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骨を砕き、肉を噛みつぶす音が《渓流》の一角に響き渡る。
生きる為だとは言え、弱肉強食のルールというのを実際に目の当たりにすると、このルールがいかに理不尽なものか思い知らされる。
「と、とにかく早く逃げましょうニャ……。ここにいたら俺達までグァーガみたいに…。」
坂本が声を殺してちょくえに話かける。
ちょくえは坂本の声を聞いてやっと我に返ったのか、「そ、そうだな」と同じく声を殺して坂本に返事をする。
冷静に考えれば、こんな状況で焦らない方がおかしかった。それを思い返すと、ちょくえの心臓が爆発的な鼓動を刻む。
やばい殺される。ちょくえの頭はたったこれだけの情報に支配される。
ベースキャンプへの移動を焦るばかりか、足元が水溜りになっていることすらも忘れて、思い切りベースキャンプに向かって駆け出してしまった。
ぐわっとグァーガの捕食をしていた【ジンオウガ】がついさっきまでちょくえ達がいた場所を振りかえる。
食べ途中のグァーガから離れると、ゆっくりベースキャンプの方へ歩いていく。
ベースキャンプではちょくえと坂本が心臓をバクバクさせながら荒い息を吐いていた。ベースキャンプにくれば大丈夫だろうという勝手な妄想が、頭の中を安堵一色に染め上げてしまう。
ホッとちょくえが一息ついた瞬間、ちょくえの背後から青白い閃光が真横を通り過ぎて、ベッドに直撃した。
雷撃の直撃を受けたベッドが崩れる。それと同時に燃えやすい布に雷撃が引火して家事を引き起こす。
「は?」
再びちょくえの思考回路が断たれた。次こそ何が起きたのかさっぱり分からない。
最終更新:2014年03月16日 19:17