秋田 ゆかり (あきた ゆかり 、1996年2月19日 - )は、
横浜アクアマリンズに所属するプロ野球選手(投手)。
概要
経歴
プロ入り前
130km/hオーバーの速球と鋭く落ちるドロップとVスライダーを武器に高い奪三振率を毎試合記録した。
高校1年までは完投、完封勝利が当たり前の投球をしていたが、高校2年になった頃から相手チームに「待球作戦」をされるようになると、四球連発から自滅することが多くなり、高校3年では3番手投手になってしまう。
なぜか、リリーフ登板時は自滅することがなく、本来の投球を出来る。
プロ入り後
プロ初登板の2014年5月4日、対
熊本シルフィード5回戦で4回無失点の成績を残す。2014年6月25日には、対
横浜アクアマリンズ8回戦の8回表に3番手で救援登板をし1回無失点。その裏に味方の逆転もあり、プロ入り初勝利を記録。
プロ初先発登板の2015年5月10日、対横浜アクアマリンズ3回戦で6回2失点で先発としては初の勝利投手となる。 2015年9月16日、対
福岡クローネ4回戦、(秋田県立野球場)に先発登板をし7回2失点で故郷秋田県でプロ入り後、初めて勝利投手なり、故郷に錦を飾った。 2015年オフに交換トレードで
熊本シルフィードに移籍。
熊本シルフィードに移籍した1年目の2016年は熊本の先発ローテーション投手として期待されプレッシャーもかかるシーズンでもあった。2016年4月27日、対
広島レッドリーブス4回戦(藤崎台県営野球場)に先発投手として登板。9回を30打者12奪三振0被安打3四球とプロ入り初の完投、完封を達成。PGB史上初となる「ノーヒットノーラン」を達成する。熊本移籍後の初勝利でもある。2016年5月15日、対横浜5回戦(藤崎台県営野球場)で9回を31打者9奪三振3被安打3四球で完封勝利をし、PGB史上初となる『2試合連続完封勝利』を達成する。2016年9月4日の対横浜11回戦(横浜スタジアム)に熊本シルフィード初優勝が、かかる試合に先発登板をし7回2失点と勝利投手になり「チーム初優勝試合で勝利投手」となった。最終的に一年間を通じてローテーションを守りPGB新記録となる防御率1.34を記録し、リーグ4位タイの4勝、両リーグ2位の2完投、両リーグ1位タイの2完封、両リーグ2位の56奪三振、両リーグ3位のWHIP0.90、両リーグ2位の60回1/3投球回を投げ、マーメイド・リーグMVP、ベストナインに選出されて熊本シルフィードのチーム初優勝へ大きく貢献をしプレッシャーを跳ね返す大躍進のシーズンになった。
2017年は自身初となる開幕投手に抜擢される。8月30日の対札幌戦で自身初となる無四球完封勝利を記録し、PGB通算10勝に到達。
2018年はシーズンを通じて安定しており、防御率は1.77と年間を通じて安定した投球をした。完封勝利が1度あり、3年連続で完封勝利を記録。
2019年は悪夢と年となり、規定投球回に到達するも、1勝5敗、防御率は7.09と非常に悔しいシーズンとなった。
2020年も防御率が4.42と悪いながらも4勝4敗とローテーションを守った。2020年オフシーズンに交換トレードで横浜アクアマリンズに移籍となる。
2021年は4勝1敗、防御率1.26、WHIPは0.74とキャリアハイの記録で、2021年も1度完投勝利があり、6年連続で完投勝利を記録。8月18日の対熊本戦で勝利投手となり、通算20勝に到達。
2022年も4勝を記録し、3年連続で4勝を記録。
2023年は4勝0敗で、自身2度目となるオールスターゲーム出場、タイトルは最高勝率を獲得した。4年連続で4勝を記録。5月21日対大阪戦で勝利投手となり、PGB史上2人目となる「全球団勝利」を記録する。
2024年は7年ぶりの開幕投手に抜擢される。4月17日の対札幌戦で勝利投手となり、通算30勝到達となった。6月23日の対福岡戦でPGB史上初となる通算500奪三振を記録する。
プレースタイル
投球
基本的には速球中心である。変化球は、縦の変化球主体であり、初球からウイニングショットであるドロップを投げることも多い。2021年からはウイニングショットをドロップから新しく習得したフォークとなっている。
2014年度シーズン終了までは投球フォームはオーバースローであった。2014年度シーズンオフに、
白石説子からアドバイスをもらったことをきっかけに、ヤクルトの石川雅規投手を彷彿とさせるスリークォーターに投球フォームが変わった。その結果、速球、制球力が向上した。2021年からは元中日の吉見一起投手のような投球フォームとなり、球威が大幅に増した。
