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「さて今日はお前さんに依頼が届いてる。」
ジャギィの討伐演習で方針が決まったとかなんとか言っていた筈の教官が、なぜかいきなり依頼を持ちだしてきた。
まさか依頼をこなすことが方針と言うんじゃないだろうな…とちょくえは戦慄する。
これじゃ修行ではなくただクエストをこなすハンターと同じじゃないか。
「ん? いきなりすぎるという顔をしているな。今回受けてもらう依頼は簡単なもんだから安心しろ。まあ昨日の感じで12頭のジャギィを狩ってもらうだけだ。」
「ジャギィノス8頭すら狩れなかった……」
もはやお決まりのセリフを吐こうと思ったちょくえだったが、言い終わる前に教官が手でちょくえの口を制した。
「もうそれは良いだろう。お前の大剣捌きはなかなかのものだった。それならジャギィジャギィノスぐらい簡単に狩れると思うが?」
確かにちょくえ自身、昨日の演習で軽く自信が付いていたのは事実だ。
食わず嫌いだった料理を食べてみると意外とおいしかった、に似た感覚で、今まで無理だと決めつけていたことをいざやってみると案外あっさり出来てしまうようなものである。
「ま、まぁ……。」
「ならさっそく準備だ! 依頼主は砂原付近の村人だ。今は昼間だから砂原に行く時はクーラードリンクを忘れずに。つっても今日は俺が全部用意してやったけどな。」
ガハハハ!と笑いながら教官が言う。
「クーラードリンクって飲んだことないんですけど、防具着てても暑くないものなんですか?」
「くーらーどりんくってどんな食べ物ニャ?」
ちょくえと坂本が同時に質問する。教官は苦笑いを浮かべながら、それぞれの質問に答えていく。
「クーラードリンクってのは体温が上がらないように身体を冷やすことが出来る飲み物だ。これは防具の上からでも問題ない。が、周囲の気温によっては持続時間が短くなったりするから気をつけろな。」
「それって俺でも飲めますかニャ?」
坂本が首をかしげながらかわいらしく問う。
「ん~。アイルー用のクーラードリンクはないんだよなぁ。獣人族は周囲の気温に対応する能力に長けてるから、クーラードリンクを飲む必要性が薄いんだ。狩猟笛の旋律によっては、アイルー達にも耐暑の加護を与えられると聞いたことはあるが。」
でも美味しいものじゃないぞ? 一種の薬みたいなものだからな。と教官は付け足す。
それを聞いてちょくえと坂本はうげぇとあからさまに嫌そうな顔をする。
「ちょっと味見してみてもいいですか?」
「おう構わんぞ。」
そういって教官は蓋を開けた『クーラードリンク』を一本差し出してきた。
周りの気温よりも低温なのか、『クーラードリンク』から白い煙がちらちらと流れている。
パッと見、ドライアイスを連想する飲み物だが本当に大丈夫なのだろうか。ちょくえは戦々恐々とそれを飲む。

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最終更新:2014年03月16日 19:30