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後ろを振り向くと、確かにさっきの【ジンオウガ】がいた。顔や前足が真っ赤に染まって、しかし体中に青白い稲妻を纏っている狩人が。
「は?」
ちょくえはもう一度アホみたいな声をあげる。ベースキャンプまで来れば安全だと教えてくれたのはギルドだったはずだ。
ベースキャンプにモンスターが侵入してくるなんて聞いたことがない。
が、自然というのは甘くない。ベースキャンプだか人間の文化の象徴である村だか知らないが、野生のモンスターにとってはそんなことは関係ない。
食料があればそこに出向くだけだし、食料がなければ別の縄張りを探すだけ。
この世界には食物連鎖の頂点に立つ【イビルジョー】というモンスターがいるらしい。
【イビルジョー】は特定のテリトリーを持たずに各フィールドを好き勝手に彷徨って、そこに生息している野生動物を絶滅に追い込む程の危険なモンスターだ。
過去幾度となく討伐隊が派遣されたが、あとに見つかったのは肉塊と骨と大量の血のカーテンになった討伐隊の面々。
時に人間すらも捕食するのがモンスター。人間からすればたまったものじゃないが、モンスターからすれば生命を維持するために必要不可欠な行為を採っているだけだ。
そして今。ちょくえの目の前にいる【ジンオウガ】も己の腹を満たすため。己の命を繋ぐためにちょくえを殺そうとしている。
【ジンオウガ】がその強靭な前足を振りあげる。それを振りおろせば、ちょくえは顔を半分に引き裂かれ、グァーガと同じただの肉塊に化けてしまう。
だがちょくえは動けない。動こうにも足が反応しないし、そもそも頭が全く動いてない。

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最終更新:2014年03月16日 19:17