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「こい! ミルホッグ!」
 現れたのは赤と白で配色されたしましまのチョッキをきたネズミ、ミルホッグ。ミルホッグは出っ張った前歯をつきだし、威嚇する。

(相手はノーマルタイプのミルホッグ、それに対してこっちは格闘タイプのコジョンド。相性はこっちのほうが断然有利!なら)

 先手必勝。わたしは迷わず攻撃技、《飛び膝げり》を命令する。指示を聞いたコジョンドは弾けるように飛び出し、ミルホッグを蹴りつけようとする。だがその攻撃がミルホッグに当たるかどうかの刹那、男は吠えた。

「なめんな! ミルホッグ、《守る》だ!」

 ミルホッグの前に、半透明の薄い膜が構成される。それにコジョンドの膝はのめり込み、弾き帰される。《飛び膝げり》の反動からか、コジョンドはのたうちまわり、苦しがる。

「いまだ、ミルホッグ、《怒りの前歯》!」

 男はコジョンドが立ち上がるのを待たずに、攻撃を命じる。ミルホッグはコジョンドの喉元にまで飛びより、食いついた。

コジョンドの高い悲鳴が響き渡る。噛みつかれたところから少しずつだが、血が流れているのがわかる。

「やめて! お願い!!」
「甘いんだょ、お嬢ちゃん!! 半端になぁ、戦うつもりじゃ、しぬぜぇぇええ!! ハハハハハ」

 わたしの必死な懇願もむなしく、男は狂ったように笑い続ける。

「もどって、コジョンド!!」

 これ以上戦わせるのは危険だ、わたしはコジョンドをボールに戻そうと開閉スイッチに手をかける。だが応答はない。

(え? 故障? いや、そんなはずないよ)

 困惑し、慌てるわたしを男は指差しながら、自体の説明をし始めた。

「残念だったなぁ? おれはこのバトルが始まると同時に、《黒い眼差し》をミルホッグに命令していた。つまり、お前はコジョンドをボールにもどせないってことよ!」

 説明を終えると同時に、男は下品な笑みを浮かべた。

「なら、《トンボ帰り》!」

 これ以上は戦わせられない。でもボールには戻せない。ならポケモンの技で無理矢理、戦闘から逃げ出させるしかない。そう判断し、わたしは《トンボ帰り》を命じるも男はその先を読んでいた。

「だからな、甘いんだよ! お前の戦法はな! ミルホッグ、《不意討ち》だ!」

 ミルホッグから逃げ出そうと、繰り出された《トンボ帰り》よりも先に《不意討ち》が決まる。攻撃をもろに受けたコジョンドはその場にぐったりとたおれこんだ。

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最終更新:2014年08月23日 14:15