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「動くな!」
すぐさま部隊全員がサブマシンガンを平行へ向ける。突然の事態に平行が混乱して手を数秒バタバタさせる。
「え、ちょ、え? あー、これってヤバい状況?」
「お前にとってどういう状況かなど知らん。ウイルスはどこだ」
隊長が鋭い声で問いかける。威圧感たっぷりだ。
その威圧感をもろに受けた平行が、混乱していたのが嘘のようにニヤリと微笑を浮かべる。
「水素! アサルトライフルだ! 敵は5!」
そして叫んだ平行が飛び込み前転の要領で真横に飛び込み個室の影に隠れる。
「撃つな!」
他の兵の銃口が動くのを感じた隊長が叫びながら左手を真横に出す。
ネットカフェの中に再びザワザワとした不安が現れた。個室から出て何が起きたのかを確認しようとする人もいる。
「わかってますよ。ですがあいつらアサルトライフルを持っているようです。どうしますか」
部隊の中で一番若く見える兵が銃を下ろして隊長に問う。
「外だ。お前ら2人は非常口、お前ら2人は正面入り口、俺はその中間で連絡係になる」
「了解」
部隊全員が正面入り口から一斉に外にでる。
その内2人が店を出てすぐ壁に張り付いて隠れ、他3人は店の周りを走っていった。
「……、配置に着いた」
店を出て約10秒、隊長が正面入り口の2人に報告し、そしてその2人は親指を立てる。
「水素、すぐそこに非常口がある。そこから逃げよう」
「ああ」
ネットカフェの中で、アサルトライフルを手に持った水素が、屈みながら走る平行が指差す方向を見てうなずく。包囲されているとも知らずに。そして小走りで非常口へ向かい、平行が勢いよくドアを開けた。
「何!?」
開けたドアの先で突如目の前に現れた、サブマシンガンを構えた兵に驚いた平行がしりもちをつくみたいに転び、水素は状況を理解するやいなや、その兵へ向けてためらいなくアサルトライフルの引き金を引く。その瞬間、非常口で待ちかまえていた兵のうめき声と個室の至る所からの悲鳴が上がった。
「こっちだ平行!」
水素が非常口へ向けて威嚇射撃をしながら正面入り口へ向かう。平行は慌てて立ち上がって水素を追う。
「ま、待て水素」
その声で水素が振り返って平行が立ち上がるのを待つ。しかし平行が立ち上がると、何のために待ったのかわからんレベルで平行を無視するかのごとく猛スピードで正面入り口へ走って、正面入り口の自動ドアをぶち破って外へ出る。すると、
「もらった!」
と、正面入り口で待ちかまえていた兵2人がイタズラに成功したガキみたいな顔をして水素の後ろからサブマシンガンを連射する。
「!?」
だが、声と銃声に驚いて後ろを振り返った水素が銃弾を視認すると、超人的な動きで銃弾を避ける。その動きは人間の目ではとても追えない。
そしてついに30発×2人分の60発を全て避けきってしまった。水素の後ろの蜂の巣になった壁が回避した証拠として恐怖のオーラを放っている。
そのオーラと水素の姿に驚き唖然とする兵を嘲笑うかのごとく、最後の銃弾をかわした、身を屈める体勢のまま顔を兵2人に向けて水素はゲスい笑みを浮かべる。
「なんだ、こいつ……ごはっ!」
屈んだ体勢から地面を蹴って瞬間移動さながらのスピードで突撃した水素が1人の兵の頭を掴んで半端ではない勢いでその頭をネットカフェの壁に埋め込んだ。
「てめぇぇっ!」
その様子を見て怒りに呑まれた隊長が建物の影から飛び出して、物凄い形相でサブマシンガンを叫びながら連射する。
しかし水素は冷静に銃弾を全て避け、その回避運動中に片手でアサルトライフルを2発撃った。
最終更新:2014年04月27日 17:17