咲「いきなりテストなんだ・・・まぁ、いいかな。」
雷「これでクラスも決まるらしいぜ。新入生が300人程度だからランクAからFでわけるらしいな。」
咲「一クラス50人以上って多いね。」
戦闘技術育成学園は、毎年希望者が多い。
校長の意見で希望者は全員入学を許可された。
裏でなにかありそうだが、誰もそれには気付かなかった。
咲「今のうちにお昼すませようか。」
雷「ん?早めに済ませておいた方が良さそうだし、そうしようか。」
二人が食べ終わった頃に、放送がかかった。
研究員「バーチャルマシンの故障でモンスターが学園に放たれた。種類はドグマフ。油断すれば死ぬだろう。健闘を祈る。」
咲「ふーん、これがテストかな?」
雷「たぶん、な。いきなりで焦ってるやつ多いから、楽勝だろ。」
二人はバラバラにモンスターを探索し始めた。
咲「いないなー、というかドグマフってなんだろ?」
今までは普通に生活をしていたのだ。知らないのも無理はない。
だが、戦闘技術育成学園に最初から入るつもりならこの程度の情報は知っているはずだ。
ドグマフとは、名前の通り、犬のような姿をしたモンスター。
危険度はS~Fの評価でF。ダントツで弱い。この程度で死者は出ないだろう。
咲「そこらへんの人に聞いてみようかなぁ?」
だが、いる人は全員話しかけづらい。唯一の知り合いとも先ほど分かれてしまったから
探すのに時間はかからないだろうが面倒なことに変わりはない。
ここは同性のものに話しかければ多少は楽だろう。
咲「あ、いたいた。すみませーん!聞きたいことがあるんですが少し、お聞きしてもよろしいでしょうか?」
妙に丁寧だ。そうさせたのは、声をかけてはみたが、雰囲気が、なんというか・・・ヤバイ。
「やっぱり、いいです。」で済ませられない。
藍羅「・・・なんですか。できれば早く用件を済ませてほしいのですが。」
咲「すみませんっ。えっと、ドグマフって、どんなモンスターなんですか?」
藍羅「そんなことも知らないとは・・・よく入れましたね。」
咲)む、初対面の人にそんなこと言われたくない!
咲「突然、入学させられたので、何も知らないのです。」
藍羅「そう、ですか。ドグマフというのは最弱とも呼ばれているモンスターです。見た目は、犬と変わりはありません。多少毛深いですが。」
咲「ありがとうございま・・・あぶなっ
藍羅「・・・・・・・・・」
藍羅が咲に話をしていたとき、突然窓が砕け、説明通りのモンスターが飛び込んできた。
牙をむいたが、藍羅が何かをつぶやいた瞬間ドグマフと思われる物は凍りついた。原理はわからない。
藍羅「ほら、弱いでしょう?だから最弱と呼ばれているのです。」
咲「えっと、氷結言語、でしたっけ?」
藍羅「その言い方だと、誰でも使えるようで、嫌いです。秘術・氷結言語です。」
彼女なりにこだわりがあるようだ。
氷結言語、さっきドグマフを凍りつかせたものだろう。
原理はわからないが一部の一族には伝わっているらしい。
咲「やっぱり、ここは能力者が集まるとこなんだ。」
そう、戦闘技術育成学園とは、ただ単に技術を学ぶのではなく『能力の使い方』を学ぶ所なのだ。
ここに普通の人間はいない。
藍羅「私はこれで失礼します。では。」
まるでなにもなかったかのように藍羅はこの場から立ち去った。
最終更新:2009年02月26日 21:17