2014年度の海外武者修行に参加し、速球、球威、制球力がさらに向上した。速球は130キロ後半を常時出せるようになった。2015年度のシーズン後半に、白石説子から白石の伝家の宝刀である「シュート」を教えてもらい、シーズンオフには試合で通用する変化をするようになり投球の幅が広がった。シュートを習得すると同時に制球力がさらに向上した。
2014年~2020年までの決め球はドロップであった。
2021年から決め球はフォークである。
守備
守備は大の苦手であり、ベースカバーに遅れたり、ライナーに反応できないことが多い。
2017年頃から守備は少し改善されるも守備を苦手としている。
人物
- 東京フレイズ所属の外野手、秋田さおりとは双子の姉妹で「妹」である。
- 小学校、中学校、高校とクラス委員長や生徒会長を務めており、野球部では主将を任されていた。
- 性格は超真面目で手を抜くことを知らない努力家。正義感が強く、委員長、リーダーの人柄。権力に屈しない強気な性格であり、真っ直ぐすぎる為にトラブルも多い。
- B級グルメやご当地グルメが大好き。
- ファンサービスが大好き。ファンにサインを求められたときに「私のサインでいいんですか?」と若手時代は聞き返すことが多かった。人気選手となった今でもファンサービスに熱心な選手でサインや写真撮影に気軽に応じ、時間の許す範囲でファンサービスを行う光景が見られる。
- 「肩の力を抜いて投球を楽しむ」とゆかりの考え方を変えるきっかけをくれた白石説子をとても尊敬していて、「師匠」「恩人」と思っている。
その他
- プロ入り後にバストが「Hカップ」に成長した。プロ入り当初から年々バストサイズが成長している。
- 暗算や暗記が得意で、節約家でもある。
- 休日は部屋をきれいに掃除をし、料理や裁縫の練習をすることが多い。また海や温泉が大好きであり、出かけることも多い。
詳細情報
年度別投手成績
年度 |
所属 |
規定 |
試合 |
勝 |
敗 |
S |
H |
完投 |
完封 |
先発 |
QS |
完了 |
防御率 |
投球回 |
打者 |
被安 |
被本 |
奪三 |
与四 |
与死 |
敬遠 |
失点 |
自責 |
WHIP |
2014 |
広島 |
× |
6 |
1 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
2 |
4.50 |
12 |
62 |
16 |
2 |
12 |
11 |
0 |
0 |
8 |
6 |
2.25 |
2015 |
広島 |
× |
7 |
2 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
4 |
3 |
2 |
3.64 |
29 2/3 |
120 |
30 |
2 |
23 |
9 |
0 |
0 |
12 |
12 |
1.31 |
2016 |
熊本 |
○ |
8 |
4 |
3 |
0 |
0 |
2 |
2 |
8 |
7 |
0 |
1.34 |
60 1/3 |
224 |
42 |
2 |
56 |
12 |
2 |
0 |
10 |
9 |
0.90 |
2017 |
熊本 |
○ |
8 |
3 |
4 |
0 |
0 |
1 |
1 |
8 |
5 |
0 |
3.28 |
57 2/3 |
243 |
64 |
3 |
51 |
10 |
1 |
0 |
22 |
21 |
1.28 |
2018 |
熊本 |
○ |
8 |
2 |
2 |
0 |
0 |
1 |
1 |
8 |
8 |
0 |
1.77 |
56 |
231 |
45 |
0 |
66 |
12 |
1 |
0 |
15 |
11 |
1.02 |
2019 |
熊本 |
○ |
9 |
1 |
5 |
0 |
0 |
1 |
0 |
9 |
2 |
0 |
7.09 |
47 |
209 |
60 |
5 |
45 |
9 |
0 |
0 |
38 |
37 |
1.47 |
2020 |
熊本 |
○ |
8 |
4 |
4 |
0 |
0 |
1 |
0 |
8 |
3 |
0 |
4.42 |
53 |
230 |
64 |
8 |
49 |
10 |
3 |
0 |
33 |
26 |
1.40 |
2021 |
