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「ああ、ごめんな坂本。お前を殺すつもりは一切ないから安心しろ。村にいるアイルーやメラルーは原則として村人として見る事が決まってるからな。」
「……それは分かってますニャ……。でもちょっと怖かったですニャ。」
「ははは。すまんな。……で、だ。ちょくえ。お前に良いことを教えてやる。『依頼人と依頼を受けるハンターの気持ちは常に同じでないといけない。』こいつはあくまで俺の持論だが、依頼人と同じ心情になればモンスターを殺すことにも自然と躊躇しなくなる。まあ村の近くにいて怖いから討伐してくれって依頼も少なからずあるんだが、それは依頼人の恐怖感を理解して上げられれば問題ない。」
「殺人鬼が殺人を犯すために変な理由をつけてるようで胸糞悪いと思うが、ハンターってのは噛み砕いてしまえば生き物を殺す仕事だ。生き物を殺せないハンターはハンターにあらずってな。」
「そうですね。なんか気分がすっきりしました。ありがとうございます。」
これまで黙っていたちょくえがついに話す。吹っ切れたのか、無理やりなのかはちょくえ自身にしか分からない。
しかし教官から見たちょくえは、やっと本気でなってくれたように見えた。これならジンオウガだけじゃなくあのモンスターも……。
「さてと。これで方針は決まったな。筋は良いがまだ臆病なところがある。それを徹底的に鍛え直すぞ。」
「え? 方針……?」
「なんだ放送を入れた時から気付いてるのかと思ったが。」
放送……。とちょくえはもう一度闘技場での出来事を思い出す。そういえばいきなり教官が放送で大声を……。」
「もしかして、ずっと見えてたんですか?」
「おうよ。坂本も見てたぞ?」
な……。と自分の弱みでも握られたようにちょくえの身体から冷や汗が溢れる。
まさかこんなところで醜態をさらすとは……。
ちらっと坂本の方を見ると、坂本は気を使ったように無理やり「大丈夫ですニャ!!!」とやたら大声で答えた。
(うわっうわぁ……。これは立ち直れそうにない……。)
ちょくえはそんなことを思いながら、頭を掻き毟ろうと思ったが、次は防具を被っていることを忘れていたようで、甲冑をつけた手で思い切り頭を殴ってしまった。
それを見るなり、坂本と教官が大声で笑った。
まだひどいところを見せてしまったようだ。

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最終更新:2014年03月16日 19:27