6ページ目

「スライムだと思って侮ってたぜ……。ここからは本気だ!」

 地面にぶつかったスライムに追撃しようとはせず、呼吸を整え始めるキーファ。
 呼吸によりダメージを逃がし、更に攻撃への集中力も上げる。

 スライムは体勢を立て直すやいなや、三度目のたいあたりを繰り出した。

「――――ふぅッ!!」

 万全の状態でのうけながし。
 剣の腹でスライムの攻撃をいなし、受けた攻撃の反動を活かして身体全体を回転させる。
 そこから繰り出される一撃は通常の数倍もの威力となる。

 更に直前に行った呼吸法――きあいためによる作用もある。
 これはキーファが守り手になってしばらくしてから編み出した戦術であった。

「くらえ――――!!」

 回転による遠心力を利用した一撃。スライムがくらえば間違いなく真っ二つになるだろう。
 だが、

(いない!?)

 剣は虚しく空を切るだけだった。
 いくらきあいためで集中力を上げようが、相手がいなければ攻撃の当てようがない。
 スライムはキーファが回転する一瞬の内に姿を消してしまっていた。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2014年08月20日 17:01