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「ふぅ。ご馳走様です。」
「ご馳走様ですニャー。」
「うむ。お粗末様。」
《渓流》でのランニングを終え、坂本にロマンチックの使い方を必死に教えたところで、教官が朝ごはんをご馳走してくれた。
いかにも男らしい特大のおにぎりに、ボクシングの選手が減量するための食事のような卵の白身だけで作った卵焼きがあったり、飲み物がプロテインだったりといろいろぶっとんではいたが。
「さて、朝言ったように今日は武器を使った訓練に入る。」
教官がタイミングを見計らったようにちょくえ達に話しかけた。
「坂本はアイルーだから鎌か鎚か剣。ちょくえはハンターだから各種武器から1つ好きなものを選んでくれ。」
「何でもいいんですか?」
「初心者は大剣が一番やりやすいだろうが、お前は少なからずギルドで訓練を受けてる身だからな。完全に初心者ってわけじゃないだろう。」
「まあそうですけど……。とりあえず無難に大剣を選んでおきます。」
「ニャー。俺は剣がいいニャー。なんかカッコいいし。」
それぞれが無数の武器の中から気に入ったものを1つ選んでいく。
次に防具が渡され、坂本はランニングで使った防具を、ちょくえにはハンター装備を一式貸してくれた。
「で、武器を使った訓練って具体的に何をするんですか?」
「ん? まあとりあえずはジャギィを一匹だけ離してある闘技場でそれを狩って見てくれ。大剣なら当てれば沈むだろうから、難しくはあるまい?」
「……ジャギィノスすら狩れなかった俺にはそれでも十分厳しいですけど……。」
「安心しろ。ジャギィはジャギィノスより力もないし肉も骨も強くない。噛みつきもその防具さえあれば防げるだろう。ただすばしっこいから気をつけろよ。」
まあ最後はやってみないと分からんがな!と教官は笑いながら闘技場の大きな扉を解放していく。
扉が空くと、闘技場の中心付近で寝ていたジャギィが目を覚まして此方を見ていた。
「おっと、坂本はここでお留守番な。」
「? 何でですかニャ?」
「(これはあいつの訓練の方針を決めるテストみたいなもんだからな。一人じゃないと意味がないんだ。)」
教官が坂本の耳元で囁くように言う。ちょくえに聞こえても問題ないだろうが、変にプライドを発揮されても困るだけだ。ちょくえのありのままの狩猟スタイルを見て、今後の方針を決めようという、いかにも教官らしい修行法だった。
「(な、なるほどですニャ……。)」
坂本も納得したらしく、武器を地面に置いた。
「何話してるんですか?」
大剣を軽く振って調子を確かめていたちょくえが不思議そうに教官と坂本に言う。
「ん? なんでもないぞ。とりあえずジャギィがここから出てくると困るからお前は早く闘技場の中に入れ。」
「はい。じゃあ行ってきます。」
「おう。頑張ってこいよ。」
教官はそれだけ返すと、闘技場の扉を閉める。
ぎぃ…という錆びついた音とともに巨大な扉がちょくえとジャギィだけの空間を作り出す。
「さて。お手並み拝見と行こうか。落ちこぼれたハンターさん。」
「なんか教官が変にかっこよく見えるニャー……。」

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最終更新:2014年03月16日 19:23