『7.ウイルス適合者』
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とある住宅街に数台のパトカーのサイレンがけたたましく鳴り響く。音消せよ。
その上自衛隊の装甲車までもがパトカーに付いてきて住宅街に入ってきた。
それほど異質な状況に不安を覚えた辺りの住民が、何が起きたのかと窓や玄関から顔を覗かせている。
すると、その住民達の視線を集めている数台のパトカーの先頭が、ある家の前で止まった。それに続いて後続のパトカーと装甲車も止まる。サイレン音も止まった。
突然の静けさにザワザワと住民達に不安が襲う。
そしてそのパトカーから最初に出てきた警察官が無線機を取り出し、「ある家」の全体を眺めるように見上げながら口を開いた。
「平行宅に着きました。これより家宅捜索を始めます」
そんなことを知らずに埼玉にいる平行は水素と別行動とし、監視カメラに写りにくいであろう建物と建物の隙間を歩いていた。
「さて、このウイルスをどうするか。捨てて投降ってのもありだが、それは最終手段だな」
右手に持っているバックをチラッと視界に入れた。平行はこれで何をしたかったのか。
「そんなもん、俺にもよくわからん。……ん?またヘリか、クソ」
平行の両隣の建物が邪魔でどこから飛んできているのかわからないがプロペラ音が聞こえてきた。
その音に恐怖感を感じた平行がとっさにしゃがんで上空を見上げる。が、その視界に入ってくる鳥にさえ恐怖を覚える。ビビりすぎて動けない。
というか足音が聞こえてきた。本格的にヤバい。殺される前に死にそう。
(ヤバいよこれ、どう逃げる?そもそも足音はどっちから?左からか?なら右……)
ドンッ
と、突如上から何か落ちてきたような音が「右側」から響いた。もちろんその音は平行の緊張と恐怖に拍車をかける。
(待ってくれ! 3方向挟み撃ちってのはないだろ!いや、待て、左右がダメ、前後は建物、上にはヘリ……、ということはちょ待て、お願い)
そうこうしてる内に足音が明らかに大きくなってきた。
(ああ、もうダメか)
「ん?」
「あえ?」
ほぼ諦めていた平行が「ん?」という声が聞こえた方をパッと振り向くと、そこには入間向陽高校の制服が立っていた。ただし武装をしている。
「あ、お前、ちょくえに撃った……」
「ああ、佐藤と一緒にいたやつか」
顔を見合わせるなりお互いに目の前の人が誰か理解した。するとその理解で平行はピンときた。
「あ、お前、ウイルス適合者……」
「……は?」
生徒は口を疑問系の形でポカンと開けてジト目で平行を見つめる。無理もない。しかし平行は生徒の疑問を無視してバックから6本の注射器を取り出した。
「は?」
生徒の声が威圧的になる。無理もない。
「これをお前に投与する必要がある。俺達が埼玉に来た理由はこれなんだ」
「無理がある」
生徒、メタネタ絡みの即答。しかし平行は再び無視をして歩み寄ってくる。
最終更新:2014年04月27日 17:19