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アイルーのころがす台車に乗って、ユクモ村へと帰還する。
その間、ちょくえは坂本に聞きたいことがたくさんあったが、下手に群でいた時のことを思い出させるのはまずいと思い、坂本の武勇伝に耳を傾けていた。
武勇伝と言っても大したことはなく、一人で《渓流》の洞窟を探検したとか、【リオレウス】の尻尾に触ったとか。その程度のものである。
「それでニャ。リオレウスの尻尾に触ったらいきなりリオレイアが飛んできて、俺を見てすぐにがおーって叫んだんだニャ。その所為で耳がやられちゃって~」
と坂本の話はまだまだ続く。
辺りの川から湯気が立っているところをみると、そろそろユクモ村に着きそうだ。
「さて坂本。武勇伝を語るのは良いけどそろそろユクモに着くぞ。」
「ホントですかニャ! 俺、温泉に入って見たいですニャ!」
ユクモ村の温泉はオトモアイルーだけとは言わず、村に迷い込んだアイルーやメラルーの入浴も許容している。
が、オトモアイルーとして認定されていないアイルーだと少し金がかかる。
予想はしていたが、出来るだけ出費を抑えたいちょくえ。だがしかし、ここは友好の印に共に風呂につかっておいた方が良い気もする。
「どうかしましたかニャ?」
いつまでも何も言わないちょくえを心配したのか、坂本が可愛らしく顔をのぞかせていた。
自分から引き取っておいて心配をかけるわけにもいかないので、何もなかったかのように「いやなんでもないよ」と答える。
しばらくすると台車はユクモ村の入り口に着いた。
坂本は台車から飛び降りると、初めて人間の村をみたかのように興奮して言った。
「ここがユクモ村ですかニャ! すごいですニャ! アイルーの群とは大違いですニャ!」
ちょくえからすれば自分はほぼ一切貢献してないのであまりいい顔は出来ないのだが、こうもべた褒めされるとちょっと調子に乗りたくなってしまう。
「ま、まあ人間の村だからな。ハンターもたくさんいるし、ココット村から観光に来てる奴もいるんだぜ!」
嘘です。ココット村からの観光客は長期休業でもない限り滅多にきません。と心の中で真想をぶちまける。
だがそんな知識を一切持っていない坂本は、まるでちょくえがこの村を築いたかのようにちょくえのことまでほめだした。

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最終更新:2014年03月16日 19:10