決闘1
~~~初挑戦と天才肌~~~ Aパート
「ん?何だ?・・・このカード・・・落し物か?」
響はカードをヒョイと拾い上げると、屋上を後にし、階段を下りて行った。
~~~職員室~~~
「杜松河(ねずかわ)先生居ますか~?」
響が職員室に入り、そう叫ぶと奥から杜松河が出てきた。
「はいはい・・・って、響君か・・・何ですか?」
「えっと・・・このカードが屋上に落ちてたんで、届けに来たんです。」
響は、ポケットに入れておいたカードを、杜松河に渡した。
(こっ・・・このカードは!?・・・そうか・・・君も選ばれたんだな・・・騎士に・・・)
杜松河がカードを見てから、様子がおかしい事に気づき、話をかけてみる事に・・・
「どうしたんですか?」
「ん?いやぁ、珍しいカードだったんで、見とれてしまったんだよ。
まぁ、何れ持ち主は現れるだろう。
これは、大切に保管しておくよ。」
杜松河は奥に戻って行った・・・
(さぁて・・・何か寝る気にもなれないし、教室戻るか・・・)
~~~教室~~~
(あっ・・・そうえば・・・今年も担任は杜松河だったな・・・)
そう響が思っていると、ドアが開き、杜松河が入ってくる。
「今日は、特に目ぼしい連絡は無い。
と言うわけで、クラスになじめん奴もいるだろうから、自己紹介と行こうじゃ無いか。」
そう言うと、クラス全員が「えー!」と叫んだ。
響は何ともない顔をしていた。
(また・・・このパターンか・・・)
そう、去年も同じ事を杜松河は言っていた。
だから、「今年もきっと言うだろう」と言う響の予想は見事に的中したのだ。
それから、紙が配られ、各自自己紹介をしていった。
その時、響はひとり気になる奴が居た・・・
「次・・・どうぞ。」
「葭原 雅魏13歳。
誕生日は6月15日。
好きな物はカード全般。
嫌いな物は勉強。
以上。」
ここの中学は入試だったはず・・・勉強嫌いが入れるものなのか・・・
そんな疑問を抱きながらも、時間は過ぎて行く。
キーン……コーン……カーン……コーン……
授業終了の鐘が成り、生徒は皆帰る準備をしている。
「ふぁ~・・・やっと終わったか・・・」
響が周りを見渡すと、殆どの生徒がもう帰ったあとだった。
「・・・俺も帰るか・・・」
響はボソッと言うと、教室を出て、階段を降り、下駄箱に居る。
~~~下駄箱~~~
「ん?手紙?・・・今時珍しい・・・」
手紙は差出人不明だった。
響は、手紙の中を見た・・・
すると、中には朝、杜松河に渡したカードが入っていた。
(あれ・・・これは・・・)
最終更新:2009年03月02日 05:43