『9.覚醒(キリッ』
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「うわぁっ!」
アサルトライフルを撃った生徒が反動で後ろ向きに転びそうになった。しかし、平行がすかさず生徒の体を支える。
「おいおい、ただの高校生がアサルトライフルをフルオートで撃つなよ」
「ああ、そうね、じゃあセミオートで」
平行に支えられたまま本当にモードを切り替えた。
「いやいや、そういう問題じゃなくてさ、いやでも案外そういう問題かもな。とりあえず逃げるぞ!」
そう言って平行が生徒の手を引っ張って走る。引っ張られた生徒はまた転びそうになったが、すぐ体勢を立て直して平行について行く。そしてそれを、一発被弾した腕を抑えながらフクナガが半端ない威圧感出しまくりで無言で歩いて追う。しかもかなり大股だ。
その大きな足音を背に平行と生徒が走っていると目の前に大通りが見えてきた。監視カメラから逃れてきたのにこれでは意味がないが、だからといって引き返すことはできない。
「糞、でかい通りに出ちまった。ヘリとあいつに挟み撃ちにされたらそれこそ死ぬぞ」
そう平行が走りながら呟くとフクナガが突然、
「安心しろ、俺は実戦テストを兼ねて投入された生物兵器だ。ヘリはテストの邪魔をしない」
と、腕を抑えていた手をゆっくりと下ろしながら、低くて野太い声で喋った。変声機を使ったみたいな声だ。
「え、お前喋れんのかよ」
平行がそうツッコんだ瞬間、生徒の腕を持っている右腕が少し重くなった。
「ん、どうした?」
平行が立ち止まって振り返ると生徒が崩れるように倒れてきたので、慌ててまた生徒の体を支える。
「お、おい、お前熱いぞ……、大丈夫か」
「大丈夫じゃないんだけど……、ハァ……ウイルスの演算間違ってたんじゃないの……」
フクナガが近付いてくる。
「糞、マジか……、仕方ねぇ!」
平行が赤ん坊を抱くように生徒を抱えて後ろに軽くジャンプしてフクナガとは逆方向の歩道に着地すると、静かに生徒を寝かせた。
「待ってろ」
そしてフクナガを睨みつけて独り言みたいに呟く。
「殺す」
最終更新:2014年04月27日 17:24