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第三章【二日目】


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夜は激しい戦闘が行われた島だったが、朝の方が比較的静かだった。
森と浜辺の狭間辺りで野宿していたフクナガは起床したあと大きく背伸びし、辺りを見渡した。

フクナガ「・・・! 昨日は暗くてよく見えなかったが、此処鵜渡根島なのか・・・。北側に山があって中央は森・・・。海岸沿いは浜辺。戦闘しやすそうなのは山の方だな。朝飯食ったあと行ってみるかー。昨日は一人も会ってねーし、そろそろ俺も戦闘しないと体が鈍る」

フクナガは此処へ来たとき持っていたバッグを開け、食糧を取り出すと同時に生存者リストを覗いた。

フクナガ「・・・。もうこんなに死んでる。やっぱ皆戦ってるんだな。こうしちゃいられねぇ!」

フクナガは食糧を口にほおばる速さを上げた。
そして食事中、彼は一人でいろいろ考えていた。

フクナガ(・・・管理人、なんでこんなことしたんだろう。俺達に殺し合いをさせて、生き残った人だけ現世に戻して、あの人にとって何の得があるんだよ。まさかとは思うが、俺らが日頃からポケガイの使い方を間違ってることに恨みを抱えてる? ・・・そんなわけないか)



北側に聳える山。
それを登る住民が一人いた。
彼の名はいぬなり。
彼は昨晩、自分以外の住民には一人も会っておらず、自分の能力を速くコントロール出来る様にならなければと焦っていた。
山はどちらかというと平べったい方で西側の傾斜は緩いが、東側はかなり傾いており、登るのは困難。
いぬなりは西側を登っていた。

いぬなり「・・・ん? ここは頂上・・・じゃないか」

山を登っている途中急に視界が晴れたと思いきや、歩いていた地面が平らになった。
そこはまだ頂上ではなく、山の中間地点ににてはかなり広いグラウンドだった。
そのグラウンド沿いに岩の柱がいくつか並んでおり、奥の方には頂上への山道が繋がっていた。
戦闘にはもってこいの場所だが、人はいない。
・・・と、彼は思い込んでいた。

???「お、最初の獲物発見!」

辺りに人はいないはずなのに声が聞こえた。
気のせいかとは思えないほどはっきりと。

いぬなり「・・・! そこか!」

いぬなりの視界の先にあるのは岩の柱。
その上に人間が一人座って彼を見下ろしていた。

大沢「おはよう、いぬなり」

大沢は岩の上から飛び降り、いぬなりに向き直った。

いぬなり「あぁ、おはよう」

大沢「おや、丁寧に返してくれるとは嬉しい限りだ。今日は随分気持ちのいい朝だ」

いぬなり「だがどんなに気持ちのいい朝でも俺は気を抜かない。お前だって分かってるだろ、大沢」

大沢「もちろんさ。この世界にいる限り、人と人との対面は始まりを意味する。殺しあいのな!」

大沢は片手を空に上げた。
見れば数分前まで青かったその空はいつのまにか黒い雲に覆われていた。
そして、突如その中から雷が此方に向かって落ちてきた。
いぬなりは間一髪かわしたものの、彼の立っていた場所の地面は砕かれて穴が開いていた。

いぬなり「このっ! 雷掌(イズツシ)!」

大沢「うごっ! か・・・体が・・・!」

いぬなりの両手から出た電流が相手を感電させ、動きを封じた。

大沢「ははっ、お前も雷を操るのか。だが動きを封じたところで何も・・・!」

突如、空が光に満ち溢れた。いぬなりはハッとして大沢から距離を取った。
次の瞬間、彼の立っていた場所を落雷が直撃した。

いぬなり「手足を封じられても雷を落とせるのか」

大沢「ヘッ、残念だが俺の力は雷を操ることだけじゃないぜ?」

身動きが取れるようになった大沢は再び片手を上げた。
すると今度は雷ではなく大量の雨が地に降り注ぎ始めた。

いぬなり「・・・なんだこれは」

大沢「へッ、俺は天候を操ることができんのよ。そしてずぶ濡れになったお前はより電撃を喰らいやすくなる」

いぬなり「あぁ、そのことなんだけどさ」

大沢「喰らいな!」ピカッ

いぬなり「一つ言い忘れたことあってよ」

いぬなりが言い終える前に彼の頭上に雷が直撃した。

光が晴れ、雷が落ちた場所がはっきり映った。
そこにはいぬなりが立っていた。

大沢「はぁ!?」

いぬなり「・・・俺の体全体、今も電流が流れてるから電気系の技効かないんだわ」

大沢「なっ! んじゃなんで今まで避けてたんだ!」

いぬなり「さぁ? ノリ? とにかくこれで分かったろう、お前の技は通用しない」

大沢「え?」

いぬなり「悪いがこの勝負、俺の勝ちだ。」

大沢「ちょ、やめ」グサッ

いぬなりの鋭く伸びた爪が大沢の胸、いや心臓を貫通していた。

大沢死亡
計45/56名

いぬなり「へぇ、俺爪伸ばすこともできんだ。まぁいいや、とにかく先へ・・・ん?」

いぬなりは後ろから何者かが遣ってくることに気がついた。
それは山道を登っているのではなく、空を飛んでいる。
しかも人間じゃないが人間の形をした何か・・・。

いぬなり「! あれは・・・ガン・・・ダム?」

ガンダムはグラウンドにいぬなりがいることを確認すると、そこへ着地した。

いぬなり「・・・誰が乗ってんだ?」

???「お前、いぬなりか?」

いぬなり「!! ・・・そうだ。お前は誰だ?」

???「俺はフクナガだ」

フクナガ「そこの死体・・・大沢か?」

いぬなり「あぁ。さっき俺が殺した」

フクナガ「へぇ、人一人殺せる程度の力はあるのか。ならば少しは楽しめそうだな」

いぬなり「その機体がお前の武器か」

フクナガ「そう、これが俺の魂ダブルオーライザー。こんな巨大な相手に立ち向かう勇気がお前にはあるか?」

いぬなり「・・・ある」

フクナガ「面白い、遣ってみな」

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最終更新:2014年01月07日 15:25