横浜 |
○ |
8 |
4 |
1 |
0 |
0 |
1 |
1 |
8 |
7 |
0 |
1.26 |
57 |
215 |
37 |
1 |
59 |
5 |
0 |
0 |
8 |
8 |
0.74 |
2022 |
横浜 |
○ |
8 |
4 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
8 |
5 |
0 |
3.10 |
58 |
243 |
56 |
5 |
56 |
14 |
2 |
0 |
21 |
20 |
1.21 |
2023 |
横浜 |
○ |
8 |
4 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
8 |
7 |
0 |
2.95 |
58 |
226 |
44 |
7 |
59 |
10 |
1 |
0 |
20 |
19 |
0.93 |
2024 |
横浜 |
× |
8 |
2 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
8 |
4 |
0 |
2.52 |
39 1/3 |
173 |
41 |
0 |
42 |
9 |
2 |
0 |
15 |
11 |
1.27 |
通算:11年 |
86 |
31 |
22 |
0 |
0 |
7 |
5 |
77 |
51 |
4 |
3.07 |
528 |
2176 |
499 |
35 |
518 |
111 |
12 |
0 |
202 |
180 |
1.16 |
表彰
- 最優秀防御率(2016)
- 最高勝率(2023)
- MVP:1回(2016)
- ベストナイン(投手部門)(2016)
記録
初記録
- 初登板:2014年5月4日、対熊本シルフィード5回戦(広島メモリアルスタジアム)、5回表に2番手で救援登板、4回無失点
- 初奪三振:同上、5回表に大塚ひばりから
- 初勝利:2014年6月25日、対横浜アクアマリンズ8回戦(広島メモリアルスタジアム)、8回表に3番手で救援登板、1回無失点
- 初先発・初先発勝利:2015年5月10日、対横浜アクアマリンズ3回戦(横浜スタジアム)、先発登板し、6回2失点で勝利投手
- 初完投・初完封:2016年4月27日、対広島レッドリーブス4回戦(藤崎台県営野球場)、9回無失点 (ノーヒットノーラン)
- 初無四球完封:2017年8月30日、対札幌ホワイトエンジェルス8回戦(札幌ドーム)、先発登板し、9回無失点(通算10勝達成)
- 初セーブ:2025年6月15日、対大阪ナイトブレイカーズ3回戦(楽天モバイルパーク宮城)、8回表に3番手で救援登板・完了、2回2失点
節目の記録
- 通算10勝:2017年8月30日、対札幌ホワイトエンジェルス8回戦(札幌ドーム)、先発登板し、9回無失点(無四球完封)
- 通算15勝:2020年5月3日、対福岡クローネ1回戦(リブワーク藤崎台球場)、先発登板し、7回3失点(自責点1)で勝利投手
- 通算20勝:2021年8月18日、対熊本シルフィード6回戦(リブワーク藤崎台球場)、先発登板し、7回1失点で勝利投手(史上9人目)
- 通算25勝:2022年8月17日、対熊本シルフィード6回戦(横浜スタジアム)、先発登板し、7回無失点で勝利投手(史上6人目)
- 通算30勝:2024年4月17日、対札幌ホワイトエンジェルス2回戦(札幌ドーム)、先発登板し、6回無失点で勝利投手(史上4人目)
- 150奪三振:2018年4月29日、対福岡クローネ1回戦(福岡ヤフオク!ドーム)、1回裏に茂木恵から
- 200奪三振:2018年9月2日、対広島レッドリーブス7回戦(リブワーク藤崎台球場)、2回表に二神智から
- 300奪三振:2020年8月23日、対横浜アクアマリンズ7回戦(横浜スタジアム)、2回裏に七浦玲から
- 400奪三振:2022年7月31日、対広島レッドリーブス5回戦(横浜スタジアム)、5回表に濱口野乃花から(史上2人目)
- 500奪三振:2024年6月23日、対福岡クローネ3回戦(福岡PayPayドーム)、1回裏にアリシア・T・ロドリゲスから(史上初)
- 200投球回:2018年8月15日、対横浜アクアマリンズ6回戦(リブワーク藤崎台球場)、1回表1死目にアレックス・トライアンファスを三振で達成
- 300投球回:2020年7月15日、対名古屋Cキャッツ4回戦(ナゴヤドーム)、1回裏1死目に浜田ショコラを三振で達成
