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──翌日──  の昼

「はい、これウイルス」
平行が注射器を机の引き出しから取り出して水素に見せる。
「正しい摂取方法は知らんけど、血管に直接やってみるつもりだ。で、副作用がちょくえの性格に変化。おk?」
「おk」
水素が右腕の服をまくって椅子に座る。性格変化などどうとも思っていないような顔で睨みつけるように注射器を見つめる。つか睨んでる。
「ついに僕のお仲間が増えるんですね」
モルモットがケージに手をかけながらその様子を見守っていた。
「ああ、お仲間だ」
呟くような口調でモルモットに言葉を返した平行はゆっくりと水素の血管に注射器をさして、これもまたゆっくりとピストンを押した。
「ん」
微妙な痛みが水素の右腕に走る。
その痛みはピストンが深く押さされば押ささるほど強くなったが、大して強くない痛みでピストンは押し切られた。
「はい終わり」
平行がゆっくり注射器を抜く。
「んで、今どんな気分?」
「ん、血管が熱いな……」
注射器を投げ捨てるように机に置いた平行がノートを取り出して「血管が熱くなる」とメモをした。
「他には?」
「他って……、何も……」
水素が自分の体を観察するみたいに眺めるが、変化は血管が熱くなる以外感じられない。
「え?んじゃぁさ、今期アニメまだ始まったばっかりだからとりあえず手当たり次第に録画してくか?」
端からみると注射した後の質問にしては馬鹿みたいなことを聞くが、水素は依然自分の体を眺め、
「いや、そんな気にならんな……、副作用って本当に性格変化か?」
確信ではなく疑問しか浮かばない。
「ん、なら、モルモットのケージの上の佐天さんのフィギュア触ってみるか?」
端から見なくても馬鹿みたいだが、やはり水素は反応を示さない。
「何でやろね。後から効くタイプ?」
平行がノートとペンを持ったまま首をかしげる。
「後から効くタイプか、人間には副作用がないかじゃないですかね」
モルモットが意見する。若干意外なモルモットの反応に、水素と平行が不思議そうにモルモットを見た。
「な、なんですか、僕変なこといいました?」
「いぃや、姿と似合わないようなこと言うなぁ、と」
平行がゆっくりとした口調で喋る。

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最終更新:2014年04月27日 16:33