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直後、背中に大きな衝撃が与えられる。
スライムが背後からたいあたりをくらわせたのだ。
「ぐはっ!」
馬鹿な。今の一瞬でどうやって背後に回り、再度攻撃を仕掛けられるというんだ。
即座にスライムへと向き直り、そしてキーファは理解する。
木だ。
スライムはあえて木にぶつかり反動で背後へ跳び、
更にもう一度木にぶつかることで予備動作なしにキーファの背中を攻撃することが出来たのだ。
木に何度もぶつかったことで威力が分散してしまったのが幸いだった。
背中に攻撃を直撃させられたというのに致命的なダメージはない。
「スライムの癖に考えたな……。だが二度はないぜ」
キーファは剣を真上に掲げ、そして強く振り下ろす。
「しんくうぎり!!」
すると剣先から鋭い風の刃が生み出され、辺り一面の木々を切り裂いて回る。
流石に森の中の全ての木を倒すことはないが、これでもうスライムは木を利用した攻撃が出来なくなった。
最終更新:2014年08月20日 17:02