09.com.ibm:iscsi-gateway:model-xxxx:sn-xxxxxxx
IEEE EUI-64 Formatは、タイプ識別子「eui.」とアスキーコード化
された16進数のEUI-64識別子からなる。
(例) eui.0123456789ABCDEF
IPsecを使用する。
イニシエータの実装形態は主に2つ
(1)通常のNICを使用する
SCSIデバイスドライバにて、TCP/IPプロトコルやiSCSIプロトコルの処理を
行う方式。
メリットは、コスト面。
デメリットは、パフォーマンス面。プロトコル処理にイニシエーター(サーバー)
のCPUパワーを消費する。
(2)アダプタ側にオフロードする
メリット、デメリットは(1)と逆になる。
TOE(TCP Offload Engine)
ターゲットの実装形態
(1)ストレージデバイス
(2)ゲートウェイ(FCなど他のストレージプロトコルへの変換)
iSCSIには下記に示すように明確な利点が数多くあり、その将来性は十分期待できるといえる。
* 利用者からみた豊富なメリットと利便性
* IPネットワークと統合させるという明確なニーズがある
* 標準活動への多数のインダスト・リーダーの参加とサポート
* 高速通信網(ブロード・バンド)との共生が期待できる
【iSCSI製品】
アダプテック
東京エレクトロン
IP-SANを実現する技術の一つがiSCSI。
【iSCSIに関係ありそうなこと】
【FAQ】
最終更新:2011年05月27日 14:45