2015年チャンピオンシップ広島-東京第2戦

スコア

PGB2015年チャンピオンシップ第2戦 東京-広島 明治神宮野球場(広島2勝)
広島 000 500 030-8
東京 102 010 003-7
(広)秋田、○アレッタ、H花井、白石、松永、十和田、H石井、S赤田-城下、高木
(東)●キャリオン、柳生、佐藤、京良城、神波、長峰-碓氷

選評

 第1戦は広島が投手戦を制し、この第2戦に広島が勝利すれば2年連続の日本一達成となる。舞台は明治神宮野球場、ナイトゲームでの開催。広島は終盤に先発復帰した秋田ゆかりをここで使い、今季最多勝のエース・赤田をまたも温存する。逆王手をかけたいホーム・東京は大方の下馬評通りか、星菜と並んで勝ち頭のキャリオンが出撃した。

 初回、キャリオンは広島打線を葦川の内野安打一本に抑え、まずは肩ならし。一方秋田ゆかりは姉の秋田さおりに被安打、その後秋田さが盗塁で得点圏に進むと、3番・海老名がライト前へ落とすタイムリーで先制!前回は序盤のチャンスを悉く活かせず敗戦となったが、この試合は幸先良く東京が1-0でリードする。

 試合は進み3回表、広島は先頭の9番・芝原がヒットを放つと、ここからは足で東京の守備を撹乱。ノーアウト1・3塁の一打逆転も狙えるチャンスで髙江洲監督は遠野をわずか2巡目で代打起用するなど畳み掛けた。しかしその遠野はライトフライに打ち取られ、後続の葦川、高倉も芝原を返すことはできなかった。キャリオンがこのピンチを脱してリードを保つ。

 流れを断ち切った東京はその裏、小師がレフトオーバーの二塁打で前の拙守を取り返すと、相坂が甘い球を逃さず、三遊間を破るタイムリーで追加点!さらにエンドラン失敗でランナーが無くなったものの、空振りを喫した秋田さが挽回のソロホームランで3点目を取り、姉の後塵を拝した秋田ゆはここでノックアウト。広島は2番手・アレッタがセナを三振に取るなど急場を凌ぐも、スコアは3-0で東京のリードがより明確に。

 ここまでは順風満帆の東京だが、直後4回表に異変が起きる。広島は1アウトから6番・小清水がど真ん中直球を真芯で捉え、ソロホームランで反撃の狼煙を上げる。すると今度は勢いに任せて宮瀬・城下といった下位打線が連打、連打でキャリオンをめった打ち。芝原、そして青木がライト前へ連続タイムリーを放ち、5打者連続のヒットで同点に追いつく。
 更に走者進んで2アウト2・3塁からは3番・葦川がセンターへクリーンヒットを放ち、2塁ランナーまでがホームイン!2点タイムリーで広島が逆転に成功する。たまらず東京はキャリオンに代えて2番手・柳生を投入、今日の先発は互いに試合前半での降板となった。相坂のファインプレーでようやく攻撃は途切れたものの、この回一挙5点を奪った広島が5-3とリード。

 ビッグイニングを作った広島はすぐさま花井を3番手で起用。ロングリリーフを期待されるが5回裏、3つの四球を与えるなど制球に苦しむと、2アウト1・2塁から5番・皇后崎がライトへのタイムリーを打ち東京は1点差に詰め寄る。さらに前回好調の乙川に打席が回るが、こちらは花井の変化球を打ち損じてセンターフライ。5-4と同点には至らなかった。

 広島は6回表、東京の3番手・佐藤を相手に再び芝原が出塁。2アウト3塁で遠野の打席を迎えたが、佐藤の直球に押され結果はファーストゴロ。7回表にも高倉が出塁したが盗塁失敗でチャンスは作れなかった。その裏の東京、今度は先頭で出た秋田さが盗塁を行うがこれもブロックされる。特にラッキーセブンは両軍のバッテリーが上回り、1点差での攻防は続く。

 8回表、広島は4番手・京良城から小清水が四球、藤瀬が野選で代走・岡崎とともに塁に残り、1アウト1・3塁でバッターは芝原。すると、ここで髙江洲監督は絶好調のラストバッターに代えて久住を代打起用、勝負に出る。緊張の一瞬、内に入った京良城の高速シンカーがバットの芯で弾むと、快音とともに打球がライト・相坂の頭上を大きく越えた。
 …結果はライトスタンドへのスリーランホームラン!広島ベンチ、この大きな分岐点で采配が的中し貴重な3点をゲット。スコアはこれで8-4と広島の安全圏に入った。

 優勝がぐっと近づいた広島は憑き物が取れたか、パフォーマンスも向上。8回裏、高倉、伊達と2連続で好守を見せ、この回登板した白石を援護。ワンポイントで起用された松永は碓氷をライトフライに打ち取った。

 9回裏、後が無い東京は絶望的な4点差を埋めるべく、持ち前の打線が再び目を覚ます。今日も最終回のマウンドに上がった6番手・十和田に対し、まず先頭・小師が粘って四球。次いで勝ち急ぐ投球を狙い、相坂が一二塁間破るヒット。十和田は秋田さにもストレートの四球を与え、広島は抑えがまさかの降板という非常事態に。生来の繋ぐ野球で東京が徐々に追い詰め、一発が出れば同点という局面にまで発展した。
 さらに後を受けた7番手・石井からも3番・海老名がスライダーを読み当て痛打!深い所で二塁・久住が打球を止めたが、内野ゴロの間に1点が入りまだ1アウト2・3塁。広島が4番・セナを敬遠し同点のランナーを置くと、八代監督は1戦目に続き代打・上村を向かわせる。前回は三振と結果を出せていない上村だが、石井のストレートを豪快なフォームでレフトへ弾き返し、今度は2人が生還!タイムリーでついに1点差…東京・奇跡の大逆転サヨナラへ、ドラマティックな筋書きの予感が球場の空気を支配する。
 一方で広島ベンチは動く。ウルトラCを発動し、なんとここまでベンチに控えていた先発候補・赤田のリリーフ起用に打って出た。1アウト1・2塁、ついにこの試合最大のターニングポイントが訪れる。
 まずは6番・乙川。リリーフ経験の浅い赤田に対し、早撃ちを徹底して応戦。高めの真っすぐを強振!…が、中堅・岡崎がこのフライを掴んで2アウト。続いては、途中出場の今瀬に代えて代打・水木。ルーキーの奮闘に託すも、赤田の四隅への球で追い込まれ2ストライク。最後はストレートに手を出したが、バットは空を切りボールは捕手・高木のミットへ。ストライクアウトで試合終了!

 ゲームセットが告げられると、広島の2連覇を告げる選手・スタッフの"大団円"が神宮のマウンドを覆い尽くした。スコアは終わってみれば8-7、打撃戦となった第2戦も最終的には広島が僅差で競り勝ち、2015シーズンで再び日本一の栄誉を手にした。

責任投手・本塁打

[勝] アレッタ
[S] 赤 田
[敗] キャリオン
[本] 秋 田 3回①(秋 田)
小清水 4回①(キャリオン)
久 住 8回③(京良城)

試合詳細

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打撃成績

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投手成績

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最終更新:2015年10月23日 11:59