- 400投球回:2022年6月29日、対福岡クローネ4回戦(福岡PayPayドーム)、1回裏2死目に鳴上聖那を遊撃ゴロで達成(史上6人目)
- 500投球回:2024年4月17日、対札幌ホワイトエンジェルス2回戦(札幌ドーム)、6回裏1死目に磯江市葉を三塁ゴロで達成(史上5人目)
- 50試合先発登板:2021年7月4日、対東京フレイズ3回戦(横浜スタジアム)、先発登板し、9回無失点で勝利投手(無四球完封勝利、10奪三振)
- 70試合先発登板:2024年3月31日、対広島レッドリーブス開幕戦(横浜スタジアム)、6回2失点
その他の記録
- ノーヒットノーラン:2016年4月27日、対広島レッドリーブス4回戦(藤崎台県営野球場)、9回30打者12奪三振3四球 (PGB初ノーヒットノーラン達成投手)
- 2試合連続完封勝利:2016年4月27日対広島4回戦(藤崎台県営野球場)~2016年5月15日対横浜5回戦(藤崎台県営野球場)で連続完封勝利 (史上初)
- 24イニング連続無失点:2016年4月13日対福岡2回戦の7回~2016年6月5日対広島7回戦の5回まで
- 連続シーズン完投勝利:6年、2016年-2021年
- 連続シーズン完封勝利:3年、2016年-2018年
- オールスターゲーム出場:2回(2016年、2023年)
- 開幕投手:2回(2017年、2024年)
- PIC日本代表:1回(2022年)
- 全球団勝利:2023年5月21日、対大阪ナイトブレイカーズ1回戦(ひたちなか市総合運動公園市民球場)、先発登板し、7回4失点で勝利投手(史上2人目)
- 78試合連続先発登板:2015年7月8日 - 2025年6月1日
背番号
- 36(2014-15)
- 18(2016-20)
- 19(2021-)
- 16(PIC日本代表2022)
登場曲
- 1st priority / メロキュア(2014-)
能力推移
年度 |
速球 |
球威 |
変化 |
制球 |
体力 |
守備 |
ピン/特1 |
対左/特2 |
打強/特3 |
クイ/特4 |
総合 |
2014 |
15/B |
12/C |
16/B |
2/G |
15/B |
4/G |
4 |
5 |
3 |
1 |
99/C |
2015 |
18/A |
15/B |
15/B |
16/B |
15/B |
5/F |
3 |
4 |
3 |
1 |
109/C+ |
2016 |
18/A |
12/C |
15/B |
18/A |
15/B |
3/G |
3 |
4 |
3 |
2 |
109/C+ |
2017 |
18/A |
16/B |
16/B |
18/A |
16/B |
9/D |
4 |
4 |
4 |
4 |
144/A |
2018 |
18/A |
18/A |
18/A |
18/A |
18/A |
10/D |
3 |
4 |
奪三振 |
- |
165/S |
2019 |
18/A |
16/B |
16/B |
18/A |
16/B |
9/D |
対左◎ |
奪三振 |
- |
- |
149/A |
2020 |
20/S |
16/B |
16/B |
18/A |
16/B |
9/D |
対左○ |
奪三振 |
真っ向 |
- |
149/A |
2021 |
16/B |
20/S |
19/S |
16/B |
16/B |
9/D |
奪三振 |
- |
- |
- |
149/A |
2022 |
18/A |
20/S |
19/S |
16/B |
16/B |
10/D |
奪三振 |
- |
- |
- |
165/S |
2023 |
16/B |
20/S |
19/S |
16/B |
16/B |
9/D |
奪三振 |
- |
- |
- |
149/A |
2024 |
18/A |
14/C |
14/C |
14/C |
16/B |
6/F |
奪三振 |
- |
- |
- |
109/C+ |
2025 |
18/A |
14/C |
14/C |
14/C |
16/B |
6/F |
奪三振 |
- |
- |
- |
109/C+ |
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最終更新:2025年06月16日 20:35