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「まだ俺は…ッ!」
諦めきれずに叫ぼうとする坂本だが、リーダーを取り囲む群がそれを許さない。
「早く出てけニャー!」「もうお前のことなんて知らないニャ!」
「おい! お前ら!」
アイルー達の声を割って裂くようにちょくえが岩の陰から立ち上がり叫ぶ。
「人間かニャ?」「なんで人間がこんなところにいるニャ」
今まで気付かなかったのか、アイルーの群はちょくえがいきなり現れたことに驚いてるようだ。
しかしそんなことは関係ない。今問題なのは坂本と呼ばれていたアイルーだけだ。
ちょくえは坂本の頭を軽く撫でると、まるで駄々をこねる子どものように群に向かって叫ぶ。
「こいつだって頑張ってるんだ! なんでお前らはそんなこともわかってやれないんだよ! それでも同じアイルーかよ!?」
ちょくえの叫びにリーダーが冷静に反応する。
「ニャー。人間さんの気持ちもわからくもニャいが、こいつは今まで何度も失敗してきたニャ。群としても失敗続きの仲間を置いておくわけにはいかないのニャ。」
「……ッ」
「だからこれは自然界の暗黙の了解として見逃してはくれないかニャ?」
あの時、ギルドマスターからちょくえは同じことを言われた。
”なんども失敗する奴はいらない”
リーダーの言っていることは正しかった。ちょくえは群に囲まれて責められている坂本が自分を見ているようで嫌だっただけなのかもしれない。
「……わかって、くれたかニャ?」
「ああ。俺らの世界もそんな感じだった。確かにお前の言ってることは正しい。」
「分かってくれればいいニャ。坂本。お前もわかったかニャ? 分かったなら早く出ていくニャ。」
「……わかった……」
坂本はボソッとそれだけ言い残すと、エリア9の方へ歩いていく。
ちょくえはその後ろ姿を見つめることしかできなかった。
いや過去のちょくえだったら本当に見つめることしかできなかっただろう。
だた今は違う。坂本が自分みたいな落ちこぼれになってほしくない。そして自分も落ちこぼれから這い上がってギルドマスターを見返してやりたい。
坂本を追う。そう決めた時には坂本は既にエリア3から姿を消していた。
最終更新:2014年03月16日 18:48