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「スライムだと思って侮ってたぜ……。ここからは本気だ!」
地面にぶつかったスライムに追撃しようとはせず、呼吸を整え始めるキーファ。
呼吸によりダメージを逃がし、更に攻撃への集中力も上げる。
スライムは体勢を立て直すやいなや、三度目のたいあたりを繰り出した。
「――――ふぅッ!!」
万全の状態でのうけながし。
剣の腹でスライムの攻撃をいなし、受けた攻撃の反動を活かして身体全体を回転させる。
そこから繰り出される一撃は通常の数倍もの威力となる。
更に直前に行った呼吸法――きあいためによる作用もある。
これはキーファが守り手になってしばらくしてから編み出した戦術であった。
「くらえ――――!!」
回転による遠心力を利用した一撃。スライムがくらえば間違いなく真っ二つになるだろう。
だが、
(いない!?)
剣は虚しく空を切るだけだった。
いくらきあいためで集中力を上げようが、相手がいなければ攻撃の当てようがない。
スライムはキーファが回転する一瞬の内に姿を消してしまっていた。
最終更新:2014年08月20日 17:01